オーク・リッジ国立研究所とオクラホマ大学が提携

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)とオクラホマ大学(University of Oklahoma: OU)は先般、共通の研究開発目標を追求するパートナーシップを正式に表明する覚書(memorandum of understanding: MOU)を交わした。ORNLは、米国内最大の複数プログラムを実施する米国内最大の科学技術研究所であり、独自の施設、最先端のツール、様々な学問分野での深い科学的専門性を持つ。OUはカーネギー財団(Carnegie Foundation)によって、「最高水準の研究活動機関(Highest Research Activity Institution)」に指定されている。このパートナーシップを通じて、ORNLの科学者とUOの学生及び教員は、それぞれが持つ様々な強みを通じて新たな機会を模索していく。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL to partner with University of Oklahoma” (10/25/21)

DARPAのSSITHプログラム、実用化へ一歩前進

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「ハードウェア及びファームフェアを通じた総合システム・セキュリティ(System Security Integrated Through Hardware and Firmware: SSITH)」プログラムでは、これまでの所、手法の開発と、概念の証明(システム・オン・チップ(system-on-chip: SOC)の設計者が、コンピュータのハードウェアを制限してセキュアにすると同時に、性能とパワーを維持できるようにするために使用する概念)に焦点を当てて研究が行われてきた。厳しい検査と評価が行われた結果、SSITHの概念は、「共通脆弱性タイプ一覧(common weakness enumeration: CWE)」として知られるハードウェアの脆弱性に、頑強なセーフガードとなることが証明された。SSITHプログラムは現在最終段階にあり、実証された概念の発見から実用的な応用への移行が中心となっている。ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin Corporation)によるチームが、仮想プロセッサを超えて「具体的な用途向けの集積回路(application-specific integrated circuit: ASIC)」の開発を目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Moving SSITH Safeguards Closer to Practical Use” (10/20/21)

カリフォルニア州、住宅や学校から一定距離内の新規原油掘削禁止に向けた動き

カリフォルニア州政府は10月21日、住宅や学校、医療施設から3,200フィート以内で新規の原油及び天然ガス掘削を行うことを禁止し、こうした地域内にある既存の油田やガス田に排出の監視を義務付けることへ向け、最初の規制提案を行った。環境保護派や公衆衛生提唱者は、油田から発生する有害物質、悪臭、危険性は、中南米住民及び黒人のコミュニティに不均衡に影響していると述べ、こうした規制の必要性を主張している。それでも、新規制を策定する州のプロセスには多大な努力を必要とすることから、新たな規制は恐らく2023年まで実施されないとみられている。また、その過程で一部が変更される可能性はある。更に、こうした提案は州内の石油業界から猛攻な反発を受けることが予想される。 Los Angeles Times “New California oil drilling must be set back from homes and schools, Newsom says” (10/21/21)

米諜報コミュニティ、気候変動に関する国家諜報予測を発表

バイデン政権の諜報トップ及び科学者が10月21日、気候変動が呈する世界的な安全保障脅威についてまとめた「国家諜報予測(National Intelligence Estimate)」と呼ばれる報告書を初めて発表した。報告書は、世界的に今後数十年間で最大の試練が呈され、そしてそれは、政治的な論争や無活動が理由となって、これまで予想されていたよりも早いペースで進行するであろうと結論している。具体的に、十年以内に、海洋の気温と酸性度の上昇によって既に制約を受けている漁場は悪化し、干ばつによって極めて重要な穀物栽培は激減し、食料と水の不足は広範な衝突や買いだめ、そして世界的な飢餓を誘発する可能性があるという。報告書は、米国の18の全諜報機関の一致した見解であり、連邦科学者がベースラインとなる観測データや気候モデリングを提供した。 USA Today “first-ever National Intelligence Estimate on climate change – and it’s not pretty” (10/21/21)

規制当局高官、気候の惨事が金融システムに及ぼす影響を警告

財務省(Department of Treasury)のジャネット・イエレン長官(Janet Yellen)及びその他の金融規制当局高官は、10月21日に発表した待望の報告書の中で、「地球温暖化は米国経済の安定性に新興の脅威となっている」と主張した。この主張により、気候変動問題はこうした高官にとって対処すべき問題となる。金融安定化監督評議会(Financial Stability Oversight Council)が作成した133ページに及ぶ報告書は、規制当局者が、気候関連が金融の安定性や個々の金融会社及びコミュニティに及ぼすリスクの特定・測定を重視することを提案している他、金融面で脆弱な層を保護する必要性を強調している。報告書はまた、連邦機関が今後数年間に導入することを検討すべき策を複数勧告している。 EE News “Top regulators warn of climate havoc to financial system” (10/22/21)

