商務省、AI安全性に関する戦略的ビジョンを発表

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)は5月21日、AIソウル・サミット(AI Seoul Summit)が始まる中、米国の人工知能安全性研究所(Artificial Intelligence Safety Institute: AISI)の戦略的ビジョンを発表した。バイデン大統領のリーダーシップの下、AIの安全性に対する商務省のアプローチを概説した内容となっている。大統領の指示により、商務省傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)がAISIを立ち上げた。また、レモンド長官は、商務省とAISIが、AIの安全性に焦点を当てた研究所やその他の政府の支援を受けた科学当局との有意義な関与を通じて、AIの安全性に関する世界的な科学ネットワークの始動を支援すること、こうした海外の研究所や関係機関を招集してAISIが最近拠点を構えたサンフランシスコ地域で今年後半に会合を行う計画を発表した。 National Institute of Standards and Technology “U.S. Secretary of Commerce Gina Raimondo Releases Strategic Vision on AI Safety, Announces Plan for Global Cooperation Among AI Safety Institutes” (5/21/24)

米国サイバー司令部とDARPA、新たな契約でパートナーシップを進展

2022年に米国サイバー司令部(U.S. Cyber Command)と国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)が「コンステレーション(Constellation)」パイロット・プログラムを創出した後、両組織は最近、拘束力のある新たな契約を交わし、将来の計画の実現を目指すべく、合同のガバナンス構造、役割、責務、予算目標を確立した。DARPAとサイバー司令部は、サイバー技術をラボからサイバー戦場へと迅速に届けるための経路を創出する。プログラムは、ユーザー主導型で増分的かつ反復的なパイプラインによって、新たなサイバー空間能力を創出、提供、導入し、司令部のソフトウェア・エコシステムに組み入れる。DARPAの研究開発プロジェクトが司令部によって選出され、オリオン・コンソーシアム(Orion Consortium)(DARPAのパフォーマーとサイバー司令部のデベロッパーで構成され、能力の実現に向けて協調的に取り組む)を通じて実行される。 Defense Advanced Research Project Agency “U.S. Cyber Command, DARPA Advance Partnership with New Agreement” (5/21/24)

DARPA、未来の垂直離着陸(VTOL)型の無人航空システムの概念を示す

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「先端航空機-わずかなインフラでの発射と回収 (AdvaNced airCraft Infrastructure-Less Launch And RecoverY: ANCILLARY)」プログラムは、低重量で積載量が大きく、長い耐久時間を備えたVOTL型無人X航空機に関する6つの設計概念を示している。革新的な構造と重要な技術設計は、小規模なスタートアップ企業から、伝統的な宇宙航空企業までの広範なパフォーマーから提示されたもので、本プログラムに寄与するパートナー・ネットワークの拡大につながっている。フェーズIaで、ANCILLARYチームは9つの伝統的及び非伝統的軍事企業による概念設計について探究した。フェーズIbでは、6社(アエロバイロメント(AeroVironment)、グリフォン・エアロスペース(Griffon Aerospace)、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)など)がX航空機の設計の成熟化に取り組む。10カ月に及ぶこのフェーズの後、参加企業はフェーズIIの詳細な設計/組み立て/飛行試験へ向けた競争的プロポーザルを提出する。 United States Patent and Trademark Office “USPTO announces National Strategy for Inclusive Innovation” (5/22/24)

DARPA、遺伝子編集の安全な阻害を模索

先端遺伝子編集ツールの急速な進展により、遺伝マテリアルを、正確、早急、コスト効果が高く、広くアクセス可能な形で修正することが可能になっている。CRISPRやCRISPR関連タンパク質(CRISPR-Cas)の技術は、遺伝子工学ツールキットにおいて最も広範に採用されているツールの一つであり、その進展はバイオテクノロジーや遺伝子工学分野に革命をもたらしている。しかし、CRISPR-Casシステムの正確性や特異性、制御に関する懸念は依然として残っている。安全性や効果、実用性を強化する有望な方策の一つは、意図しないオフターゲットの効果を制限し、活動の制御を可能にすることで、CRISPRを媒介とするツールやその他の遺伝子編集ツールの制御を妨害、調整する新規のインヒビター(阻害剤)を発見もしくは設計することである。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「編集者のための広範囲なアンタゴニスト(Broad-Spectrum Antagonists For Editors: B-SAFE)」プログラムは、正確で遺伝子編集プロセスの制御が調整可能な新規の分子を特定し、これを最適化することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “Safely Inhibiting Gene Editors” (5/28/24)

