Category:レポート
気候変動が今後米軍に及ぼす影響は甚大との予測
米国研究評議会(National Research Council: NRC)が中央情報局(Central Intelligence Agency: CIA)やその他の情報機関から委託を受けて作成した報告書によれば、気候変動は加速しており、今後数年間のうちに世界中で更に破壊的な事象が起こり、米軍及び情報機関は前代未聞の負担を強いられることになるであろうという。気候変動が原因で発生する危機は、内部の不安定性や国際的対立をもたらす可能性があり、米軍は人道的支援や、場合によっては重要なエネルギーや経済、その他の利益を保護するために軍の出動を余儀なくされるかもしれないという。国防総省(Department of Defense)は既に気候変動対策に着手し、数十億ドルを投じているが、NRC報告書は、「米国は気候変動がもたらす惨事への対応が準備不足である」と警告している。 New York Times “Climate Change Report Outlines Perils for U.S. Military” (11/9/12)
オークリッジ国立研究所のスパコン「タイタン」がスパコンの演算性能で世界1位に
世界のスパコンの演算性能を集計、発表する「トップ500リスト(TOP 500 List)」が11月12日に発表した下半期報告によれば、オークジッリ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)に設置されているクレイ社(Cray)製のスパコン「タイタン(Titan)」がリンパック・ベンチマーク(Linpack benchmark)で17.59ペタフロップスを記録し、世界1位となった。ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)にあるIBM社製「セコイア(Sequoia)」は2位となり、次いで、神戸市の理化学研究所にある富士通製スパコン「京」、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)にあるIBM社製「ミラ(Mira)」、ドイツのユーリヒ総合研究機構(Forschungszentrum Juelich)のIBM社製「JUQEEN」となっている。スパコンの設置台数は米国(250台)が圧倒的1位で、次いで中国、日本、英国であるが、実行性能の総計では米国に次いで日本となっている。 TOP 500 “Oak Ridge Claims No. 1 Position on Latest TOP500 List with Titan” (11/12/12)
米中経済安全保障委員会(USCC)、中国からの直接投資に関する報告書を発表
米中経済安全保障委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission: USCC)は11月7日、「米国経済における中国投資の分析(An Analysis of Chinese Investments in the U.S. Economy)」と題する報告書を発表した。これは、中国による外国直接投資(foreign direct investment: FDI)の分野的及び地域的パターンや、米国経済への効果、米国における規制や監督について詳述したものである。それによれば、中国による米国企業への投資の特徴として、①中国政府は意図的な選択を行い、その外貨資産を有形資産に拡大している、②中国政府によるFDI政策ガイダンスは、従来は発展途上国におけるエネルギーや資源の購入がほとんどであったが、現在は先進国への投資も奨励しており、政策ガイダンスの変化が見られる、③米国の州及び連邦政府は雇用創出や地域経済活性化のため、中国からの投資を積極的に誘致している、といった点が挙げられている。また、米国企業に対する中国のFDIは、雇用の増加や金銭的問題を抱える企業の安定化といった効果をもたらしている一方、中国公営企業が中心である中国のFDIによる政策的課題も指摘されている。 The U.S.-China Economic and Security Review Commission “An Analysis of Chinese Investments in the U.S. Economy” (11/7/12)
国防総省、質の高いSTEM労働者不足の可能性に直面
米国工学アカデミー(National Academy of Engineering: NAE)と米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、国防総省(Department of Defense)における科学・技術・工学・数学(STEM)労働力に関する主たる課題は、重要なポジションに質の高い専門家を確保及び維持することであるという。そして、同省は採用に関する方針や慣行を見直して改革を行い、有能な科学者や工学者、技術者にとって魅力的な就職先となるべく、努力する必要があるとしている。具体的には、有能な外国人を対象とした一部のポジションにおける身元保証検査の必要性の見直し、国防総省が有能な人材をより多く確保できるよう、就労ビサ(H-1B visa)制度の見直し、STEM系ではないが非常に有能な個人に教育を提供する体制作り、などを提案している。 National Academies “DOD Faces Potential Shortfall in Quality STEM Workers; Overhaul of Recruitment Practices, Security Requirements Needed” (10/25/12)
拡大を続ける米国風力エネルギー業界
米国風力エネルギー協会(American Wind Energy Association: AWEA)が発表した「2012年第3四半期市場報告(Third Quarter 2012 Market Report)」によれば、米国の風力エネルギー業界は、かつてない成長を続けている。米国における導入済みの風力発電能力は5万1,630メガワット(MW)に達し、これは前年同期比40%となった。地域別の新規風力発電能力では、1,291MWが追加されたテキサス州が1位となり、次いで、カリフォルニア州(1,022MW)、カンザス州(836MW)となっている。AWEAの報告書は、エネルギー省(Department of Energy)が8月に発表した「2011年風力エネルギー技術市場報告(2011 Wind Technologies Market Report)」と同様、風力エネルギーの継続的な拡大を示している。 Department of Energy “U.S. Wind Industry Continues to Expand” (10/23/12)
