エネルギー省、サンタ・イネス石油施設の操業再開を命令

エネルギー省(Department of Energy)は3月13日、セーブル・オフショア社(Sable Offshore Corp.)に対し、サンタ・イネス・ユニット(Santa Ynez Unit)及びサンタ・イネス・パイプライン・システム(Santa Ynez Pipeline System)の操業再開を命じたと発表した。国防生産法(Defense Production Act)に基づく西海岸軍事施設への供給確保が目的で、同省のクリス・ライト長官(Chris Wright)はカリフォルニア州で精製される原油の60パーセント以上が海外から輸入され、その一部がホルムズ海峡(Strait of Hormuz)を経由している現状に触れ、同州のエネルギー政策による国内生産への影響を指摘した。運営再開により1日約5万バレルの原油を生産することができ、州内生産量も15%増加し、月間約150万バレルの外国産原油代替が可能になると説明した。生産した原油はラス・フローレス・パイプライン・システム(Las Flores Pipeline System)を通じてペントランド・ステーションへ輸送後、州間パイプラインを通じて国内製油所へ供給する予定である。 Department of Energy “Secretary Wright Directs Sable Offshore to Restore the Santa Ynez Unit and Pipeline” (03/13/26) https://www.energy.gov/articles/secretary-wright-directs-sable-offshore-restore-santa-ynez-unit-and-pipeline

トランプ大統領、国防生産法に基づく権限をエネルギー長官にも付与

大統領府は3月13日、国防生産法(Defense Production Act)に基づく大統領権限の委任を見直し、従来は商務長官のみに与えられていた権限をエネルギー長官も行使できるよう、大統領令13603号を改正したと発表した。元々の同令第203条では、国内でのエネルギー供給を増加するため、エネルギー長官がクリティカルエネルギーマテリアルを特定し、一方で、商務長官が、それらの生産や普及に関する規制を作成・発令できるとしていた。今回の変更により、エネルギー長官にも商務省と同じ権限が与えられ、商務省との調整がなくとも、独自にエネルギーマテリアルに関する規制を執行することが可能となった。 The White House “ADJUSTING CERTAIN DELEGATIONS UNDER THE DEFENSE PRODUCTION ACT” (03/13/26) https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2026/03/adjusting-certain-delegations-under-the-defense-production-act/

原子力・核融合2社、日本企業との協定でサプライチェーンを拡大

アクシオス(Axios)は3月16日、国内核融合及び原子力関連企業2社が日本企業と協定を結び、両国間のサプライチェーンを拡大させると報じた。トランプ政権の優先課題でもある産業貿易の促進に向け、日本の専門技術を活用するもので、まず、リアルタ・フュージョン社(Realta Fusion)が京都フュージョニアリング社(Kyoto Fusioneering: KF)と提携し、プラズマ加熱システムの設計などで協力する。リアルタ社は両国の産業網を構築することで商業化を早期に実現するとし、同社は既にジャイロトロン(核融合プラズマを太陽の何倍もの温度まで加熱するのに役立つ高出力マイクロ波装置)をKF社から購入しており、研究開発施設に導入する予定である。また、エックスエナジー社(X-energy)は株式会社IHI(IHI Corporation)と覚書を交わし、Xe-100原子炉(Xe-100 reactor)の部品製造に向けた供給網を広げる。Xエナジー社は、大規模展開には単独での実現には限界があり、専門知識を持ったグローバルパートナーとの連携が不可欠であると強調している。 Axios “Nuclear, fusion companies sign deals with Japanese counterparts” (03/16/26) https://www.axios.com/2026/03/16/us-japan-nuclear-fusion?stream=top

