政府説明責任局:「連邦サイバーセキュリティは2019年から後退」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が3月2日に発表した報告書「ハイリスク・シリーズ:多くのハイリスク分野における限定的な進歩に対処するにはリーダーシップの献身が必要(High-Risk Series: Dedicated Leadership Needed to Address Limited Progress in Most High-Risk Areas)」によれば、連邦政府のサイバーセキュリティの格付けは、2019年の「適合(met)」から2021年は「部分的に適合(partially met)」へと後退しているという。その要因は、リーダーシップのコミットメントが欠如しているためである。「部分的に適合」は、「その分野がハイリスク・リストから排除されるために必要な措置が部分的に講じられている」ことを指す。報告書によれば、2019年以来後退したその他のハイリスク分野には、米国郵政公社(United States Postal Service: USPS)、国勢調査局(U.S. Census Bureau)、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の有害化学物質の評価・管理プロセス(Process for Assessing and Controlling Toxic Chemicals)などが含まれる。 UPI “GAO Report: Federal cybersecurity has regressed since 2019” (3/2/21)

DARPA、セマンティック法科学プログラムに取り組む研究チームを選出

メディア操作能力は急速に進展していると同時に、その機能は自宅で作業するフォトエディターから国家に至るまでのあらゆる人が利用できるようになりつつある。技術の進化に伴い、メディア操作が呈する国家安全保障の脅威も高まっている。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「セマンティック法科学(Semantic Forensics: SemaFor)プログラム」を創出した。SemaForプログラムは、偽物のメディア資産の検知、属性、特徴づけを自動化する能力を有する技術を開発し、検出者と操作者の間の戦いで、アナリストが優位になることを目指す。DARPAは3月2日、SemaForの研究目的に取り組むために選出されたチームを発表しており、企業及び学術機関から選出されたこれらのチームは、一連のセマンティック分析ツールの開発に取り組むことになる。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Announces Research Teams Selected to Semantic Forensics Program” (3/2/21)

MITソルブ、2021年のグローバル・チャレンジを発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のMITソルブ(MIT Solve)は3月1日、「2021年グローバル・チャレンジ(2021 Global Challenges)」を開始した。世界中のイノベーターを対象に150万ドル以上の賞金が用意されている。ソルブは、5つのチャレンジを提示し、世界中のアントレプレナーの技術ベースによるソリューションを模索する。ソルブはまた、ズーム社(Zoom)の創立者兼最高経営責任者であるエリック・ユアン氏(Eric s. Yuan)とコード・ウィズ・クロッシー社(Kode With Klossy)の創立者であるカーリー・クロス氏(Karlie Kloss)を2021年チャレンジ大使(2021 Challenge Ambassador)として発表した。2021年のグローバル・チャレンジは、①米国における反人種差別技術(Antiracist Technology in the U.S.)、②デジタル包含(Digital Inclusion)、③公平な教室(Equitable Classrooms)、④健康安全保障とパンデミック(Health Security and Pandemics)、⑤対応力のある生態系(Resilient Ecosystems)の5つ。 Massachusetts Institute of Technology “MIT Solve announces 2021 global challenges” (3/2/21)

「2021年AI指標:パンデミックにもかかわらず、主要な成長」

スタンフォード大学(Stanford University)の「人間中心のAI研究所(Human-centered Artificial Intelligence: HAI)」が産官学組織とのパートナーシップで形成する学際チームが、人工知能(AI)の影響と進展について毎年発表する報告書の2021年版「2021年AI指標(2021 AI Index)」を発表した。報告書には、①AIへの民間投資は、新型コロナウィルス感染症の危機がその他の経済部門にはマイナスの影響を及ぼしたにもかかわらず、大幅に増加した、②ピアレビューの論文での引用数では、中国の研究者の活動が米国のそれを大きく上回り、中国のAI研究が質・量ともに増加したことを示唆する、③合成メディア(通称「ディープフェイク」)が増加しており、これはAIの進展を示す一方、非倫理的または危険な形で使用される可能性を示す、といった点がまとめられている。 Stanford University Human-Centered Artificial Intelligence “The 2021 AI Index: Major Growth Despite the Pandemic” (3/3/21)

人工知能に関する国家安全保障委員会(NSCAI)、議会と大統領への最終報告書を発表

「人工知能に関する国家安全保障委員会(National Security Commission on Artificial Intelligence: NSCAI)」は3月1日、議会と大統領へ最終報告書を提出した。NSCAIは、人工知能や機械学習、関連技術の開発を進展させ、米国の国家安全保障及び国防ニーズに包括的に対処するための勧告を大統領と議会を提出することを命じられていた。報告書は、企業幹部や学術機関のリーダー、国家安全保障専門家を含む15名で構成される委員会によって、過去2年間にわたり議会や大統領府との密接な連携の上で作成された。2025年までに米国のAI準備を完成させるための戦略を示したもので、2部構成となっている。委員会はまた、早急の行動として、①リーダーシップ、②人材、③ハードウェア、④イノベーションの4本柱に焦点を当てている。 National Security Commission on Artificial Intelligence “NSCAI Releases Final Report to Congress and the President” (3/1/21)

