大統領府、医療の安全保障を強化し、バイオ脅威への準備となる戦略を公表

バイデン大統領は10月18日、「国家安全保障通達-15(National Security Memorandum -15)」に署名すると共に、「生物学的脅威に対抗し、パンデミックへの準備対策を強化し、世界的な医療安全保障を達成するための国家バイオ防衛戦略及び実践計画(National Biodefense Strategy and Implementation Plan for Countering Biological Threats, Enhancing Pandemic Preparedness, and Achieving Global Health Security)」(以下、「国家バイオ防衛戦略及び実践計画」)を始動した。国家バイオ防衛戦略及び実践計画は、米国のバイオ防衛及び医療安全保障を変革する一連の大胆な目標を概説し、国内外のパートナーと協力しながら、20の連邦機関による政府全体の取り組みを示している。NSM-15は、政府内のバイオ防衛努力の調整を強化することで、国家バイオ防衛戦略及び実践計画の実行を支援する。政権は既に、既存の資金と共に一部の措置を実践しているが、変革的な目的を達成するには、議会による追加の資源提供が必要であり、バイデン大統領は、パンデミックへの準備対策及びバイオ防衛に今後5年間で880億ドルを要請している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Releases Strategy to Strengthen Health Security and Prepare for Biothreats” (10/18/22)

米国CHIPSイニシアチブ、経済的インセンティブと半導体製造の新研究所についてパブコメを募集

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の「米国CHIPS(CHIPS for America)」イニシアチブは、半導体製造における米国の世界的リーダーシップを復活させることを狙いとした2つのプログラムについて、一般からの意見を募集する「情報の要請(request for information: RFI)」を発表した。一つは、経済的インセンティブに関するもので、NIST内のCHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)が、インセンティブ・プログラムの設計と実践についてパブコメを募集している。これには、国内製造能力への投資奨励と、海外のサプライチェーンへの依存削減を目的としたグラント、融資、融資保証が含まれる。もう一つのRFIでは、NISTが、先端研究、教育、労働力開発を通じて、半導体製造における米国のリーダーシップを強化するため、製造USA(Manufacturing USA)の研究所を最大で3件設立することについて、パブコメを募集している。 National Institute of Standards and Technology “CHIPS for America Seeks Public Input on Financial Incentives, New Institutes for Semiconductor Manufacturing” (10/13/22)

大統領府、クリーンな米国製造の強化を目的として、州、都市、企業を結集

10月20日、大統領府の気候及び環境担当官が、米国労働者が生産する低炭素マテリアルの購入を拡大することについて、州政府リーダーと共に、知識を共有し、協力の機会について協議する会合を行った。これに先立ち、大統領府は、バイデン大統領の「連邦バイ・クリーン・イニシアチブ(Federal Buy Clean Initiative)」に沿った官民の一連のコミットメントを発表した。連邦バイ・クリーン・イニシアチブは、世界最大の連邦政府の購買力を活用し、連邦による調達及び連邦資金を受けたインフラ・プロジェクトにおける低炭素建設マテリアルを進展させるという取り組みである。本日発表された新たな内容には、①全国的なプログラムを通じた「バイ・クリーン」への新たな連邦支援、②「バイ・クリーン」を支持する民間企業の取り組みと新たな支援、③州政府及び地方自治体による「バイ・クリーン」への取り組みが含まれる。 White House ” FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Rallies States, Cities, and Companies to Boost Clean American Manufacturing” (10/20/22)

ヒュンダイ社、ジョージア州で55億ドルの電気自動車工場の起工式

ジョージア州で10月25日、ヒュンダイ自動車グループ(Hyundai Motor Group)による米国で初の電気自動車(EV)専用生産工場の起工式が行われ、同社の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長やジョージア州知事(共和党)、若手上院議員(民主党)などが参加した。ヒュンダイ社がジョージア州サバンナ南部のブライアン郡に55億ドルの生産工場建設計画を発表してからわずか5カ月後のことである。工場は2025年にオープンの予定で、少なくとも8,100名の従業員が、年間最高30万台のEVを生産する。8月に議会で可決された気候及び医療ケア法には、EV購入者へ最大7,500ドルの税控除を含め、EVの生産及び購入に関するインセンティブが盛り込まれていたが、税控除の変更が行われ、その対象は北米で生産されたEVに限定されることとなった。このため、ヒュンダイ社のEVは、ジョージア州でのEV生産を開始するまで、その対象外となる。 AP News “Hyundai breaks ground on $5.5B electric car plant in Georgia” (10/25/22)

報告書「公共の善のためのR&D:米国の社会的イノベーションを強化する方法」

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は10月10日、「公共の善のための研究開発:米国の社会的イノベーションを強化する方法(R&D for the public good: Ways to strengthen societal innovation in the United States)」と題する報告書を発表した。報告書は、「現在の米国には、R&D支援に数多くの障害があり、我々には為すべきことがまだまだある。米国は、ビジョンや戦略、我々が重要な国家目標を達成し続けられるような政策という点で、限界がある。米国は、重要な目的をR&D手法に統合する方法についてより戦略的に考えなければ、現在のリーダーシップを維持できないだろう」としている。そして、米国のR&Dを強化するために必要なステップを概説しながら、①より多くのR&D資金を、消費者製品の創出に充当するのではなく、公共の善のために充当すること、②連邦資金を使って地理的な不平等を削減すること、③気候変動の影響を緩和するためのR&Dに資金を提供すること、④重要インフラ及び製品を支援すること、などを提案している。 Brookings Institution “R&D for the public good: Ways to strengthen societal innovation in the United States” (10/10/22)

