GAO、米中共同研究及びその他の国際的な活動への連邦資金提供について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「連邦研究:米中共同研究及びその他の国際的な活動への資金提供に関する情報(Federal Research: Information on Funding for U.S.-China Research Collaboration and Other International Activities)」と題する報告書を発表した。報告書によれば、連邦省庁は2015~2021年度の間に、研究開発(R&D)活動を目的として2,890万ドルを中国事業体へ直接提供している。その一例として、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)と国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、医薬品の開発とワクチンの研究を目的として、中国へ資金を提供している。こうした資金は、科学論文やデータ収集システム、国際的なワークショップにつながっている。 Government Accountability Office “Federal Research: Information on Funding for U.S.-China Research Collaboration and Other International Activities” (9/29/22)

ニューヨーク大学、工学部に10億ドルを投資

ニューヨーク大学(New York University: NYU)は11月30日、ダウンタウン・ブルックリンに位置し、同大学の主力部門である工学部に10億ドルを投資する計画を発表した。同大学のランキングを引き上げ、技術部門におけるニューヨーク市の存在感を高めることを目指す。資金はNYUの独自財源から拠出され、今後10年をかけて、NYUの「タンドン工学部(Tandon School of Engineering)」のラボ等を改修すると共に、サイバーセキュリティ、無線技術、人工知能に力を入れる。NYUタンドン工学部は、NYU工学部(N.Y.U. College of Engineering)とニューヨーク工科大学(Polytechnic Institute of New York)の合併ら誕生したもので、昨年、インド系米国人のランジャン・タンドン氏(Ranjan Tandon)とその妻から1億ドルの寄付を受けて改称されていた。 New York Times “N.Y.U. Putting $1 Billion Into Its Engineering School in Brooklyn” (12/1/22)

ストーニー・ブルック大学、新たな量子インターネットテストベッドの構築へ

ストーニー・ブルック大学(Stony Brook University: SBU)は、新たな量子インターネット・テストベッド(Quantum Internet Test Bed)を構築するため、ニューヨーク州のロングアイランド投資基金(Long Island Investment Fund)から650万ドルのグラントを受益した。これは、同州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)が11月29日に発表した、3件の地域プロジェクトへ提供される4,650万ドルのグラントの一部である。SBUは、ブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory: BNL)と提携し、1,300万ドルを投じて量子インターネット・テストベッドを構築する。同テストベッドは、商業的に利用可能な光ファイバーを使って物理的に結びつけられた5つのノードによるネットワークで、BNLとのパートナーシップの下、SBUにあるロングアイランド量子インターネット・センター(Long Island Quantum Internet Center)が監督する。センターは、新たな技術を活用して、インターネットの機能性の加速や、通信セキュリティの向上を通じて、コンピューティングの劇的な進展の実現に取り組む。いずれはニューヨーク州のその他の大学や研究所、企業もパートナーとして参画する計画である。 Brookhaven National Laboratory “SBU Awarded $6.5M Grant to Build a New Quantum Internet Test Bed” (11/30/22)

12カ国の量子研究者をつなぐエンタングルメント・エクスチェンジ・ポータル立ち上げ

オーストラリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、オランダ、スウェーデン、スイス、英国、米国の12カ国は、量子情報科学(QIS)分野の学生、ポスドク、研究者のための国際的な交流機会を提供するポータルとして、「エンタングルメント・エクスチェンジ(Entanglement Exchange)」を立ち上げた。米国で2022年5月、12カ国による「量子情報を共に追求する(Pursuing Quantum Information Together)」に関する円卓会議が実施され、世界的な課題に対処するには、国際協力を通じて、QISにおける発見の加速、資源の共有に共に取り組むことが重要であるとの認識が示された。その後のフォローアップ行動として、エンタングルメント・エクスチェンジのアイデアが提案された。エンタングルメント・エクスチェンジのウェブサイトを訪問すると、各国代表が創出及び運営管理するウェブページへのリンクがあり、それらのページにはQISの勉強や研究実施の機会が盛り込まれている。 Quantum.gov “Entanglement Exchange Links Quantum Researchers Across Twelve Nations” (11/30/22)

米国の特許及び発明家の多様性に関するトレンド

議会調査局(Congressional Research Service: CRS)は11月30日、「イノベーションにおける平等:米国の特許活動と発明家の多様性に関する傾向(Equity in Innovation: Trends in U.S. Patenting and Inventor Diversity)」と題する報告書を発表した。それによれば、現在の米国の特許活動の地理的特徴として、同活動は全国で均一に分散されておらず、主に、東西両海岸、テキサス州、五大湖周辺の一部地域、ロッキー山脈に集中している。報告書はこの他、性別、人種、所得に基づく多様性についても報告した上で、議会向けの特許政策提言及び検討事項について記述している。それらには、①発明家から人口動態的な情報を収集する(任意または義務付け)、②地域的な特許活動資源を強化する、③発明家の多様性の強化につながる特許審査プロセスを検討する、などが含まれる。 Congressional Research Service “Equity in Innovation: Trends in U.S. Patenting and Inventor Diversity” (11/30/22)

