NOAAとエネルギー省、海洋の二酸化炭素排除の進展でMOA署名

米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)とエネルギー省(Department of Energy)は、海洋の二酸化炭素排除に関する将来の研究開発の共同作業に関する合意覚書(memorandum of agreement: MOA)に署名した。2050年までに温室効果ガスの正味ゼロ排出に到達するという広範な目標に達成する上で、海上の二酸化炭素排除は、気候ソリューションとして重要な経路となる。MOAにより、NOAAとエネルギー省の間の共同作業(研究及び技術開発の専門性の共有や重複を避ける取り組み)は正式なものとなると同時に、NOAAの海洋科学の専門性と、エネルギー省の二酸化炭素排除及びエネルギー科学技術の専門性を組み合わせることは、海洋の二酸化炭素排除科学を進展させ、既存の関係を強化する強力な手法となることを明確にする。このMOAの下、NOAAとエネルギー省は、①調整と協力、②研究開発インフラ(施設、データ管理、フィージビリティ調査)の加速、など、4つの責務を表明した。 Department of Energy “NOAA, DOE Sign Agreement to Advance Marine Carbon Dioxide Removal” (6/6/24)

エネルギー省、新たな「核融合エネルギー10年戦略」を発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月6日、バイデン政権による「商業核融合エネルギーのための大胆な10年ビジョン(Bold Decadal Vision for Commercial Fusion Energy)」の開始から2周年となることを記念し、新たに「2024年核融合エネルギー戦略(Fusion Energy Strategy 2024)」を発表すると共に、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)と共同でホワイトハウスでのイベントを開催した。エネルギー省は、「大胆な10年ビジョン」が発表された当初のイベントで、民間部門とのパートナーシップにより、商業核融合エネルギーの実行可能性を加速させるための戦略を開発する省全体のイニシアチブを開始した。今回新たに発表された「2024年核融合エネルギー戦略は、①商業性のある核融合パイロット・プラントへ向けて科学技術の溝を是正する、②持続可能で公平で商業的な核融合エネルギーの導入への道を準備する、③外部のパートナーシップを構築及び活用する、という3本柱で構成されている。エネルギー省はまた、核融合エネルギー戦略への支援として、「核融合革新的研究エンジン・コラボレーティブ(Fusion Innovative Research Engine (FIRE) Collaboratives)」の資金提供公募(1億8,000万ドル)を発表した。 Department of Energy “DOE Announces New Decadal Fusion Energy Strategy” (6/6/24)

エネルギー省、エネルギー効率リボルビング・ローン基金設立に4,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は6月6日、エネルギー効率リボルビング・ローン基金資本化グラント(Energy Efficiency Revolving Loan Fund Capitalization Grant: RLF)プログラムから、6件のアワード(合計約4,500万ドル)を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金を拠出して実施され、受益する州及び準州は、エネルギー効率の監査や改良、修復を行う居住者に融資やグラントを提供するための資金を得る。「多くの州が、住宅所有者や中小企業がクリーン・エネルギーを活用できるよう取り組む上で、大きな障害の一つは、資本基金へのアクセスである」と、エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)は述べる。今回受益するのは、ワシントンDCと、イリノイ、インディアナ、ペンシルバニア、テネシー、バーモントの5州で、それぞれの行政府で新たなリボルビング・ローン基金を創設する。本プログラムの下のアワードは今回が初めてで、エネルギー省は今年後半に追加のアワード発表を予定している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $45 Million to Five States and District of Columbia to Establish Energy Efficiency Revolving Loan Funds” (6/6/24)

