エネルギー省監察官、大規模な不正に対処するには資金不足と主張

エネルギー省(Department of Energy)のテリー・ドナルドソン監査官(Teri Donaldson)(Inspector General: IG)は11月22日、DOEのジェニファー・グランドホルム長官(Jennifer Grandholm)宛てに書簡及び特別報告書を送り、「エネルギー省が新規プログラムに着手し、気候やエネルギー、インフラ関連の大型法律によって資金の注入を受ける中、監査官室(OIG)は、それらを監視し続けるための十分な資金を得ていない」と警告した。バイデン政権が主唱するインフラ及びエネルギー法のおかげで、エネルギー省の予算及び融資権限は急増している。これらの法律にはOIGへの予算も含まれているが、ドナルドソン監査官は「それらは不十分である」と主張し、「継続的かつ複合的なOIGの資金不足は、結果として、既存及び50件以上の新規のプログラムの双方において、十分な監査はできない」と述べる。 E&E News “DOE watchdog begs for cash to combat ‘large-scale frauds’” (11/28/22)

ニューメキシコ州、米国フロンティア・ファンド(AFF)のファンド Iへ1億ドルを誓約

ニューメキシコ州投資評議会(New Mexico State Investment Council)は11月22日、米国フロンティア・ファンド(America’s Frontier Fund: AFF)の最初の投資ファンドとなる「フロンティア・ファンド I(Frontier Fund I LP)」へ1億ドルをコミットすることを承認した。新たに形成された非営利ファンドは、米国の長期的な経済繁栄及び国家安全保障にとって重要と考えられるフロンティア技術に投資を行うという。ターゲットとなる部門には、マイクロエレクトロニクス及び半導体、先端製造、人工知能、新エネルギー源、合成バイオロジー、量子科学が含まれる。ファンドのスタッフの報告書によれば、最初の投資先は、ニューメキシコ州アルバカーキにあるロードランナー・スタジオ社(Roadrunner Studios)の建設で、同社は技術、人材、資本を地元のビジネスと結びつける営利目的の複合ベンチャーである。AFFは、連邦研究所や大学、起業ネットワーク、有技能労働者が存在するニューメキシコ州は、リーダー的な地域センター・オブ・エクセレンスとなる良い位置づけにあると見ており、今回の新たなファンド向けに5億ドルの資金を調達することを目指している。一方、ニューメキシコ州評議会は、2019年11月に行われた州投資の見直し以来、初期ステージのビジネスへ接触する機会を増やすことを模索していた。 Wall Street Journal “New Mexico Pledges $100 Million to Back First Vehicle of America’s Frontier Fund” (11/22/22)

NSF、身体障害者のための「用途を考慮した」ソリューションを加速

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、基礎研究を基盤として、身体障害者の機会の拡大につながる「用途を考慮した(use-inspired)」ソリューションの加速に取り組む。NSFの「コンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)」プログラムの下、2022年のコホート「トラックH:身体障害者の機会の拡大(Track H: Enhancing Opportunities for Persons with Disabilities)」のフェーズ1として16の学際的チームが選出された。これらのチームは、身体障害者のクオリティ・オブ・ライフや雇用へのアクセス及び機会を強化する新たな技術とツールの開発に取り組む。フェーズ1の終了時点で、参加チームはフェーズ2の受益を目指してプロポーザルを提出する。フェーズ2の受益者は、24カ月間に最高500万ドルの追加支援を受け、それぞれのソリューションの開発と持続開発性の発展計画を進展させる。 National Science Foundation “NSF accelerates use-inspired solutions for persons with disabilities” (12/9/22)

NSF、2022年の「米国研究コミュニティのための研究セキュリティ訓練」アワードを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は今般、「米国研究コミュニティのための研究セキュリティ訓練(Research Security Training for the United States Research Community)」プログラムの下、4件のアワードを発表した。本プログラムは、米国内の研究セキュリティを強化しつつ、原則に基づく国際協力を奨励するというNSFに付与された権限の礎となるものである。受益者は、米国の資金提供を受けた研究開発のセキュリティ上の懸念やリスク、脅威に対処する研究セキュリティ訓練の枠組みを確立するための経済的支援を受ける。今年の受益プロジェクト(受益者名)は、「研究セキュリティの重要性(The Importance of Research Security)」(アラバマ大学ハンツビル校(University of Alabama in Huntsville))、「開示の重要性(The Importance of Disclosure)」(テキサスA&M大学システム(Texas A&M University System)、「リスク管理と軽減(Risk Management and Mitigation)」(ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania))、「国際協力(International Collaboration)」(アソシエイト・ユニバーシティーズ社(Associated Universities, Inc.)など)の4件。 National Science Foundation “NSF 2022 Research Security Training for the United States Research Community awardees announced” (12/9/22)

エネルギー省、国内3か所で電池製造施設の建設を行うアルティウム・セルズ社に25億ドルの融資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月12日、融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)を通じて、アルティウム・セルズ社(Ultium Cells LLC)に25億ドルの融資を提供することで締結したと発表した。同社による、オハイオ、テネシー、ミシガンの3州における新たなリチウムイオン電池セル製造施設の建設費用を支援するのが目的である。アルティウム・セルズ社は、ゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)とLGエナジー・ソリューション社(LG Energy Solution)の合同事業で、3つの施設における電池セル生産を管理し、米国消費者の電気自動車(EV)需要増に対応する。本プロジェクトにより、1万1,000人以上の良好賃金雇用が創出されると期待されている。バイデン大統領は10月に、米国電池マテリアル・イニシアチブ(American Battery Materials Initiative)を開始した。今回の発表は、LPOが、先端技術自動車製造(Advanced Technology Vehicles Manufacturing: ATVM)プログラムの下、電池セル製造プロジェクト専用の融資として初めて締結した案件となる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $2.5 Billion Loan to Ultium Cells for Three Domestic Battery Cell Manufacturing Facilities” (12/12/22)

