ニューヨーク州、人工知能の目標進展を目的に2,000万ドルの官民投資を発表

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は10月16日、ニューヨーク州立大学アルバニー校(State University of New York (SUNY) at Albany)とIBM社による2,000万ドルの投資および共同作業を発表した。人工知能(AI)の目標を進展させ、SUNY AI研究グループ(SUNY AI Research Group)を創設する。州知事の下、ニューヨーク州はAIの研究開発を主導しており、こうした大規模な投資は、企業を同州の最新研究センターに引き付け、雇用創出の一助となっている。SUNYアルバニー校とIBMの2,000万ドルの共同作業を通じて、「新興人工知能システム・センター(Center for Emerging Artificial Intelligence Systems: CEAIS)」が形成される。CEAISは、IBM研究AIハードウェア・センター(IBM Research AI Hardware Center)の新興ハードウェアと先端クラウド・コンピューティングの助けを得て、新たなAI研究プロジェクトの原動力となる。 New York State Department of Commerce “Governor Hochul Announces $20 Million Public-Private Investment to Advance Artificial Intelligence Goals” (10/16/23)

エネルギー省、第4次技術商業化インターンシップ・プログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は、第4次となる技術商業化インターンシップ・プログラム(Technology Commercialization Internship Program: TCIP)を開始した。この優れたインターンシップ・プログラムは、経営及びSTEMを学ぶ15名の大学生がエネルギー省の世界クラスの国立研究所システムを体験し、起業思考を磨き、エネルギー技術市場について探査することができる貴重な有給の機会で、2024年夏に実施が予定されている。インターンはプログラムを通じて、技術商業化のビジネスの側面に焦点を当て、顧客の発見や価値提案の開発、市場規模などのスキルを身に付け、これらの方策を国立研究所で開発された技術に適用する。エネルギー省は2024年1月15日まで応募を受け付ける。 Department of Energy “DOE Launches Fourth Edition of the Technology Commercialization Internship Program” (10/24/23)

バイデン大統領、安全・セキュアで信頼できる人工知能に関する大統領令を発表

バイデン大統領は10月30日、人工知能(AI)の有望性を確保し、リスクを管理する上で、米国が主導権を確実に維持することを目的として、画期的な大統領令(Executive Order)を発表した。この大統領令は、AIの安全性とセキュリティに新たな基準を確立し、米国民のプライバシーを保護し、公平性と市民権を進展させ、消費者と労働者の味方となり、イノベーションと競争を推進し、世界における米国のリーダーシップを進展させる。今回の大統領で指示した具体的な措置として次のようなものが挙げられる。①AIの安全性とセキュリティに関する新たな基準(多くの強力なAIシステムのデベロッパーに、安全性試験の結果やその他の重要な情報を米政府と共有するよう求める、AIシステムが安全でセキュアで信頼できることを確実にする一助として、標準、ツール、検査を開発する)、②米国民のプライバシー保護(プライバシー保護技法の開発と使用を加速させることに連邦政府の支援を優先付ける、プライバシー保護の研究と技術を強化する)。 White House ” FACT SHEET: President Biden Issues Executive Order on Safe, Secure, and Trustworthy Artificial Intelligence” (10/30/23)

DARPA、数学を用いて複合現実システムを攻撃から保護

複合現実(mixed reality: MR)システムの利用の増加は、新たな潜在的脆弱性となり得る。MRとは、現実と仮想の世界をリアルタイムに重ね合わせるもので、敵対者は、認知を対象とした様々な手法を通じて、ユーザーとそのMR機器の間の密接なつながりを悪用できる可能性がある(一例として、膨大な量情報を与えて乗り物酔いを誘発するなど)。商用のMRシステムは、開発中に認知工学の原則が適用されているが、現在の手法は、ミッションの妨害を試みる敵対者に直面した際に、システムが安全に作動することを保証しない。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、軍人がミッションを目的としてMRに広く依存する前に、本問題に対処したいと考え、最近、「本質的認知セキュリティ(Intrinsic Cognitive Security: ICS)」プログラムを開始した。ICSプログラムは、「MRシステムの設計は潜在的な認知攻撃を軽減する」という保証を確実にするため、「形式手法(formal methods)」として知られる数学的手法について研究、検証する。 Defense Advanced Research Project Agency “Can Math Secure Mixed Reality Systems from Attack” (10/24/23)

DARPA、重要鉱物の価格、供給、需要予測の透明性を強化

重要鉱物は、国防総省(Department of Defense)の活動や米国の国家安全保障にとり重要であり、現代技術にとっても必要不可欠である。しかし、現在の重要鉱物の価格付けは不透明で、需給予測はしばしば最終的に不正確であったり、事業活動上の関連性が不明確であったりする。市場の不透明性は、サプライチェーンを混乱させ、国防総省の準備態勢に悪影響を及ぼし、企業や消費者の双方に経済的負担を強いる危険性につながり得る。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)と提携し、「国家安全保障のためのオープン価格探査(Open Price Exploration for National Security: OPEN)」プログラムを実施する。OPENは、重要商品の価格付け、供給、需要、能力の予測における透明性を強化する技術の開発を促進することで、サプライチェーンの対応力と国家安全保障を強化することが狙いである。商業的及び公的に入手可能なファンダメンタル及び観測可能な投入原価に関する情報を分析して透明性のある構造的な価格予測を構築し、時系列予測や経済モデル、機械学習の進展を活用して正確な需給予測を行うことを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Increasing Transparency in Critical Materials Price, Supply, and Demand Forecasts” (10/25/23)

