エネルギー省、先端原子炉からの燃料廃棄物削減に4,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月19日、先端原子炉から出される廃棄物の量を制限し、土地と大気を守り、クリーンで信頼できるエネルギー源としての原子力の開発と使用を高めることを目的としたエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の新たなプログラムに、最高4,000万ドルを提供すると発表した。先端原子炉技術が研究開発段階から導入段階へと移行する中、ARPA-Eの新プログラム「原子力の廃棄物と先端原子炉処分システムの最適化(Optimizing Nuclear Waste and Advanced Reactor Disposal Systems: ONWARDS)」は、使用済み核燃料を10分の1に削減し、処分拠点の必要性を最小限にすることを狙いとしたプロジェクトに資金を提供する。 Advanced Research Projects Agency-Energy” U.S. Department of Energy Announces $40 Million to Reduce Fuel Waste from Advanced Nuclear Reactors” (5/19/21)

カリフォルニア州規制当局、ウーバー社とリフト社の配車サービス車両に電気化を義務付け

カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board: CARB)は5月20日、2030年までに、ウーバー社(Uber)とリフト社(Lyft)の配車サービスによる車両走行の90%は電気自動車(EV)によるものでなくてはならないとする条項を満場一致で採択した。ウーバーとリフトの両社は、「規制当局の目標は支持するが、多くの低・中所得層のドライバーがEV車両へと移行することを援助する政府からの更なる支援が必要である」との見解を表明した。両社は、CARBの目標は、不確実で非現実的な仮定に基づいており、EVと充電拠点が規制当局の予定通りに普及しない場合、ドライバーにダメージをもたらすリスクとなり得ると述べた。 Reuters “California regulator adopts EV mandate for Uber, Lyft ride-hail fleets” (5/20/21)

バイデン大統領、省庁機関に気候変動リスクの分析と軽減を指示

バイデン大統領は5月20日、気候危機が米国経済に及ぼす深刻な脅威に対処するための措置として、「気候関連の金融リスクに関する大統領令(Executive Order on Climate-Related Financial Risk)」に署名した。この大統領令は、米国民が、気候変動が自分の財務の安全保障に及ぼす影響についてより良い理解を得られるようにし、米国金融システムを強化し、連邦政府が気候変動リスクを軽減するための確固たる判断に情報提供を行うことを目的とする。具体的には、①政府全体で気候関連の金融リスクを緩和するための手法を開発する、②金融規制当局に気候関連の金融リスクの評価を行うことを奨励する、③貯蓄や年金の対応力を強化する、④連邦による融資、保証、調達を現代化する、⑤気候変動が連邦予算に及ぼすリスクを削減する、ことを指示している。 White House “FACT SHEET: President Biden Directs Agencies to Analyze and Mitigate the Risk Climate Change Poses to Homeowners and Consumers, Businesses and Workers, and the Financial System and Federal Government Itself” (5/20/21)

MIT.nano、START.nanoアクセラレーターを立ち上げ

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のMIT.nanoは、初期ステージにあるハードテック・ベンチャーを支援するため、新たなパイロット・プログラム「START.nano」を開始する。また、ナノスケール技術をビジネスの中核とする7つの企業が本プログラムに参加することが認められた。2021年のSTART.nano参加企業の主たる恩恵は、MIT.nanoのクリーンルーム、特性化ツール、その他のラボへのアクセスを割引価格で利用できることである。また、START.nano参加企業は、MITコミュニティの一員として、優れた研究者と共に取り組んだり、MITイノベーション・エコシステムを通じて支援を受けることができる。MIT.nanoのスタッフは、この試験的な1年を使って、企業と共に、START.nanoがどのようなプログラムサポートを取り入れて、ハードテック・ベンチャーの成功を後押しできるかについて検討する計画である。 Massachusetts Institute of Technology “MIT.nano launches START.nano accelerator” (5/19/21)

ニューメキシコ州内での石油・天然ガス事業:債券要件と清掃費用の間には81億ドルの差

ニューメキシコ州の石油・天然ガスインフラ企業が倒産した場合、その清掃作業のための巨額費用は州政府の負担になるが、応用研究センター(Center for Applied Research: CAR)の分析によれば、インフラ事業のために発行される債券と、その拠点の清掃費用の間には81億8,000万ドルもの差があるという。企業は、「万が一倒産した場合、その拠点が清掃される」という金銭的確証を提供するため、債券を発行する。CARによれば、現在、ニューメキシコ州の石油・天然ガスインフラ拠点を清掃するのに、約83億8,000万ドルの費用がかかる一方、債券によって利用可能な資金は2億142万ドルで、その差額が81億8,000万ドルとなる。報告書によれば、石油業界において市場は一般的に変動的であり、事業者が事業の途中に破産申告をすることは珍しいことではない。これは特に、景気低迷や石油需要が減少した場合に当てはまるという。 New Mexico Political Report “Analysis finds $8.1 billion gap in New Mexico bonding requirements, clean up costs for oil and gas” (5/20/21)

