エネルギー省、1,500万ドルを受益する貯蔵技術プロジェクトを選出

エネルギー省の電力局(Office of Electricity: OE)は5月15日、新たな長期エネルギー貯蔵(Long Duration Energy Storage: LDES)技術が現場で信頼性と費用効果に優れた形で作用することを示すため、1,500万ドルのアワードを受益するプロジェクトを選出したと発表した。LDESは、国内のクリーンで信頼性と効率性と費用効果に優れたエネルギーのニーズ増大に対応するため、電力グリッドに変革をもたらす。電力需要は常に変動し、ソーラーや風力による発電状況は、時としてグリッドの需要を遥かに上回る電力を提供する場合もある。余剰電力を貯蔵することで、電力グリッドは変化し続ける需要に対応し、曇りや無風の日でも米国家庭を暗くすることがないよう確実にすることができる。今回の資金提供公募(FOA)を通じて選出された3つの革新的な実証プロジェクトは、商業化につながるエネルギー貯蔵技術を進展させ、その費用や性能を現場で検証する。 Department of Energy “Energy Department Selects Projects to Receive $15M for Storage Technologies” (5/15/24)

エネルギー省、革新的な貯蔵技術の実証に1,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は5月15日、エネルギー対応力に関するニーズを支援する革新的な貯蔵技術の大規模実証を促進するため、コスト分担型の研究開発実証(RD&D)に1,500万ドルの資金提供機会(FOA)を発表する意向を通知した。このFOAを通じて、3つのプロジェクトが選出され、各最高500万ドルを受益する計画である。これらのRD&Dプロジェクトは、米国のエネルギー送配電システムが信頼性と対応力があり、セキュアで手頃な費用であることを確実にするために新技術を開発する上で重要である。エネルギー省は2024年8月末までにこのFOAを実施する計画である。 Department of Energy “Energy Department Announces $15M in Potential Funding for Innovative Storage Technology Demonstrations” (5/15/24)

大統領府報告書、米国研究インフラの厳しい状況を浮き彫りに

大統領府は局横断型の評価報告書「米国連邦研究開発インフラ:米国のグローバルな科学的リーダーシップと経済・国家安全保障の基盤(U.S. Federal Research and Development Infrastructure: A Foundation of the Nation’s Global Scientific Leadership and Economic and National Security)」を発表した。それによれば、多くの連邦研究施設が現在、40~50年と試算される耐用年数を過ぎており、約半分が、「不良(poor)」または「危機的状態(critical condition)」と評価されている。「米国の科学者、工学者が現在21世紀の研究開発活動を行う多くの施設は、1950年代に設計されたもので、現代の研究や、健康や安全に関するラボの現行の慣行を支えることができない」と報告書は述べている。報告書はこうした問題に対処するため、現行の予算と法的権限の範囲内で実施できる分野として、①戦略的計画、②米国研究コミュニティの長期的な連邦研究開発インフラのニーズの特定と優先付け、③国際的な研究開発インフラのベンチマーキングと共同作業の特定、④研究開発インフラ戦略の共有、の4点を挙げている。 White House “White House Report Paints Dire Picture of U.S. Research Infrastructure” (May 2024)

CSET、中国とバイオテクノロジーとBGI社について分析報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国とバイオテクノロジーとBGI:中国のハイブリッド経済がどのようにして競争を歪めるのか(China, Biotechnology, and BGI: How China’s Hybrid Economy Skews Competition)」と題する報告書を発表した。米政府が中国のゲノミクス企業への禁止措置を検討する中、「米国やその他の市場経済圏は、どのようにして中国の国家的取り組みに対応すべきか」という疑問が広く浮上している。本報告書は、ケーススタディとして中国企業の1社であるBGIグループ(BGI Group)について調査し、中国の産業政策がどのようにして中国や世界の技術発展に影響しているかを示している。報告書によれば、BGIグループの事業形態は、国際的な証券取引所で上場しているものの、世界的な市場標準には合致していない。同グループは、中国政府がハイブリッド経済モデル(官と民、軍事と民生の境界を曖昧にし、国家の目標到達を目指す)を大幅に活用しており、米国や同様の国々が技術開発で競争するなら新たな措置が必要であること、競争条件を平等にするために新たな手法が求められることを示している。また、米国や同盟国が講じることができるステップについて記述している。 Center for Security and Emerging Technology “China, Biotechnology, and BGI: How China’s Hybrid Economy Skews Competition” (May 2024)

NSF、気候変動対策に取り組むケンタッキー州で新たなEPSCoRトラック1アワードを発表

ケンタッキー州は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「競争的研究を促進するための確立されたプログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」を通じて、2,000万ドルを受益する。EPSCoRプログラムは、歴史的に研究開発資金の受益が少ない州、準州を支援するのが狙い。ケンタッキー州は、EPSCoR研究インフラ改良プログラム(Research Infrastructure Improvement Program)のトラック1(Track-1)を通じて、5年間にわたって資金を受益し、気候変動が地元のコミュニティにどのような影響を及ぼしているのかについて研究する。また、研究者が、こうした課題に取り組む新たな方法を見つけること、将来の研究者に学習指導するためのコミュニティ教育やプログラム開発も可能となる。ケンタッキー大学研究財団(University of Kentucky Research Foundation)が受益者で、「学際的なビッグデータの学習、予測、応答システム構築を通じた気候対応力(Climate Resilience through Multidisciplinary Big Data Learning, Prediction & Building Response Systems: CLIMBS)」プロジェクトを通じて、気候科学分野や地質災害工学、災害管理を進展させ、持続可能性や気候変動への対応力を強化する。 National Science Foundation “NSF announces a new EPSCoR Track-1 award to combat climate change in Kentucky” (5/9/24)