「未来のテックスター産業アクセラレータ」への応募受付開始

テックスター社(Techstars)、エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)、テネシー・バレー・オーソリティ(Tennessee Valley Authority)、テネシー大学システム(University of Tennessee System)のパートナーシップで実施している「未来のテックスター産業アクセレレータ(Techstars Industries of the Future Accelerator)」が、第3次コホートへの参加申し込みの受付を開始した(締め切りは11月29日)。本プログラムは今年で3年目。人工知能や先端製造、量子情報科学などのハード技術に焦点を当てた初期ステージのスタートアップ10社に支援、投資を行っている。選出された企業は、メンターシップ、訓練、ワークショップ、テックスター・ネットワーク(メンターや投資家、企業パートナー、同窓生)との関与で構成される13週間の集中的プログラムに参加する。参加企業は最高12万ドルの資金調達を得る資格がある。プログラムは2024年3月11日から始まり、最終日となる6月6日のデモ・デーで終了する。 Oak Ridge National Laboratory “Application for Techstars Industries of the Future Accelerator opens” (10/25/23)

エネルギー省、二酸化炭素貯留拠点における誘発型地震活動を予測評価するツールキットを発表

二酸化炭素を回収し、地下深くの地層に安全かつ恒久的に貯留する上で、炭素の捕獲と貯留は温室効果ガス排出の重要な管理手法である。二酸化炭素の地質学的貯留は安全かつ効果的であることが示されている一方、大規模な注入作業の結果として新たな地震活動が誘発される可能性について懸念は残る。二酸化炭素の注入が地震活動を誘発する可能性について効果的な予測を行うには、その根底にある物理学的なプロセスについて十分な理解を得ること、物理学の情報とデータ主導型のモデリング手法を開発及び適用する能力、そしてこれらを総合して広範な関係機関にとって有益な枠組みを作るためのビジョンが必要とされる。今般、エネルギー省(Department of Energy)によるイニシアチブ及び資金提供によって開発された予測ツールキットは、地下の二酸化炭素貯留拠点の運用事業者が、商業規模の注入によって誘発される地震活動の可能性及びその規模を評価する助けとなる。今回発表された新たなツール、「運用上の誘発型地震の予測(Operational FoRecastIng Of Induced Seismicity: ORION)」は、オープン・ソースかつ観測ベースのツールキットで、二酸化炭素の注入への反応として、誘発型地震災害が発生する可能性を予測(例として、誘発型地震の規模及び頻度に関する確率的な評価)することを意図している。 National Energy Technology Laboratory “DOE RELEASES TOOLKIT TO ASSESS INDUCED SEISMICITY AT CO2 STORAGE SITES” (10/25/23)

エネルギー省、海洋二酸化炭素除去技術進展に3,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy: DOE)は10月26日、海洋二酸化炭素除去(marine carbon dioxide removal: mCDR)の捕獲及び貯留技術の開発を加速させるため、11件のプロジェクト(8州)に3,600万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは、エネルギー省の「海洋観測を通じた人為的炭素排出の検知(Sensing Exports of Anthropogenic Carbon through Ocean Observation: SEA-CO2)」プログラムから資金を受益し、mCDRを測定、報告、検証し、費用対効果とエネルギー効率に優れた炭素排除ソリューションを特定する取り組みを支援する。エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)がプロジェクトを運営管理する。受益チームには、中小企業、大手企業、国立研究所、大学が含まれ、mCDR技法の効果を定量化する、適切に拡張された新規のセンサー及びモデルの開発において重要な役割を担う。 Department of Energy “DOE Announces $36 Million To Advance Marine Carbon Dioxide Removal Techniques and Slash Harmful Greenhouse Gas Pollution” (10/26/23)

エネルギー省、国内の送電構築を目的として13億ドルを拠出

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は10月30日、6州を横断する3つの送電線構築に最高13億ドルのコミットメントを発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって実現するもので、米国内で新たに3.5ギガワットのグリッド能力を追加することを狙いとした変革的なプロジェクトを進展させる。これは、約300万世帯への電力供給に相当し、1万3,000件の直接・間接雇用の雇用創出が期待される。今回選出されたプロジェクトは、①ネバダ州とユタ州、②アリゾナ州とニューメキシコ州、③ニューハンプシャー州とバーモント州、を結ぶ送電線プロジェクト。また、こうした送電線の構築が、情報に基づき、正確に行われることを確実にするため、エネルギー省は、「国家送電ニーズ調査報告(National Transmission Needs Study)」の最終版を発表した。これは、送電強化から恩恵を受けるグリッドについて洞察をまとめた内容となっている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $1.3 Billion to Build Out Nation’s Electric Transmission and Releases New Study Identifying Critical Grid Needs” (10/30/23)

米国の非営利組織による研究開発活動支出は合計270億ドル(2021年度)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表したインフォブリーフ(InfoBrief)によれば、米国の非営利組織が2021年度にそれぞれの組織内で実施した研究開発(R&D)の支出は272億ドル(試算)であった。非営利組織によるR&D活動の最大資金源は連邦政府で、116億ドル(全体の43%)であった。次に大きな資金源は非営利組織の内部資金で、17億ドル(6%)、個人寄付者の14億ドル(5%)となっている。R&D活動の種別としては、全体の44%(119億ドルが「基礎研究」に分類され、37%(100億ドル)が「応用研究」、19%(53億ドル)が「実験的開発」に分類される。連邦資金を受益したR&D活動では、応用研究の割合が44%で、非連邦資金によるR&Dの応用研究の割合(32%)よりも高い。また、分野別で見ると、2021年度に非営利組織が実施したR&Dの大半(74%、200億ドル)は、生物学、生物医学、医療科学となっている。7.5%(20億ドル)は工学分野のR&Dに充当されている。記事ではこの他に、非営利組織によるR&D活動費の種別、非営利組織のR&Dの人事について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “U.S. Nonprofits’ R&D Performance Totaled $27 Billion in FY 2021” (10/23/23)