公的R&D投資と人材確保が急務 AAUが中国の台頭に警鐘

米国大学協会(Association of American Universities: AAU)は3月13日、国家安全保障と技術的優位性維持には、基礎科学への公的投資拡大と人材基盤の強化が不可欠であると発表した。ロナルド・レーガン大統領財団・研究所(Ronald Reagan Presidential Foundation and Institute)が発行した年次報告書によると、2025年のネイチャー・インデックス(Nature Index)の上位10研究機関のうち8つを中国が占め、米国からは2位のハーバード大学(Harvard University)がランクインしたのみで、次世代通信や人工知能(AI)などの重要分野で中国が急速に追い上げているという。2010年以降、実質的研究開発費が停滞し、特に基礎研究資金はその傾向が顕著で、民間投資もAIに集中しており資金不足を大学側が補填している現状がある。また、中国が米国の2倍の科学・技術・工学・数学(STEM)博士号取得者を輩出する一方、厳しい移民政策の煽りを受け研究者も減少しており、事態打開に向け、優先就労ビザ(EB-1)枠拡大や人材基盤維持に向けた投資継続を強く訴えている。 AAU “Latest Reagan Institute Report Card Finds Public Investments in R&D, Basic Science Are Vital to U.S. National Security” (03/13/26) https://www.aau.edu/newsroom/leading-research-universities-report/latest-reagan-institute-report-card-finds-public

NIH助成による経済効果も、採択率は過去最低水準に

米国大学協会(Association of American Universities: AAU)は3月13日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の研究資金が経済効果をもたらす一方、助成採択率は過去30年で最低水準に落ち込んでおり、議会による持続的な投資継続が不可欠であると発表した。医学研究協会(United for Medical Research: UMR)の年次報告書「米国経済を支えるNIHの役割(NIH’s Role in Sustaining the U.S. Economy)」によると、2025年度のNIH資金は全国で約39万人の雇用を支え、941億5,000万ドルの新たな経済活動を創出し、250%の投資リターンを生んだ一方で、複数年分の資金を前倒しで一括交付する予算執行手法により1件あたりの助成額が大きくなったものの、助成件数が減少し、2025年度の採択率は前年の26%から17%へと急落したという。2月に成立した2026年度歳出法では同手法の利用が制限されたが、AAUは命を救うイノベーションや国家競争力維持のためにも、NIHへの強固な予算投入を改めて訴えている。 AAU “NIH Research Funding Delivers Extraordinary Value for all 50 States, Report Shows” (03/13/26) https://www.aau.edu/newsroom/leading-research-universities-report/nih-research-funding-delivers-extraordinary-value-all

大統領府、米国製虚偽表示に厳格対応

大統領府は3月13日、米国製を偽る製品表示を厳格に取り締まる行政命令にトランプ大統領が署名したと発表した。デジタル市場において米国製を謳う外国製品の販売が横行していることから、海外事業者への取り締まりを強化し、真正な国内製品保護に向け対応する。これに伴い、連邦取引委員会(Federal Trade Commission)に対し、原産地の虚偽記載へ速やかに法的措置を講じることに加え、原産国の確認手続きを設けていないオンライン市場を不正行為とみなす規則案を導入するよう指示した。さらに政府調達の分野でも、各機関がバイ・アメリカン法(Buy American Act)などに基づく表示の定期的な検証を実施し、虚偽表示を行った業者は直ちに調達対象から除外し、司法省(Department of Justice)への照会を通じて、虚偽請求取締法(False Claims Act)に基づく法的措置を講じる可能性があるとした。政府はこの規制枠組み整備を通じて、企業が原産国表示に関する統一的なガイダンスを受けられるよう、各省庁が互いに連携していくよう指示している。 The White House “ENSURING TRUTHFUL ADVERTISING OF PRODUCTS CLAIMING TO BE MADE IN AMERICA” (03/13/26) https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2026/03/ensuring-truthful-advertising-of-products-claiming-to-be-made-in-america/

