バンダービルト大学とオーク・リッジ国立研究所、国家安全保障用途を目的としたAIの開発で提携

人工知能(AI)は急速に、世界競争で最も重要な資産の一つになりつつあるが、現在のAIモデルは新規のサイバー攻撃に脆弱で、敵対者に悪用される可能性がある。こうした中、テネシー州ナッシュビルで5月29日に行われたテネシー・バレー・コリドー・サミット(Tennessee Valley Corridor Summit)で、バンダービルト大学(Vanderbilt University)とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)が、国家安全保障上の用途を目的としたAIの開発で提携することを発表した。両者は、補完的な研究開発能力を基盤として、国防総省(Department of Defense)の運用環境でのAIベースのシステムの導入を加速させる訓練/試験/評価手法の開発に取り組む。本パートナーシップではまず、米空軍(U. S. Air Force)のオートノマス車両(AI搭載型X-62AVISTA機など)を全面的に活用できるようにすることに焦点を当てる。 Oak Ridge National Laboratory “Tennessee institutions partner to develop dependable AI for national security applications” (5/30/24)

米国のSTEM労働力にとり、外国生まれの人材は重要

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が5月30日に発表した報告「STEM労働力:科学者、エンジニア、有技能技術労働者(The STEM Labor Force: Scientists, Engineers, and Skilled Technical Workers)」によれば、①米国のSTEM労働力は3,680万人で構成され、米国労働力全体の24%、②2011~2021年に、米国の労働者全体にSTEM職の労働者が占める割合は22%から24%に増加、③これらの労働者の半分以上(52%)は、学士号を取得しておらず、そのため、「有技能技術労働力(skilled technical workforce: STW)」に分類、といったことが明らかになっている。この他のトレンドとして指摘されている点に、STEM職における外国生まれの労働者に関する点がある。2021年におけるSTEM職に占める外国生まれの労働者の割合(26%)は、米国生まれの労働者の割合(24%)より高い。NSBの委員の一人は、「米国は、世界中から優秀なSTEM人材を呼び込むことに長けている」と述べる。この報告は、「2024年版科学工学指標(2024 edition Science and Engineering Indicators)」の一部。 National Science Foundation “New report shows the importance of foreign-born talent to the U.S. STEM workforce” (5/30/24)

ベゾス地球基金グラント、ノースカロライナ州立大学に持続可能なたんぱく質研究ハブを創設

ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)で5月31日、ベゾス持続可能なたんぱく質センター(Bezos Center for Sustainable Protein)が始動した。ベゾス地球基金(Bezos Earth Fund)は、環境に優しく、健康的で、美味しく、手頃な費用の食品たんぱく質のためのバイオ製造ハブを創設することを目的としたセンター・オブ・エクセレンスを主導するノースカロライナ州立大学に、5年間で3,000万ドルのアワードを授与した。地球基金は、持続可能なたんぱく質の代替に焦点を当て、消費者の選択肢の拡大につながる、オープン・アクセスの研究開発センター・ネットワークを確立することに1億ドルをコミットしている。新たなセンターは、学術機関や業界のパートナーと共に、新技術の研究、創出、商業化に取り組み、新興業界の労働力に訓練を提供し、消費者のたんぱく質に関する嗜好を測定する。 EurekAlert! “Bezos Earth Fund Grant creates sustainable protein research hub at NC State” (5/31/24)