エネルギー章、米国世帯の住宅エネルギー代低減に2,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月23日、同省の「耐候化援助プログラム(Weatherization Assistance Program: WAP)」の影響を拡大することを目的として、13件のプロジェクトを選出したと発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金(2,500万ドル)が拠出される。受益プロジェクトは、コミュニティのパートナーと協力しながら、革新的かつ包括的なエネルギー節約につながる修復や改良を実施し、低所得世帯の気候対応力を高め、世帯のエネルギー費用の低減に取り組む。選出されたプロジェクトの対象となるのは、①多世帯住宅、②一戸建て及びプレハブ住宅、③労働力開発、という3つの分野。本件は、「強化とイノベーション(Enhancement and Innovation)」グラントによる2回目の資金提供ラウンドで、前回は2023年3月に21件のプロジェクトに3,790万ドルが提供された。このグラントは、既存のWAPグラント受益者、サブセクター受益者、その他の非営利組織が対象となっている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $25 Million to Lower Home Energy Bills for American Families” (5/23/24)

ARPA-E、ビジョンOPEN2024に1億5,000万ドルを発表

エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)のエベリン・ワン長官(Evelyn N. Wang)は5月22日、ARPA-Eのエネルギー未来のビジョンを実現する画期的な技術の開発に、最高1億5,000万ドルを提供すると発表した。このビジョンには、①温室効果ガスを排出しない豊富な一次エネルギー、②多様な形態の一次エネルギーを輸送するインターモーダル・エネルギー・スーパーハイウェイ、③ポリマーやその他のマテリアルの需要に持続可能な形で対応する炭素移行、という3つの目標が含まれる。これらは、持続可能なエネルギーと炭素移行を達成する上で重要な要素である。ARPA-Eは設立以来、ARPA-Eの具体的な技術分野を対象とした資金提供公募(FOA)以外に、高い可能性を持つプロジェクトを特定することを目的としたオープン・プログラム(OPEN program)を定期的に実施している(通常、約3年ごと)。ARPA-Eは今回、設立15周年にあわせて、エネルギー未来の変革的な見方を示す「ビジョンOPEN2024(Vision OPEN 2024)」を発表した。 Advanced Research Projects Agency-Energy “ARPA-E Announces $150 Million to Develop Systems that Provide Abundant Primary Energy, Enable Intermodal Energy Transport, and Sustainably Meet Demand for Polymers & Other Materials” (5/22/24)

ITIF、エネルギー移行に寄与する州及び地域のパフォーマンスを順位付け

クリーンエネルギーへの世界的な移行の成果は、クリーンエネルギーの多様な資源及び使用において、価格とパフォーマンスの向上を促す新たなイノベーションの開発とその導入にかかっている。こうした取り組みにおいて、州と地域は重要な役割を担っている。情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)が今般まとめた新たな指標報告「米国の州及び地域のエネルギー・イノベーション指数(US State and Regional Energy Innovation Index)」によれば、本件に関して優れた活動を行っている州は、1位から順番に、バーモント、サウスダコタ、アラスカの各州である。指標は、連邦及び民間の研究資金、科学・工学論文及び特許、州と地域の政策や住民の意見などを基に9つの機能的分類を通じて州及び地域のエネルギー・イノベーション・エコシステムの貢献とアウトプットの可能性を評価している。一方、最下位はハワイ州で、次いで下から、テキサス、ワシントンDCである。指標報告には、地域別の順位も掲載されている他、「米国内の経済開発組織は、クリーンエネルギー・イノベーションの潜在的な恩恵を認識しており、最近制定された連邦法はそうした意識を高め、実行するための資金を提供している」とした上で、連邦政策の効果を一層深めるための一連の政策勧告を提示している。 Information Technology & Innovation Foundation “Vermont Ranks First, Hawaii Last in Clean Energy Innovation; New Index Ranks States and Regions on Performance Contributing to Energy Transition” (5/28/24)

