エネルギー省、マイクロエレクトロニクス科学研究センター形成研究に1億6,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月8日、2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)の主要な条項である「エネルギー・イノベーションのためのマイクロエレクトロニクス研究(Microelectronics Research for Energy Innovation)」を実践し、半導体における米国のリーダーシップの未来を確実にするというバイデン大統領のビジョンを進展させるため、1億6,000万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。この資金は、エネルギー効率と厳しい環境に焦点を当てた「マイクロエレクトロニクス科学研究センター(Microelectronics Science Research Centers: MSRCs)」の形成を支援する。発表されたFOAは、①新規もしくは改良されたマテリアル、表面加工、制御、化学、合成、製造、②先端のコンピューティング・パラダイム及びアーキテクチャ、③統合的なセンシング、先端コンピューティング、通信、④厳しい環境でのプロセス、放射線、放射線の移送、マテリアルの相互やり取り、の4つの研究分野でプロポーザルを募集している。 Department of Energy “Department of Energy Announces $160 Million for Research to Form Microelectronics Science Research Centers” (5/8/24)

オーク・リッジ国立研究所、GEベルノバ社の先端原子力燃料の試験を開始

オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は最近、GEベルノバ社(GE Vernova)の原子力燃料部門であるグローバル・ニュークリア・フューエル(Global Nuclear Fuel: GNF)が開発した複数の新たな燃料棒の試験を開始した。これらの燃料は、原子力発電所の性能を強化する一助となる可能性がある。燃料棒は、ノースカロライナ州にあるGNFの製造施設で製造され、商業原子力発電所で6年間の照射を終えた後、最近、同国立研究所へ移送された。オーク・リッジ国立研究所では、今後数年間、この燃料棒の照射後試験を実施する。試験の結果データは、GNFのいわゆる「高燃焼度燃料(high burneup fuels)」の開発、工学、ライセンシングの取り組みに利用される。 Department of Energy “Oak Ridge National Lab Starts Examination of GE Vernova’s Advanced Nuclear Fuel” (5/9/24)

ITIF、「ブロードバンドの公平性とアクセスと配備」プログラムの影響について報告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は5月13日、「BEAD報告:州政府による連邦ブロードバンド資金への初期プロポーザルの評価(BEAD Report: Grading States’ Initial Proposals for Federal Broadband Funds)」と題する報告書を発表した。連邦議会はデジタル格差是正のために420億ドル以上を配分しているが、こうした取り組みの可能性が損なわれるリスクが存在する。というのは、連邦政府による「ブロードバンドの公平性とアクセスと配備(Broadband Equity, Access and Deployment: BEAD)」プログラムは、デジタルの包含性という取り組みを犠牲にして、ハイエンドの光ファイバー・インフラへの過剰支出を州政府へ奨励しているからである。ITIFは、BEAD資金を求めて34州が提出したプロポーザルを分析し、それらの計画が米国のデジタル格差の根本的問題の全て(不十分なブロードバンド・インフラだけでなく)に効率的に対処しているかどうかを評価、採点した。その結果、A評価を得たのは9州のみであった。ITIFは、「プログラムを管理する米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は、州政府に対して、ファイバーをブロードバンド・インフラの基本とするよう奨励しているが、それはしばしば最も費用高の選択肢である。ファイバーを優先することで、その他の問題に対処でき得る資源を枯渇させる」と述べている。 Information Technology & Innovation Foundation “BEAD Program’s Fiber Bias Pushes States to Overspend on Broadband, Neglecting Other Causes of the Digital Divide, New ITIF Report Concludes” (5/13/14)

