米中関係の緊張が高まる中、百度社がAI同盟から撤退

中国の検索エンジン大手、百度社(Baidu)は、米国主導で人工知能(AI)によってもたらされる倫理的課題に協力して取り組む「AIパートナーシップ(Partnership on AI: PAI)」から撤退することが明らかになった。同社はPAIで唯一の中国企業であった。百度社は、メンバーシップの費用と、最近の金銭的圧力が撤退の要因であると述べたと言われている。百度社の撤退は、米中両国間の関係が悪化し、AIのような重要技術に関して、両国間の企業と人が協力したり、共通点を見つけることがより難しくなりつつある中での出来事であった。百度社が2018年10月にPAIに加盟した際には、AIの応用によって呈される問題(例として顔認識の安全性と誤用)について国際協力の可能性を示すシグナルとなったように見えたが、百度社がPAIに加盟して以来、米中関係は急激に悪化している。 Wired “Baidu Breaks Off an AI Alliance Amid Strained US-China Ties” (6/18/20)

エネルギー省、原子力技術の進展を目的として、国立研究所と米国大学に6,500万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は6月18日、原子力エネルギー研究、先端技術開発、施設アクセス、インフラのアワードとして、合計93件の先端原子力技術プロジェクトに6,500万ドル以上を提供すると発表した。受益機関は全国28州に及ぶ。これらのアワードは、同省の原子力エネルギー大学プログラム(Nuclear Energy University Program: NEUP)、原子力エネルギー実現技術(Nuclear Energy Enabling Technologies: NEET)、原子力科学ユーザー施設(Nuclear Science User Facilities: NSUF)の3つの原子力エネルギー・プログラムの下で提供される。①NEUPの下、57件の大学主導原子力エネルギー研究開発プロジェクトに5,500万ドルが、②NEETの下、エネルギー省傘下の国立研究所と米国の大学が主導する5件の研究開発プロジェクトに500万ドルが、③NSUFの下、民間企業、国立研究所、大学主導チームなど、合計7件のプロジェクトに500万ドルが、それぞれ提供される。 Department of Energy “Department of Energy Invests $65 Million at National Laboratories and American Universities to Advance Nuclear Technology” (6/18/20)

エネルギー省、バッテリー製造イノベーションを目的として、業界とのパートナーシップを確立する国立研究所に資金を提供へ

エネルギー省(Department of Energy)は、米国のバッテリー製造リーダーシップのために急進的なイノベーションを追求する国立研究所と業界パートナーからの提案を募集している。この資金提供公募の下、エネルギー省は、リスク低減や新技術導入加速に焦点を置きつつ、先端バッテリー・マテリアル及び機器の工学的な課題の解決に取り組む官民パートナーシップを確立するため、国立研究所に直接資金を提供する(応募できるのは国立研究所のみ)。エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable: EERE)の先端製造局(Advanced Manufacturing Office)と自動車技術局(Vehicles Technologies Office)が合同で最高1,200万ドルを投資する。 Green Car Congress “DOE to fund national laboratories to establish industry partnerships for battery manufacturing innovation” (6/19/20)

エネルギー省、2020年技術商業化基金プロジェクトに3,300万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月11日、技術移転局(Office of Technology Transitions; OTT)技術商業化基金(Technology Commercialization Fund: TCF)の支援を受けた82件のプロジェクトに3,300万ドル以上を提供すると発表した。民間セクターから3,600万ドル以上のマッチング・ファンドを受けるこれらのプロジェクトは、有望なエネルギー技術の商業化を進展させ、エネルギー省傘下の国立研究所と民間企業のパートナーシップを強化してこれらの技術の市場化へとつなげる。エネルギー省は2020年のTCF資金提供公募に220件以上の申請書を受理した。 Department of Energy “Department of Energy Announces $33 Million for 2020 Technology Commercialization Fund Projects” (6/11/20)

米国、任意の自動運転車試験データ共有の取り組みを発表へ

米国道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)は6月15日、既存の自動運転車の試験に関する全国的なデータを収集し、利用できるようにするための任意の取り組みを発表した。自動運転車の試験及びデータ開示に関する規則は州によって異なり、例えばカリフォルニア州は自動運転車が関与した全ての衝突事故について公的開示を義務付けているが、他州にはこうした義務付けはない。NHTSAが発表した「自動運転車の安全な試験のための透明性と関与(Automated Vehicle Transparency and Engagement for Safe Testing: AV TEST)」イニシアチブは、自動運転システムの路上試験活動を共有するためのオンライン上の公共プラットフォームを提供することを目的としている。この取り組みには、フィアット・クライスラー・オートモービル社(Fiat Chrysler Automobiles)、トヨタ自動車、クルーズ社(Cruise)(GM社の自動運転車子会社)、ウーバー・テクノロジーズ社(Uber Technologies Inc)、ウェイモ社(Waymo)と、カリフォルニア、フロリダ、ミシガン、オハイオ、ペンシルバニア、テキサスの各州が参加する見込みである。 Reuters “U.S. to unveil voluntary self-driving testing data-sharing effort” (6/15/20)