米国著名大学の中でもスタンフォード大学におけるベンチャー資金調達が活発
CBインサイツ社(CB Insights)は、スタンフォード大学(Stanford University)、ハーバード大学(Harvard University)、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)、ニューヨーク大学(New York University)、ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の6大学の卒業生が創立または主導している企業と、彼らが獲得したベンチャーキャピタルやエンジェル投資を追跡した報告書「大学アントレプレナーシップ報告(University Entrepreneurship Report)」を発表した。それによれば、最も多くの資金を調達したのはスタンフォード大学の卒業生で、203件の資金取引で合計41億ドルを調達している(6大学の合計は559件の取引で合計126億ドル)。また、卒業生が地元州以外で企業を創立または主導する「卒業生流出率(alumni leakage)」が最も高かったのはハーバード大学とペンシルバニア大学となっている(いずれも65%)。 CB Insights “The University Entrepreneurship Report – Alumni of Top Universities Rake in $12.6 Billion Across 559 Deals” (10/26/12)
エネルギー省、共和党議員が作成した雇用報告書に反論
上院のジョン・スーン議員(John Thune、サウスダコタ州選出)とチャック・グラスレー議員(Chuck Grassley、アイオワ州選出)の2人の共和党議員は、「エネルギー省(Department of Energy)の先端電池製造プログラムによって創出された雇用一人当たりのコスト(税金)は15万8,556ドルとなっている」とする報告書を発表した。これは、同プログラムに投じた費用20億ドルを、同プログラムによって創出された雇用約1万2,614人で割ったものである。この報告書に対してエネルギー省は、①同プログラムに投じた費用はこれまでに13億9,000万ドルである、②両議員が指摘している雇用創出数は、同プログラムがサプライチェーンなどにもたらしたより広範な雇用影響を反映していない、と反論している。 The Hill “DOE pushes back against GOP energy stimulus jobs creation report” (10/31/12)
グリッド上のエネルギー貯蔵市場は2022年までに年間300億ドルを超えるとの予測
パイク研究所(Pike Research)は、エネルギー貯蔵に関する世界市場を長期的に分析し、同市場の急速な変化に伴う売上予測などをまとめた報告書「グリッド上のエネルギー貯蔵(Energy Storage on the Grid)」を発表した。それによれば、次世代揚水エネルギー貯蔵や圧縮空気エネルギー貯蔵など、グリッド上のエネルギー貯蔵(energy storage on the grid: ESG)に関する技術的選択肢は増えていると同時に、ESGの応用も増加しているという。こうした中、パイク研究所は、ESG市場規模は2012年には非常に小さいものの、2022年までに300億ドルを超えると予測している。また、世界的なESGシステムの総容量は2022年までに5万6,000メガワットに達すると予測している。 Pike Research “Energy Storage on the Grid Will Surpass $30 Billion in Annual Market Value by 2022” (10/24/12)
米国都市圏クリーン技術指数が発表される
クリーン・エッジ社(Clean Edge)は10月23日、第1回目となる年間報告「米国都市圏クリーン技術指数(U.S. Metro Clean Tech Index)」を発表した。同指数は、全米の50の大都市圏を対象に、グリーン建造物、先端輸送、クリーン電力及び炭素管理、クリーン技術の投資・イノベーション・労働力の4分野を比較し、順位付けしたものである。それによれば上位10都市は1位から順に、サンノゼ、サンフランシスコ、ポートランド(オレゴン州)、サクラメント、シアトル、デンバー、ロサンゼルス、ワシントンDC、ボストン、オースチンとなっており、米国西部の都市が多くランクインしている。 Clean Edge “WEST COAST CITIES TOP U.S. METRO CLEAN TECH INDEX” (10/23/12)
米国研究評議会(NRC)、藻類の持続可能性に関する報告書を発表
米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、報告書「米国における藻によるバイオ燃料の持続可能な開発(Sustainable Development of Algal Biofuels in the United States)」を発表した。同報告書の目的は、藻によるバイオ燃料生産の大規模導入に向けた手法に伴う持続可能性上の懸念の特定や予測、これらの懸念を緩和する潜在的戦略の検討、業界の進捗状況を監視する上で利用可能な指標や測定基準、収集データの提案などである。報告書は、「藻によるバイオ燃料の生産を拡大し、米国輸送燃料需要の最低5%(約390億リットル)を供給しようとすることは、エネルギーや水、栄養素の持続不可能な需要をもたらす」としている。ただしこれらは将来の生産における絶対的な障害ではないとした上で、「イノベーションが一助となって、藻によるバイオ燃料生産の可能性を全面的に実現することは可能である」としている。 Domestic Fuels.com “NRC Releases Algae Sustainability Report” (10/25/12)