コロニアル・パイプライン社のCEO、ハッカーに440万ドルの身代金を支払った理由を説明

コロニアル・パイプライン社(Colonial Pipeline)のオペレーターは5月7日未明、従業員が制御室のコンピュータにハッカーから身代金を要求する一文を見つけ、自社のパイプラインがトラブルに陥ったことを知った。その日の夜までに、同社の最高経営責任者(CEO)は、身代金を支払うという苦渋の決断をした。同社のCEO、ジョセフ・ブロウント氏(Joseph Blount)は、ウォールストリートジャーナル紙(Wall Street Journal)に対し、「サイバー攻撃によってどれぐらいの被害がもたらされたのか不確実であり、またパイプラインの復旧にどれぐらいを要するのか不明であったことから、440万ドルの身代金支払いを承認した」と述べた。支払いはビットコインで行われ、同社はその見返りとしてシステムを開錠するための解読ツールを受け取った。連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)は長年、企業がランサムウェア(ハッキングし、解読コードと引き換えに身代金の支払いを要求する)の攻撃を受けた際に、支払いをしないよう助言しているが、攻撃を受けた多くの企業や自治体、その他は、事業に大きな代償をもたらすことを避けるために身代金を支払っているのが現状である。 Wall Street Journal “Colonial Pipeline CEO Tells Why He Paid Hackers a $4.4 Million Ransom” (5/19/21)

バイデン政権、前政権下で失職した気候補佐官を復職

大統領府は5月19日、トランプ前大統領が昨年、気候変動に関する政府報告書を監督する「米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program: USGCRP)」のエグゼクティブ・ディレクター職から追放したマイケル・クーパーバーグ氏(Michael Kuperberg)を、同職へ復帰させると発表した。これに関して大統領府高官は、気候評価及び科学の責任者として無党派のリーダーシップを置く必要性を強調した。トランプ前大統領は、昨年11月の大統領選挙後にクーパーバーグ氏をUSGCRPの職務から追放して、エネルギー省(Department of Energy)へ異動した一方、エグゼクティブ・ディレクターには気候科学に疑問を呈していた高官を据えた。次の第5次全米気候評価報告書(National Climate Assessment)は2022年の予定であるが、その完成は2023年と予測されている。 The Hill “White House reinstates climate adviser removed by Trump” (5/19/21)

米政府、より多くの施設が研究用のマリファナを生産することを許可へ

麻薬取締局(Drug Enforcement Agency)は5月14日、複数の施設を対象にマリファナの生産を認める許認可を発行すると発表した。これまで数十年にわたる一大学による研究用マリファナ生産独占が終わりへと向かう。1968年以来、ミシシッピー大学(University of Mississippi)が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や慢性病などの治療法として、マリファナを研究する米国の医療研究者へマリファナを供給するライセンスを有してきた。DEAはウェブサイト上で、研究目的のマリファナ栽培の許認可申請を行っている複数の生産者へ覚書(memorandum of agreement: MOA)を送付したと発表した。本件に関する許認可申請手続きは長年にわたって遅延されており、今回の発表は大きな変化である。 Science “United States set to allow more facilities to produce marijuana for research” (5/17/21)

NIST、新興技術の規格標準における中国の影響評価について支援を求める

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、新興技術の使用を管理する国際規格標準の設定について、中国の関連政策及び動きに関する洞察を集めるため、情報の要請(request for information: RFI)を行う準備をしている。NISTの標準調整局(Standards Coordination Office: CSO)による先週の通知によれば、同局は、RFIへの返答に基づき、情報を収集、評価、編集し、勧告を行う組織に資金を拠出する意向である。中国は昨年、次世代技術の世界的な規格標準の設定で中枢となる役割を担うための大胆な戦略を詳述した15ヵ年計画「中国標準2035年(China Standards 2035)」を発表している。 Nextgov “NIST Wants Help Assessing China’s Influence on Emerging Technology Standards” (5/14/21) …

NSF、AIを用いたパンデミック予測・予防を目指す

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究者が、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックのようなパンデミックを予測できる人工知能(AI)システムを開発したいと考えている。「パンデミック予防のための予測的知能(Predictive Intelligence for Pandemic Prevention: PIPP)」と題するプログラムを通じて、NSFは2月以来、4回のワークショップを実施している。PIPPプログラムの目標は、早期に疾病の発生を検知することで、感染を制限し、エピデミックやパンデミックの発生の予防につなげることである。 National Science Foundation “NSF wants to predict and prevent the next pandemic with AI” (5/12/21)