国防総省、コンピュータチップの先端梱包ソリューション支援としてドレーパー社に1,400万ドル発注

国防総省(Department of Defense)は、国防システム内に組み込まれるコンピュータチップの先端梱包ソリューションを大量生産する米国の能力を強化するため、ドレーパー社(Draper)と1,400万ドルの合意を交わした。同社は、国防生産法(Defense Production Act: DPA)3条(Title III)局から1,000万ドルの契約を受注した他、国防総省産業基盤分析・持続(Industrial Base Analysis and Sustainment: IBAS)局から400万ドルの契約も受注した。ドレーパー社は、既存の国内サプライヤー生産能力を拡大して、ミッションに重要な分野で使用される3D超高密度マイクロエレクトロニクス・モジュールを生産する計画である。 Department of Defense “DOD Announces $14 Million Agreement With Draper in Support of Computer Chips Advanced Packaging Solutions” (3/2/21)

NIH、アルツハイマー病向けのプレシジョン医薬研究進展を目的とした官民パートナーシップ2.0版へ投資

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、2.0版となる「医薬パートナーシップの加速 (Accelerating Medicines Partnership (AMP) アルツハイマー病プログラム(AMP Alzheimer’s disease program: AMP AD 2.0) )」を開始し、オープン科学とビッグデータの手法を拡大して治療介入措置のための生物学的ターゲットの特定に取り組む。NIH財団(Foundation for the NIH: FNIH)の管理の下、AMP AD 2.0は、NIH、業界、非営利組織、その他の組織を結集させ、共通の目標を基に、オープン科学の慣行を用いて、新たな医薬品ターゲットやバイオマーク、疾病の亜型(サブタイプ)の発見を加速させることになる。「AMP AD 2.0は、本プログラムの第一版で開発された分子マップに大幅なプレシジョンを加えることを狙いとする」と、NIHのフランシス・コリンズ所長(Francis S. Collins)はコメントしており、AMP AD 2.0の民間資金パートナーには、エーザイ、ゲイツ・ベンチャー(Gates Ventures)、武田薬品工業が含まれるという。 National Institutes of Health “NIH invests in next iteration of public-private partnership to advance precision medicine research for Alzheimer’s disease” (3/2/21)

バイデン大統領の指名を受けたOSTP長官候補、COVIDワクチン業務に関する利益相反

バイデン大統領が、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)長官に指名し、現在上院で承認審議中のエリック・ランダー氏(Eric Lander)が2月22日に明らかにした財務開示によれば、同氏はバイオンテック(BioNTech)の株式(50~100万ドル)や、その他の製薬・バイオテクノロジー企業の株式を保有している。バイオンテック社はファイザー社(Pfizer)と共同でワクチンを開発し、緊急使用承認を受けた。大統領府は、「ランダー氏がこれらの株式を売却するまでは、同氏は新型コロナウィルス感染症(COVID)のワクチンに関する業務に携わることはできない」としているが、株式の売却には数か月かかる場合もある。ランダー氏は、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の著名な遺伝学者である。 Axios “Scoop: Biden science adviser conflicted out of COVID vaccine work” (2/23/21)

グランホルム新エネルギー長官、クリーン技術の押し上げと電力グリッドの強化を目的とした大型投資を視野に

ジェニファー・グランホルム新エネルギー長官(Jennifer Granholm)は2月26日、400億ドルのエネルギー・プロジェクト向け融資プログラムを復活させること、国内の電力グリッドの改善を推進することを計画していると発表した。同長官はバイデン大統領から、エネルギー省(Department of Energy)の焦点を、気候変動対策とクリーン技術ビジネスの強化へシフトさせるよう任じられている。グランホルム長官は、電力グリッドがほぼ壊滅的な状態に陥っているテキサス州及びカリフォルニア州で昨年発生した停電は、米国の電力システムが需要増大と過酷な気象への対応にいかに苦戦しているかを示していると述べた。また、バイデン政権が構想する低炭素技術に基づく現代型の経済の育成には、エネルギー部門に対する連邦の支援が必要であると述べた。 Wall Street Journal “Biden’s New Energy Secretary Eyes Big Investment to Boost Clean Technologies, Harden Electric Grid” (2/26/21)

ローレンス・リバモア国立研究所、学際的な宇宙科学研究所を立ち上げ

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)は今月、宇宙科学研究所(Space Science Institute: SSI)を立ち上げる。SSIは、天体物理学や惑星科学における最も重要な疑問に対処する世界クラスの画期的な概念や技術を模索し、学際的な共同作業や発見を促進することを意図している。LLNLの物理・生命科学(Physical and Life Sciences: PLS)とグローバル・セキュリティ(Global Security: GS)の両総局がスポンサーとなり、SSIは、LLNLの天体物理学や地球科学、原子力科学・工学、宇宙化学、データ科学の強みを活かし、LLNL主導のプロジェクトおよび即戦力となる人材を育成するパイプラインの開発に取り組む。GS総局の宇宙化学・安全保障プログラム(Space Science and Security Program)のアソシエイト・プログラム・リーダーに最近任命されたミーガン・エカート氏(Megan Eckart)がSSIの初代局長に就任する。 Lawrence Livermore National Laboratory “Lab launches interdisciplinary Space Science Institute” (2/26/21)