カリフォルニア州でソーラーと風力の電力削減が増加

カリフォルニア州のほとんどのグリッドを運用する「カリフォルニア独立システム・オペレーター(California Independent System Operator: CAISO)」は、州内で風力とソーラーの発電が急速に増大する中での需給バランスに取り組んでおり、ソーラー及び風力による発電を増大的に削減している。グリッド運用事業者は、安定した電力システムを維持するため、供給と需要のバランスを取る必要がある。風力及びソーラーの発電は、①渋滞(電線が、利用可能なエネルギーを送配電するのに十分な能力を持たない)、②供給過多(発電が顧客の電力需要を上回る)の間、価格シグナル、または珍しいケースとして生産抑制命令を通じて、削減される。CAISOによる発電削減は概ね渋滞によるものである。渋滞関連の削減は2019年以来、大幅に増加している。その理由は、ソーラー発電の成長が送電能力の改良を上回るペースで進んでいるためである。2022年にCAISOは、ユーティリティ規模の風力発電の240メガワット時を削減した。これは前年比63%増である。こうした中、CAISOは、再生可能エネルギーの削減増加に対する様々なソリューションの模索と実践に取り組んでいる。 Energy Information Administration “Solar and wind power curtailments are rising in California” (10/30/23)

国務省、第2回日米エネルギー安全保障対話に関する合同声明を発表

米政府と日本政府は、第2回日米エネルギー安全保障対話(Second Annual Japan-U.S. Energy Security Dialogue)」にあわせ、合同声明文を発表した。日本と米国は2023年10月16~18日、カリフォルニア州パロ・アルトにて、スタンフォード大学(Stanford University)フーバー研究所(Hoover Institution)の主催により、第2回日米エネルギー安全保障対話(Energy Security Dialogue: ESD)を実施した。カリフォルニア州はクリーンエネルギー移行を促進する政策と技術の進展で主導的役割を担っており、同州でESDを開催することは、太平洋を挟むパートナーシップ及び日米間でエネルギー移行を促進する上で革新的な民間企業が果たす前向きな役割を浮き彫りする。米国務省(U.S. Department of State)のジェフリー・パイアット次官補(エネルギー資源担当)(Jeoffrey Pyatt)(Assistant Secretary for Energy Resources)は、日本の経済産業省の木原普一資源エネルギー政策統括調整官および外務省の竹谷厚経済局審議官と会合し、エネルギー安全保障を強化し、クリーンエネルギー移行を加速させ、これらの分野におけるより深い協力を模索することを目的として協議した。 Department of State “Joint Statement on the Second Annual Japan-U.S. Energy Security Dialogue” (10/26/23)

NSF、科学・環境・社会における研究・イノベーションセンター計画事業に助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、学際研究活動を実施する大規模なセンターの開発へ向けた最初のステップとなるプロジェクトに合計140万ドル以上を投資する。具体的に、米国民に恩恵をもたらす長期的かつ効果的なソリューションを創出する一助として、NSFの社会・行動・経済科学局(Directorate for Social, Behavioral, and Economic Sciences: SBE)は、「科学と環境と社会における研究とイノベーション・センター(Centers for Research and Innovation in Science, the Environment and Society: CRISES)」立ち上げに向けた準備計画を支援する。CRISESでは、クオリティ・オブ・ライフの根本的問題に対処する証拠ベースのソリューションの開発を行うことが予定されている。今回、広範な学問の専門家を結集させて、急務の社会的問題に対処するソリューションの研究と開発に取り組むこれらのセンターの創出について探るプロジェクトが選出された。選出されたのは、13件の計画グラントと2件の会議グラントで、期間は1~2年となっている。 National Science Foundation “New NSF awards support future Centers for Research and Innovation in Science, the Environment and Society” (10/18/23)

