国務省、連邦研究開発センター設立案を発表

国務省(Department of State)は5月17日付けの連邦広報(Federal Register)で、「連邦資金を受けた研究開発センター設立の提案-第1次通知(Proposed Establishment of Federally Funded Research and Development Centers-First Notice)」を発表した。具体的に、国務省の事務局(Bureau of Administration)は、外交及び現代化に関する様々な活動のための官民共同作業を促進することを目的として、「連邦助成研究開発センター(Federally Funded Research and Development Centers: FFRDC)の立ち上げに向けた支援を行う計画である。今回は、一般に周知するための通知義務(90日間で3回)の1回目となる。一般からのコメントは2024年8月15日まで受け付けられる。国務省は、変革的な今の時代において、リーダーシップや職員への導きとして必要な研究・開発・イノベーション・支援をもたらすことができる組織との長期的なパートナーシップを必要としている。こうしたニーズに対応するため、国務省は、3件のFFRDCを設立、後援する計画である。 Federal Register “Proposed Establishment of Federally Funded Research and Development Centers-First Notice ” (5/17/24)

国防総省、科学技術再発明研究所に新しい人事管理手法導入を認可

国防総省(Department of Defense)の研究・工学担当次官(Under Secretary of Defense for Research and Engineering: USD(R&D))は、5月21日付けの連邦広報(Federal Register)で、「国防総省の科学技術再発明研究所の人事実証プロジェクト・プログラム(Science and Technology Reinvention Laboratory Personnel Demonstration Project Program)」と題する通知を発表した。これは、国防総省傘下の全ての科学技術再発明研究所(Science and Technology Reinvention Laboratory: STRL)(現在20か所)の人事実証プロジェクト(Personnel Demonstration (Demo) Projects)に新たな権限を付与するものである。STRLは、デモ・プロジェクトに参加した卓越した人材を勧誘し、維持するための革新的な手法を実施することが可能になる。具体的には、STRLは、一時的な昇進や、監督やチーム・リーダー・ポジションへの一時的な再任命の柔軟な延長、タイムオフ・アワード(給与の損失や費用の発生がない形で任務から離れることができる)という形態の勧誘インセンティブなどを認められ、労働力のより良い管理が可能になる。 Federal Register “Science and Technology Reinvention Laboratory Personnel Demonstration Project Program” (5/21/24)

米国と欧州委員会、放射性源の安全保障強化に関する合同声明を作成

米エネルギー省(Department of Energy)の国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)と欧州委員会(European Commission: EC)は、先日開催された国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)の核安全保障国際会議(International Conference on Nuclear Security)で、「放射性源の安全保障強化に関する合同声明(Joint Statement on Enhancing Radioactive Source Security)」を作成した。合同声明は、放射性源の安全保障の重要性や、セキュリティを強化してこれらのマテリアルがテロ行為に使用されることを防ぐ必要性を強調し、放射性源の使用/貯蔵/輸送におけるセキュリティに関して国内外のパートナー能力を強化することを狙いとした既存の米=欧州連合(European Union: EU)のプログラムを基盤としている。 Department of Energy “United States and European Commission make joint statement on enhancing radioactive source security” (5/22/24)

GAO、エネルギー省の脱炭素化努力について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月16日、「脱炭素化:炭素捕獲プロジェクトに関するエネルギー省のリスク管理には改善の余地がある(Decarbonization: Opportunities Exist to Improve the Department of Energy’s Management of Risks to Carbon Capture Projects)」と題する報告書を発表した。炭素捕獲技術は、連邦政府が大気中の二酸化炭素レベルを削減するという目標を達成する助けとなる可能性があり、エネルギー省(Department of Energy)は、2018-2023年度に、炭素捕獲・使用・貯蔵、もしくは大気からの二酸化炭素の直接回収に関連する654件の研究開発プロジェクトに約14億ドルを提供した。しかし、こうした資金拠出のほぼ70%を扱うエネルギー省の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は、プロジェクトを選出及び管理する際に、プロジェクトのリスク削減を目的としたガイダンスに必ずしも従っているわけではない。これは、今後数年間に、エネルギー省が炭素捕獲プロジェクトに120億ドルを配分することを考えると重要な点である。GAOは、エネルギー省による炭素捕獲プロジェクトの監督方法を改善するよう勧告している。 Government Accountability Office “Decarbonization: Opportunities Exist to Improve the Department of Energy’s Management of Risks to Carbon Capture Projects” (5/16/24)

