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レポート

バイオテクノロジー企業による研究開発費拠出が復調

会計コンサルティング・グループ、BDO USA社による年間「バイオテック短信(Biotech Briefing)」によれば、バイオテクノロジー企業による研究開発(R&D)費は、2010年の平均4,700万ドルから2011年は5,000万ドルと、5%増加したという。ナスダック・バイオテクノロジー指標(NASDAQ Biotechnology Index)に記載されている公開企業が米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission: SEC)に提出する年次報告書(10-K)を分析して行われた本調査によれば、R&D費増加の背景には、業界全体の売上が昨年24%増加したことが指摘されている。ただし、バイオ企業大手の売上が前年比33%増であったのに対し、より小規模な企業の売上は平均12%減少しているなど、より小規模な企業は苦しい状況となっている。 Pharma Times “Biotech R&D spend bounds back, US study shows” (9/25/12)

生命科学系スタートアップ企業への投資に復活の兆し

長い間ベンチャーキャピタル投資家から敬遠されていた生命科学及び医療関連への投資が復活の兆しを見せている。世界的に複数のベンチャー企業が今年、生命科学やバイオ技術、医療といった分野でそれぞれ2億~4億ドル規模のファンドを調達している他、大型かつ多様化したファンドを集め、その多くの部分をこれらの分野に投資している企業もある。昨年、バイオ技術系のベンチャー投資は48億2,000万ドルとなった(前年比24%増)他、医療機器系のベンチャー投資は前年比17%増、医療ケアサービス系のベンチャー投資も同41%増となった。少数の大規模買収や、鍵となる分野での医薬品承認を迅速化する可能性がある米国法成立、生命科学や医療に関する広範な定義などが、復活の一因として挙げられている。 Reuters “Venture firms see signs of rebirth in life sciences” (9/24/12)

気候変動により世界のGDPが1兆2,000億ドル削減される可能性

スペインの人道主義団体ダラ(DARA)と気候脆弱フォーラム(Climate Vulnerable Forum)が発表した報告書「気候脆弱性モニター(Climate Vulnerability Monitor)」によれば、気候変動及び二酸化酸素排出に関連した汚染により、世界の総生産(GDP)は年間1.6%(約1兆2,000億ドル)削減されているという。そして、これが手付かずの状態となった場合、世界のGDPは2030 年までに年間3.2%削減されるという。気候脆弱フォーラムを構成する発展途上国の代表は、「気候変動が経済に及ぼす影響が大きくなるに従い、それを削減する費用も増大する」と述べた上で、「現在1,000億ドルで可能なことが、2030年には10倍の費用がかかる」と発言した。 Inside Climate News “Climate Change Reducing Global GDP by $1.2 Trillion” (9/27/12)

NASA委員会、火星の表層土を持ち帰る方法について要旨報告書を発表

米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が欧州主導のエクソマーズ(ExoMars)火星探査計画からの撤退を発表した直後の2012年3月に、NASAによって編成された「火星プログラム計画グループ(Mars Program Planning Group: MPPG)」が、今後の火星探査について複数の選択肢を提案する要旨報告書を発表した。それによれば、2018年の火星軌道衛星ミッションで火星の表層土を持ち帰り、その後の火星探査機で表層土の返還を行う方法や、軌道衛星ミッションは実施せずに2020年に探査機を火星へ送り、サンプルを収集、その後持ち帰る方法などが提案されている。NASAは選択肢を決定する期限を明確にしていないが、もし2018年に軌道衛星ミッションを実施する場合、2014年度の予算要請に影響することから早急な対応が必要となる。本報告書の最終版は10月下旬までに発表される予定である。 Science Insider “Panel Gives NASA Options for How to Bring Back Pieces of Mars” (9/25/12)

PCAST、医薬品審査の迅速化を支持

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)が9月25日に発表した報告書「医薬品の発見、開発、評価におけるイノベーションの加速に関する大統領への報告(Report to the President on Propelling Innovation in Drug Discovery, Development, and Evaluation)」によれば、医薬品の開発や承認方法において重要な改正が実施されれば、今後10~15年間で新たに利用可能な革新的治療方法の数が2倍になる可能性がある」という。PCASTはその重要な改正として、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)が、限定的な情報を元に新たな医薬品の承認作業を加速させるファスト・トラックを拡大すること(現在このファスト・トラックが適用されるのは癌治療薬がほとんど)、新たに承認される医薬品について利用可能な疾病患者層を限定すること、などを挙げている。 Science Insider “White House Panel Backs Accelerated Drug Reviews” (9/25/12)