NSF、先端製造の基礎研究・教育を製造USA研究所の目的に整合させるプロジェクトを募集

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月12日、「科学コミュニティ宛ての書簡(Dear Colleague Letter: DCL)」を通じて、先端製造の基礎研究及び教育を製造USA研究所の目的に整合させるプロジェクトを募集した。製造USAは、2014年に複数の連邦機関の共同作業によって発足した製造研究所の全国ネットワークで、各製造研究所は、具体的な製造技術と、有技能労働者の技能進展のための教育に焦点を当て、それに相応する専門性や施設、インフラ、大学、業界メンバーを有する。各製造研究所は、製造技術成熟度(Manufacturing Readiness Level: MRL)をMRL4(ラボの実証)からMRL7(製造に近い環境での実践)へと移行させるためのプロジェクトを実施する。今回のDCLは、製造USA研究所の技術的焦点分野に整合した研究及び教育のプロポーザルを、NSFの工学総局(Directorate for Engineering)、STEM教育総局(Directorate for STEM Education)、技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)における既存のNSFプログラムへ提出するよう奨励するものである。 National Science Foundation “Dear Colleague Letter: Aligning Fundamental Research and Education in Advanced Manufacturing with the Objectives of the Manufacturing USA Institutes” (10/12/23)

米国とEU、科学技術協定を更新

米国と欧州連合(EU)は10月14日、米=EU科学技術協定(U.S.-EU Science and Technology Agreement)を5年間延長した。協定が1997年に最初に締結されて以来、米国とEUの研究戦略的パートナーシップは拡大し、頑強で持続的な関係に成長した。協定は1997年12月5日に署名されて1998年10月14日に施行された。それ以降、2003年、2008年、2013年、2018年と4度更新されている。米国とEUの科学とイノベーションに関するパートナーシップは、倫理、研究の完全性、透明性、開放性、証拠ベースの政策策定など共通の価値と原則に基づく。 Department of State “Extension of the U.S.-EU Science and Technology Agreement” (10/23/23)

NSF、オープンソースのプロジェクトに2,600万ドル以上を投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「オープンソース・エコシステムを実現するためのパスウェイ(Pathways to Enable Open-Source Ecosystems: POSE)」プログラムを通じて、19件のフェーズIIプロジェクトに2,600万ドル以上の投資を発表した。最先端のイノベーションにつながると期待される新たなオープンソース・エコシステム(open-source ecosystems: OSE)の創出の育成を強化する。地理的に多様なこれらのオープンソースプロジェクトは、学術機関や非営利組織、営利目的組織などによるもので、人工知能や量子情報科学などの主要技術の進展や応用(教育や医療ケア、生物学、環境、輸送、工学を含む)が含まれる。フェーズIIのアワードは、1プロジェクトにつき、2年間で最高150万ドルを提供し、有望なオープン・ソース製品をセキュアで持続可能性と影響力のあるOSEへ移行させることを支援する。 National Science Foundation “NSF invests over $26 million in open-source projects” (10/25/23)

OMB、「インフラ対象の連邦助成でのバイ・アメリカ優先の適用実践ガイダンス」を発表

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は10月25日、連邦省庁の長官宛てに、「インフラを対象とした連邦資金援助プログラムにおけるバイ・アメリカ優先の適用に関する実践ガイダンス(Implementation Guidance on Application of Buy America Preference in Federal Financial Assistance Programs for Infrastructure)」と題するメモを通達した。メモは、連邦機関に向けて、①インフラを対象とした連邦資金援助プログラムにおける「バイ・アメリカ優先(Buy America preference)」の適用と、②バイ・アメリカ優先などの例外適用プロセス(該当する法律と政策に整合する形で例外適用が正当化される状況を含む)の2点について、補完的な実践ガイドとなるものである。バイデン大統領は2021年11月15日に「インフラ投資・雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act)」に署名して法制化した。これには、「ビルド・アメリカ・バイ・アメリカ法(Build America, Buy America Act: BABA)」が含まれている。BABAは、インフラ向け連邦資金援助に伴うバイ・アメリカ優先を強化するもので、米国の産業基盤を押し上げ、国家安全保障を保護し、高賃金雇用を支援する。BABAは、対象となる連邦省庁機関の長官は、プロジェクトに使用される鉄鋼、製造品、建設資材の全てが米国内で生産されるものでない場合には、インフラ向け連邦資金援助プログラムの資金が適用されないことを確実にする義務があると規定している。 White House “Implementation Guidance on Application of Buy America Preference in Federal Financial Assistance Programs for Infrastructure” (10/25/23)