エネルギー省、ゼロ排出建造物の全国定義を発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月6日、建造物部門の脱炭素化に関する官民の取り組みを進展させることを目的として、「ゼロ排出建造物の全国定義(National Definition of a Zero Emissions Building)」を発表した。この定義は、あらゆる部門で既存及び新規の商業・住宅建造物がゼロ排出へと向かうことを支援し、バイデン大統領の野心的な気候目標を達成する助けとなる業界ガイダンスとなることを意図している。今回発表されたのは、「ゼロ排出建造物の全国定義:パート1 エネルギー使用による運用上の排出(National Definition of a Zero Emissions Building: Part 1 Operational Emissions from Energy Use)」で、建造物の運用におけるエネルギー使用からの排出がゼロとなる建造物をゼロ排出建造物とみなすための基準を示している。定義によれば、ゼロ排出建造物は少なくとも、エネルギー効率に優れ、エネルギー使用による現場での排出がなく、クリーン・エネルギーによってのみエネルギー供給される。今後、エンボディド・カーボン(embodied carbon)(建築資材の調達から解体・廃棄までに伴って排出される二酸化炭素)からの排出やその他の検討事項に対処するパートが発表される可能性がある。 Department of Energy “DOE Announces National Definition of a Zero Emissions Building” (6/6/24)

エネルギー省、クリーンエネルギー技術の導入加速にバウチャーを利用

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は、クリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)、化石エネルギー及び炭素管理局(Fossil Energy and Carbon Management: FECM)、エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)と共に、6月4日、クリーンエネルギー技術の導入加速を目的として、5件のバウチャー機会(voucher opportunities: VO)の再開と、新たな製造支援資金として2件のVO(1,500万ドル)の開始を発表した。2023年7月のプログラム開始以来、エネルギー省は、約1,000万ドルの連邦資金で111の事業体を支援し、導入のリスクへの対処とクリーンエネルギー技術の商業化の進展に取り組んでいる。本件では、6件の国立研究所を含む33の支援組織が、エネルギー省の資金によるバウチャーという形で現物資源を提供している。今回発表されたのは、VO-1からVO-5までの再開と、新たなVO-9及びVO-10。 Department of Energy “DOE Announces Reopening of Voucher Opportunities and Launch of New Opportunities Worth Additional $15M to Accelerate Clean Energy Technology Adoption” (6/4/24)

エネルギー省、大規模ソーラーの立地と許認可に関する研究に950万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は6月4日、大規模なソーラー施設について、立地に関する慣行が一般市民の姿勢や許認可に影響を及ぼす形について調査する社会科学研究を支援するため、4件のプロジェクトに950万ドルを投資した。研究は、受け入れコミュニティ(社会的に恵まれないコミュニティを中心に)とソーラー業界の双方のアウトカムを向上させる行動可能な洞察につながることが期待されている。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が今年発表した研究報告によれば、ソーラー・プロジェクトの開発事業者は、「コミュニティによる反対」はプロジェクトが中止になる大きな3つの理由の一つであると述べており、その数は過去5年間に増加している。今回、「ソーラー・エネルギーの進化と拡散に関する研究4(Solar Energy Evolution and Diffusion Studies 4: SEED 4)」プログラムの下、受益するのは、ミシガン州立大学(Michigan State University)、プリンストン大学(Princeton University)など4機関。 Department of Energy “BDOE Invests $9.5 Million to Study the Social Dynamics of Large-Scale Solar Siting and Permitting” (6/4/24)

GAO、水素の使用状況に関する報告書を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月30日、「科学技術スポットライト:水素の使用(Science & Tech Spotlight: Hydrogen Uses)」と題する報告書を発表した。現在、水素の使用状況は、その使い方によって成熟度が異なる。例えば、水素を動力源とする自動車は少数の市場で利用可能な状況であるが、長距離航空機における水素の使用はまだ成熟していない。水素が低炭素の手法で生産される場合、温室効果ガスや大気汚染の削減で重要な役割を担う可能性がある。GAOの報告書によれば、水素がもたらす機会としては、①脱炭素化、②水素生産の効率性向上と費用削減のための研究開発の必要性、③水素ハブ、の3点があり、課題としては、①費用、②その他の技術との競合、の2点が挙げられる。そして、水素の政策的意味合い及び質問として、①水素の使用と商業化を推進する上で、水素ハブはどれほど効果的か? ②費用を低減しクリーン水素の使用をより実行可能なものにするために必要な追加の努力はどのようなものか? ③脱炭素化輸送として水素燃料電池を使用する場合と充電式自動車を使用する場合のメリット/デメリットは何か? がある。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Hydrogen Uses” (5/30/24)