GAO、先端電池について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「科学技術のスポットライト:先端電池(Science & Tech Spotlight: Advanced Batteries)」と題する報告書を発表した。科学者は、電力グリッドや電気自動車の使用を目的として、増大するエネルギー貯蔵ニーズに対応するため、電池技術の進展に取り組んでいる。現在広く利用されているリチウムイオン電池の構成要素を、よりコスト効果が高く持続可能で安全なマテリアルと置換する取り組みが進行している。フロー電池などの長寿命の貯蔵技術の進展も、再生可能エネルギー資源を発電に統合したり、化石燃料への依存を軽減する上で役立つ。本報告書は、先端電池研究の現状や、大規模な商業化を遅らせている課題について議論している。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Advanced Batteries” (12/8/22)

NNSA、ロスアラモス国立研究所の管理運営契約の規約延長を発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は12月6日、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)の管理運営契約について、トリアド国立セキュリティ社(Triad National Security, LLC)との間で、オプション・ピリオド1-5(Option Periods 1 through 5)を行使したと発表した。トリアド社は、バテル・メモリアル研究所(Battelle Memorial Institute)、テキサスA&M大学システム(Texas A&M University System)、カリフォルニア大学(University of California)の3組織で構成されている。今回のオプション・ピリオド1-5の行使により、トリアド社との契約は2023年11月1日から2028年10月30日まで延長される。 Department of Energy “NNSA announces extension of terms for Los Alamos National Laboratory management and operating contract” (12/6/22)

研究用の連邦データへのアクセスがより容易に

社会科学者が研究用に必要とする連邦データの入手がより容易になる。12月8日より、16の連邦機関が維持管理及び保護しているデータセットへのアクセスを申し込むための「ワンストップ・ショップ」として、オンライン・ポータル「ResaerchData.gov」がスタートした。データを必要とする科学者は、必要なデータセットを見つけ、申告及び申請を行う。自分の申請が現在どの過程にあるかを確認することもできる。2018年に、証拠ベースの政策策定を推進する法律が成立し、連邦機関は収集したデータのより良い活用が義務付けられた。これには外部の利用者による連邦データへのアクセスを改良することも含まれる。従来、研究者がこうしたアクセスを得るためには、アクセスの申請先となる機関を見つけ、申請用紙にデータセットの使い方や担当者などを記入して提出し、その返事が来るまで待たなくてはならなかった。こうした中、省庁横断型グループが4年を費やし、これまで機関ごとに異なっていたプロセスを調和させ、透明性を高めることに取り組み、今回の「標準申請プロセス(Standard Application Process: SAP)」が生まれた。 Science “Accessing U.S. data for research just got easier” (12/8/22)

NIH、偏見を軽減するため、グラント審査における抜本的変更を計画

これまで長年にわたり、「国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の審査プロセスには名声への偏見が根付いている」との批判がある。こうした中、NIHは、研究グラントの申請書の採点方法を変更する暫定的な計画を発表した。審査における偏見と、審査担当者の負担を軽減することを狙いとしたものである。新たなシステムの下、審査担当者は、研究者の専門性もしくはその所属機関によるリソースへのアクセス性を採点する必要がなくなる。また、採点の対象となる基準数も少なくなる。NIHによる研究グラントの90%以上を審査するピアレビュー・グループを統括する科学的審査センター(Center for Scientific Review: CSR)が12月8日の会合でこれらの変更点を発表した。変更は最終決定ではなく、また変更点は少なくとも2024年までは導入されない。 Nature “NIH plans grant-review overhaul to reduce bias” (12/9/22)

新型コロナが最物理学専攻の大学卒業生にもたらした影響に関する調査報告

新型コロナのパンデミックの中、大学卒業後、予定通りの進路に進んだ大学卒業生がいる一方、それをしなかった、またはそれができなかった大学卒業生もいる。米国物理学研究所(American Institute of Physics: AIP)が、物理学及び天文学の大学4年生を対象に、2021年春に卒業後の進路計画について尋ね、2022年春に再び実際の進路について尋ねる調査を行った。AIPが11月に発表したその調査結果報告「パンデミック中の大学卒業後の予定:新型コロナが物理学と天文学の大学4年生の進路に及ぼした影響(Postgraduation Planning During a Pandemic: Effects of COVID-19 on Physics and Astronomy Seniors’ Career Paths)」によれば、回答者(1,823名)の77%が、卒業後に予定通りの進路を進んでいる。例として、就職するつもりであった大学生のうち85%が実際に就職した。一方、新型コロナを理由として、卒業後の進路を変更したと報告した大学生の中で最も大きなシフトは、大学院へ進む予定であったが、就職へと変更したというものであった。その理由として多くの大学生が、「大学院へ申し込む準備ができていないと感じた」「興味を失った」「経済的に無理になった」「精神的に苦しかった」を挙げている。 American Institute of Physics “Study Reports the Impact of COVID-19 on Recent Physics Grads” (1/23/22)