オーク・リッジ国立研究所、ユーティリティ事業者向けにソーラー分析プラットフォームを開設

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)は、他の3つの国立研究所と共に、ユーティリティ事業者向けに、ソーラー・エネルギー・プロジェクトがどのように自分達の電力システムの運用に影響を及ぼすのかを理解する一助となる無料のオンライン・プラットフォームを開発した。ソーラーのポートフォリオ拡大に取り組むユーティリティ事業者の自信を高め、信頼性の高い送配電を守りつつ、気候変動を鈍化させる米国の取り組みを支援できる。新たなソフトウェア・プラットフォームの名称は、「オープン・エネルギー・データ・イニシアチブ・ソーラー・システム統合データ及びモデリング(Open Energy Data Initiative Solar Systems Integration Data and Medeling)」で、無料であること、どのような電力システムのデータセットでも、どのようなユーザーでも利用できるという点で、従来のデータ・リポジトリとは異なる。ユーティリティ事業者やその他の利用者は、独自のアルゴリズムとデータを開発及び入力して、包括的なソーラー・プロジェクトを取り入れた電力グリッドの分析を行うことができる。 Oak Ridge National Laboratory “New analysis platform shines light on utilities’ solar energy future” (5/13/24)

国立エネルギー技術研究所、ガスフレアリングによる排出を削減する技術について調査

石油・天然ガス業界でしばしば使用されるガスフレアリング(余剰ガスの焼却処分)は、約160年間にわたり一般的な慣行として行われてきたが、温室効果ガス排出源であり、特にメタンガスの排出が顕著である。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は今般、このガスフレア技術について包括的な評価を行い、報告書「ガスフレア技術評価とR&D勧告(Gas Flare Technology Assessment and R&D Recommendations)」を発表した。報告書は、戦略的な連邦投資に基づく既存技術の低コスト改良によっては大幅な排出削減が可能であると示唆している。報告書はまた、他国と比べ、米国におけるガスフレアリングは数多くの小規模な拠点で行われていると指摘している。報告書は、フレアリング活動を削減するための低コストの技術開発を勧告しており、それには、①低排出のバルブ、シーリングの改善、ゼロ損失の移送設備、もしくは大気放出の置換となる捕獲型/パイプ型設備の改良、②天然ガスを捕獲/保管/再使用するための手法に関連する施設の設計及び標準的な運用手順などの改良、などが含まれる。 National Energy Technology Laboratory “NETL Report Examines Technologies for Reducing Emissions from Gas Flaring” (5/14/24)

国防イノベーション・ユニットと海軍水上戦センター、商業技術ソリューション加速で協力

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と海軍水上戦センター(Naval Surface Warfare Center)ポート・ヒューニーメ部門(Port Hueneme Division)(NSWC PHD)は、国防総省(Department of Defense)による新興商業技術ソリューションの導入を特定、評価、迅速化するという共通の目標を持ち、両組織が協力を拡大することを目的とした覚書(MoU)に署名した。このMoUにより、NSWC PHDのプロジェクトのために、DIUのプログラム管理・調達機能にアクセスすることが可能になる(DIUの市場及び商業調査分析と商業ソリューション公募(Commercial Solutions Opening: CSO)プロセスへのアクセスを含む)。この戦略的パートナーシップの発展の一因は、DIUと国防調達大学(Defense Acquisition University)による実体験型商業調達プログラム(Immersive Commercial Acquisition Program: ICAP)に参加した一人の契約担当官でNSWC PHDのチーム・リーダーを務める人物である。 Defense Innovation Unit “Defense Innovation Unit, Naval Surface Warfare Center Sign Memo To Accelerate Commercial Technology Solutions for Operational Implementation” (5/10/24)

国防調達大学の実体験型商業調達プログラム:イノベーションに精通した契約高官の育成

実体験型商業調達プログラム(Immersive Commercial Acquisition Program: ICAP)は、国防調達大学(Defense Acquisition University: DAU)と国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)の協調的なフェローシップであり、国防調達を職業とする専門家に、国防総省(Department of Defense)と、最前線の商業技術との間の溝を是正する上で必要なツールと洞察を提供するプログラムである。今年で3年目で、2025年度のコホートの募集は2024年8月7日まで受け付けている。ICAPプログラムは、国防総省のイノベーション事業体を、国防総省の大規模なエンジンと同期化した影響力の高いエコシステムへと高めるというDIUの取り組みの結果であり、これは、DIUが2月に発表した「DIU3.0:国防イノベーションの拡大による戦略的影響(DIU 3.0: Scaling Defense Innovation for Strategic Impact)」に概説されている通りである。ICAPフェローシップは、バーチャル式のクラス講座と、DAUの国防調達資格(Defense Acquisition Credentials)プログラム及び代替契約(Other Transaction: OT)権限に関する体験型クラス講義を組み合わせて実施されている。(記事にはこの他にインタビュー内容が掲載されている) Defense Acquisition Magazine “Immersive Commercial Acquisition Program—Delivering Innovation-fluent Contracting Officers” (May-June 2024)