州政府から公立研究大学への資金削減状況は一様ではないとの報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が2月に発表した「2012年科学工学指標(Science and Engineering Indicators 2012)」で、「上位101件の公立大学への州政府による資金提供(学生一人あたり)は、2002年から2010年の間に平均20%減少した」と報告されていたが、米国科学審議会(National Science Board: NSB)が9月25日に発表した本件に関する詳細な報告書では、その削減内容が国全体で一様ではないことが明らかになった。例えば、4つの公立研究大学に全米で10番目に多い学生が在籍しているニューヨーク州では、州政府から提供される学生一人当たりの資金が72%増加したのに対し、イリノイ州の3件の公立研究大学では州政府からの学生一人当たりの資金が37%減少している。こうした背景には、厳しい州政府予算の他、不況を受けて大学に入学する学生が増えたことが挙げられる。 Science Insider “Funding Cuts to Universities Vary Widely by State” (9/25/12)

持続可能の目標達成に向けた連邦政府機関のケーススタディ報告

気候及びエネルギー・ソリューション・センター(Center for Climate and Energy Solutions: C2ES)は9月24日、持続可能に関する目標の進展及びコスト削減という二つの課題に対処するために、連邦政府が情報通信技術を使って行っている8件の取り組みをケーススタディとして紹介する報告書を発表した。報告書の表題は、「規範による主導:持続可能性に関する連邦目標達成のための情報通信技術の活用(Leading by Example: Using Information and Communication Technologies to Achieve Federal Sustainability Goals)」である。ケーススタディの一例として、①一般調達局(General Services Administration: GSA)による、可動性及び共同作業ツールを重視した労働環境の再設計、②スミソニアン研究所(Smithsonian Institution)による最新の情報管理システムを使ったより良い車輌管理、などが挙げられる。 Center for Climate and Energy Solutions “C2ES Releases Case Studies of Federal Agencies Using Information and Communications Technologies to Meet Sustainability Goals ” (9/24/12)

国防総省による再生可能エネルギープログラム支出は今後10年間で急加速するとの予測

パイク研究所(Pike Research)は、軍事基地及びその他の国防総省(Department of Defense: DOD)施設における再生可能エネルギー技術の現状と今後の方向性について分析した報告書「軍事応用のための再生可能エネルギー(Renewable Energy for Military Applications)」を発表した。それによれば、「エネルギーは米国軍事の生命線である」とした上で、法案、国家及び国際政策、戦略的必須事項、運用要件などにより、クリーン技術はDOD支出の主流となりつつあり、DODは現在、米国内のクリーンエネルギー市場において最も重要な原動力の一つとなっているという。そして、米軍の再生可能エネルギープログラム(保全を含む)へ支出は、今後12年間で着実に増加し続け、2025年には約18億ドルに達すると予測している。 Pike Research “U.S. Department of Defense Spending on Renewable Energy Programs to Accelerate Rapidly during the Next Decade” (9/24/12)

科学教員に性差別の傾向が見られる

米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences: PNAS)」に発表された研究報告「科学教員の微妙な性差別により男子学生が好まれる(Science Faculty’s Subtle Gender Biases Favor male Students)」によれば、科学系の学術機関で採用権限を持つ教員には男女を問わず、性差別の傾向が見られ、男子学生をより好む傾向があるという。報告書を作成したイェール大学(Yale University)の研究チームは、「科学教員は女子学生に対して偏見を持つかどうか」を実験的に調査するため、127件のランダム化二重盲検法を設定し、採用のシナリオを立てた。これに基づき、研究大学の科学教員は研究所のマネジャーを採用するため、無作為に割り当てられた男女学生の応募書類の評価を行った。その結果、性差以外の内容は全く同じでも女子学生の方が「能力に欠け、新規採用には理想的ではない」とみなされ、採用される可能性が低いという結果が出た。また、初任給やキャリア指導についても男子学生が優遇される傾向が見られた。更に、これらの傾向は採用側の教員の性差にかかわらず、全般的に見られたという。 Phys.org “Marie Curie, go home: Science faculty study shows bias” (9/21/12)

米国輸出の増加とリショアリングにより、米国の雇用は2020年までに最高500万人増加する可能性

ボストン・コンサルティンググループ(Boston Consulting Group: BCG)が発表した報告書によれば、今後数年間で米国輸出の急増が予測されている点とリショアリングによる雇用増加を合わせると、2020年までに250~500万人の雇用が新たに追加される可能性があるという。BCGは、2015年頃までに米国はドイツ、イタリア、フランス、英国、日本に対して様々な業界分野で輸出コスト(労働コストや天然ガス、電力など)が5~25%有利になると予測している。そしてその結果、米国は上記欧州4カ国の輸出の2~4%、日本の輸出の3~7%を奪う可能性があるという。 Industry Week “Rising U.S. Exports, Reshoring Could Help Create Up to 5 Million Jobs by 2020” (9/21/12)