Category:レポート
FDAは労働力の改善に取り組むべきとの報告
食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の諮問委員会は、2007年に発表した報告書で、「FDAの科学的分野の労働力は量・質ともに十分でない」と警告したが、ピュー慈善財団(The Pew Charitable Trusts)は、本件のその後について調査報告をするよう、非営利団体「公的サービスのためのパートナーシップ(Partnership for Public Service)」に委託し、同団体は11月20日に報告書を発表した。この報告書「FDA労働力の現状(The State of the FDA Workforce)」によれば、2007年以来、幾つかの改善点は見られるものの、FDAの人事制度向上は順調とは言い難いという。報告書はFDAの状況改善のための策として、①的を絞った採用及び人材パイプラインを導入し、迅速な採用を行う、②キャリア研修に投資し、科学・技術・工学・数学・機械系の職員に明確なキャリアパスを示す、③一部の分野における高い離職率に対処する、といった点を勧告している。 Washington Post “Report says FDA needs workforce improvements” (11/19/12)
温室効果ガスが記録的水準との報告
世界気象機関(World Meteorological Organization: WMO)の地球大気観測プログラム(Global Atmosphere Watch programme)が発表した観測分析によれば、温室効果ガスの大気中濃度は2011年に記録的高水準に達したという。最も重要な温室効果ガスである二酸化炭素の大気中濃度は、2011年に390.9parts per million(ppm)に達し、産業革命前(280 ppm)の40%増となっているという。強力な温室効果ガスであるメタン(1,813 parts per billion: ppb)と亜酸化窒素(324 ppb)も、最高水準に達した。こうした中、世界銀行(World Bank)は11月19日、「温室効果ガスの排出増が止まらない中、世界は今世紀末までに4℃上昇するという危険な道をたどっている」と警告する報告書を発表した。また国連は来週、気候変動に関する会議を来週再開する。 Nature News Blog “Greenhouses gases at new high as UN climate talks resume” (11/20/12)
電力グリッドは本質的にテロ攻撃に脆弱との報告
米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書「テロと電力送電システム(Terrorism and the Electric Power Delivery System)」によれば、米国の電力送電システムはテロ攻撃に脆弱であり、その被害は自然災害によるものよりも遥かに甚大となる可能性があるという。報告書は、「米国の電力システムの安全保障は早急の対応を要する」としている。そして、電力送電システムの脆弱性を低下させ、攻撃或いは事故後の電力復旧をより早く行い、重要な社会的サービスが送電システムの混乱の被害をできるだけ受けないようにするための策を勧告している。本報告書は、NRCが2007年秋に完成させたものであるが、資金を提供した国土安全保障省(Department of Homeland Security)が当面は全面的に機密扱いとすることを決定したため、公開されずにいた。今般、NRCの新たな要請を受け、公開された。 National Academies “Electric Power Grid ‘Inherently Vulnerable’ to Terrorist Attacks; Report Delayed in Classification Review, Will Be Updated” (11/14/12)
米国研究評議会(NRC)、STEM教育に関する報告書を発表
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)から資金を得て米国研究評議会(National Research Council: NRC)が作成した報告書「K-12におけるSTEM教育の成功に向けた進捗観察(Monitoring Progress Toward Successful K-12 STEM Education)」が11月15日、発表された。本報告書は、小学校教育の重要性を確認した上で、K-12 STEM教育の3つの目標として、①最終的にSTEM分野で高度な学位やキャリアを進む学生数を増やし、女性や少数派の参加を拡大する、②STEM能力を必要とする労働力を拡大し、女性や少数派の参加を拡大する、③学生全体の科学教養を拡大する、を挙げている。報告書はまた、K-12 STEM教育制度の進展を測定するための鍵となる指標を示している。 National Science Foundation “Science, Technology, Engineering and Mathematics Education: A Nation Advancing?” (11/15/12)
2013年世界製造競争力指数が発表される
デロイト・トウシュ・トーマツ・リミテッド社(Deloitte Touche Tohmatsu Limited: DTTL)の世界製造業界グループ(Global Manufacturing Industry group)と米国競争力評議会(U.S. Council on Competitiveness)は、「2013年世界製造競争力指数(2013 Global Manufacturing Competitiveness Index)」報告書を発表した。それによれば、20世紀の製造大国である米国、ドイツ、日本は今後5年間に、中国やインド、ブラジルといった新興国との激しい競争に直面するという。報告書は、「競争的な製造業は現在、大幅なパワーシフトの過渡期にある」としている。報告書は、現在世界で最も競争力のある製造国は中国で、これは5年後も変わらないとしているが、現在2位と3位であるドイツと米国は5年後には4位と5位に順位を落とすと予測している。更に、現在は上位10位以内にランクインしている日本は12位に転落するという。報告書によれば、競争力の最も重要な鍵は有能な労働者へのアクセスで、次いで貿易、金融・税制、労働及び材料費となっている。 Deloitte “2013 Global Manufacturing Competitiveness Index: CEOs see emerging nations surge as U.S., Germany and Japan face changing game” (11/16/12)