AIの影響について米国民の見解は割れる

センター・フォー・データ・イノベーション(Center for Data Innovation)は今般、「人々はAIについてどのように考えているか?(What does the public think about AI?)」と題する報告書を発表した。それによれば、米国民は、「AIは、自身の生活やキャリアに良い影響を及ぼすか、悪い影響を及ぼすか、それとも何の影響もないと考えるか」という問いへの回答で、ほぼ均等に分かれている(32%が「良い影響」、22%が「悪い影響」、33%が「影響はない」と回答)。一方、「AIは、社会及び次世代にとって良いか否か」という点でも同じように分断しているが、「何も影響はないだろう」と考えている人はほとんどいない(38%が「良い影響」、35%が「悪い影響」、9%が「影響はない」と回答)。アンケートは、全国2,000人以上の米国成人を対象に実施され、昨年実施した同様の調査との比較も行われた。 Information Technology & Innovation Foundation “Americans Divided on Whether AI Will Make Things Better or Worse, New Survey Finds” (5/21/24)

NSF、新興研究機関の研究者と業界との間のパートナーシップを促進

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国の高等教育機関と業界のイノベーターの間の新規かつ多様なパートナーシップを創出し、ブレイクスルー技術を加速させることを意図した新たなパイロット事業への投資(120億ドル)を発表した。受益するのは、Haloキュアズ社(Halo Cures, Inc.)による「大学イノベーション分類学の活用:米国の大学と業界イノベーターの間の新たな関与と多様なパートナーシップの促進(Leveraging a Universal Innovation Taxonomy: Driving New Engagements and Diverse Partnerships between U.S. Universities and Industry Innovators)」と題する18か月間のプロジェクト。Haloは、人工知能(AI)を活用した技術プラットフォームで、企業の研究開発(R&D)チームがより効果的に科学パートナーと結びつき、イノベーションの市場化のより早い実現を支援する。NSFの資金を受けたパイロット事業の一環として、Haloはまず、業界の研究者を、新興研究機関または連邦研究資金の受益額が5,000万ドル未満の高等教育機関の学術科学者と結びつけることに焦点を当てる。Haloの立ち上げは2020年で、それ以来、世界100カ国の約8,000人の学術科学者、2,000件のスタートアップ、1,500件の大学管理者が、Haloにプロフィールを作り、それぞれの研究分野を紹介している。 National Science Foundation “NSF invests in a pilot to catalyze partnerships between industry and researchers at emerging research institutions” (5/22/24)

米国とドイツ、量子の協力強化を目的とした合同声明に署名

米国とドイツの代表は5月22日、「量子情報科学技術の協力に関する合同声明(Joint Statement on Cooperation in Quantum Information Science and Technology (QIST))」に署名した。声明は、両国間のQISTの研究開発(R&D)に関する共同作業の長い歴史を反映すると共に、両国の専門性を組み合わせることは、人類に恩恵をもたらすQIST技術を実現する上で重要であるという共通の価値と相互の理解に基づくものである。QISTは、基本的な量子現象の理解と制御に革命をもたらしており、これはいずれ、新規の能力を備えたパワフルな量子コンピュータやネットワーク、通信システム、かつてない正確さのセンサーの開発へとつながる可能性がある。米国とドイツはQISTに重厚な投資をしており、米国の国家量子イニシアチブ(National Quantum Initiative)は年間およそ10億ドルの投資を、ドイツの連邦量子技術行動計画(Federal Quantum Technologies Action Plan)は、2026年までに約22億ユーロをQISTに配分している。そして両国には、QISTを含め、科学的な協力関係の長い歴史がある。 Quantum.gov “The United States and Germany Sign Joint Statement to Enhance Cooperation in Quantum” (5/22/24)