国防総省、ゼロトラストへの道筋のガイドとなる「オーバーレイ」文書を発表

国防総省(Department of Defense)の最高情報担当官は6月4日、「ゼロトラスト・オーバーレイ(Zero Trust Overlays)」と題する報告書を発表した。約400ページに及ぶ文書で、2021年にバイデン大統領が署名した大統領令で設定された国防総省の目標を達成するガイド及びロードマップとして機能することを意図している。オーバーレイは、国防総省内でゼロトラストの実践を課されている人々にとって恩恵となることが期待されている。ゼロトラストはまだ国防総省全体で実施されていないが、2027年度までに「ターゲット・レベル」の導入に到達することが期待されている。それはつまり、2022年11月に発表された国防総省の「ゼロトラスト戦略及びロードマップ(Zero Trust Strategy and Roadmap)」で特定された152件のターゲット活動のうち、91件が実践されていることになる。それらの実践は容易ではないが、今回発表された「DODゼロトラスト・オーバーレイ」の情報は、その実践で最も責務を負う人々が、国防総省とホワイトハウスが設定した期限に間に合うよう助けとなると予測されている。国防総省の高官によれば、オーバーレイは、国防事業におけるゼロトラスト実践方法を標準化し、ゼロトラスト制御を実践するための段階的手法を説明し、ゼロトラストの溝の分析を策定する。 Department of Defense “New ‘Overlays’ Provide Guide on Path to Zero Trust” (6/4/24)

バイデン政権、原子力業界の強化とクリーンエネルギー未来の進展を発表

バイデン政権は5月29日、「国内の原子力導入に関するホワイトハウス・サミット(White House Summit on Domestic Nuclear Deployment)」を主催し、官民双方による集合的進展を紹介した。バイデン大統領のリーダーシップの下、政権は、民生原子力発電用のロシア産ウランへの依存を低減し、いずれはこれを排除する方向へ向かいつつ、核燃料の新たなサプライチェーンを構築することで、米国のエネルギー及び経済安全保障を強化する様々な措置を実施してきた。原子炉の導入を促進しつつ、サービス利用者やプロジェクト関係者のより良い保護を確実にする一助として、政権は、「原子力発電プロジェクトの管理と実施に関する作業部会(Nuclear Power Project Management and Delivery working group)」を創設した。同作業部会は、原子力及びメガプロジェクト建設業界などの専門家を活用して、費用とスケジュールの超過リスクを積極的に軽減する機会の特定に取り組む。また、近いうちに、米国内の複数の陸軍拠点で電力供給するための先端原子炉の導入プログラムについて、「情報の要請(Request for Information)」が発表される予定である。 White House “Fact Sheet: Biden-⁠Harris Administration Announces New Steps to Bolster Domestic Nuclear Industry and Advance America’s Clean Energy Future” (5/29/24)

バイデン政権、中小の気候ビジネスへの資本アクセスを拡大

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題を通じて、米国は、気候行動に歴史上最大の公的投資を行っている。国家経済会議(National Economic Council: NEC)のラエル・ブレイナード議長(Lael Brainard)や国家気候補佐官(National Climate Advisor)のアリ・ザイディ氏(Ali Zaidi)、中小企業庁(Small Business Administration: SBA)のイザベル・カシーラス・グスマン長官(Isabella Casillas Guzman)は5月30日、ホワイトハウスで気候資本会合(Climate Capital Convening)を主催し、投資家や気候技術スタートアップ、中小企業経営者、アントレプレナーと共に、米国内で気候に焦点を当てたビジネスのための資本をもたらす機会について協議した。バイデン=ハリス政権はまた、気候資本へのアクセスを拡大する新たな行動や資源についても発表した。具体的には、①気候資本ガイドブック(Climate Capital Guidebook)の発表、②中小企業のクリーン・エネルギー導入を支援する資金調達プログラム「504融資プログラム(504 Loan Program)」の拡大が発表された。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Takes Action to Expand Access to Capital for Small- and Medium-Sized Climate Businesses” (5/30/24)

