電池分析ソフトウェアのプロバイダー、TWAICE社が、電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)とパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)と合同で作成した調査報告白書「EPRIの電池エネルギー貯蔵システムの故障事故データベースからの洞察(Insights from EPRI’s Battery Energy Storage Systems (BESS) Failure Incident Database)」によれば、電池貯蔵システムの故障の原因の多くは、電池セルやモジュール以外のシステム・コンポーネントの問題であるという。白書は、EPRIによるBESSの故障事故データベースに分類されている81件の事故を調査したものである。同データベースは、公表されている電池の火事や爆発、その他の安全性に関する出来事(2011年以降)を追跡したもので、それらの出来事を、根本的原因(設計、製造、統合/組み立て/建設、運用)と、故障の要素(セル/モジュール、制御、システム・バランス・コンポーネント)に分類している。TWAICEの上級エンジニアによれば、調査結果は、「ほとんどの場合、故障は電池モジュールに起因する」という一般的なストーリーが正確でないことを示している。2017年から2019年にかけて、韓国やアリゾナ州でBESS施設での火事や爆発が発生し、定置型リチウムイオン電池の安全性を巡る懸念が高まったが、白書によれば、近年、BESSの安全性は劇的に改善されており、2018~2023年に、世界的なグリッド規模の電池事故は97%減少したという。それでも、統合/組み立て/建設は、BESSの故障の最も一般的な根本的原因となっているという(研究者が根本的な事故原因を特定できた26件のうち10件の事故の原因)。