NSF等、カナダ主導の「2023年気候変動の適応と軽減に関する国際合同研究イニシアチブ」コンペの受賞者を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、全米人文科学基金(National Endowment of the Humanities: NEH)、パートナーである7カ国(ブラジル、カナダ、ドイツ、ノルウェー、南アフリカ、スイス、英国)の資金提供当局は6月3日、「2023年気候変動の適応と軽減に関する国際合同研究イニシアチブ(2023 International Joint Initiative for Research on Climate Change Adaptation and Mitigation)」コンペの受賞者を発表した。本コンペは、カナダのニューフロンティア研究基金(New Frontiers in Research Fund: NFRF)の調整によって実施されている。合計で約2,600万ドルが11件の新たな協調研究プロジェクトに提供される。NSFは約600万ドル、NEHは100万ドル、国際パートナー機関は1,900万ドル以上を拠出する。受益プロジェクトは、世界クラスの専門性を活用して、気候変動による世界的な課題に対処することに取り組む。その一例として、「カリブ海地域の被災地を対象として協調的に設計、管理された洪水対応力の枠組み(A Collaboratively Designed and Managed Flood Resilience Framework for Affected Communities in the Caribbean Region)」(受益する米機関:ルイジアナ大学ラファイエット校(University of Louisiana at Lafayette))などがある。 National Science Foundation “NSF, NEH and partner funding agencies from seven countries …
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新米国安全保障センター(CNAS)、量子コンピューティングにおける米中競争について報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は5月28日、「量子ビットへの追求:量子コンピューティングにおける米中間競争(The Quest for Qubits: Assessing U.S.-China Competition in Quantum Computing)」と題する報告書を発表した。世界は量子革命の間際にあり、量子コンピューティングが機会と脅威を呈する中、報告書は、「米国は、量子技術における競争的優位を維持し、それが米国の価値及び利益と整合することを確実にするための長期的な戦略を策定することが急務である」と主張する。報告書は、量子コンピュータの構築及び拡張を巡る世界的な競争について概説し、特に米中間の競争に焦点を当てている。また、量子コンピューティングにおける米国の優位を確保しつつ、重大な脆弱性を軽減するために、一連の政策勧告を提示している。勧告には、「量子技術のサプライチェーンに関する包括的なレビューを行い、大幅な洞察を特定し、重要な点と潜在的な脆弱性を検知し、様々な地域で新たなサプライヤーを開発するための機会を評価する」などが含まれる。 Center for a New American Security “New CNAS Report Assesses U.S.-China Competition in Quantum Computing” (5/28/24)

NSFとエネルギー省、クリーン水素エネルギー分野の新たなインターンシップ機会で提携

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とエネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は、NSFの支援を受けた大学院生が水素及び燃料電池技術分野で訓練と専門職開発の機会を得られるようにするための取り組みを開始した。「水素インターン(Hydrogen INTERN)」と呼称される機会で、「大学院生向けNSF非学術研究インターンシップ(NSF Non-Academic Research Internships for Graduate Students: NSF INTERN)」プログラムを通じて提供される。NSF INTERNプログラムは2017年に創設され、非学術系の受け入れ機関で6カ月にわたり、現場で働きながら、専門職としてのコンピテンシーやスキルを身に着ける実験的学習機会である。NSFとDOEのEEREによる水素インターン・プログラムは、年間約10名のインターンシップに資金を提供する(一人につき最大5万5,000ドル)。インターンシップは、業界や非営利組織、国立研究所、政府機関などで実施される。 National Science Foundation “NSF and DOE partner on new internship opportunity in clean hydrogen energy” (5/30/24)

国防総省、SBIR/STTRの適正評価政策と実践ガイダンスを確立

キャサリーン・ヒックス国防副長官(Kathleen Hicks)(Deputy Secretary of Defense)は5月13日、国防総省(Department of Defense)の中小企業技術革新制度(SBIR)及び中小企業技術移転制度(STTR)の適正評価プログラム(Due Diligence Program)について、政策を確立し、実践ガイダンスを提供することを記した覚書に署名した。2022年SBIR及びSTTR延長法(SBIR and STTR Extension Act of 2022)に従い、海外の懸念国と関係を持つ「懸念される中小企業(small business concerns: SBCs)」がSBIR/STTR資金を模索する際の安全保障リスクを軽減することが適正評価プログラムの目標である。国防総省の研究工学担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering: OUSD(R&E))が、最低限の共通標準が国防総省のSBIRもしくはSTTRアワードを実施する全ての部門で一貫して適用されることを確実にする。 Department of Defense “Hicks Establishes SBIR/STTR Due Diligence Policy and Implementation Guidance” (5/23/24)