30億ドルの秘密プログラム、バイデン大統領の技術政策を損なう

2年前のワシントンの密室で行われた取引が、国内のハイテク製造基盤を成長させるというバイデン大統領の政策の主要な一部を削減し、30億ドル以上が秘密の国家安全保障プロジェクトへと注ぎ込まれている。バイデン大統領と上院のチャック・シューマー多数党院内総務(Chuck Schumer)(Majority Leader)はここ数週間、2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の成果を称え、米国が世界の半導体製造で最先端の位置付けを再度獲得できるよう一連のグラントやインセンティブ、研究プロポーザルを発表している。しかし、議会は3月の歳出法案で密かに、商務省(Department of Commerce)がそれらのグラントに充当することを期待していた35億ドルを、「セキュア・エンクレーブ(Secure Enclave)」と呼ばれる国防総省(Department of Defense)の別のプログラムへシフトさせていた。セキュア・エンクレーブは、国防及び諜報のニーズのために特別な施設で半導体を構築する機密プロジェクトである。プロジェクトを実行する企業はまだ発表されていないが、インテル社(Intel)がプログラムの創設をロビー活動したことが明らかになっており、現在も受益機関の有力候補と考えられている。バイデン大統領の代表的なイニシアチブから資金を移動させた今回のケースは、ワシントンにおける巨額の支出プログラムが実際にはいかに脆弱になり得るかを示す。 Politico “‘I don’t know how this happened’: A $3B secret program undermining Biden’s tech policy” (5/24/24)

欧州原子核研究機構(CERN)と米国、今後の計画を意図した合同声明に署名

欧州原子核研究機構(European Organization for Nuclear Research: CERN)と米政府は、双方間の大型研究インフラ、先端科学コンピューティング、オープン科学に関する今後の計画の意向を記した合同声明を発表した。双方の代表は、4月にワシントンDCで、合同意図声明(Joint Statement of Intent)に署名した。CERNと米国は、原子力及び粒子物理学における長期的なパートナーシップに認識を示し、大規模かつ資源集約型施設の活動計画に関する共同作業を強化する意向で、「将来の加速器技術の平和的使用へ向けた持続可能で責任ある経路を提供する」という目標を掲げている。 CERN “CERN and the US sign joint statement of intent” (5/24/24)

ニュージャージー州、オーステッド社と1億2,500万ドルで和解

ニュージャージー州の公共ユーティリティ委員会(Board of Public Utilities)の5月28日の発表によれば、オーステッド社(Ørsted)が州内で予定していた2件のオフショア風力プロジェクトをキャンセルした後、同社から1億2,500万ドルの和解金を受け取ることで合意したと発表した。オーステッド社がキャンセルしたプロジェクト、オーシャン・ウィンド1(Ocean Wind 1)と同2では、それぞれ1,100メガワット(MW)と1,148MWの発電能力が計画されていた。1億2,500万ドルの和解金は、州のクリーンエネルギー目標の達成へ向け、適格のエネルギー施設への投資、オフショア風力のコンポーネント製造施設への投資、その他のクリーンエネルギー・プログラムを支援するために充当されるという。また、5件目となるオフショア風力公募のスケジュールも、当初予定していた2026年第3四半期から2025年第2四半期へと大幅に早める。 Utility Dive “New Jersey settles with Ørsted for $125M, expedites offshore wind plan” (5/29/24)

