DARPA、バイオベースのツールでチーム・パフォーマンスを予測・最適化を狙う

統計やその他の分析的手法は、スポーツチームの訓練や試合を最適化する標準的手段となっているが、同様の手法を国防総省(Department of Defense)全体でチームのアウトカム向上に適用させることができるかもしれない。現行の国防総省のチーム訓練は、広範なチーム構築演習や、教室での講義、代役もしくはシミュレーションによるチームメイトとの大規模な反復などに依存しており、これらの訓練手法は、講師による観察やチーム・パフォーマンスを評価するチェックリストなど、主観的な評価手法を用いる場合がある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「パフォーマンス成果のモデルを通じたチームの効率性の客観的予測(Objective Prediction of Team Effectiveness via Models of Performance Outcomes OP TEMPO)」プログラムは、国防総省に、リアルタイムの評価や実施後の見直し、パフォーマンス診断、チームの習熟度の客観的予測などを支援するデータ主導型能力を提供することを狙いとする。OP TEMPOを通じて、チームのパフォーマンス成果と相関する生物学的な行動の特徴(例として心拍数の変化とコミュニケーションのダイナミクス)を特定及び特徴付けし、実際の訓練の間にこうした特徴を正確かつ信頼性の高い形で測定するための一連の(目立たない)センサーを活用できるようにすることを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “OP TEMPO Explores Bio-Based Tools to Predict, Optimize Team Performance” (11/2/23)

ロサンゼルス・クリーンテック・インキュベータ、「クリーン・エネルギー2028年ロードマップ」を発表

ロサンゼルス・クリーンテック・インキュベータ(Los Angeles Cleantech Incubator: LACI)のクリーン・エネルギー・パートナーシップ(Clean Energy Partnership)は10月25日、「クリーン・エネルギー2028年ロードマップ(Clean Energy 2028 Roadmap)」を発表した。グレーター・ロサンゼルス地域での温室効果ガス排出の削減を加速させ、2028年ロサンゼルス・オリンピック及びパラリンピックが開催されるまでに、電力、建造、輸送部門で更に15%削減することを目指す。LACIの最高経営責任者(CEO)でロサンゼルス市評議会のポール・クレコリアン議長(Paul Krekorian)(President)及びパートナーシップのリーダーは、ロードマップにおける野心的なターゲットの重要性を強調した。ロードマップは、イノベーションのより良い促進と公平性の進展、加速的実践を目的として、ソリューション主導型の3つの経路(①建造物の電気化、②新規の建造物や輸送の電力負荷に、分散型のクリーン発電とエネルギーと輸送のネクサス技術で対応する、③グリッドの対応力強化と、手頃な費用/公平/雇用/医療リスクの改善)を提示するとともに、政策やパイロット事業、その他のイニシアチブの勧告を行っている。 Los Angeles Cleantech Incubator “LACI’S PUBLIC-PRIVATE CLEAN ENERGY PARTNERSHIP RELEASES CLEAN ENERGY 2028 ROADMAP TO ACCELERATE REDUCTION OF GHGs BY 15% ACROSS GREATER LOS ANGELES BY 2028 OLYMPICS” (10/25/23)

サプライチェーンの脱炭素化を目指すコラボレーション発表

サプライチェーンによる温室効果ガスの排出は世界の排出の半分以上を占め、企業の炭素フットプリントの半分以上を占める可能性もある。業界初の取り組みとして、エネルギー消費企業の大手が結集し、企業がクリーンエネルギーにアクセスするために必要なスキルと知識を備えられるようにすることを目的として、「クリーン・エネルギー調達アカデミー(Clean Energy Procurement Academy)」を立ち上げることが発表された。この活動は、アップル(Apple)とナイキ社(Nike)が、「クリーン・エネルギー調達者研究所(Clean Energy Buyers Institute: CEBI)」を通じて開始したもので、アマゾン(Amazon)、メタ(Meta)、ペプシコ(PepsiCo)、REIコープ(REI Co-op)の各社が、「クリーン・エネルギー調達アカデミー」を計画、実行する創立組織として参加した。アカデミーは、グローバルなサプライチェーンへのクリーン・エネルギー統合を迅速化させることを目的とし、対面及びオンラインの訓練や、包括的な教育資源を織り交ぜて活動する。        Clean Energy Buyers Institute “A GLOBAL TURNING POINT: UNPRECEDENTED INDUSTRY COLLABORATION PAVES WAY FOR DECARBONIZATION OF SUPPLY CHAINS” (10/25/23)