西部で提案されているソーラー・プロジェクトの大半がハイブリッド・プロジェクト

S&Pグローバル市場インテリジェンス(S&P Global Market Intelligence)のデータによれば、米国西部の相互接続キューにあるソーラー・プロジェクトの圧倒的過半数が、エネルギー貯蔵と共同設置されたハイブリッド施設であり、これは、普及率が上昇していること、ピーク需要に対応するための寄与が減少していることを反映している。S&Pグローバル市場インテリジェンスの上級アナリストによれば、カリフォルニア州独立系統運用機関(California Independent System Operator: CAISO)の範囲内で設置が提案されているソーラー能力の98%以上がハイブリッドであるという。西部で独立系統運用機関(ISO)の対象外地域では、その数値は87%前後となっている。カリフォルニア州内ではソーラー発電の削減率(curtailment)が上昇し、ダック・カーブが歪曲化するなどしており、「ソーラー・プロジェクトが実施される場合、電池貯蔵との共同設置はほぼ必須となりつつある」と、S&Pグローバル市場インテリジェンスのアナリストは述べる。 Utility Dive “Hybrid projects dominate Western solar proposals, reflecting higher curtailment rates: S&P Global” (5/20/24)

EPA、新規住宅及びアパート向けのエネルギー・スターNextGen認定プログラムを発表

環境保護庁(Energy Protection Agency: EPA)は5月7日、「エネルギー・スターNextGen認定住宅及びアパート(ENERGY STAR NextGen Certified Homes and Apartments)」プログラムの開始を発表した。国内の住宅新築部門向けの任意による最先端の認定プログラム。バイデン大統領のインフレ低減法(Inflation Reduction Act)の資金を基に開発されたプログラムで、建設業界による先端エネルギー効率技術の導入を加速させることで、全国的なエネルギー及び排出の節約を強化する。30年の歴史を持つエネルギー・スター・プログラムを基に開発されたエネルギー・スターNextGen認定プログラムは、エネルギー効率の強化や、ヒートポンプやヒートポンプ式温水器、電気調理器、住宅の電気自動車充電設備などを備えた住宅とアパートを認定する。エネルギー・スターNextGen認定を取得した住宅は、一般的なコード基準で建設された住宅に比べ、エネルギー効率が20%以上高く、温室効果ガスの排出を40~80%削減する一助となる。一部の州では既に、エネルギー・スターNextGenの仕様に基づいた建設が開始されている。 Environmental Protection Agency “EPA Announces ENERGY STAR® NextGen™ Certification for New Homes and Apartments” (5/7/24)

電池エネルギー貯蔵システムの故障の原因の多くは、電池とモジュールではない

電池分析ソフトウェアのプロバイダー、TWAICE社が、電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)とパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)と合同で作成した調査報告白書「EPRIの電池エネルギー貯蔵システムの故障事故データベースからの洞察(Insights from EPRI’s Battery Energy Storage Systems (BESS) Failure Incident Database)」によれば、電池貯蔵システムの故障の原因の多くは、電池セルやモジュール以外のシステム・コンポーネントの問題であるという。白書は、EPRIによるBESSの故障事故データベースに分類されている81件の事故を調査したものである。同データベースは、公表されている電池の火事や爆発、その他の安全性に関する出来事(2011年以降)を追跡したもので、それらの出来事を、根本的原因(設計、製造、統合/組み立て/建設、運用)と、故障の要素(セル/モジュール、制御、システム・バランス・コンポーネント)に分類している。TWAICEの上級エンジニアによれば、調査結果は、「ほとんどの場合、故障は電池モジュールに起因する」という一般的なストーリーが正確でないことを示している。2017年から2019年にかけて、韓国やアリゾナ州でBESS施設での火事や爆発が発生し、定置型リチウムイオン電池の安全性を巡る懸念が高まったが、白書によれば、近年、BESSの安全性は劇的に改善されており、2018~2023年に、世界的なグリッド規模の電池事故は97%減少したという。それでも、統合/組み立て/建設は、BESSの故障の最も一般的な根本的原因となっているという(研究者が根本的な事故原因を特定できた26件のうち10件の事故の原因)。 Defense Advanced Research Project Agency “Catalyzing an Integrated Lunar Economy: Initial Results of the LunA-10 Capability Study” (5/10/24)