NTIA、6Gに関するコメントの要請を発表

商務省(Department of Commerce)傘下の米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は5月21日、米政府の政策がどのようにして次世代の6G技術を支援できるかについて見解を求める「コメントの要請(request for comment: RFC)」を発表した。商務省次官補(通信情報担当)(Assistant Secretary for Communications and Information)でNTIA長官(NTIA Administrator)のアラン・デイビッドソン氏(Alan Davidson)は、「現在、引き続き5Gの全面的な恩恵を実現しつつある一方、6Gを計画するのに早すぎるということはない」と述べる。今回のRFCは、6Gを成功させる方法や研究開発、6Gの安全性やセキュリティ、環境上の懸念について質問を提示している。コメントは、連邦広報(Federal Register)で発表されてから90日間受け付ける。 National Telecommunications and Information Administration “NTIA Kicks Off 6G Request for Comment” (5/21/24)

NSF、エネルギー需要削減を目指すコンピューティング事業に3,600万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、コンピューティングに革命をもたらし、コンピュータのライフサイクルを通じた炭素の排出を削減する上で大きな影響をもたらす可能性がある3件のプロジェクトに、3,600万ドルを提供すると発表した。資金は、NSFの「コンピューティング・エクスペディション(エクスペディション)(Expeditions in Computing: Expeditions)」プログラムから拠出される。同プログラムは、社会や経済、技術進展に継続的な影響をもたらすと考えらえる変革的な研究を支援する野心的なイニシアチブである。今回、エクスペディション・プログラムの下で選出されたのは、ハーバード大学(Harvard University)を中心とする学際チームの「炭素コネクトー持続可能なコンピューティングのためのエコシステム(Carbon Connect — An Ecosystem for Sustainable Computing)」など3件。 National Science Foundation “NSF invests $36M in computing projects that promise to maximize performance, reduce energy demands” (5/23/24)

NSF、少数派を対象とした学術機関での半導体労働力開発に投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は5月21日、マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology)、グローバルファウンドリーズ社(GlobalFoundries: GF)と新たなパートナーシップを結び、公平な教育へのアクセスを高め、半導体に対応する次世代の科学・技術・工学・数学(STEM)の多様な労働力の開発に取り組むことを発表した。NSFはマイクロン社、GF社と共に、歴史的に黒人の多い大学、ヒスパニック系やアジア系米国民などを対象とした学術機関など少数派を対象とした学術機関(minority-serving institutions: MSIs)における半導体の労働力開発に投資し、半導体労働力の多様化や、教育とキャリア再参入イニシアチブを通じた頑強な人材育成経路の構築に取り組む。 National Science Foundation “NSF partners with Micron and GlobalFoundries to invest in semiconductor workforce development at minority-serving institutions” (5/21/24)

米英における信頼できるAIツールの概況調査

ランド・ヨーロッパ(Rand Europe)は5月14日、「英国と米国における信頼できるAIツールの概況に関する調査:現行のトレンド、将来の可能性、協力のための潜在的な経路(Examining the landscape of tools for trustworthy AI in the UK and the US: Current trends, future possibilities, potential avenues for collaboration)」と題する報告書を発表した。これまでに、世界中で様々な組織によって、信頼できる人工知能(AI)の開発に関するガイドとなる枠組み、宣言、原則が数多く発表されている。これらは、信頼できるAIシステムの理想的なアウトカムや目的の土台を示しているものの、そうした目的やアウトカム、要件を実践の場で達成するための具体的なガイダンスは提示していない。そこで重要となってくるのが、信頼できるAIのためのツールであり、これらのツールは、AIのシステム及び応用を測定、評価、伝達、改良、強化する一助となる具体的な手法、技法、メカニズムを含む。本報告書は、信頼できるAIのためのツールの開発、導入、使用に関する英国と米国の事例を解説したものである。更に、本件に関する英米間の調整と共同作業に関する課題と機会を特定した上で、政策策定者による更なる検討事項として一連の優先的行動を提案している。 Rand “Examining the landscape of tools for trustworthy AI in the UK and the US” (5/14/24)

