BMW社、17億ドルを投じて、サウスカロライナ州に電気自動車用電池工場を建設へ

BMW社は、サウスカロライナ州にある工場で電気自動車(EV)用電池を製造する計画であると発表した。EV生産を米国内で行う大手自動車メーカーの最新の発表となった。BMW社は、米国内で17億ドルを投資する計画で、その内訳は、BMW社のスパータンバーグ工場でのEV生産に10億ドル、近隣のウッドラフでの新規電池生産工場に7億ドルとなっている。同社によれば、2030年までに、米国内で少なくとも6つのEVモデルを生産する計画である。米国を拠点とするEV工場を設立することで、同社が予定するプラグイン式自動車ラインは、連邦のEV税控除の適用を受けることができる。BMW社は、サウスカロライナ州の専用電池工場計画でエンビジョンAESC社(Envision AESC)と提携する。 The Verge “BMW will build a $1.7 billion EV battery factory in South Carolina” (10/19/22)

米国技術が中国の極超音速ミサイル・プログラムを押し上げ

ワシントンポスト紙(Washington Post)の調査によれば、中国の極超音速及びミサイル・プログラムの先端にいる軍研究グループ(その多くが米国の輸出管理ブラックリストに記載されている)は、米国の様々な特殊技術を購入しており、その中には、国防総省(Department of Defense)から数百万ドルのグラントや契約を受注している企業が開発した製品も含まれる。こうした先端ソフトウェア製品は、米国の国家安全保障にとって脅威とみなされる海外事業体への販売または再販を防止することを意図した米国の輸出管理措置があるにもかかわらず、中国の民間企業を通じて中国の軍関連組織によって購入されている。中国の軍研究学術機関及び企業による広範なネットワークに関与している科学者によれば、米国技術(高度に特殊な航空工学ソフトウェアなど)は、中国の国内技術に不足している溝を埋め、中国兵器を進展させる上で鍵となっているという。 Washington Post “American technology boosts China’s hypersonic missile program” (10/17/22)

連邦研究開発センター(FFRDC)における人工統計学的構成に変化(2021年)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表した調査結果「連邦研究開発センター(Federally Funded Research and Development Centers: FFRDC)におけるポスドク・アンケート調査(Survey of Postdocs at FFRDC)」によれば、FFRDCで訓練を受けるポスドク研究者の数は、2013年から1,000名(39.2%)以上増加して2021年には3,637名となった。2019年から2021年の間に、米国市民及び永住者のポスドク数は、350名(24.5%)増加し、短期滞在ビザを保有するポスドクの数は48名(2.5%)減少した。FFRDCにおけるポスドク合計数は2019~2021年の間に302名(9.1%)増加し、そのうち女性の数は121名(14.1%)増加して980名となった。米国市民及び永住者の間で見ると、FFRDCの女性ポスドク数は同期間に149名増え、38.7%の増加となった。これは、2013~2015年(61名増加)以来の最大増加である。また、米国市民及び永住者の間で、ヒスパニック系、アジア、白人、もしくは「2つ以上の人種」のポスドク数は2019~2021年の間に20%以上増加しており、女性ポスドク数の増加とあわせて、FFRDCにおけるポスドクがゆっくりと多様化していることを示唆している。(今回の調査は、コロナ禍が始まって以来、初めての調査で、コロナ禍は外国籍の者が米国内で勉強する可能性に影響を及ぼした) National Center for Science and Engineering Statistics “The Shifting Demographic Composition of Postdoctoral Researchers at Federally Funded Research and Development Centers in 2021″ (10/25/22)