USDA、炭素市場における農業と森林に関する評価を発表

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は10月23日、「米国炭素市場における農業と林業の役割に関する総合評価(A General Assessment of the Role of Agriculture and Forestry in the U.S. Carbon Markets)」と題する報告書を発表した。現行の市場活動の概況や、農家や森林所有者が炭素市場に参加する上での障害、こうした市場アクセスの向上につながる機会をまとめたものである。報告書は、2022年12月29日に法制化された「気候ソリューション増大法(Growing Climate Solutions Act: GCSA)」の下で最初に作成されたUSDAの成果物である。報告書は、これらの市場に農家が参加することを阻む様々な障害を特定している。USDAは、炭素市場への更なる信頼を育成し、土地所有者の参加を促す方法を詳しく検討している。これらの取引で提示される気候の恩恵が信頼でき、健全な科学によって支えられているようにすることは、炭素市場を機能させる鍵となる。 U.S. Department of Agriculture “USDA Releases Assessment on Agriculture and Forestry in Carbon Markets” (10/23/23)

中国との人工知能研究パートナーとして欧州が米国を追い越す

欧州連合(EU)が、EUと中国の関係についてより良い理解を得ることを目的として資金提供しているプロジェクト「リコネクト中国(Reconnect China)」によれば、欧州は、人工知能、機械学習、ビッグデータの分野で中国の最大研究パートナーとして、米国を追い抜いた。2011年から2022年の間にこれらの分野で共同出版された論文は1,000%以上増加した。ただし、これらの共同出版の約44%は、中国と英国の間で実施されている。中国の研究者と共同出版した上位10大学のうち、9大学は英国の大学で、10位以内にあるEUの大学は、デルフト工科大学(Delft University of Technology)(オランダ)(9位。665件の共同出版論文)のみである。短信は、「共同出版及び共同特許の面からみると、ビッグデータ関連部門におけるEUと中国の科学・技術・イノベーション協力は盛況である」との見解を示している。 Science Business “Europe overtakes US as biggest artificial intelligence research partner with China” (10/24/23)

クリーブランド・クリニック、ウェルカム・リープから量子コンピューティング研究助成を受ける

クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)は、ウェルカム・リープ(Wellcome Leap)が助成する量子コンピューティング研究プロジェクトの主導機関として選出された。また、Algorithmiq社(フィンランド)が主導する別の量子コンピューティング研究プロジェクトでも重要な役割を担う機関として選出された。いずれのプロジェクトもIBM量子(IBM Quantum)との共同作業となる。2件の契約は、ウェルカム・リープの「バイオ量子チャレンジ(Quantum for Bio Challenge)」を通じて選出された。同チャレンジは、医療用途を目的とした量子コンピューティングの開発を加速させることに焦点を当てた研究チーム12件に最高4,000万ドルを提供するというものである。ウェルカム・リープは、米国を拠点とする非営利組織で、世界医療のブレイクスルーを加速させ、その件数を増やすことを目的として、ウェルカム・トラスト(Wellcome Trust)によって創立された。クリーブランド・クリニックとIBMのチームは、「クリーブランド・クリニック=IBM発見アクセラレータ(Cleaveland Clinic -IBM Discovery Accelerator)」を通じてパートナーを組み、①タンパク質構造の予測に関する量子コンピューティング(クリーブランド・クリニックが主導)と、②癌の予防と治療における光子と医薬の相互関係に関する量子コンピューティング(Algorithmiq社が主導)のプロジェクトで協力する。 Cleveland Clinic “Cleveland Clinic selected by Wellcome Leap for Two Quantum Computing Research Projects” (10/24/23)