オフショア風力企業、業界の見通しが悪化する中、ニュージャージー州のプロジェクトを撤回

デンマークの企業、オーステッド社(Orsted)は11月1日、ニュージャージー州の海岸沖における2件の風力ファーム建設計画を撤回すると発表した。温室効果ガスの排出削減に取り組む同州にとって打撃であり、米国風力業界に新たな震撼をもたらした。今回の決定は、オーステッド社に最大56億ドルの償却を余儀なくし、温室効果ガス排出削減計画で風力発電業界を重要な要素にしているバイデン政権の計画を阻害するとみられている。高インフレと金利の上昇により、数年前には勝利に見えたプロジェクト計画は、もはや収益性を見出すことができなくなっている。オーステッド社の最高経営責任者は、「マクロ経済から業界からの視点に至るまでの多くの点で、状況がひっくり返っている」と語る。 New York Times “Offshore Wind Firm Cancels N.J. Projects, as Industry’s Prospects Dim” (11/1/23)

エネルギー省、地域のエネルギーイノベーション・パイプラインを形成するインキュベータとアクセラレータを支援

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は、「米国製 イノベーション・クラスターのためのエネルギー・プログラム(American-Made Energy Program for Innovation Clusters: EPIC)」ラウンド2の大賞受賞者を発表した。エネルギーのスタートアップ及びアントレプレナーのための強力なプログラミング/結びつき/支援を開発する最も創造的で影響力の高い計画を行った4つのインキュベータがそれぞれ50万ドルを受益した。本件は、1年間にわたって行なわれたコンペの第3かつ最終段階で、米国のクリーンエネルギーの未来を強化するために重要な活動(アントレプレナーのメンターシップや技術検証、ビジネス開発など)に地域のインキュベータが資金提供を行うことを支援するため、400万ドルの賞金が配分された。また、EPICの第2、第3段階と並行して、インキュベータは、「EPICプライズ売り込みコンペ(EPIC Prize Pitch Competition)」で競争するスタートアップを指名推薦しており、8つのスタートアップがそれぞれのクリーンエネルギー技術の売り込みを行った。その結果、5つのスタートアップが勝者として選出され、合計16万ドルが授与された。9月に開始されたEPICラウンド3は2段階の競争となっている。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Awards $2 Million to Incubators and Accelerators Shaping Regional Energy Innovation Pipeline” (11/1/23)

多数の太陽光発電(PV)モジュールで欠陥

クリーン・エネルギー・アソシエイツ社(Clean Energy Associates: CEA)は、電界発光(エレクトロルミネセンス)(electroluminescence: EL)検査を通じて、多くの太陽光発電(PV)モジュールに欠陥が見つかったとする新たな報告書を発表した。148の拠点で30万基以上のPVモジュールを対象にEL検査をした結果、83%のモジュールに線亀裂があり、78%にはんだ付けの不具合があり、76%に複雑な亀裂が見つかった。その多くは裸眼では見えないため、業界にとっては大きな脅威を呈する。CEAのファインディングによれば、PVモジュールには、購入者が認識しているよりも多くの欠陥がある可能性をある。CEAは、16カ国でモジュールのEL検査を行っており、多くの場合、PVモジュールの欠陥は製造過程で発生している。こうした品質の問題の要因として、サプライチェーン問題を受けて、経験不足のサプライ業者が数多く市場に参入したことが挙げられる。 The Manufacturer “Clean Energy Associates release alarming stats on the solar industry” (11/1/23)