州のR&D費は2021年度に1%増加、州による政府R&Dの約6割を5州が占める

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が実施した「州政府の研究開発アンケート調査(FY 2021 Survey of State Government Research and Development)」を基にした短信「インフォブリーフ(InfoBrief)」によれば、2021年度、州政府機関による研究開発(R&D)費は約25億ドルで、前年比1.0%増加した。全体では微増したものの、R&D費が最も多い上位5州のうち、4州で減少した(カリフォルニア州1.9%減、フロリダ州3.4%減、ニューヨーク州8.1%減、ペンシルバニア州9.2%減)。残りの1州のテキサス州では24.6%増加した。これら5州を合わせると、全ての州機関によるR&D費合計の59.4%を占める。その他の州におけるR&D費合計は2021年度に前年度比4.1%増加した。 National Science Foundation “China: Efforts Underway to Address Technology Transfer Risk at U.S. Universities, but ICE Could Improve Related Data” (11/15/22)

エネルギー省、ソーラー発電を農業と統合する取り組みに800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月8日、農家、農村コミュニティ、ソーラー業界に新たな経済的機会を提供する6件のソーラー研究プロジェクトに合計800万ドルを提供すると発表した。これは、農作物生産と太陽光発電が同じ土地で共存する「営農型太陽光発電(Agrivoltaic。「ソーラーシェアリング」とも言う)」を支援するもので、ユーティリティ規模及びコミュニティ規模の太陽光発電における障害を軽減しつつ、農家と地域のコミュニティへの効果を最大限にすることを狙いとする。最近の報告によれば、米国内でこうした営農型太陽光発電が行われているのは、全体の2%未満で、エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)の研究者は、営農型太陽光発電の慣行を強化することで得られる生態学的及び農業的恩恵を強調している。こうした中、「メガワット規模の営農型太陽光発電の基礎研究(Foundational Agrivoltaic Research for Megawatt Scale: FARMS)」プロジェクトの一環として、今回のプロジェクトが選出された。 Department of Energy “DOE Announces $8 Million to Integrate Solar Energy Production with Farming” (12/8/22)

CSIS、米政府による輸出管理取り締まり技術について報告

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は12月5日、「米国の国家安全保障のために、輸出管理取り締まり技術の向上が必要(Improved Export Controls Enforcement Technology Needed for U.S. National Security)」と題する報告書を発表した。ロシアや中国との戦略的競争において技術の重要性が高まる中、輸出管理は米国の国家安全保障の前線へと移動している。2018年にZTE社とファーウェイ社(華為技術、Huawei)への半導体輸出規制が行われた時のように、的を絞った適切な輸出管理と、効果的な取り締まりが行われれば、輸出管理は外交政策の強力なツールとなる。しかし、CSISは、「米国の輸出管理取り締まり能力に大きな脆弱性があることは明らかである」とした上で、その管轄局である商務省(Department of Commerce)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)について、人的、技術的、経済的資源を拡充する必要性を主張している。 Center for Strategic and International Studies “Improved Export Controls Enforcement Technology Needed for U.S. National Security” (12/5/22)

アメリカン・バッテリー・ファクトリー社、アリゾナ州に電池セル工場を建設へ

ユタ州を拠点とするリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池生産事業者のアメリカン・バッテリー・ファクトリー社(American Battery Factory: ABF)は、アリゾナ州ツーソンに、同社として初のギガファクトリーを建設する。生産スペースは200万平方フィート。同社の代表的拠点となるギガファクトリーには12億ドルの資本投資が行われ、第一段階の雇用として300名、いずれは最高1,000名の雇用が見込まれている。また、州には31億ドルの経済効果が期待されている。ABF社のギガファクトリーは、アリゾナ州ピマ郡にある航空宇宙研究キャンパス(Aerospace Research Campus)内に設置され、本社は、エネルギー貯蔵研究開発(R&D)のハブとなる。同社では、2024年後半までに、本社、R&Dセンター、工場の初期モジュールの建設を予定している。また、ギガファクトリー建設に関し、セルガード社(Celgard)及びその親会社である旭化成と戦略的パートナーシップを結んでいる。 PV Magazine “American Battery Factory to build Tucson, Arizona battery cell gigafactory” (12/7/22)

エンビジョンAESC社、サウスカロライナ州にEV電池工場を建設へ

日本のエンビジョンAESC社(Envision AESC)は12月6日、8億1,000万ドルを投じてサウスカロライナ州フローレンスに、電気自動車(EV)用電池製造工場を建設する計画を発表した。これにより、1,170名の雇用創出が見込まれている。工場は、870エーカーのテクノロジー・コマース・パーク(Technology and Commerce Park)内に建設される。EV用電池製造工場は約150万平方フィートで、来夏に着工式が行われる計画である。2024年に設備が工場へ運ばれ、大量生産は2025年後半からの予定となっている。工場の30ギガワット時の電力は、100%正味ゼロ炭素エネルギーから供給される。エンビジョンAESC社は、BMWグループ(BMW Group)が次世代EV向けの最新電池セルの供給元としてエンビジョンAESC社と提携したことを受け、サウスカロライナ州に工場を建設することを決定した。 SCNOW “Envision AESC to build EV battery plant in Florence” (12/7/22)