プライスウォーターハウス・クーパーズ社(PwC)、製薬業界の今後を予測
プライスウォーターハウス・クーパーズ社(PricewaterhouseCoopers: PwC)は11月15日、同社が2007年以来発表している「2020年製薬業界(Pharma 2020)」シリーズの最新報告書として、「2020年製薬業界:展望から決断へ(Pharma 2020: From vision to decision)」を発表した。それによれば、窮地にある製薬業界は、将来における前代未聞の世界的成長が予想される一方で、現在一般的となっているビジネス・モデルや経営文化は、今後の市場機会をつかむのに適した状態ではない」という。報告書は、「パイプラインの無駄を省き、顧客の期待増や乏しい科学的生産性、文化的障害に対処する厳しい決断をする意思があれば、今後数年間の難しい過渡期を生き残り、2020年に繁栄することができる」と主張している。 PricewaterhouseCoopers “PwC report forecasts a golden era ahead for pharmaceutical companies, but global growth markets won’t guarantee success” (11/15/12)
米中経済安全保障委員会(USCC):中国国営企業は競争力と政治面で大きな課題を呈する
米中経済安全保障委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission: USCC)が11月14日に発表した報告書によれば、世界不況を受け、中国の国営或いは国が管理する事業は中国経済のほぼ大半を占めている他、中国国営企業大手の130名の指導者は皆、中国共産党(Chinese Communist Party)の党員であるという。こうした国営企業に対する支援は、中国の政治的構造全般で行われており、助成金やその他の様々な優遇措置が提供されているという。USCCは米議会に対して、中国とのいかなる二国間投資協定においても、相互関係を確実にし、中国国営企業によってもたらされる不当な問題に明確に対処することなどを勧告している。 Industry Week “US-China Report: China Inc. Poses Major Competitive, Political Challenges” (11/14/12)
米国と中国の消費者は「米国製」製品を好む
ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group: BCG)が、米国、中国、ドイツ、フランスで5,000人以上の消費者を対象に、「米国製」に対する意識や実際の購買行動について調査を行ったところ、米国消費者の80%以上、中国消費者の60%以上が、、「中国製」と表示された製品よりも、「米国製」と表示された製品に割増金額を支払うことに躊躇しないという結果が出た。本調査は9月に実施され、11月15日に発表された。米国民が「米国製」に割増金額を支払おうとする背景には、「米国製」の品質に対する評価と愛国心がある。一方、ドイツとフランスの消費者は、米国製よりも自国製製品に割増金額を支払う傾向にあるという。 Boston Consulting Group “U.S. and Chinese Consumers Willing to Pay More for Made in USA Products” (11/15/12)
国際エネルギー機関(IEA)、再生可能エネルギーは2035年までに石炭に匹敵すると予測
国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)が11月12日に発表した年間概況報告によれば、2035年までに再生可能エネルギーは世界の発電部門として石炭に匹敵する見込みであるという。その要因として、技術費用の低減と助成金の増加が指摘されている。報告によれば、風力地帯やソーラー・パーク、水力発電ダムは、2015年までに2番目に大きい発電部門となり、2035年までに全発電の3分の1(石炭のシェアとほぼ同等)を占めるようになるという。IEAは、世界の再生可能エネルギーへの助成金は、2011年の880億ドルから2035年は5,230億ドルへ増加すると予想している。 Renewable Energy World.com “Renewable Energy to Rival Coal for Power Generation in 2035” (11/12/12)
アップル社、3年連続で「最も革新的な企業」のトップに
コンサルト会社のブーズ社(Booz & Co.)が発表した年次報告書「世界のイノベーション1000調査:アイデアの実現(Global Innovation 1000 Study: Making Ideas Work)」によれば、アップル社(Apple)が3年連続で1位となった。ブーズ社は、研究開発(R&D)費が最も多い世界1,000社を対象に、企業がアイデアを商業的成功へと転換させる能力の分析を行い、それに基づいて順位付けを行っている。アップル社のR&D費(24億ドル)は年間R&D支出としては世界で54番目に過ぎず、「予算、イノベーション、成功の間には事実上相関関係はない」と報告書は指摘している。R&D費が世界1位のトヨタ自動車(約100億ドル)は総合順位で7位となっている。総合順位の2位はグーグル社(Google)、3位は3M社である。 Tech Spot “Apple “most innovative” company for third year, Booz & Co. finds” (11/9/12)