NIST、AIの社会技術的試験と評価を進展させる新プログラム、ARIAを開始

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、人工知能(AI)の能力と影響の理解を深める一助となることを意図して、新たな試験/評価/検証/妥当性確認プログラムを開始する。「AIのリスクと影響の評価(Assessing Risks and Impacts of AI: ARIA)」と呼称されるプログラムで、組織や個人が、特定のAI技術が導入された後、正当で、信頼性と安全性があり、セキュアで、私的で、公正であることを判断する一助となることを目指す。ARIAは、システム導入後、社会的文脈の範囲内において、それがどのように機能するかを定量化する方法の開発を支援する。ARIAの結果は、米国AI安全性研究所(U.S. AI Safety Institute)が、信頼できるAIシステムの土台を築くことを目的として実施する試験を支援するものとなる。 National Institute of Standards and Technology “NIST Launches ARIA, a New Program to Advance Sociotechnical Testing and Evaluation for AI” (5/28/24)

NETLの直接空気回収センター、パートナーシップを模索

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)の直接空気回収センター(Direct Air Capture (DAC) Center)は、マテリアル規模の運用を開始した。DAC技術の商業化に関心を持つ政府や学術機関、民間部門のイノベーターとのパートナーシップを拡大することを模索しており、それによってレガシーとなっている二酸化炭素排出問題に対処し、2050年までに正味ゼロ排出を達成するという政権のゴールに到達する助けとしたいと考えている。連邦議会は2022年に、NETLの新たなDACセンターに2,500万ドルの予算を承認した。センターは、ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊のNETL研究キャンパス内に所在しており、急速に進化するDAC技術の動きに対応するよう極めて柔軟性を持った形で設計され、特に業界へのアピールを生み出すよう作られた。DACセンターは来年、全面操業となる予定で、その際には、米国本土における極端な気候環境を代表する状況の下、小規模パイロットを最大限として、DACユニットの試験を提供する。 National Energy Technology Laboratory “NETL Direct Air Capture Center Begins Testing, Seeks Partnerships” (5/29/24)

AI分野のロビーストがワシントンDCに大挙到来

パブリック・シチズン(Public Citizen)は、人工知能(AI)関連の問題を取り巻くロビー活動が急速に発展していることを受け、これらを調査し、主要な産業及び事業体が、それぞれの圧倒的なロビー力を使ってどのようにAI規制に影響を及ぼそうとしているかを報告した。同団体は、2019-2023年の下院ロビー活動開示データベースを基に分析を行い、どの企業/業界団体/その他の組織が、AIやAI関連のトピックに関する明確なロビー活動を行っているのかについてまとめた。ファインディングとして、以下が提示されている。①2023年に、企業や業界団体、その他の組織は、AI関連問題について連邦政府にロビー活動をするため、3,400名以上のロビーストを送り込んでおり、これは前年比120%であった、②AIは、AI企業やソフトウェア企業だけの問題ではない。パブリック・シチズンが分類した、AI関連問題でロビー活動を行っている17業種の中で、最も活動的なのは技術業界であるが、ロビースト全体に占める割合はわずか20%である、③企業や業界団体、その他の組織は、AI政策に影響を及ぼすため、1,100名以上のロビーストをホワイトハウスへ送り込んだ、などが挙げられている。パブリック・シチズンは、「AI政策に幅広い業界が積極的な関与をしている点は、AI技術が社会のあらゆる側面に影響していることを反映する」と結んでいる。 Public Citizen “Artificial Intelligence Lobbyists Descend on Washington DC” (5/29/24)