Category:レポート
大学基金の投資リターンが急落
コモンファンド研究所(Commonfund Institute)と米国大学ビジネス担当者協会(National Association of College and University Business Officers)が10月25日に発表した予備的結果報告によれば、大学における基金の投資リターンは2012年度(6月末締め)に急落したという。基金の平均投資リターンは0.3%減で、これは平均19.2%増となった2011年度と対照的である。予備報告によれば、10億ドル以上の大型基金を抱える大学の投資リターンは1.2%増と良好だが、5,100万~1億ドル規模の基金の投資リターンは1%減とふるわなかった。予備報告は463件の大学を対象としたもので、1月下旬に発表される最終報告では800件以上の大学が含まれる見込みである。 New York Times “College Endowment Returns Fall Steeply” (10/25/12)
ソーラーエネルギー業界の雇用が急成長の見込み
クリーン・エジソン社(CleanEdison Inc.)が発表した報告書によれば、ソーラー・パネルの価格下落が追い風となり、米国ソーラーエネルギー業界の雇用成長は風力エネルギーの雇用成長を上回る見込みとなっている。同社では、2020年までに約3万6,600人が米国ソーラー業界で技術者として認定されると予測しており、これは、2010年に比べて24%の増加で、風力エネルギー業界の雇用予測(14%増の2万7,700人)よりも高い。こうした背景には、風力及びその他の再生可能源を由来とする発電に提供されていた生産税控除(production tax credit: PTC)が今年12月31日で失効する予定で、風力タービンの需要が減少していることがある。一方で、ソーラーエネルギーの利用は急増しており、求職者の関心は風力エネルギーからソーラーエネルギーにシフトしているという。 Renewable Energy World.com “U.S. Solar Employment Faces Bright Future as Wind Jobs Flutter” (10/25/12)
米国民は政府が製造業の活性化に取り組むことを期待
デロイト社(Deloitte)と製造研究所(Manufacturing Institute)が行った調査結果によれば、米国民は、「政府は米国の製造基盤を強化することに十分取り組んでいない」と考えていることが明らかになった。回答者の80%以上が、「米国は製造業に対するより戦略的な手法を必要としている」と考えており、「連邦・州政府の指導者は米国の製造業がより競争的になるための支援を行っている」と考えているのは僅か35%であった。また、米国民は製造業に特別な思いを抱いているものの、長期的には米国製造業は衰退していくと考えている。今年の大統領選挙では、オバマ大統領は、先端製造への投資や法人税改革により2期目の終了までに100万人の新規製造雇用を創出するとの目標を掲げる一方で、ミット・ロムニー候補(Mitt Romney)は税制改革や規制の緩和などを通じてあらゆるビジネスに対しより良い経済環境を創出すると主張している。 Business Journal “Americans want government to boost manufacturing” (10/25/12)
消費者の電気自動車への関心は低下
パイク研究所(Pike Research)が、プラグイン式電気自動車(plug-in electric vehicles: PEV)や電気自動車充電機器(electric vehicle charging equipment: EVCE)に対する米国消費者の需要、好み、価格意識に関して行った調査結果によれば、プラグイン式ハイブリッド電気自動車(plug-in hybrid electricity vehicle: PHEV)や充電式電気自動車(battery electric vehicle: BEV)の購入に「非常に関心がある」「とても関心がある」と回答した者の割合が、2011年の40%から2012年は35%に減少したという。PEVに関心を持てない理由として、可能走行距離が不十分であることや、技術の更なる進展を待っていることなどが挙げられている。 Green Car Congress “Pike Research US consumer survey finds decreasing fundamental interest in plug-in electric vehicles” (10/29/12)
研究開発費でトヨタが世界トップに
コンサルタント会社のブーズ社(Booz & Company)が発表した報告書「グローバルイノベーション1,000(Global Innovation 1,000)」によれば、2011年に世界で最も研究開発費を投じたのは、トヨタであった。同社の研究開発費は前年比16.5%増で、自動車業界全体でも前年比132億ドル増加した。これは主に、燃費基準への適合努力や電子部品の改良によるものである。2010年に首位だったロシュ社(Roche)とファイザー社(Pfizer)は今年は3、4位に転落している。上位5社のうち3社はヘルスケア関連企業であるものの、最も研究開発費を支出した業界はコンピュータ及びエレクトロニクス業界で、研究開発費全体の28%を占める。 The Economist “R&D spending” (10/30/12)
海外直接投資先国として中国が米国を抜いてトップに