カリフォルニア州でNEM3.0実施後、「住宅ソーラーと貯蔵」の組み合わせが急増

ローレンス・バークレー国立研究所(Larence Berkeley National Laboratory: LBNL)が5月初旬に発表した短信「あれから1年:NEM3.0がカリフォルニア州の住宅ソーラー市場に及ぼした影響の追跡(One Year In: Tracking the Impacts of NEM 3.0 on California’s Residential Solar Market)」によれば、2023年4月にカリフォルニア州で最新版の「正味エネルギー・メータリング(net energy metering: NEM 3.0)」(「正味請求税(net billing tariff: NBT)」とも称される)が施行されて以来、同州で新規の住宅用太陽光発電(PV)システムに電池貯蔵アタッチメントが取り付けられる割合は、従来の約10%から60%にまで増加した。NBTの下、ソーラー及び貯蔵システムの費用(インフレ調整済み)の中央値は、17%増加した。この要因には、消費者需要の増加、関連する電池貯蔵アタッチメントの不足、スキルを有する設置業者の不足が考えられる。短信の執筆者でLBNLのスタッフ科学者であるガレン・バーボース氏(Galen Barbose)は、「カリフォルニア州の住宅用発電業界にとり、移行の一年であった」と述べる。NEM3.0により、住宅用PVシステムの所有者が、余剰電力をグリッドへ送電することで電力会社から得る収入が減り、貯蔵アタッチメントへのインセンティブになったと考えられている。 Utility Dive “Residential solar + storage surged in California after NEM 3.0: LBNL” (5/20/24)

EV電池マテリアル・サプライヤー、イリノイ州にR&D本部移転

電池技術のパイオニアでスタートアップ企業のベッドロック・マテリアルズ社(Bedrock Materials)は、イリノイ州の商務経済機会省(Department of Commerce and Economic Opportunity: DCEO)、インターセクト・イリノイ(Intersect Illinois)、ワールド・ビジネス・シカゴ(World Business Chicago)と共に、同社の研究開発(R&D)本部の所在地としてイリノイ州シカゴを選出したと発表した。同社は最近、シード・ファンディングとして900万ドルを締結しており、イリノイ州におけるR&D及び製造基盤を拡大する計画である。ベッドロック・マテリアルズ社は、ナトリウムイオン電池(sodium-ion battery)マテリアルの商業化を通じて、電気自動車(EV)の費用削減に取り組む、スタンフォード大学(Stanford University)で誕生したスタートアップ企業。ベッドロック社がイリノイ州を選んだ理由は、同州に人材やEV技術、製造エコシステム、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)を含む膨大なR&Dコミュニティへのアクセスがあることである。ベッドロック社は、当初の拠点をmHUBに置く。mHUBは、シカゴにあるハードテック・インキュベーターで、世界中のハードテック・イノベーターが事業を拡大するために集まる目的地となっている。 Illinois.gov “EV Battery Material Supplier Bedrock Materials Announces R&D Headquarters in Illinois” (5/16/24)

エネルギー省、炭素捕獲、排除、転換技術の進展に資金提供予定

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は5月15日、様々な炭素管理技術(捕獲、排除、転換など)を試験する施設に焦点を当てた研究開発(R&D)プロジェクトを支援するため、資金提供機会(FOA)を発表する意向を通知(Notice of Intent: NOI)した。このNOIは、発電部門や産業製造施設などから排出される二酸化炭素を削減するために適用でき、大気からの二酸化炭素を排除し、捕獲した二酸化端を価値ある製品へと転換する新たな炭素捕獲・排除・転換技術の試験施設の開発と実践を目的としたFOAの可能性について、関係者への情報提供を求めている。FOAが発表される場合、関心のある分野として、①発電部門における炭素捕獲・排除・転換試験センター、②既存の炭素捕獲試験センターにおける資本の改善の実現、③セメント製造施設における炭素捕獲・排除・転換試験センター、の3つが含まれる予定である。 National Energy Technology laboratory “DOE Issues Notice of Intent to Fund Test Centers To Advance Carbon Capture, Removal and Conversion Technologies” (5/15/24)