エネルギー省、テネシー大学での新興分野における労働開発プログラムに2,000万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は6月18日、新興のエネルギー分野における労働力開発の進展を目的として、テネシー大学(University of Tennessee)に2,000万ドルを投資すると発表した。ランドグラント大学であるテネシー大学への投資により、オーク・リッジ研究所(Oak Ridge Institute: ORI)を通じて、同大学とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)の関係が拡大される。今後5年間を通じて学際的プログラムが実施され、これに参加する学生は、新興の技術分野(柔軟なエネルギー・システムを含む)の研究開発に取り組むこととなる。また、学生は、職業開発訓練(コミュニケーション、コンピューター・リテラシー、技術移転を含む)を受け、21世紀型の労働力となる準備をし、アントレプレナー・スキルの開発に取り組む。ORIが柔軟な労働力開発プログラムとモジュール式の学際カリキュラムの選択肢を開発し、それらはいずれは他の大学や機関、国立研究所の間の労働力開発パートナーシップのモデルとして利用することができるものとなる。 Department of Energy “DOE Invests $20 Million in Workforce Development in Emerging Fields at University of Tennessee” (6/18/20)

NIHの「オール・オブ・アス研究プログラム」、COVID-19研究イニシアチブを開始

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の「オール・オブ・アス研究プログラム(All of Us Research Program)」は6月16日、その膨大かつ多様な参加者基盤を活用し、抗体検査、パンデミックの影響に関するアンケート調査、電子医療記録情報の収集を通じて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の新しい洞察を模索する取り組みを発表した。オール・オブ・アスは、これらの活動を通じて得られたデータを、今後リリースされる独自のデータ・プラットフォーム「研究者作業台(Researcher Workbench)」(現在はデータ版)で、承認された研究者が広くアクセスできるようにする計画である。その分析は、米国内でのCOVID-19の発症起源や拡大、影響を明らかにする一助となることが期待されている。 National Institutes of Health “All of Us Research Program launches COVID-19 research initiatives” (6/16/20)

エネルギー省、炭素活用プロジェクトの進展に1,700万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)化石エネルギー局(Office of Fossil Energy: FE)は、炭素活用を目的とした11件のコスト分担型研究開発プロジェクトに約1,700万ドルの連邦資金を提供すると発表した。受益プロジェクトは電力システムなどから排出される二酸化炭素を活用できる技術の開発及び試験に取り組む。エネルギー省の炭素活用プログラム(Carbon Utilization Program)の研究目標は、排出を削減し、排出される廃棄炭素を付加価値製品へ変換することである。受益プロジェクトは、①付加価値有機製品の合成(7件)、②無機マテリアルの生産:固体炭素製品(1件)、③二酸化炭素の捕獲と藻類の統合(2件)、④無機マテリアルの生産:コンクリートとセメントにおける最大限の取り込み(1件)、の4つの関心分野に分けられる。 Department of Energy “DOE Invests $17 Million to Advance Carbon Utilization Projects” (6/16/20)

フロリダ州、高速道路沿いに電気自動車充電スタンド設置増加を義務付け

フロリダ州のロン・デサンティス知事(Ron DeSantis、共和党)は先週、民主・共和両党の州議員の支持を得た「重要な州インフラ(Essential State Infrastructure)」法案に署名し、法制化した。この新法は、州内の高速道路沿いに電気自動車充電スタンドの膨大なネットワークを築くための土台となるもので、環境に優しい自動車及びトラックの魅力を向上させるより広範な取り組みの一部である。法制化はまた、デサンティス政権が、自動車の二酸化炭素排出による気候変動の脅威を認めたことを示す。フロリダ州は、海に囲まれ、キーウェストからジョージア州との州境まで約450マイル(最善の充電式自動車の走行距離を大幅に上回る)となっているなど、気温の上昇による環境の脅威を抑止し、電気自動車の利便性を高める必要性がある。新法は、州高官に、州高速道路沿いにより多くの充電スタンドを設置するための計画を2021年7月1日までに知事及び州議員へ送付すること、12月1日までに現状報告を行うことを義務付けている。 Orlando Sentinel “New law mandates more electric car charging stations along Florida highways” (6/15/20)

NIH、全国的なCOVID-19患者データを活用する分析的プラットフォームを立ち上げ、治療のスピードアップを目指す

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、国内で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)と診断された人々の膨大な医療記録データを保管及び研究するための一元型でセキュアなエンクレーブ(他と区別される少数グループ)を開始した。これは、「全国COVIDコホート・コラボレーティブ(National COVID Cohort Collaborative: N3C)」と呼ばれる取り組みの一部で、科学者がこれらのデータを分析し、疾病の理解を深め、治療の開発に役立てることを目的としている。国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)がN3Cに資金を提供している。 National Institutes of Health “NIH launches analytics platform to harness nationwide COVID-19 patient data to speed treatments” (6/15/20)