資産総額60兆ドルの投資家グループ、ユーティリティ企業が2035年までに脱炭素化することを要請

60兆ドルの資産を有する5つの投資家グループの同盟、気候アクション100プラス(Climate Action 100+)は、世界の大手ユーティリティ機関に対し、2035年までに脱炭素化するよう求めた。この目標は、パリ気候協定(Paris Agreement)に沿ったものである。今回の投資家の要請が聞き入れられれば、米国内にある30社の大手電力会社の一部を除く全てが、ネットゼロ排出目標を15年早める必要があることを意味する。気候アクション100プラスは、「ネットゼロ企業ベンチマーク」と呼ばれるものを使って、どこに資金を投入すべきか、株主としてどのように企業に関与すべきかといった点について、投資家にガイドを提供している。2035年の脱炭素化目標は、このベンチマークに組み入れられると予想されている。 S&P Global Market Intelligence “Investors with $60 trillion in assets call on utilities to decarbonize by 2035” (10/20/21)

大統領府、有害なAIを制限することを目的とした技術版「権利の章典」を提案

大統領府は、強力な人工知能(AI)技術から防御する新たな「権利の章典(bill of rights)」が必要と考えており、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は10月8日、顔認識やその他のバイオメトリック手段を使って個人を特定することや、その人の心理的もしくは精神的状況や特質を判断することについて、正しい状況認識に取り組むミッションを開始した。OSTPのエリック・ランダー長官(Eric Lander)及びアロンドラ・ネルソン副長官(科学・社会)(Alondra Nelson)(deputy director for science and society)はまた、ワイアード誌(Wired)に論説を発表し、人々を不当に差別したり、プライバシーの侵害につながる可能性があるAIの誤りや有害な利用から保護する新たなセーフガードを開発する必要性があることを詳述した。欧州の規制当局は既に、リスク性が最も高いAIの応用を制限する措置に着手している。 AP News “White House proposes tech ‘bill of rights’ to limit AI harms” (10/8/21)

OSTP、バイオメトリック技術の使用について官民から情報を要請

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、10月8日付け連邦広報(Federal Register)にて、個人の検証、個人の特定、特質(個々の精神的及び心理的状況を含む)の推論を目的としたバイオメトリック技術について、これまでの導入/プロポーザル/パイロット/検査、もしくは現在の使用に関する情報を官民から募る「情報の要請(Request for Information: RFI)」を通知した。このRFIの目的は、①過去/現在/将来におけるバイオメトリック技術の規模と範囲、②これらの技術が使用されている領域、③これらの技術を利用している事業体、④これらの使用に関する現行の原則や慣行、もしくはこれらの使用を統治する政策、⑤これらの技術の使用もしくは規制の影響を受けている、もしくは受けている可能性があるステークホルダー、について理解することである。 Federal Register “Notice of Request for Information (RFI) on Public and Private Sector Uses of Biometric Technologies” (10/8/21)

エネルギー省、2021年電力諮問委員会のメンバーを発表

エネルギー省(Department of Energy)は10月13日、2021年の電力諮問委員会(Electricity Advisory Committee: EAC)の新任及び再任メンバーを発表した。EACは、DOEの研究開発ポートフォリオ及びプログラム活動を向上させるエネルギー省の戦略の重要な要素である。エネルギー長官によって2年間の任務を任命され、エネルギー省の次官補(電力)(Assistant Secretary for Electricity)と協力し、1年間に3回の会合を行い、電力に関する様々な問題でエネルギー省に助言する。EACのメンバーは、州政府、地域の計画事業体、ユーティリティ企業、サイバーセキュリティ及び国家安全保障企業、天然ガス部門などの代表者で構成される。今回発表されたメンバーは、新任14名、再任23名となっている。 Department of Energy “U.S Department of Energy Announces 2021 Electricity Advisory Committee” (10/13/21)

バイデン政権、気候変動の影響に対応力のある経済を構築するためのロードマップを公表

大統領府は10月14日、「気候対応力のある経済を構築するためのロードマップ(A Roadmap to Build a Climate-Resilient Economy)」と題する文書を公表した。これは、気候変動が米国の世帯や企業、経済に呈する体系的リスクを測定、開示、管理、軽減するための政府全体の包括的戦略である。戦略には6つの支柱が含まれ、これらは、バイデン大統領が5月に通達した「気候関連の金融リスクに関する大統領令(Executive Order on Climate-Related Financial Risks)」の目標を達成する一助となる。6つの支柱は、①気候関連の金融リスクに対する米国金融制度の対応力を推進する、②老後の貯蓄や年金を気候関連の金融リスクから保護する、③連邦調達を使って気候関連の金融リスクに対処する、④気候関連の金融リスクを連邦金融管理及び予算に組み入れる、⑤気候関連の金融リスクを連邦融資・融資保証に組み入れる、⑥対応力のあるインフラ及びコミュニティを構築する、の6点。 White House ” FACT SHEET: Biden Administration Roadmap to Build an Economy Resilient to Climate Change Impacts ” (10/15/21)