オーク・リッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設(ORLC)、新たな割り当てプログラム「サミット・プラス」を開始

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)にあるユーザー施設「オーク・リッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設(Oak Ridge Leadership Computing Facility: ORLC)」は、IBM AC922のスパコン「サミット(Summit)」の計算時間について新たな割り当てプログラムを発表した。このプログラムは「サミットプラス(SummitPLUS)」と呼称され、コンピュテーションの準備が整っているプロジェクトに割り当てられ、2024年1月から10月まで稼働する。サミットプラスへの応募は現在受付中で2023年10月30日が締め切りとなっている。コンピュテーショナル及びコンピュータ科学の領域専門家が申請書を審査し、2023年11月に受益者へ通知される。「サミット」は、2018年に世界の最強スパコンTOP500リストの1位を獲得した(ピーク時の計算能力は200ペタフロップ)。 Oak Ridge National Laboratory “OLCF launches new allocation program, SummitPLUS” (9/21/23)

エネルギー省、炭素排出を捕獲し、産業プロセスの脱炭素化と価値ある製品を生産する技術の進展に1,750万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は9月21日、産業施設及び発電所から二酸化炭素を捕獲し、それらの二酸化炭素を価値のある製品に転換させる技術の進展に、最高1,750万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。これらの技術開発の進展は、米国内の炭素捕獲及び炭素転換業界の成功の土台を築き、バイデン政権の野心的な気候目標に到達する一助となる。「炭素管理(Carbon Management)」と題する今回のFOAの下で選出されるプロジェクトは、①産業施設や発電所、大気から直接捕獲された二酸化炭素を使って藻類由来の付加価値製品を生産する研究開発の進展、②産業生産プロセスに関連する二酸化炭素の排出削減につながる酸素ベースの手法(酸素燃焼やケミカル・ルーピングなど)を進展させるプロジェクト開発、の2つの分野に焦点を当てる。 National Energy Technology Laboratory “U.S. DEPARTMENT OF ENERGY ANNOUNCES $17.5 MILLION TO ADVANCE TECHNOLOGIES THAT CAPTURE CARBON EMISSIONS TO DECARBONIZE INDUSTRIAL PROCESSES AND PRODUCE VALUABLE PRODUCTS” (9/21/23)

NETL、直接空気回収技術の進展に取り組む学際的プロジェクトを開始

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は、直接空気回収(direct air capture: DAC)プロセスの開発に関する4年間のプロジェクトを開始した。ラボにおける広範なマテリアル設計、コンピュテーショナル・マテリアル設計、数値流体力学、プロセス・システム設計の研究ポートフォリオの専門性を統合して、大気から二酸化炭素を排除する最先端技術を進展させる。DACは、点汚染源捕獲に比べて周囲の空気の二酸化炭素の濃度が低いため、より困難で高額費用となるが、実施場所という点では柔軟性がある。DACは、稼働のための電力を供給する低炭素エネルギー源があり、二酸化炭素資源を安全に固定するもしくは転換する機会へのアクセスがあるところであれば、どこにでも設置できる。今回のプロジェクトの目標は、マテリアルとシステムを、技術を拡張し、商業的なDAC事業を実施できる事業体へライセンス供給することである。 National Energy Technology Laboratory “NETL LAUNCHES MULTIDISCIPLINARY PROJECT TO ADVANCE DIRECT AIR CAPTURE TECHNOLOGY” (9/25/23)

国立エネルギー技術研究所、USスチール社と協力し温室効果ガスの捕獲へ

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)とUSスチール社(United States Steel Corporation)は、ペンシルバニア州ブラドックにある同社のエドガー・トムソン・プラント(Edgar Thomson Plant)の鉄鋼事業で生成される二酸化炭素排出を捕獲する先端膜技術を試験する計画である。本プロジェクトは、エネルギー省(Department of Energy)とNETLによる点汚染源炭素捕獲プログラム(Point Source Carbon Capture Program)の一部。鉄鋼製造プラントなどの産業施設における点汚染源炭素捕獲は、二酸化炭素排出を削減し、気候変動に対処する米国の目標を達成する上で、重要な要素である。溶剤や吸着剤などその他の分離技術に比べると、高分子膜は比較的シンプルな二酸化炭素分離プロセスである。 National Energy Technology Laboratory “NETL COLLABORATES WITH U. S. STEEL TO CAPTURE GREENHOUSE GAS AT EDGAR THOMSON PLANT” (9/20/23)

米国のアントレプレナー活動、過去最高水準に

世界のアントレプレナー活動を調査する「グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(Global Entrepreneurship Monitor: GEM)」は9月14日、「2022-2023米国現状報告(2022-2023 United States Report)」を発表した。それによると、米国におけるアントレプレナー活動は増加し続け、GEM史上最高水準に達した。女性のアントレプレナー率は18%、男性の同率は20%に達し、いずれも過去最高である。今年の報告ではまた、若者の間でアントレプレナー率が高いことを示している。若者は、社会及び持続可能性を巡る懸念に突き動かされることが多い。また、従来は、金融や不動産、ビジネス・サービスといった産業での起業が多かったが、それが製造及び物流部門へシフトしており、女性がその原動力となっている。製造部門へのシフトの要因として、新型コロナのパンデミックで海外製造への依存が明かになったことやサプライチェーンに対する不満が挙げられる。 Babson Thought & Action “U.S. GEM Report: Entrepreneurial Activity Reaches Record Levels” (9/14/23)