研究者はオープン・アクセス料の支払いに苦慮

連邦政府の政策策定者は、連邦資金を受けた科学的研究の論文及びデータへのアクセスを高める手法を模索している。しかし、読者の公共アクセスを確実にすることを意図した政策は、研究者が論文を出版する機会に影響を及ぼし、隠れた経済的負担やキャリアの機会損失をもたらしつつある。米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)が、オープン・アクセス論文の傾向と科学的活動への影響についてより良い理解を得るために実施した調査結果(422名の米国研究者からの回答)によれば、研究者の63%がキャリアのどこかの時点で、「論文プロセス料(article processing charge: APC)」(科学的研究への公共アクセスを目的とした費用支払いの一つ。研究者もしくは所属機関が払う)を支払っている。APCを支払ったことがある研究者の回答によれば、その52%が、「これらの費用のための資金を獲得することは困難(もしくはとても困難)だった」と回答し、69%が、グラント資金を使ってAPC費用を工面したと回答した。調査結果には、性差による違いも見られ、女性研究者の方がグラント資金をAPCの支払いに充当する割合が高い。APCの支払いは、研究活動やキャリアの進展を目指す研究者にとり、「APCに支払った資金は、支払いがなければ、機器や専門的開発に支出することができた」といった相反をもたらす可能性もある。 American Association for the Advancement of Science “AAAS Survey: Many Researchers Face Difficulties Paying Open Access Fees” (10/26/22)

ニューヨークの市、州、市立大学のリーダーシップが新たな科学パークと研究キャンパス計画を発表

ニューヨーク市及びニューヨーク州のリーダーシップは、ニューヨーク市立大学(City University of New York: CUNY)と提携し、キップス・ベイ(Kips Bay)に「科学パーク及び研究キャンパス(Science Park and Research Campus: SPARC)」を創設する。この種としては初のイノベーション・ハブで、CUNYの公衆衛生及び医療政策大学院(Graduate School of Public Health and Health Policy: CUNY SPH)やハンター・カレッジ・スクール・オブ・ナーシング(Hunter College School of Nursing)などの4,500名以上の学生のための現代的で新しい施設が含まれる。本プロジェクトにより、ブルックデール・キャンパス(Brookdale Campus)が、最新の学習指導及び商業施設へと変革される。CUNY SPHのための新たなラボや研究スペースが加わり、同大学の図書館や学習センターもある。このプロジェクトを通じて、今後30年間に約250億ドルの経済的効果と、1万人の雇用が創出され、生命科学や医療ケア、公衆衛生など、成長中の重要分野のキャリアのための人材パイプラインが創出される。 City University of New York “City, state and CUNY leadership unveil plans for new Science Park and Research Campus” (10/19/22)

NREL、オフショア風力の労働力の大幅な成長へ向けた道筋を提示

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は10月18日、米国のオフショア風力部門の労働力の今後の成長を分析し、将来の労働力開発のニーズを特定した報告書「米国オフショア風力労働力評価(U.S. Offshore Wind Workforce Assessment)」を発表した。報告書は、オフショア風力業界は、2024年~2030年に、毎年平均1万5,000人~5万8,000人の正規雇用が必要となると予測しており、これは現在の1,000人未満からの増加となる。強力なオフショア風力エネルギー労働力は、米国の電力部門の脱炭素化の一助となり、「2030年までに30ギガワットのオフショア風力エネルギー能力を、2035年までに15ギガワットの浮体式オフショア風力エネルギーを導入する」というバイデン政権の目標を達成する上で重要である。報告書はまた、オフショア風力エネルギー雇用の需要増加に対応するために、①有技能の専門労働者を引き付け、訓練する、②労働者が必要な安全及びその他の技能訓練を取得できるようアクセス性の高い明確な経路を創出及び標準化する、など必要な措置を提示している。 Department of Energy “National Lab Study Charts Path Toward Significant Growth in Offshore Wind Workforce” (10/18/22)

