エネルギー省、クリーン製造のイノベーション促進を目的として、マテリアルと技術の応用研究開発に資金を提供する計画

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は10月14日、経済全体の脱炭素化や、持続可能性の強化、経済競争力につながるイノベーションを促進するための資金提供公募(FOA)を発表する意向を明らかにした。「2022年度先端マテリアル及び製造技術-建造物技術局の複数トピックFOA(FY22 Advanced Materials and Manufacturing Technologies- Building Technologies Office Multi-topic FOA)」を通じて、気候危機に取り組み、2050年までに米国をネットゼロ炭素経済へと進める次世代マテリアル及び製造技術に投資するという現政権の優先事項を支援する。同FOAには、次世代マテリアル及び製造、セキュアで持続可能なマテリアル、エネルギー技術製造と労働力、のトピックが含まれる予定である。 Department of Energy “Department of Energy Issues Notice of Intent to Fund Applied Research and Development for Materials and Technologies to Drive Innovation in Clean Manufacturing” (10/14/22)

NIST、超大型の半導体製造研究所の立ち上げを検討

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が10月13日付の連邦広報(Federal Register)に掲載した「情報の要請(request for information: RFI)」通知によれば、NISTは現在、単一の超大型半導体製造研究所を立ち上げるか、それとも専門的研究所をシリーズとして立ち上げるかを検討している。RFIによれば、NISTは、半導体及びマイクロエレクトロニクス・イノベーションのエコシステムを強化するために立ち上げる製造USA研究所(Manufacturing USA institute)の設計について、設計や製造、試験、組み立て、梱包のニーズに対処する形で一般からのコメントを募集している。製造USAの16の研究所は、官民パートナーシップで、それぞれ具体的な技術のサプライチェーンの改良を狙いとしている。通常、初期の5年間に1億5,000万ドル~6億ドルの資金が拠出される。8月に法制化された「CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)(通称CHIPS法)」は、半導体の研究開発及びインフラ投資に110億ドルを充当しており、これにはNISTによって設立される最高3件の製造USA研究所が含まれる。 Fedscoop “NIST considers launching ‘supersized’ semiconductor manufacturing institute” (10/13/22)

バイデン大統領の国家安全保障戦略の焦点は、中国、ロシア、国内の民主主義

バイデン大統領は10月12日、48頁に及ぶ「国家安全保障戦略(National Security Strategy)」を発表した。これは新政権が発足するたびに公表が義務付けられているもので、バイデン大統領は、今後数年間、米国にとって圧倒的な試練は、中国との競争に勝ち、ロシアを抑制しつつ、国内で傷ついた民主主義に焦点を当てることだと宣言した。大統領は、長期的には、独裁主義の統治を積み重ね、修正主義の外交政策へと移行しつつある中国を、減退しつつあるロシアよりも懸念していることを明確にした。バイデン大統領の戦略は、国内政策と外交政策の間の差異を消去した点が特筆に値する。大統領は、「米国の強さの源は、国内の民主主義の伝統を再確認することから生まれる」とした。国家安全保障戦略文書の公表は昨冬に予定されていたが、ロシアによるウクライナ侵攻が差し迫っていることが明白になり、遅延した。 New York Times “Biden’s National Security Strategy Focuses on China, Russia and Democracy at Home” (10/12/22)

大統領府、農村・遠隔地域社会のエネルギー・システムを強化する10億ドルのプログラムを開始

大統領府は10月12日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、米国内の農村・遠隔地域社会におけるエネルギー生産を向上させるために実施される10億ドルの新プログラムについて、一般からの意見を募集する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。資金は、バイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。プログラムの名称は、「農村・遠隔地域におけるエネルギー向上(Energy Improvements in Rural or Remote Area: ERA)」プログラムで、エネルギー・システムの対応力と信頼性と有用性を強化し、地域社会が、よりクリーンで効率的なエネルギーによってもたらされる公衆衛生と節約の恩恵を得ることを支援する。エネルギー省は、農村・遠隔地域社会に支援を提供するERAプログラムを形成するにあたり、エネルギー・プロジェクト開発事業者やユーティリティ機関、地域社会組織など、広範な関係機関からの意見を募集している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Launches $1 Billion Bipartisan Infrastructure Law Program to Enhance Energy Systems in Rural and Remote Communities” (10/12/22)

エネルギー省、重要鉱物の国内サプライチェーンを進展させる3,200万ドルのプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は10月12日、国内の石炭ベースの資源からレアアース元素(rare earth element: REE)及びその他の重要鉱物・マテリアルを生産することを目的としたフロント・エンド工学設計(front-end engineering design: FEED)研究に、3,200万ドルを提供する意向通知(Notice of Intent: NOI)を発表した。資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。REEやその他の重要鉱物は、クリーン・エネルギー技術の製造の鍵であり、石炭製品の無駄をクリーン・エネルギー技術のコンポーネントへと転換することは、歴史的に化石エネルギー燃料及び電力を生産してきた地域社会に良好賃金の雇用を創出する可能性がある。今回予定されている資金提供公募では、国内の豊富な石炭及び石炭製品資源から重要鉱物を生産するための抽出及び加工技術の応用を加速させるFEED研究を募集する。 Department of Energy “DOE Launches $32 Million Program to Advance Domestic Supply Chain for Critical Minerals” (10/12/22)