DARPA、土壌の修復に新たな手法を模索するプログラム開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、爆薬や航空機燃料で汚染された土壌を修復する植物ベースの新たな手法を模索する「ケレス(Ceres)」プログラムを実施する。土壌の伝統的なバイオレメディエーションは効果的であるものの、それでも包括的な土壌の整備、栄養物の提供、継続的な監視が必要となり、汚染除去を必要とする広範な土地で実施するには、多くの時間と労力、高額な費用を伴う。ケレス・プログラムは、植物及び関連する微生物群の動きを工学することで、土壌の汚染(ジェット燃料のJP8やトリニトロトルエン)を浄化することを模索する。いずれは、セレスの下で開発されたバイオレメディエーションのプラットフォームを用いて、自動的な汚染除去及び、人間による定期的な措置を必要としない汚染の追跡を達成することを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA’s Ceres Seeds a New Approach to Soil Remediation” (10/13/22)

DARPA、コンピュータの「信頼の根底」を搾取者から保護

サイバー攻撃者は、「変な機械(wired machines)」と描写される現象を通じて、コンピューティング・システムにおける搾取の機会を探し回っている。「変な機械」は、簡単に言うと、システム自体の設計や機能が、所有者の意図しない形で、間違って攻撃者の行為を助けてしまうように機能してしまうことである。システムにおける無関係で無害の機能が偶然に積み重なって、予想外、もしくは新興の形で攻撃者の搾取を実行するエンジンを実行してしまうのである。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「新興の実行エンジンに対抗する開発ツールチェーンの強化(Hardening Development Toolchains Against Emergent Execution Engines: HARDEN)」プログラムの下、複雑な統合コンピューティング・システムのソフトウェア・セキュリティを向上させることで、搾取を防止し、攻撃者から新興実行エンジンを奪う実用的なツールの創出に取り組むチームを選出した。プログラムは48カ月にわたって行なわれ、3段階で構成される(フェーズ1と2が18か月、フェーズ3が12カ月)。選出されたのは、アリゾナ州立大学(Arizona State University)やガロア社(Galois)、クーズー・ダイナミクス社(Kudu Dynamics)など8機関。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Teams to Protect Computers’ ‘Roots of Trust’ from Exploits” (10/13/22)

NIST、4州で製造センターに助成

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は10月17日、ケンタッキー、ネブラスカ、ロードアイランド、サウスダコタの4州で、製造拡大パートナーシップ(Hollings Manufacturing Extension Partnership: MEP)センターを運営する4つの組織に、合計約1,980万ドルの共同契約アワードを提供すると発表した。MEPセンターを運営するのは、ルイビル大学研究財団(University of Louisville Research Foundation)、ネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)、ロードアイランド大学研究財団(University of Rhode Island Research Foundation)、サウスダコタ州のレーク・エリア技術カレッジ(Lake Area Technical College)の4機関で、各州の中小製造企業へサービスを提供する。受益期間は5年間で、356万~621万ドルとなる。 National Institute of Standards and Technology “NIST Announces Awards to Manufacturing Centers in Kentucky, Nebraska, Rhode Island and South Dakota” (10/17/22)

エネルギー省、ソーラー・エネルギー・インフラによる環境及び野生生物への恩恵を強化するため1,400万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は10月17日、ソーラー・エネルギー・インフラが野生生物及び生態系とどのような相互関係を持っているのかについて研究する研究者へ1,400万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは、再生可能エネルギー技術がもたらす野生生物への影響を最小限にし、環境面の恩恵を最大限にする、革新的かつコスト効果の高いソリューションに投資する、エネルギー省の約1億ドルの再生可能電力研究ポートフォリオの一部である。ソーラー・エネルギー開発は、地域社会に恩恵をもたらし、土着の野生生物を保護し、健全な生態系を育成する可能性があるが、大規模なソーラー施設が野生生物にどのように影響するかについては、ほとんどデータがなく、開発事業者がソーラー施設を建設・管理する際にベスト・プラクティスを利用することが難しいのが現状である。今回、「野生生物及び生態系サービスの恩恵とともにソーラーを導入する(Deploying Solar with Wildlife and Ecosystem Services Benefits: SolWEB)」と題する資金提供プログラムを通じて行われるエネルギー省の投資は、こうした研究の溝に対処する重要なステップとなる。野生生物との相互関係に対処するプロジェクト(6件)に880万ドルが、生態系サービスに対処するプロジェクト(3件)に530万ドルが提供される。 Department of Energy “DOE Invests $14 Million to Enhance Environmental and Wildlife Benefits from Solar Energy Infrastructure” (10/17/22)

フェデックス社、「Roxo」当日配送サービスを終了、アマゾン社もスカウト・プログラムを縮小

フェデックス社(FedEx Corp.)の社内通達によれば、同社はロボットによる当日配送サービスを終了する。同社の最高トランスフォーメーション役員(chief transformation officer)が従業員へ送ったEメールによれば、社内の組織プログラム「DRIVE」の一環として、フェデックス社の当日配達ボット(Sameday Bot)である「Roxo」を廃止するという。同役員は、「ロボティクスとオートメーションは、当社のイノベーション戦略の主要な柱であるが、RoxoはDRIVEに必要とされる短期的な価値を達成しなかった」と説明している。フェデックス社は2019年にDEKAリサーチ&デベロップメント社(DEKA Research and Development Corp.)と共同で、Roxoを開始した。ロボットによる配達の取り組みを再検討しているのはフェデックス社だけではない。アマゾン社も、ロボット配達プログラムの「スカウト(Scout)」の縮小を決定している。同社によれば、スカウトの実地試験は終了するが、その開発を担当するチームは存続するという。 Robotics 247 “FedEx Shuts Down Roxo Same Day Delivery Service as Amazon Scales Back Scout Program” (10/7/22)