先端産業におけるカナダの企業R&Dは、経済規模調整後の世界平均の5分の1

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は9月25日、「先端部門におけるカナダと米国のR&Dリーダーの比較(Comparing Canadian and U.S. R&D Leaders in Advanced Sectors)」と題する報告書を発表した。それによると、先端部門におけるカナダの企業の研究開発(R&D)支出は、米国及び世界のその他から大きく後れを取っており、経済規模を調整した後の世界平均と比べると5分の1となっている。また、米国と比較すると、先端部門の米国企業のR&D投資額(5,290億ドル)は、カナダのそれ(52億ドル)の約103倍である(2021年)。一方、米国のGDPは、カナダのGDPのわずか11.7倍である。こうしたことを踏まえ、報告書は、米国とカナダのR&D能力の差異に対処し、強化するため、それぞれの国のR&D向け税クレジットを改良するよう勧告している。 Information Technology & Innovation Foundation “Canada’s Business R&D Is One-fifth the Size-Adjusted Global Average in Advanced Industries, New ITIF Report Reveals” (9/25/23)

GAO、知的交通システムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「知的交通システム:交通渋滞への恩恵と安全は様々な要因から限定的になり得る(Intelligent Transportation Systems: Benefits Related to Traffic Congestion and Safety Can Be Limited by Various Factors)」と題する報告書を発表した。州や地方自治体は、高速道路や幹線道路における渋滞を緩和するために知的交通システム(intelligent transportation systems: ITS)を導入しており、その一例として信号機の自動調整などが挙げられる。しかし、交通管理を目的としたこれらのシステムには、複数のコンピュータ・システムを利用する必要があり、それらは協調して作動するように設計されていないことや、機器の継続的な改良が必要となることなどから、「ITSの利用には課題が伴う」と、GAOは指摘している。 Government Accountability Office “Intelligent Transportation Systems: Benefits Related to Traffic Congestion and Safety Can Be Limited by Various Factors” (9/12/23)

米国製造産業の調達リスク指標

現代の製造生産は、複雑なグローバル・バリュー・チェーン(global value chains: GVCs)で構成されており、物品の生産プロセスは多くの国と部門で複数の段階に分割されている。生産者の優位性に基づいて狭義のタスクに特化できるようにすることで、GVCは大幅な生産性向上をもたらしている。しかし、新型コロナのパンデミックやロシアの対ウクライナ戦争が示すように、GVCへの参加はまた、生産における海外の材料へのアクセスが海外での事態に影響され得るというリスクを伴う。加えて、一部のVCSは、一部の材料のサプライヤーが地理的に極度に集中していることもあり、地域の衝撃が世界中で下流生産者に不均衡な影響をもたらす可能性もある。こうした中、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board: FRB)は、海外サプライヤーからの材料に依存することで生じる米国製造産業のリスクを定量化した。具体的には、調達リスク指標を開発し、①一般的な海外での衝撃(世界的な輸送ネットワークの混乱など)の影響、②地政学的リスク、③サプライヤーの地理的集中、という3つの側面において材料へのアクセスのリスクを評価している。 Federal Reserve Board “A Sourcing Risk Index for U.S. Manufacturing Industries” (9/8/23)

米国大学協会(AAU)とインド研究大学、「インド=米国グローバル・チャレンジ研究所」の創設で合意

米国大学協会(Association of American Universities: AAU)とインド技術研究所評議会(Council of Indian Institutes of Technology: IIT Council)は、合同で、「インド=米国グローバル・チャレンジ研究所(Indo-U.S. Global Challenges Institute)」を創設することで合意した。AAUが発表した声明によれば、創設される合同研究所は、研究パートナーシップの育成と人的交流に焦点を当てた米国とインドの双方の機関による仮想大学ネットワークで、重要な問題の解決を狙いとした共同作業を視野に入れている。また合同研究所及びその活動は、米国とインドの研究事業が包含的であることを意図し、AAU内外の大学を含め、両国の多様な機関の参加を最大限にすることを模索する。研究所は、両国の安全保障、繁栄、安定性に影響する可能性がある経済的/環境的/技術的課題への対処を目指す。 Association of American Universities “AAU, Indian Research Universities Agree to Establish Indo-U.S. Global Challenges Institute” (9/13/23)

米国発明者アカデミー(NAI)、米国の上位100大学を発表

米国発明者アカデミー(National Academy of Inventors: NAI)は、最新のランキングリストとして、「米国の特許を取得した米国の上位100大学(Top 100 U.S. Universities Granted U.S. Utility Patents)」を発表した。これは、NAIによる「世界の上位100大学(Top 100 Worldwide Universities)」リストの補完となるもので、米国内におけるイノベーションと発明の進展で大きな役割を果たす米国の大学を紹介することを目的として作成された。米国上位100大学(2022年)の上位は、1位カリフォルニア大学(University of California)、2位マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)、3位テキサス大学システム(The University of Texas System)、4位パーデュー大学(Purdue University)、5位スタンフォード大学(Stanford University)となっている。 National Academy of Inventors “NAI Announces Top 100 U.S. Universities” (9/12/23)