米国では人工知能(AI)技術に関する有意義な連邦規制が存在せず、各州政府がAI規制を主導しているが、①政府によるAI利用、②医療ケアにおけるAI、③顔認証、④生成AI、という4つの側面が特に注目されている。「政府によるAI利用」では、特に「予測AI」が多くの政府機能に革命をもたらしているが、人種・ジェンダーへのバイアスなどの問題の原因となる可能性があることから、一部の州では透明性・消費者保護・AI展開のリスク認識を強調した公共セクタにおけるAI利用に関する法案が提出されている。このうち、「医療ケアにおけるAI」については、2025年上半期に34州で250件以上のAI関連衛生法案が州議会に提出されている。「顔認証・監視」に関しては、プライバシー問題の他、特に警察・国家安全保障目的で使用される予測AIでは、AI訓練で使用されるデータを含め非白人に対するバイアスが明らかになっており、2024年末までに15州において顔認証による害を制限する州法が制定されている。「生成AI・基盤モデル」においては、AI訓練に使用したデータに関する情報開示を開発者に義務付ける法律を制定した州もある。なお、大統領府は、「AI行動計画(AI Action Plan)」を7月23日に発表したが、負担となるAI規制のある州にはAI関連連邦政府補助金を支給すべきでないとしており、州政府によるAI規制の取り組みを妨害する可能性がある。
Ars Technica “States take the lead in AI regulation as federal government steers clear” (08/06/25)
https://arstechnica.com/ai/2025/08/states-take-the-lead-in-ai-regulation-as-federal-government-steers-clear/