Category:その他
エネルギー省、次世代原子力技術の構築と導入に9億ドル
エネルギー省(Department of Energy)は10月16日、第3世代炉プラス(Generation III+: Gen III+)の小型モジュール炉(small modular reactor: SMR)技術の国内初導入を支援するため、最大9億ドルの公募(broad agency announcement: BAA)を発表した。資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。エネルギー省は、この資金を、米国内における先端原子炉技術の安全で責任ある導入を促進し、後続の原子炉プロジェクトを奨励して米国の野心的な気候目標を支援し、クリーンで信頼性があり手頃な費用の電力に対する需要増大に対応する計画である。エネルギー省は、まず、ファースト・ムーバー・チーム支援(First Mover Team Support)として、クリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)が最大8億ドルを最大2つの初動チームに提供する。チームは、ユーティリティ機関、原子炉ベンダー、建設企業、エンドユーザー/電力購入者で構成され、最初のプラントを導入することにコミットしつつ、複数炉のGen III+ SMRの発注へ向けて進み、設計段階から保護措置とセキュリティを組み込むために国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)と協力する機会がある。そして、2つ目に、ファスト・フォロワー導入支援(Fast Follower Deployment Support)として、原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)が、最大1億ドルを提供する。設計やライセンシング、供給事業者開発、拠点準備などで国内原子力産業の障害となっている主要な溝に対処することで、Gen III+ SMRの追加の導入を促進する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $900 Million to Build and Deploy Next-generation Nuclear Technologies” (10/16/24)
エネルギー省、持続可能航空燃料生産企業に条件つき融資
エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は10月16日、モンタナ・リニューアブル社(Montana Renewables, LLC: MRL)に最大で14億4,000万ドルの融資保証に条件つきコミットメントを発表した。最終的にまとまれば、同社がモンタナ州グレート・フォールズに所有する再生可能燃料施設の拡大へ向けて資金調達の一助となる。同施設では、サラダ油、脂肪、油を活用して持続可能な航空燃料(sustainable aviation fuel: SAF)や再生可能ディーゼル、再生可能ナフサを生産している。MRL施設は2022年後半から操業しており、現在は年間約1億4,000万ガロンのバイオ燃料(その大半は再生可能ディーゼル)を生産している。今回発表された融資保証がまとまれば、施設の拡大によって年間約3億1,500万ガロンのバイオ燃料が生産され、その大半はSAFとなる。 Department of Energy “LPO Announces Conditional Commitment to Montana Renewables to Significantly Expand US Sustainable Aviation Fuel Production” (10/16/24)
エネルギー省、持続可能な航空燃料の生産施設建設に条件付き融資
エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は10月16日、ジーボ・ネットゼロ1社(Gevo Net-Zero 1. LLC)に14億6,000万ドルの融資保証(建設中の資本化利息を除く)を提供する条件付きコミットメントを発表した。同社がサウスダコタ州レイク・プレストンに建設する、コーンスターチから航空燃料を生産する大規模施設の資金調達の一助となる。施設は、米国産の低費用かつ低炭素の飼料用トウモロコシを提供する広範な地元農家への重要なアクセスから恩恵を受け、これらの低炭素原料を用いて持続可能な航空燃料(sustainable aviation fuel: SAF)、再生可能ディーゼル、再生可能ナフサを生産すると共に、炭素捕獲及び隔離と、再生可能電力を使用して排出の低減に取り組む。本プロジェクトは、約1,300件の間接雇用と、100件の操業雇用を創出し、サウスダコタ州及び近隣州の経済成長に寄与する。 Department of Energy “LPO Announces Conditional Commitment to Gevo Net-Zero for Corn Starch-to-Sustainable Aviation Fuel Facility in South Dakota” (10/16/24)
NIST、標準化COE設立に1,500万ドルを助成
商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、重要新興技術(critical and emerging technologies: CETs)の国際標準における米国の関与を支援するため、センター・オブ・エクセレンス立ち上げに1,500万ドルを助成することを発表した。この新しい標準化センター・オブ・エクセレンス(Standardization Center of Excellence)は、ASTMインターナショナル(ASTM International)が主導し、標準開発エコシステム内の複数のパートナーが参加する。標準化センター・オブ・エクセレンスは、①国際的な標準化の取り組みに民間部門主導の参加を奨励、確実にするための標準化前の関与、②専門職のパイプラインを創出するための労働力の能力強化、③特定のCETに必要とされる業界主導の標準開発を加速させるため、NISTとの協調的なパイロット・プログラムを実施、④標準化にかかわる全ての関係者のための中央資源として機能する情報及びデータ共有ハブの創出、の4点に焦点を当てる。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards $15 Million to ASTM International to Establish Standardization Center of Excellence” (10/15/24)
商務省、炭化ケイ素製造に関し、ウルフスピード社との予備的規約を発表
10月15日、商務省(Department of Commerce)は、ウルフスピード社(Wolfspeed, Inc.)との間で、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、7億5,000万ドルの直接資金を提供することを目的として拘束力のない予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。これを通じて、ノースカロライナ州サイラー・シティにおける新たな炭化ケイ素製ウェハー製造施設「ジョン・パーマー製造センター(John Palmour Manufacturing Center)」の建設を支援し、将来のエネルギー経済や人工知能(AI)ブームを下支えする半導体の確実な国内供給を確保する一助とする。ウルフスピード社は、1987年にノースカロライナ州に設立され、炭化ケイ素によるウェハー及び機器の製造で世界的なリーダー企業である。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with Wolfspeed to Solidify U.S. Technological Leadership in Silicon Carbide Manufacturing” (10/15/24)