国連貿易開発会議(United Nations Conference on Trade and Development: UNCTAD)が10月23日に発表したところによれば、世界における海外直接投資額は2012年上半期に前年比8%減少の6,680億ドルであったという。そしてその投資先として、2012年上半期に591億ドル(前年同期609億ドル)を受け入れた中国が、米国(574億ドル:前年同期944億ドル)を抜いて首位となった。ただし、最近発表された日本のソフトバンク(Softbank)によるスプリント・ネクステル社(Sprint Nextel)の買収(200億ドル)などにより、2012年通年では米国が海外直接投資先として首位になると考えられている。中国の首位が短期間であったとしても、こうした傾向は海外直接投資のフローのシフトを示している。2008年に先進国を襲った金融危機以来、企業にとっては急成長を続ける開発途上国が投資先としてより魅力となりつつあるといえる。 Wall Street Journal “China Edges Out U.S. as Top Foreign-Investment Draw Amid World Decline” (10/23/12)
ビッグデータによる2012年のIT支出は280億ドルとの予測
ガートナー社(Gartner, Inc.)がまとめた報告書「ビッグデータはインフラに急速な変化をもたらし、2016年までに2,320億ドルのIT支出をもたらす(Big Data Drives Rapid Changes in Infrastructure and $232 Billion in IT Spending Through 2016)」によれば、ビッグデータによる世界のIT支出は2012年に280億ドル、2013年に340億ドルに達すると予測されている。ビッグデータは現在のところ明確かつ単独の市場ではなく、業界全体において製品やプラクティス、ソリューションの形で対応されているが、2020年までにはビッグデータの特性や機能は特別なものではなくなり、従来型のベンダーから一般的に提供されるものとなると考えられている。 Gartner “Gartner Says Big Data Will Drive $28 Billion of IT Spending in 2012” (10/17/12)
エネルギー省、請負業者を中心とした海外渡航に3億6,000万ドルを支出
エネルギー省(Department of Energy)のグレゴリー・フリードマン監察長官(Gregory H. Friedman)の発表によれば、エネルギー省は請負業者による渡航費用を抑制するために必要な策を十分に講じていないという。請負業者による渡航費用は、過去6年間で3億6,000万ドルとなったエネルギー省の渡航費用の85%を占めている。オバマ大統領が昨年、連邦省庁に対して渡航費の大幅な削減を命じた中、今回の監査報告によれば、同省の請負業者は過去6年間で9万件以上の海外旅行を行っている。エネルギー省における渡航費用や件数は2007年以来上昇し続け、今年になって10%減少している。この報告に対しエネルギー省の幹部らは、請負業者による渡航を制限する努力をしなかったこと、概ね彼らの判断に任せていたことを認めている。 Washington Post “Energy Department spent $360 million on foreign travel, vast majority by contractors” (10/22/12)
NSF、米国大学で科学・工学・医療の分野で博士号を取得した学生の国際的可動性に関する調査結果を発表
過去4年間に米国の大学で科学・工学・医療の分野で研究博士号を取得した学生の約40%は外国籍である。こうした中、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics)が発表した報告書によれば、博士号を取得した外国人学生の中で2008年時点で出身国で労働或いは生活している学生は20%となっている。一方、米国人学生の卒業生の97%が米国内で労働或いは生活している。出身国に戻らなかった外国人学生の居住地としては米国が圧倒的で、次いで欧州連合(European Union)、アジア、カナダとなっている。博士号取得者のほとんどが、国籍や居住地にかかわらず、学術機関に就職しているが、唯一の例外は米国に住む外国人学生で、彼らの就職先は学術機関と民間企業の割合が同等に高い。 National Science Foundation “Report Details International Mobility Patterns Among Recent Recipients of U.S. Doctorates in Science, Engineering or Health Fields” (10/18/12)
「ワシントンDC地域は電気自動車支援に向けた取り組みを強化すべき」との報告
メトロポリタン・ワシントン政府評議会(Metropolitan Washington Council of Governments)が発表した報告書によれば、ワシントンDC地域は電気自動車の利用を奨励する取り組みを十分に行っていないという。再充電が可能な電池によって走行する電気自動車は、経済、環境、エネルギー安全保障といった面で効果をもたらす可能性がある。電力研究所(Electric Power Research Institute:EPRI)によれば、2015年までに米国内で約100万台の電気自動車が走行し、ワシントンDC地域では1万5,000~3万台の電気自動車が走行すると予測されている。報告書では、ワシントンDC地域が行うべき取り組みとして、充電施設を含むインフラの開発やインセンティブ(相乗り専用車線(High-Occupancy Vehicle: HOV)へのアクセスや登録料の割引きなど)を検討することなどを挙げている。 Washington Post “Report: D.C. area should do more to support electric vehicles” (10/17/12)