ベン・フランクリン技術パートナーズ、過去40年間で300億ドル以上の経済効果

ペンシルバニア州内の67郡を対象として活動している技術ベースの経済開発プログラム、「ベン・フランクリン技術パートナーズ(Ben Franklin Technology Partners)」が、「2023年 州全体への影響に関する年次報告(2023 Annual Statewide Impact Report)」を発表した。それによると、40年以上前に創設された本プログラムにより、ペンシルバニア州経済は300億ドル以上押し上げられ、顧客企業に5万8,000人以上の雇用を創出した他、スピンオフのポジションとして10万1,000件をもたらした。2023年だけで、ベン・フランクリンの顧客企業は28億ドルの売上を記録し、12億ドルの追加資金を獲得した。更に、ベン・フランクリンの顧客企業は、189件の特許及びソフトウェア著作権を開発し、257件の新製品を商業化し、103件の新たなプロセスを開始するなどした。 SSTi “Ben Franklin Technology Partners reports more than $30 billion impact over the last 40 years” (5/24/24)

国土安全保障省、将来の国土安全保障課題のためのイノベーション研究開発戦略計画を発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、省全体として初となる「2024-2030年度イノベーション研究開発戦略計画(Innovation, Research and Development (IRD) Strategic Plan, Fiscal Years 2024-2030)」を発表した。本計画は、今後数年間の主要な投資目標を説明したもので、DHSのアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)の指示の下で開発された。DHSが、技術の進展に遅れを取らないようにするための設計図として機能するもので、研究開発を活用し、国土安全保障上の課題に対処する。計画は、8つの戦略的優先研究分野(Strategic Priority Research Areas: SPRAs)と、DHSのミッションに関して必要とされる将来の能力について強調している。2024-2030年度のSPRAには、①先端検知、②人工知能(AI)とオートノマス・システム、③バイオテクノロジー、④気候変動、⑤通信及びネットワーク、⑥サイバーセキュリティ、⑦データ統合/分析/モデリング/シミュレーション、⑧デジタル・アイデンティティと信頼、が含まれる。S&Tは、DHS内の関係機関と協力しながら、各SPRAに関するIRD投資ロードマップを策定し、戦略的計画の実践を進めていく。 Department of Homeland Security “News Release: Innovation, Research and Development Strategic Plan Prepares DHS for Future Homeland Security Challenges” (5/28/24)

DARPA、AI定量化試験創出に向けた取り組み

信頼性があり、確実な情報を頼りとすることは、重要な意思決定において不可欠である。では、社会はどのようにして、そのような目的において、生成AIが安全かつ効果的であると確信できるのだろうか?ここ1世紀にわたり、人やモノを大量に移動させる能力(橋や航空機など)は、人間にとって最も重要なイノベーションであった。しかし、社会がAIを探求し、人々に情報を早急に届けることに適用する時代に入る中、生成AIシステムの能力(及び限界)を保証する手法は存在しない。また、それらの能力がいつ、どうして実現するのかに関する洞察もない。生成AIにより、意思決定の速度が速まる中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、生成AIを評価するための数学的基盤を開発し、国防総省(Department of Defense)及び社会において安全かつ効果的に技術を導入する上で必要な保証を提供することを模索している。DARPAの「人工知能定量化(Artificial Intelligence Quantified: AIQ)」プログラムは、生成AIについて保証された性能を評価及び実現する技術の開発を目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Creating the AIQ Test: Mathematical Foundations for AI Evaluations” (5/29/24)

エネルギー省、エネルギー節約プロジェクト支援に1,200万ドル

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は5月29日、「エネルギー効率及び節約ブロック・グラント(Energy Efficiency and Conservation Block Grant: EECBG)」プログラムを通じた公式グラントの新たなラウンドとして、3州及び14の地方自治体に1,210万ドルを提供すると発表した。資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出され、受益プロジェクトは、エネルギー効率を改良し、炭素排出を削減し、全体的なエネルギー使用を低減する州や地方自治体の取り組みを進展させる一助となる。受益プロジェクトには、ニューヨーク州バッファロー(対応力ハブ開発プログラムのパイロットを実施。29万3,740ドル)、ウィスコンシン州グリーン・ベイ(アウトリーチ及び関与のスペシャリストを雇用し、住民や中小企業、非営利組織を対象とした電気化とエネルギー効率に関する周知キャンペーンを主導させる。15万9,610ドル)、バージニア州(受益金額の60%を二次グラントとして中小及び農村地域の自治体によるエネルギー効率及びクリーン・エネルギー・プロジェクトへ提供する)などがある。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces More Than $12 Million to Support Local Projects to Save Energy in 17 State and Local Governments” (5/29/24)