エネルギー省、$1/1kgのクリーン水素計画の取り組みを強化

エネルギー省(Department of Energy)の水素及び燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office)は5月6日、「複数年プログラム計画(Multi-Year Program Plan)」を発表した。それによれば、同局は今後数年間、クリーン水素生産システムの効率性/耐久性/費用対効果を改善するプロジェクトの研究、開発、実証に焦点を当てる。計画は、DOEによる「水素ショット(Hydrogen Shot)」の目標(2031年までにクリーン水素の生産費用を1キログラム当たり1ドルに削減する)を中心に置いたもので、その他にも、電解槽システムの費用の削減(1キロワット当たり250~500ドルに)、大型輸送向け燃料電池システムの費用の削減(1キロワット当たり80ドルに)することなどを目指す。 Utility Dive “DOE doubles down on $1/kg clean hydrogen, sets sights on additional hydrogen cost targets” (5/9/24)

バイデン政権、南極地域の環境保護を確実にするための新措置を発表

バイデン大統領は5月17日、南極条約協議国会議(Antarctic Treaty Consultative Meeting)に先立ち、南極地域における米国の政策に関する国家安全保障覚書(National Security Memorandum: NSM)に署名した。この政策の下、米国は南極条約システム(Antarctic Treaty System: ATS)を通じて国際的な協調努力を主導し、未来への長きにわたり、平和目的のための南極地域の維持、原生的な環境及び生態系の保護、重要な科学的研究の実施に取り組む。ATSは、南極地域の和平維持に寄与しており、米国は、南極地域で最大規模の科学プログラムを有している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions to Ensure Environmental Protections of the Antarctic Region” (5/17/24)

PJM社のクリーンエネルギーや発電プロジェクト、遅延の可能性

コロンビア大学(Columbia University)のグローバル・エネルギー政策センター(Center on Global Energy Policy)は5月8日、「PJMインターコネクション社のキューにおける発電計画の見通し(Outlook for Pending Generation in the PJM Interconnection Queue)」と題する報告書を発表した。それによれば、PJMインターコネクション社の新たな発電プロジェクトが稼働するには予想よりも長い時間がかかる可能性があり、グリッドの相互接続及び移送計画プロセスの更なる改革が必要かもしれないという。報告書は、30の独立系開発事業者を対象として実施したアンケート調査に基づくもので、多くの場合において、調査の回答者は、「プロジェクトの稼働までには、PJM社から相互接続の合意を得てから2年以上かかる可能性が高い」と回答した。報告書の執筆者は、「大幅な改革もしくは市場イノベーションがなければ、現在、PJM社のキュー上にあるプロジェクトのほとんどが、2030年までに稼働する見通しは低く、それらは確実に、PJM社のサービス対象地域におけるクリーン・エネルギーの需要を満たすのに必要な量ではない」と述べる。 Utility Dive “Clean energy, gas generation in PJM may take longer to come online than expected: report” (5/9/24)

メリーランド州、仮想発電所、分散型エネルギー資源、住宅の電気化を後押し

メリーランド州のウェス・モーア知事(Wes Moore)(民主党)は5月9日、州内の分散型エネルギー資源、仮想発電所、住宅の電気化を支援する3つの法案に署名し、法制化した。それらは、ドライブ法(DRIVE Act)、ブライター・トゥモロー法(Brighter Tomorrow Act)、そして、エンパワー法(emPOWER Act)の更新である。エンパワー法は、「エネルギー効率及び保護計画(Energy Efficiency and Conservation Plans)」として知られ、ユーティリティ企業に、仮想発電所(Virtual Power Plant: VPP)と双方向性の電気自動車(EV)充電を支援し、住宅でのソーラー導入における障害を削減し、既存の住宅効率プログラムを見直して温室効果ガスの有意義な軽減を優先付けることに取り組むよう義務付けている。これらの法律は、メリーランド州が2028年までに電力の14.5%をソーラー由来とし、2030年までに60%の温室効果ガス排出削減を達成し、2033年までに3ギガワットのエネルギー貯蔵を導入するという目標に到達する助けとなる。 Utility Dive “Virtual power plants, DERs and home electrification get boost from trio of new Maryland laws” (5/13/24)

上院の超党派グループ、包括的なAI報告を発表

上院多数党院内総務(Majority Leader)のチャック・シューマー議員(Chuck Schumer)が主導する上院超党派グループは、5月15日、議会がどのように人工知能(AI)を規制するかについて詳述した報告書「人工知能における米国イノベーションの促進:米国上院における人工知能政策ロードマップ(Driving U.S. Innovation in Artificial Intelligence: A Roadmap for Artificial Intelligence Policy in the United States Senate)」を発表した。年内にAI法案を可決させることは超党派の目標であるが、審議の機会は限定的であり、選挙が近づく中、時間は残り少なくなりつつある。報告書の「ロードマップ」は、法案への情報提供、AIに関する米国の競争力の維持、人々がAI技術の恩恵を目にできる助けとなることを意味している。シューマー議員は、「下院議長(House Speaker)のマイク・ジョンソン議員(Mike Johnson)と会談し、共同作業を開始する予定である」と発言した。シューマー議員は、AIの大型一括法案を目指すのではなく、個々の法案が勢いを得るのにあわせて個別に取り組んでいく意向を示している。 Axios “Bipartisan Senate group releases sweeping AI report” (5/15/24)