パーデュー大学、7年で博士号取得可能な試験的プログラムを発表

パーデュー大学(Purdue University)は、学士から7年間で博士号を取得する試験的プログラム「B2D7」を開始する。同大学は2月18日に行われたエネルギー省(Department of Energy)のジェネシスAIミッション(Genesis AI Mission)の立ち上げイベントで、B2D7プログラムの試験的導入を発表した。この試験的プログラムの下、パーデュー大学の工学部(College of Engineering)は、学業及び研究の適性が認められる大学2年生(1年生や3年生の場合もある)を特定し、B2D7プログラムの選択肢を提示する。B2D7プログラム参加学生には、専任のコーチングや夏季研究機会、博士号論文指導教員とのマッチング、卒業後の大学院プログラムへの迅速かつ円滑な移行が提供される。 Purdue University “Purdue pilots B2D7 — Bachelor’s to Doctorate in 7 Years — to enhance U.S. research talent pipeline” (03/05/26) Purdue pilots B2D7 — Bachelor’s to Doctorate in 7 Years — to enhance U.S. research talent pipeline

2024年度の米国大学における博士号取得者、前年度から微増

国立科学工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が3月13日に発表した報告書によれば、2024年度(2023年7月1日~2024年6月30日)に博士号を取得した者の数は5万8,131名で、2023年度(5万7,806名)から増加した。また、過去20年間に、博士号を取得した一時滞在ビザ保有者の数は、科学・工学分野で61%、非科学・工学分野で24%増加したのに対し、博士号を取得した米国市民及び永住者の数は、科学・工学分野で61%増加し、非科学・工学分野では20%減少した。更に、2023年~2024年の間に、就職先が確定している博士号取得者の割合は、科学・工学分野の全ての分野で減少した。最も減少したのは物理科学及び数学・統計学の分野で、各6ポイント低下した。 NCSES “Doctorate Recipients from U.S. Universities: 2024” (03/13/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26315/report

BWXT社とオークリッジ国立研究所、国防目的のウラン濃縮強化で協力

BWXT社とオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)は3月初旬に、国防ミッション用に使用上の制約がない濃縮ウランの確実な国内供給を再確立するというエネルギー省(Department of Energy)の優先事項を支援するため、「国内ウラン濃縮用遠心分離機の実証(Domestic Uranium Enrichment Centrifuge Experiment: DUECE)」プロジェクトを進展させる覚書に署名した。この覚書により、トリチウム生産のための低濃縮ウラン及び海軍の原子力推進用のための高濃縮ウランの生産に関して最近構築されたDUECEプロジェクトの協力体制が正式化される。ORNLとBWXT社の間には長年に亘る協力関係があり、今回の覚書はその関係を基盤としている。 Oak Ridge National Laboratory “BWXT, ORNL formalize collaboration to bolster uranium enrichment for U.S. defense” (03/12/26) https://www.ornl.gov/news/bwxt-ornl-formalize-collaboration-bolster-uranium-enrichment-us-defense

海兵隊、熱センサー回避用アウターを調達へ

ディフェンスニュース(DefenseNews)は3月12日、海兵隊(Marine Corps)が熱センサーやドローンなどの赤外線カメラから兵士を隠すアウターを調達予定であると報じた。具体的に、可視光から長波赤外線に至る幅広い探知を回避する設計のマルチスペクトル迷彩衣類(Multispectral Camouflage Overgarment: MCO)を求めており、2030年までに6万1,000着の導入を目指す。熱センサーを搭載したドローンの脅威が高まる中、敵に発見されないことが最善策とし、センサーの種類や距離に応じた数十から数千メートル規模での探知回避能力に加え、全身を覆う1枚仕立てのゆったりとしたドレープデザインで、15秒以内に着脱でき、重さは出来れば2ポンド未満が望ましいとした。また90日から1年以内の耐久性も必要とし、募集締め切りを4月22日までとした。米国以外では、英国海兵隊(Royal Marines)がスウェーデンのサーブ社(Saab)製のバラクーダ(Barracuda)マントを採用した一方、ロシア軍では粗悪品により背景との温度差を生み、逆に兵士を目立たせる結果となったという。 DefenseNews “US Marine Corps pursues thermal cloaks to hide troops from heat sensors ” (03/12/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/03/11/us-marine-corps-pursues-thermal-cloaks-to-hide-troops-from-heat-sensors/