フェルマータ社とエクセル・エネルギー社、V2X双方向性充電パイロットを開始

エクセル・エネルギー社(Xcel Energy)とフェルマータ・エネルギー社(Fermata Energy)は5月20日、コロラド州ボールダー市、非営利のコロラド・カーシェア(Colorado CarShare)及びボールダー・ハウジング・パートナーズ社(Boulder Housing Partners)と共に、小規模ながらも画期的な「自動車からあらゆるもの(vehicle-to-everything: V2X)」の双方向性電気自動車充電パイロットを実施し、電気自動車(EV)の導入に伴う先行費用と運用費用の低減の可能性を模索すると発表した。エクセル社にとっては、電気代への影響と、双方向性充電及びV2Xシステムの活用から生まれる対応力向上の可能性について調査する初めてのプロジェクトである。また、自然災害や緊急事態による長期的な停電リスクが最も高い地域で、対応力と技術導入の戦術に関する洞察を得ることも期待されている。今回のV2Xパイロットで使用するのは、4基の充電器と5~6台の自動車のみであるが、エクセル・エネルギー社の幹部は、「EVを電力グリッドに効果的に統合する方法について得たファインディングを、より広範に適用できることを期待している」と述べる。V2Xパイロットの充電器は、手頃な費用の住宅を提供するボールダー・ハウジング・パートナーの多世帯住宅などに設置される。エクセル社は各拠点に20キロワットのレベル2(Level 2)EV双方向性充電器を導入し、各充電器はビルへ送電する能力を有する(グリッドへの送電は行わない)。 Utility Dive “Fermata, Xcel Energy launch ‘transformative’ V2X bidirectional charging pilot in Colorado” (5/29/24)

EPRI、原子力の加速的イノベーションを促進する枠組みを発表

世界の原子力産業は、グローバルな正味ゼロ目標を達成する一助として、イノベーションの導入を機敏に進める必要があると認識している。電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)は、「野心を行動へ(Ambition into Action)」と題する枠組みを創出し、こうした世界的な取り組みを促進するユニバーサル・ツールを提供した。原子力を職業とする専門家を対象として最近行われたアンケート調査の結果、回答者の83%が、「業界は野心的である」と考えている一方、77%が、「その野心とそれを実現するための行動の間には溝がある」と考えていることが明らかになった。EPRIが発表した枠組みは、行動を建設的に変化させ、文化をシフトさせ、原子力業界のイノベーションを実現する構造を提供する助けとなることを意図している。2024年6月24-27日にフロリダ州で行われる「原子力イノベーション・グローバル・フォーラム(Global Forum for Nuclear Innovation: GENI)」イベントでは、この枠組みが焦点となる。このフォーラムは、EPRIが主導し、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency)や経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development: OECD)の原子力エネルギー機関(Nuclear Energy Agency)、地元の受け入れユーティリティ機関などと協力して実施される。 Electric Power Research Institute “EPRI Publishes Framework to Facilitate Accelerated Nuclear Innovation” (5/28/24)

2030年までに、データセンターが米国電力生産全体の9%を消費

人工知能(AI)が我々のデジタル経済に深く根付きつつある中、AIを処理するデータ・センターの電力需要が急増する可能性がある。電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)が5月29日に発表した新たな報告によれば、2030年までにデータ・センターの電力需要は、米国の発電量の最大9%を占める可能性があり(現行の消費電力の2倍以上)、ひいては地域の電力供給に試練をもたらすなど、複数の問題を引き起こす可能性がある。EPRIは、既存のデータ・センターに関する公共の情報、産業の成長予測、民間の電力需要予測を基に、2023-2030年の米国のデータセンターにおける年間の潜在的な電力消費について、4つのシナリオ(年間成長率3.7~15%)を概説している。報告書は、データセンターの電力需要増加がもたらす潜在的な課題の克服方法として、①データセンターの効率性と柔軟性の向上、②データセンターの開発事業者とユーティリティ機関の間で、電力ニーズやタイミング、柔軟性などについて密接な調整を行うこと、③グリッドの信頼性に影響を及ぼさない形で、データセンターの成長について予測及び対応できるより良いモデリング・ツールを開発すること、という3つの戦略を提示している。 Electric Power Research Institute “EPRI Study: Data Centers Could Consume up to 9% of U.S. Electricity Generation by 2030” (5/29/24)