バークレー国立研究所、2023年における過去最高のソーラー導入を分析
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)による「ユーティリティ規模のソーラー(Utility-Scale Solar)」(2024年版)が発表された。5メガワットの交流電力を供給できる能力を持つ、地上設置型太陽光発電(PV)、PVと電池(PV+battery)、集光型太陽熱発電(concentrating solar-thermal power : CSP)プラントによる実証的なプラント・レベルのデータに関する分析を示したものである。報告書は、導入や技術、資本、運用費用、能力要素、太陽光エネルギーの平準化コスト(levelized cost of solar energy: LCOE)、電力購入協定(power purchase agreement:PPA)価格、卸売電力市場価、相互接続キューに関するトレンドを探索している。報告書の主要なハイライトとして、①2023年は、過去最高のユーティリティ規模のPV導入となり、市場は増大的に全国規模になりつつある、②設置費用は2023年も下落が続いた、③プラント・レベルの設備利用率は7%~35%と幅広く(ACベース)、サンプル中央値は24%、などが挙げられている。 Berkeley Lab “Berkeley Lab’s latest “Utility-Scale Solar” report analyzes record deployment in 2023” (10/15/24)
グーグル社とカイロス・パワー社、500MWの先端原子炉契約を締結
グーグル社(Google)は、カイロス・パワー社(Kairos Power)との間で、500メガワット(MW)の先端原子炉フリートのプラントを2035年までに開発、建設、運用する契約を交わした。最初の稼働は2030年までに行われる予定。両社が10月14日に発表した。カイロス社によれば、グーグル社は、「グーグル・データ・センターにクリーン電力を供給する適切なサービス領域に所在するプラントから、電力、付随サービス、環境特性を購入する」という。AIモデルやその他のデータ集約型用途によるコンピューティング需要により、データ・センターの電力需要は今後数年の間に急増すると予測されている。グーグル社は去る3月、ニューコア社(Nucor)、マイクロソフト社(Microsoft)と共に、クリーンで確実な電力源(先端原子炉を含む)に関する情報の要請(request for information: RFI)を発表していた。グーグル社とカイロス社の発表は、原子炉プラントの建設場所や建設される原子炉の数に関する情報には言及していない。 Utility Dive “Google, Kairos Power ink 500-MW advanced nuclear reactor deal” (10/15/24)
電池活用により、送配電の制約がある地域で再生可能エネルギーの価値は81%増加
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)が発表した報告書「制約のある電力市場における再生可能と電池のハイブリッド発電プラント(Renewable-Battery Hybrid Power Plants in Congested Electricity Markets)」によれば、送配電に制約がある地域の風力発電もしくはソーラー発電プラントに、1時間のエネルギー貯蔵を追加することで、エネルギー価値は上昇する。リアルタイムの電力市場価格に基づき、負荷センター(load centers。高い電力需要と高い価格で、エネルギーを地域へ移送する際の送電制約がある地域)近くのプラントでは49%、資源が豊富な地域にあるプラントのエネルギー価値は81%以上上昇するという。ハイブリッド式プラントの貯蔵能力を、1時間から4時間へ高めることで、エネルギーの価値は、負荷センター近くで更に23%、資源豊富な地域で32%上昇する。その一方、報告書の執筆者達は、4時間を超える貯蔵では、負荷センター近く及び資源豊富な地域のいずれにおいても、エネルギー価値の恩恵は最小限であることに驚きを示した。 Utility Dive “1-hour batteries can increase transmission-constrained renewable energy values 81%: LBNL” (10/15/24)
エネルギー省、高性能コンピューティングの資金提供公募を発表へ
エネルギー省(Department of Energy)の「エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)」イニシアチブは、今秋後半に新たな資金提供機会を発表する予定である。HPC4EIは、先端マテリアル及び製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)、産業効率及び脱炭素化局(Industrial Efficiency and Decarbonization Office)、化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)がスポンサーとなっているイニシアチブ。今秋に発表される資金提供機会には、HPC4EIの「製造業のための高性能コンピューティング(High-Performance Computing for Manufacturing)」プログラムが含まれ、このプログラムの下、競争的に選出されたプロジェクトは、モデリングやシミュレーション、データ分析を産業プロセス及び製品に適用し、生産費用の低減や、パフォーマンスの向上、市場化までの時間短縮に取り組む。 Department of Energy “DOE To Release Funding for High-Performance Computing” (10/10/24)
ARPA-H、感染予防と抗生物質への依存を削減
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は10月10日、「臨床的脅威の根絶と最適な治療のためのプロバイオティクス/プレバイオティクスの制御(Pro/Prebiotic Regulation for Optimized Treatment and Eradication of Clinical Threats: PROTECT)」プロジェクトへの資金提供を発表した。PROTECTは、有益な細菌を活用して有害な細菌に打ち勝ち、感染が定着するもしくは抗生物質耐性を構築する前に感染を予防もしくは早急に治療することを狙いとする。薬剤耐性(Antimicrobial resistance: AMR)は、急務の世界的脅威であり、世界中で死亡の最大原因の一つとなっている。PROTECTは、この課題に対処するARPA-Hとして過去1年間で3回目の投資となり、本件の投資合計額は現在、1億5,000万ドルを上回る。PROTECTは、AMRに対抗するための一般化が可能なプラットフォームの開発を目指す。カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の研究者が主導する学際的チームが最大2,270万ドルを受益し、肺のマイクロバイオームを調査して、有害な細菌に効果的に対抗できるプロバイオティック及びプレバイオティックの製剤の特定に取り組む。 Advanced Research Projects Agency for Health “HHS announces ARPA-H project to prevent infections and limit reliance on antibiotics” (10/10/24)