Category:レポート
コバーン上院議員、2012年における政府の最も無駄な支出に関する報告書を発表
トム・コバーン上院議員(Tom Coburn、オクラホマ州選出共和党)は10月15日、「2012年無駄遣い帳簿(Wastebook 2012)」を発表した。これは2012年における政府による税金の無駄遣いの代表例をまとめたもので、不必要で重複し、優先性が低いながらも政府資金の供与を受けたプロジェクトが100件紹介されており、その額は180億ドル以上に上る。その一例として、①全米フットボール・リーグ(National Football League: NFL)や全米ホッケー・リーグ(National Hockey League: NHL)などプロスポーツ業界団体を対象とした税の抜け道(9,100万ドルの税)、②モロッコ風陶器教室(米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development: USAID)による2,700万ドルのグラントの一部)、③キャビア消費・生産の推進努力(30万ドル)などがある。 Tom Coburn “Coburn Releases Annual Report Highlighting Some of the Most Wasteful Government Spending in 2012” (10/15/12)
世界的な科学アカデミー・ネットワークが研究の完全性推進に向けた報告書を発表
インター・アカデミー評議会(InterAcademy Council: IAC)と世界的な科学アカデミーのネットワークであるIAPは、世界中の研究者が共通の科学的価値や倫理的行動を守るよう奨励することを目的とした報告書を発表した。この報告書「世界の研究事業における責任ある行動:政策報告書(Responsible Conduct in the Global Research Enterprise: A Policy Report)」は、IACとIAPによる科学的完全性に関するプロジェクトの初の報告書である。報告書は、知識の発展を効率的に加速させるためには、責任ある行動に基づく自己修正は容認されるとした上で、無責任な研究を調査し、罰するための手順や制度は必要であるが、無責任な行動の防止を目的としたメンター制度や教育の取り組みが最終的にはより重要であると強調している。報告書はまた、世界的な研究事業において問題となりつつあるいくつかの傾向について、勧告や提案を行っている。 InterAcademy Council “World Science Academies Release Report to Promote Research Integrity” (10/17/12)
企業幹部は米国競争力に対する自信を欠く
ハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)が6,800名以上の卒業生を対象に行った調査の結果、世界中の企業幹部らは、米国で競争的な事業を行う能力と、米国労働者に高賃金を支払う能力にかなり悲観的であることが明らかになった。回答者の58%が、上記2点のいずれか、またはいずれも「低下する」と回答しており、いずれかまたはいずれも「改善する」と回答した者はわずか25%であった。一つの明るい兆しは、企業幹部らが昨年調査の時ほどは悲観的でないという点である。ただしこれは、米国の状況の改善というよりも欧州やアジアの見通しの悪化を反映しているようである。 Wall Street Journal “Executives Lack Confidence in U.S. Competitiveness” (10/17/12)
ライス大学、NASAはナノテク研究への再投資を行う必要があると提言
ライス大学(Rice University)のベイカー公共政策研究所(Baker Institute for Public Policy)が発表した報告書「NASAとナノテクノロジーの関係:過去、現在、未来の課題(NASA’s Relationship with Nanotechnology: Past, Present and Future Challenges)」によれば、米国は特にナノテク分野の研究開発資金及びプロセスを見直して急務の優先事項としなければ、宇宙分野におけるリーダーシップを中国やドイツ、フランス、日本、イスラエルといった他国に奪われる可能性があるという。1996年以降の米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)による先端ナノテク開発の実施及び資金削減の状況を分析した同報告書によれば、同研究分野の資金は2004年から2007年の間に大幅に削減されており、NASAは同分野での投資を縮小した唯一の連邦政府機関であるという。報告書の作成者らは、NASAは研究開発プログラムの再編及び強化を行う必要があると主張している。 Science Daily “NASA Must Reinvest in Nanotechnology Research, According to New Paper” (10/16/12)
米国製造業のオフショアリングが鈍化傾向に
TD銀行(TD Bank)の子会社、TDエコノミクス(TD Economics)が10月16日に発表した報告書によれば、オフショアリングが鈍化しており、これによる米国製造業部門の復活が、米国経済回復の主な牽引役となっているという。報告書は、オフショアリングの鈍化により、従来は急速に海外に流れていた雇用(コンピューター及びエレクトロニクスや機械、組立金属など)の一部が米国内にとどまっているとしており、この背景には、世界的状況の変化(海外での賃金の急上昇や人民元の上昇、変動的な輸送費など)と米国内の変化(知的財産保護、サプライチェーンの柔軟性、天然ガスエネルギーへのアクセスなど)があると指摘している。 Manufacturing.net “Report: U.S. Manufacturing Offshoring On Decline” (10/16/12)
ITイノベーション財団(ITIF)、電気自動車用電池の開発支援に注力するよう勧告
ITイノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)は10月11日、「ギア・シフト:従来型経済ドクトリンを超えてより良い電気自動車用電池の開発へ(Shifting Gears: Transcending Conventional Economic Doctrines to Develop Better Electric Vehicle Batteries)」と題する報告書を発表した。同報告書は、現在の電気自動車業界が直面している課題を分析し、これらを克服するための勧告をとりまとめている。報告書は、「過去及び現在の政策では、電気自動車の発展を適切に牽引することができない。電気自動車は、コストと性能の面において深刻な問題を抱えており、開発の焦点を電池イノベーションにシフトすることが重要である」としている。そうした上で、政策策定者がとるべき3つのステップとして、①電池イノベーションへのより積極的な投資、②国防総省(Department of Defense)とエネルギー省(Department of Energy)による協力の強化、③エネルギー省による「サンショット・イニシアチブ(Sunshot Initiative)」のような「バッテリーショット・イニシアチブ(BatteryShot Initiative)」の支援、を挙げている。 Information Technology and Innovation Foundation “Shifting Gears: Transcending Conventional Economic Doctrines to Develop Better Electric Vehicle Batteries” (10/11/12)
消費者エネルギー同盟(CEA)、2020年までのエネルギー自給達成に向けたロードマップを発表
消費者エネルギー同盟(Consumer Energy Alliance: CEA)は、米国が2020年までにエネルギー自給を達成するためのステップを概説した報告書「北米の新しいエネルギー未来(North Americas New Energy Future)」を発表した。報告書は、米国における資源(従来型及び再生可能)の有用性や、これらの資源を開発し世界のエネルギー市場における米国の位置付けを新たにするために必要な政策について分析したもので、計画を実行するための一助となる勧告も提言している。 Consumer Energy Alliance “A Roadmap for energy self-sufficiency. If we choose it.” (October 2012)
エンジェル投資市場が堅調な回復
ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)のベンチャー研究センター(Center for Venture Research)によれば、エンジェル投資市場は2012年上半期において堅実な回復の兆候が見られたという。2012年上半期の投資金額合計は92億ドル(2011年上半期に比べ3.1%増)、エンジェル投資を受けたアントレプレナー数は合計2万7,280名(同3.7%増)、活動しているエンジェル投資家数は13万1,145名(同5%増)となった。2012年上半期の1件当たりの平均的投資額は33万6,390ドルで、これは2011年上半期の33万8,400ドルより微減となっている。 University of New Hampshire “Angel Investor Market in Steady Recovery, UNH Center for Venture Research Finds” (10/10/12)
バイオ倫理問題に関する大統領研究委員会、ゲノミクスとプライバシーに関する報告書を発表
バイオ倫理問題に関する大統領研究委員会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)は10月11日、報告書「全ゲノム・シークエンシングにおけるプライバシーと進展(Privacy and Progress in Whole Genome Sequencing)」を発表した。これは、ゲノミクスとプライバシーの問題についてまとめたもので、「ゲノム・シークエンシングが持つ臨床ケアの発展やより広範な公共の恩恵に関する膨大な可能性を実現するためには、プライバシー問題が確実に対応されなくてはならない」と結論づけている。そして、米国政府が全ゲノム・シークエンスに関する倫理的問題を防止するために可能な策を概説している。具体的には、連邦・州政府に対して、全ゲノム・シークエンスがどのように取得されたかにかかわらず、全ゲノム・シークエンス情報を保護する一貫した基盤を構築するためのプロセスを策定することなどを勧告している。 Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues “President’s Bioethics Commission Releases Report on Genomics and Privacy” (10/11/12)
EPA規制により最高2,750億ドルの経済負担が見込まれる
米国電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)が、現行及び現在保留となっている環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の発電所規制の影響についてまとめた分析報告書によれば、規制が予定通り実施された場合、米国経済は2010年から2035年の間に2,750億ドルの負担を強いられる可能性があるという。ただし、「EPAがより柔軟な規制を実施すれば、電力会社は同期間に約1,000億ドルを節約することが可能である」としている。今回発表された報告書は、EPRIが5月に発表した予備的ファインディングの更新版で、「発電所に対してある程度の柔軟性と規制遵守までの時間的余裕を提供することで、ユーティリティに関する金銭的負担を軽減しつつ、同程度の環境遵守を実現することができる」と示唆している。 Environmental Leader “EPA Regulations to Cost Economy up to $275bn” (10/8/12)