現代の製造生産は、複雑なグローバル・バリュー・チェーン(global value chains: GVCs)で構成されており、物品の生産プロセスは多くの国と部門で複数の段階に分割されている。生産者の優位性に基づいて狭義のタスクに特化できるようにすることで、GVCは大幅な生産性向上をもたらしている。しかし、新型コロナのパンデミックやロシアの対ウクライナ戦争が示すように、GVCへの参加はまた、生産における海外の材料へのアクセスが海外での事態に影響され得るというリスクを伴う。加えて、一部のVCSは、一部の材料のサプライヤーが地理的に極度に集中していることもあり、地域の衝撃が世界中で下流生産者に不均衡な影響をもたらす可能性もある。こうした中、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board: FRB)は、海外サプライヤーからの材料に依存することで生じる米国製造産業のリスクを定量化した。具体的には、調達リスク指標を開発し、①一般的な海外での衝撃(世界的な輸送ネットワークの混乱など)の影響、②地政学的リスク、③サプライヤーの地理的集中、という3つの側面において材料へのアクセスのリスクを評価している。
Federal Reserve Board “A Sourcing Risk Index for U.S. Manufacturing Industries” (9/8/23)