米英共同声明:技術とデータに関する新たな包括的対話とデータ十分性に関する進展

米商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina M. Raimondo)と英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(State for Digital, Culture, Media and Sport)のミシェル・ドネラン大臣(Rt Hon Michelle Donelan MP)は10月7日、「米英の技術とデータに関する包括的対話(U.S.-UK Comprehensive Dialogue on Technology and Data)」の開始について共同声明を発表した。2021年に米英両首脳(当時)が、二国間で画期的な「技術パートナーシップ(Technology Partnership)」を策定することへのコミットメントを発表しており、今回の共同声明は、このコミットメントと、米英間のデータ十分性(data adequacy)に関する大幅な進展に基づくものである。共同声明では、「米英両国は、両国の繁栄と安全保障を確実にし、共通の民主的価値が保護され、これが世界的に推進されることを確実にする上で、重要技術の戦略的優位性を認識する」とし、2021年6月の二国間技術パートナーシップ策定発表以来の一年間における重要な進展について述べている。更に、国境間のデータ・フローについても声明し、「米英のデータ十分性に関する協議で大幅な進展が見られた」としている。 Department of Commerce “U.S.-UK Joint Statement: New Comprehensive Dialogue on Technology and Data and Progress on Data Adequacy” (10/7/22)

デルタ航空とMIT、飛行機雲を是正するための飛行試験を共同で実施

飛行機雲は、地球温暖化の最高2%を占める可能性がある一方、大手航空会社は、飛行機雲の形成方法やその軽減方法についてほとんど理解していない。こうした中、デルタ航空(Delta)とマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)は、持続的な飛行機雲を軽減する方法を試験するためのパートナーシップを組んだ。航空業界にとって予備研究及びモデリングは、極めてシンプルかつ燃料効率の高いルート変更という形で飛行機雲の形成を完全に回避することが可能なことを示唆している。MITの航空・環境研究所(Laboratory for Aviation and the Environment)の研究者は、衛星と機械学習を用いて、飛行機雲が形成される地域や高度を判別し、そしてそれらの情報をデルタ航空の飛行士に提供するシステムの開発に取り組んでいる。 Protocol “Delta and MIT are running flight tests to fix contrails” (10/6/22)

先端製造における米国のリーダーシップのための国家戦略を発表

10月7日の全国製造デー(National Manufacturing Day)にあわせ、大統領府は「先端製造国家戦略(National Strategy for Advanced Manufacturing)」を発表した。製造は、米国の経済及び国家安全保障を促進する。大統領府は、製造部門の再活性化、強力な米国サプライチェーンの構築、研究開発投資、労働力の訓練につながる取り組みに焦点を当てている。国家戦略には、今後4年間に追求する目標(goal)として、①先端製造技術の開発及び実践、②先端製造労働力の育成、③製造サプライチェーン及びエコシステムの対応力構築、の3点が提示されており、更に各目標には複数の戦略的目的(strategic objective)ならびに勧告が記載されている。 Department of Commerce “Announcing the National Strategy for U.S. Leadership in Advanced Manufacturing” (10/7/22)

大統領府、気候変動の影響に対する連邦政府の対応力を強化

大統領府は10月6日、悪化する気候変動の影響に対する連邦政府の対応力を強化するため、20以上の機関による新たな行動を発表した。それらは、「2022年気候適応進展報告(2022 Climate Adaptation Progress Report)」内で詳述されている。バイデン大統領は2021年2月に、大統領令第14008号(Executive Order 14008)「国内外の気候危機対策(Tackling the Climate Crisis at Home and Abroad)」を通じて、連邦気候適応努力を再活性化させるよう連邦機関に指示した。そして連邦機関は2021年10月に「気候適応計画(climate adaptation plan)」を発表し、それぞれの機関にとって最も重要な気候リスクの特定とそれへの対処を行うと共に、広範なリスクに対処する行動(プログラムや施設、労働者の安全など)を開始した。こうした取り組みの一環として、ホワイトハウスは、気候データに関して行動するための連邦政府の情報資源と能力を再構築する努力を開始した。更に、バイデン=ハリス政権は、米国のコミュニティ、経済、インフラを、気候変動の最も深刻な影響から守るため、州政府や部族、地方自治体との協力を継続している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Strengthens the Federal Government’s Resilience to Climate Change Impacts” (10/6/22)

大統領府、米国の北極地域国家戦略を発表

米国は、平和的で安定と繁栄があり、協調的な北極地域を模索している。今回発表された「北極地域の国家戦略(National Strategy for the Arctic Region)」は、2013年に発表された同国家戦略の更新版で、今後十年間をかけてこうしたビジョンを実現するための積極的な米国議題を詳述したものである。北極地域の国家戦略は、相互に補強しあう4つの支柱で構成されており、それらは、①安全保障、②気候変動と環境保護、③持続可能な経済開発、④国際協力とガバナンス、である。戦略は、北極地域における新興の課題と機会に対処する米政府の手法のガイドとなる枠組みとして機能する。そしてそれを下支えする5つの原則として、①アラスカの先住民部族及びコミュニティとの協議、調整、共同管理、②同盟国及びパートナーとの関係強化、③(数十年先を見据えた)長期的投資のための計画、④分野横断型同盟及び革新的アイデアの育成、⑤政府全体かつ証拠に基づく手法へのコミット、が提示されている。 White House “FACT SHEET: The United States’ National Strategy for the Arctic Region” (10/7/22)