エネルギー省、米国ソーラー製造事業・開発の進展に7,100万ドル

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は5月16日、米国のソーラー・エネルギー・サプライチェーン全般における国内製造事業者ネットワークの拡大を目的として、研究・開発・実証プロジェクトに合計7,100万ドルの投資を行うと発表した。これには、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの1,600万ドルが含まれる。選出されたプロジェクトは、サプライチェーンにおける国内ソーラー製造能力の溝(設備、シリコン・インゴット及びウェハー、シリコン及び薄膜ソーラー電池製造など)に対処する他、太陽光発電(PV)の新たな用途につながるソーラー技術の新市場開拓も目指す。エネルギー省は、「シリコン・ソーラー製造及びデュアル・ユース太陽光発電インキュベーター資金プログラム(Silicon Solar Manufacturing and Dual-use Photovoltaics Incubator Funding Program)」の下、シリコン・ウェハー及び電池製造を国内に回帰させるための技術開発支援を目的として、3件のプロジェクトを、また、PV技術の新たな用途を進展させ、ビルの電気化や輸送部門の脱炭素化につながる可能性を育成する7件のプロジェクトを選出した。更に、「米国薄膜ソーラー太陽光発電進展資金プログラム(Advancing U.S. Thin-Film Solar Photovoltaics funding program)」の下、8件のプロジェクトを選出した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $71 Million Investment to Advance American Solar Manufacturing and Development as Part of Investing in America Agenda” (5/16/24)

連邦R&D予算、2021年度から2年連続で実質減少見込み

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、連邦政府による研究開発(R&D)予算(obligations)は2022年度に前年度の1,896億ドルから0.4%増加して1,904億ドルとなった。予備的試算によれば、2023年度は2.1%減少して1,864億ドルとなる見通しである。ただし、インフレ調整後の数字(2017年を1とした場合の恒常ドル)で見ると、2022年度のR&D予算は1,631億ドルとなり、前年度の高水準(1,738億ドル)から6.1%の減少となる。更に2023年度は6.4%下落して1,527億ドルとなる見込みである。これは、2021年度から12.1%の減少となる。 National Center for Science and Engineering Statistics “Inflation-Adjusted Federal R&D Obligations Expected to Decline for Second Year from FY 2021 High” (5/20/24)

社会・行動科学を連邦政策・プログラムに適用

5月15日、バイデン政権は、「証拠ベースの政策策定の進展を目的とした社会・行動科学の使用に関する基本計画(Blueprint for the Use of Social and Behavioral Science to Advance Evidence-Based Policymaking)」を発表した。同計画は、連邦機関が、米国内の全ての人により良いアウトカムと機会をもたらすための政策策定を向上させる上で、社会・行動科学を効果的に活用する点について、勧告を提示している。具体的には、政策またはプログラム開発の初期段階で、社会・行動面の洞察を検討することなどが含まれる。また、連邦機関が社会・行動科学の専門性を有する人員を十分確保していることを確実にするなど、連邦機関向けのより広範な機会などについても概説している。なお、バイデン大統領は政権発足初日に、「連邦政府を通じた人種的平等の進展と社会的少数派のコミュニティへの支援に関する大統領令(Executive Order on Advancing Racial Equity and Support for Underserved Communities Through the Federal Government)」を発令した。これは、社会・行動科学を通じて人間の言動を理解することは、あらゆる人に機会を開放する連邦政策及びプログラムを創出する上で極めて重要であるという考えを基盤としたものである。 White House “Applying Social and Behavioral Science to Federal Policies and Programs to Deliver Better Outcomes” (5/15/24)