エネルギー省、一般家庭のユーティリティ代を低減するプログラムを開始する最初の州を発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月30日、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)によって創設された住宅エネルギー奨励金プログラム(Home Energy Rebates program)を、ニューヨーク州が全国で初めて開始すると発表した。同州のプログラム(合計1億5,800万ドル)により、低・中所得のより多くの世帯が、効率的でクリーンなエネルギー改良措置を利用して住宅をより快適にすると共にエネルギー代の節約を得ることができるようになる。連邦政府は、ヒートポンプや電気パネル、断熱材などの費用節約につながる措置をより安価に導入できるようにすることでエネルギー費用の低減とエネルギー効率の向上に取り組む州や準州、部族に88億ドルを提供する計画で、ニューヨーク州の開始がその第一弾となる。この他、マサチューセッツ州、ミシガン州、ロードアイランド州が、それぞれの住宅エネルギー奨励金プログラムを開始するために必要な資金をエネルギー省に申請している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces First State in Nation to Launch Historic Home Energy Rebates Program to Lower Families’ Utility Bills” (5/30/24)

大統領府、持続可能な海洋管理の進展を目的として新たな戦略を発表

6月の全国海洋月間(National Ocean Month)にあわせ、大統領府は、米国の海洋を保護し、そのパワーを米国経済の強化に活用し、気候と自然の危機に対処するというバイデン大統領のコミットメントを進展させる3件の連邦戦略を新たに発表した。それらの戦略は次の通り。①持続可能な海洋経済のための米国国家戦略(U.S. National Strategy for a Sustainable Ocean Economy)-健全な生態系を維持し、対応力のあるコミュニティを支援し、持続可能な経済開発を進展させるための米国海洋政策のガイドとなるもの。②国家海洋生物多様性戦略(National Ocean Biodiversity Strategy)-生物多様性に関する情報を拡大、使用することで、海洋生態系を保護し、海洋が人々にもたらす恩恵を最大限化する助けとするための戦略。③国家水生eDNA戦略(National Aquatic eDNA Strategy)-海洋の生命体とその変化について理解するための早くて低費用で効果的なeDNA(環境DNA)技術の進展を目的とした戦略。 White House “White House Releases New Strategies to Advance Sustainable Ocean Management” (6/3/24)

OSTP、メンタルヘルス研究に関する産学官取り組みを紹介

米国は、前代未聞のメンタルヘルス危機に直面しており、これはあらゆる年齢層の米国民に影響を及ぼしている。こうした危機への対策として、バイデン政権は、包括的なメンタルヘルス戦略やメンタルヘルス研究優先事項を発表した。これらは、メンタルヘルス・ケアをより手頃な費用で、アクセス性が高く、全ての米国民の健康を向上させるものとすることを狙いとしている。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は5月初旬、「メンタルヘルス理解促進月間(Mental Health Awareness Month)」の一環として、政府機関、民間部門、非営利組織、学術機関に、それぞれが米国内のメンタルヘルス研究を拡大及び向上させるために講じている行動を共有するよう要請した。それらの行動は、主要な研究優先事項に対処し、全ての米国民が必要な時に必要な場所で利用可能な最良のケアにアクセスできる未来へと我々を近づけるものである。今回、政府による行動(5件)、民間部門/学術機関/非営利組織による行動(10件)が紹介された。 White House “White House Shares Government, Private Sector, Academic, and Non-Profit Actions to Accelerate Progress on Mental Health Research” (6/3/24)