総合的な月経済の促進:「10カ年の月アーキテクチャ(LunA-10)」能力調査の初期結果

商業宇宙能力の拡大は、月の周囲や月まで大量の物資やサービスを届ける方法に革命をもたらしている。これらの能力は、真の「地球外」経済を創出する可能性がある。現在、我々が月システムの開発にどのような手法を取るかという点と、未来の総合的な月経済との間には、経済活動の総合的モデルに重点を置いた根本的な分析枠組みが欠けている。現在の「分別(fractionation)」の時代ではなく、「接続性(connectivity)」の時代へ向けた枠組みを作ることで、月面に参入する際の障害を削減できるかもしれない。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「10カ年の月アーキテクチャ(10-Year Lunar Architecture: LunA-10)」能力調査が開始してから5カ月が経過した。その実施者(performer)は、複数の月サービスを対象とする新たなシステム・レベルの総合ソリューションの設計などに取り組んでいる。また、様々な政府当局の分野専門家で構成されるLunA-10政府総合チーム(Government Integration Team: GIT)は、プログラム開発された 4 つの概念的な「月の時代(Lunar Ages)」という文脈において、将来の月経済がどのような様相となるかを示す分析的枠組みを策定するなどした。4月23-25日、月面イノベーション・コンソーシアム(Lunar Surface Innovation Consortium: LSIC)春季会合が行われ、DARPA、LunA-10の実施者、GITは、それぞれの取り組みの初期ファインディングを月コミュニティとの間で共有した。 Defense Advanced Research Project Agency “Catalyzing an Integrated Lunar Economy: Initial Results of the LunA-10 Capability Study” (5/10/24)

エネルギー省、炭素排出管理を目的として二酸化炭素移送ネットワークへの資金提供公募を再開

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は5月9日、二酸化炭素を、恒久的に地質貯蔵する場所または有益な製品に転換する場所へと移送することを支援するため、最大2,400万ドルを提供すると発表した。産業施設や発電施設で捕獲された二酸化炭素や、大気から直接回収された二酸化炭素は、パイプラインや鉄道、トラック、バージ、船舶などのあらゆる手段で移送される。こうした取り組みは、2050年までに正味ゼロ排出経済を達成するという政権の野心的な気候ゴールを達成する上で鍵となる大規模な炭素貯蔵業界の発展を支援する。「超党派インフラ法:炭素捕獲技術プログラム、二酸化炭素移送の基本工学設計(BIL: Carbon Capture Technology Program, Front-End Engineering and Design for Carbon Dioxide (CO2) Transport)」と題する資金提供公募(FOA)は今回で3回目で、主要な排出源で捕獲された二酸化炭素を一元化された場所へと安全に移送するための地域的な二酸化炭素移送ネットワークに関する基本工学設計を支援する。 Department of Energy “DOE Re-Opens Funding Opportunity for Carbon Dioxide Transport Networks to Manage Carbon Emissions” (5/9/24)

バイデン政権、ロシア産ウランの輸入を禁止

バイデン大統領は5月13日、「ロシア産ウラン輸入禁止法案(Prohibiting Russian Uranium Imports Act)」に署名し、法制化した。同法案の可決及び法制化により、米国は今後、ロシアから輸入されるウラン燃料への依存を止める。ロシア産ウランの輸入を禁止し、大統領の要請に基づいて議会が最近充当した27億2,000万ドルを使って国内の原子力燃料生産を復活させ、国内のウラン濃縮及び転換能力を拡大する。法律は2024年8月11日に発効する。ただし、輸入禁止措置によって、短期的には原子炉の運転に混乱が生じる可能性があることから、エネルギー長官は、国務長官及び商務長官と協議の上、申請者が実行可能なウラン代替源を見つけられないことを示すことができた場合など、一定の条件の下、ロシア産ウランの輸入禁止に免除措置を適用し、輸入を許可することができる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Enacts Law Banning Importation of Russian Uranium” (5/14/24)