NSF、気候変動に対する公共インフラの対応力に投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、気候変動の適応と軽減のための変革的で公平なソリューションを創出するため、新規かつ野心的な公共インフラ研究に350万ドルを投資した。公共インフラには、水、電力、輸送、建造物、その他のシステム(農村や都市部のコミュニティを支援、保護するシステム)が含まれる。インフラ・システムには、大規模な資本投資が必要で、数十年にわたって重要なサービスを提供することが期待されている。「インフラは、自然災害に対応力のある形で設計されているが、気候変動は新たな課題をもたらしている。これには、洪水の増加や気温の上昇などが含まれる他、インフラからの温室効果ガス排出を削減する必要もある」と、NSFの高官は述べる。今回選出されたのは、ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)による「不適応な堤防のための気候対応力のあるインフラ適用ネットワーク(Climate-Resilient Infrastructure Adaptations for Maladaptive Levee Networks)」など5件のプロジェクトで、「気候変動の軽減と適用のための公共インフラ研究(CiviL Infrastructure research for climate change Mitigation and Adaptation: CLIMA)」の機会を通じて支援を受ける。 National Science Foundation “NSF invests in civil infrastructure resilient to climate change” (11/1/23)

NSF、人工知能研究能力の強化と多様化に1,600万ドルを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月31日、「能力強化とパートナーシップを通じたAIイノベーションの拡大(Expanding AI Innovation through Capacity Building and Partnerships: ExpandAI)」プログラムの新たな受益機関を発表した。合計1,630万ドルの投資を通じて、少数派を対象とする機関でのAI研究及び教育への参加を強化及び拡大することでAIイノベーションを進展させつつ、多様で十分な訓練を受けたAI労働力の全国的な開発育成を目指す。ExpandAIプログラムは、歴史的に少数派のコミュニティを対象とする機関へ重要な支援を提供し、コミュニティがAI及び関連分野で頑強な研究プログラムを構築できるよう支援する。これらのアワードは、少数派を対象とする機関への大型投資を示すものであり、それらの機関が科学的イノベーションと発見へもたらす重要な貢献を協調する。ExpandAIプログラムはまた、受益機関と、NSFが主導する全国AI研究所(National AI Research Institutes)との間のパートナーシップを構築することも視野に入れている。今回選出されたのは、テキサス州立大学(Texas State University)やメハリー医科大学(Meharry Medical College)など11大学。 National Science Foundation “NSF announces $16M to strengthen and diversify artificial intelligence research capacity” (10/31/23)

退役軍人省、医療ケア労働者の燃え尽き症候群を軽減する100万ドルのAI技術コンペを開始

退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)は10月31日、米国内のイノベーターに、医療ケア労働者の燃え尽き症候群を軽減する人工知能(AI)実現型ツールの創出を奨励する「人工知能技術スプリント(Artificial Intelligence Tech Sprint)」を開始した。臨床医が診察の間にメモを取ったり、患者の記録を統合する際に助けとなるソリューションを模索する。勝利チームには合計100万ドルの賞金が提供される。医療ケア労働者の燃え尽き症候群を軽減することは、VAの優先事項の一つである。この取り組みは、安全でセキュアで信頼できる人工知能に関する新たな大統領令(10月30日)と、信頼できるAIソリューションを利用して退役軍人やその家族、介護者、遺族のための医療ケアと恩恵を向上させるというVAの取り組みの一環である。 Department of Veterans Affairs “VA launches $1 million AI tech competition to reduce health care worker burnout” (10/31/23)

3州がオフショア風力調達で協調する初の協定に署名

マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカットの3州は10月2日、オフショア風力の調達を協調して行うことを目的とした覚書に署名した。米国内でこうした協定が交わされるのは初めてのことである。覚書は、複数の州によるオフショア風力ベンチャー事業にガイドラインを確立すると共に、各州の間並びにユーティリティ機関との間で、募集を行う際に他州の参加や他州との協力を検討することに合意するものである。こうしたパートナーシップが行われる背景には、新興の米国市場を中心に、世界中のオフショア風力プロジェクトが、長引くサプライチェーン問題や高金利などを原因とする経済的苦境に直面していることがある。 Utility Dive “3 states sign first-ever agreement to coordinate offshore wind procurement” (10/4/23)