GAO、中小企業研究プログラムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「中小企業研究プログラム:アワードのスケジュールに関する報告は強化が可能(Small Business Research Programs: Reporting on Award Timeliness Could Be Enhanced)」と題する報告書を発表した。中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)に参加する連邦機関は、中小企業が新しい技術を市場へ投入することを支援している。しかし、GAOの調査によれば、連邦機関は必ずしも予定通りのスケジュールでアワードを実施しておらず、この点は問題となる可能性がある。なぜなら、中小企業は自社の活動を計画する上で、これらのアワードがスケジュール通りに行われることを頼りにしているからである。GAOは、両プログラムを監督する中小企業庁(Small Business Administration: SBA)に対し、アワードのスケジュールに関する報告を強化するよう勧告し、具体的には、これらのアワードについてよりタイムリーな形で年次報告を発表すること、ウェブサイト上でリアルタイムのデータを提供することを提案している。 Government Accountability Office “Small Business Research Programs: Reporting on Award Timeliness Could Be Enhanced” (10/12/22)

CSIS、AI及び半導体に関する米国の対中国輸出管理措置に関し報告

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は10月11日、「中国が将来のAIへアクセスすることを阻止する(Choking Off China’s Access to the Future of AI)」と題する報告書を発表した。バイデン政権は10月7日、人工知能(AI)及び半導体技術に関する新たな対中国輸出管理政策を発表した。バイデン政権はここ数週間、AI及び半導体の輸出管理制限について批判を受けていたが、これらの新たな管理政策は、米中関係の真の転機となるものである。報告書の執筆者は、バイデン政権が対中国半導体政策で取り組もうとしている4つの「難所(chokepoint)」として、①中国がハイエンドAIチップにアクセスすることを阻止することで、中国のAI業界を窒息させる、②中国が米国製のチップ設計ソフトウェアへアクセスすることを阻止することで、中国がAIチップを国内設計することを阻止する、③中国が米国製の半導体製造設備にアクセスすることを阻止することで、中国が先端チップを製造することを阻止する、④中国が米国製のコンポーネントへアクセスすることを阻止することで、中国が国内で半導体製造機器を生産することを阻止する、を挙げている。報告書は更に、バイデン政権の措置から考えられる考察点や、政策の主要課題及び疑問について記述している。 Center for Strategic and International Studies “Choking Off China’s Access to the Future of AI” (10/11/22)

大統領府、風力エネルギー導入を迅速化させるため、超党派インフラ法による3,000万ドルを発表

大統領府は10月18日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から3,000万ドルを拠出し、陸上及びオフショアの風力エネルギー・プロジェクトの費用低減につながる研究開発プロジェクトに資金提供する意向であることを通知した。予定されている「超党派インフラ法から、オフショア、陸上、分散型風力発電導入の障壁削減のための資金拠出(Bipartisan Infrastructure Law Funding for the Reduction of Barriers to Offshore, Land-Based, and Distributed Wind Deployment)」の下、オフショア風力発電による大規模電力を移送するために必要な技術の進展や、社会科学研究や地域社会との関与を通じて、沿岸の地域社会がオフショア風力開発から恩恵を受けられるよう支援することなどを目的としたプロジェクトに2,800万ドルが提供される。更にエネルギー省は、「浮体式オフショア風力ショット(Floating Offshore Wind Shot)」への支援と、超党派インフラ法による250万ドルの今後の研究開発活動への情報提供を目的として、浮体式オフショア風力構造を深海の海底に取り付けるアンカー及び係留システムに関する研究ニーズの情報を求める「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $30 Million from Bipartisan Infrastructure Law to Speed Up Wind Energy Deployment” (10/18/22)

大統領府、インフラを加速させるための行動計画を発表

大統領府は10月13日に、「ホワイトハウス・インフラ加速サミット(White House Accelerating Infrastructure Summit)」を開催し、バイデン政権及び外部の組織は、米国インフラの再構築を加速させるための新たな取り組み及び行動計画を発表した。行動計画には、予定通りのプロジェクトの実施、タスクの継続、予算内のプロジェクトの実施、が示されている。連邦、州、地方自治体、民間部門によるインフラ・プロジェクトの実践を加速させることは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の恩恵を最大限にする上で重要であると大統領府では考えている。 White House “FACT SHEET: The Biden-⁠Harris Administration Announces Action Plan to Accelerate Infrastructure” (10/13/22)