大統領府、2016年度予算編成における科学技術優先分野を発表

大統領府行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)と科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)は7月18日、各省庁の長官宛てに、「2016年度予算のための科学技術優先事項(Science and Technology Priorities for the FY 2016 Budget)」と題する通達を行った。これは、各省庁が2016年度予算編成を行うに当たり検討することが望まれる、科学技術の優先事項を概説したものである。それによれば、優先事項として、①未来のための先端製造及び産業、②クリーンエネルギー、③地球観測、④地球気候変動、など8項目が挙げられている。本通達ではこの他に、①研究ツール及びインフラ、②その他の研究開発プログラムのガイダンス、③STEM教育ガイダンス、について記述している。 White House “Science and Technology Priorities for the FY 2016 Budget” (7/18/14)

NIH、新興の科学分野を対象としたプログラムを立ち上げ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、新興の科学分野を対象にプログラムを立ち上げることを発表した。これらのプログラムに対しては、共通資金(Common Fund)から予算が拠出されることになっている。これらプログラムには、糖質科学の研究促進、細胞内でDNAがどのように4次元配列されているかに関する研究、神経操作を通じて臓器機能の制御を可能にする新治療法の開発が含まれる。 National Institutes of Health “NIH programs to focus on emerging areas of science” (7/25/14)

EPAはガス管からのメタンガス漏出防止策を怠っていると監察長官が報告

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の監察長官が7月25日に発表した報告書によれば、EPAは天然ガスのガス管からのメタンガス漏出を防止する泥力を怠っているという。報告書は、「ガス管からの漏出が原因で2011年に1億9,200万ドル相当の天然ガスが損失された」とした上で、「EPAはこれまでの所、ガス管からのメタンガス排出削減に殆ど重点を置いていなかったが、同ガスの漏出をより良く防止するための策を講じる必要がある」としている。 Climate Progress “EPA Is Failing To Stop Methane Leaks From Pipelines, Inspector General Says” (7/26/14)

グーグル社、「人体」を対象とした新たな大事業

グーグル社(Google)は、「人体の中身」という野心的で難解な科学に取り組むことを発表した。「ベースライン研究(Baseline Study)」と呼ばれるこのプロジェクトでは、まず175名(その後数千人に増やすことを計画)の匿名人物の遺伝子や分子情報を収集し、同社が言うところの「健康な人間はどうあるべきかを示した全体図」を作ることを目標としている。本プロジェクトの初期段階を指揮するのは分子生物学者のアンドリュー・コンラド(Andrew Conrad)氏で、同氏は2013年3月にグーグル社の研究部門であるグーグルX(Google X)に参加した。ベースライン研究では、一連の新規及び膨大なデータを収集することで、研究者が心疾患や癌などの致命的要素をより早期に発見できるようになることが期待されている。 Wall Street Journal “Google’s New Moonshot Project: the Human Body Baseline Study to Try to Create” (7/27/14)

EPAの炭素排出規制に反対する州は実際には経済的利益を得るとの報告

テキサス州のリック・ペリー知事(Rick Perry)やオクラホマ州のジェームズ・インフォーフェ議員(James Inhofe)などは、化石燃料の燃焼が地球温暖化の要因であるとする科学に懐疑的な代表的共和党員であるが、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)とロジウム・グループ(Rhodium Group)が7月24日に発表した報告書によれば、これらの州は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が気候変動対策として提案した規制の下で最大の経済的効果を得るという。報告書によれば、新規制によって石炭の需要は削減される一方で、炭素排出が石炭の半分とされる天然ガスの需要は急増し、雇用や企業売上、政府収入の増加につながると考えられている。報告書は、新規制はワイオミング州などの石炭生産州には打撃となる一方で、オクラホマやテキサスの他、アーカンソーやルイジアナといった天然ガス生産州は経済的効果をもたらすであろうと分析している。 New York Times “States Against E.P.A. Rule on Carbon Pollution Would Gain, Study Finds” (7/24/14)

GAO、国防総省のSBIRプログラムについて議会証言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が下院中小企業委員会(House Committee on Small Business)の議会証言用に作成し、7月23日に公表された報告書によれば、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research:SBIR)などの国防研究及び技術開発プログラムを軍事利用に移行させる「技術移行(transitioning technologies)」は、国防総省(Department of Defense: DOD)にとって長年の課題となっている。過去10年間に議会とDODはDODのSBIRプログラムにおけるこうした課題に対処するために、複数の策を講じているが、①その技術の潜在性が適切に実証されていない、②軍事要件に合致していない、③ユーザーが開発及び試験の最終段階のための資金を確保できない、などの理由から有望な技術が利用されていないこともあるという。またGAOは、DODのSBIRプログラムの技術が移行に成功した事例も複数特定したが、具体的な移行の規模を測ることは、包括的で信頼できる移行データが収集されていないことから難しいとしている。 Government Accountability Office “Small Business Innovation Research: DOD’s Program Has Developed Some Technologies that Support Military Users, but Lacks Comprehensive Data on Transition Outcomes” (7/23/14)

ACEEEによる世界エネルギー効率ランキングでドイツが首位

米国経済エネルギー効率評議会(American Council for an Energy-Efficiency Economy: ACEEE)が7月17日に発表した「2014年国際エネルギー効率スコアカード(2014 International Energy Efficiency Scorecard)」によれば、首位はドイツ、次いでイタリア、欧州連合(European Union)全体、中国、フランスとなっている。採点の対象は16ヵ国で、米国は13位、日本は英国と同率で6位となった。本スコアカードは、ACEEEが長年行っている州ごとのエネルギー効率ランキングをモデルとして行われており、31の指標が利用されている。ACEEEは米国について、「環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が6月に提案した既存の発電所向け炭素排出規制が、大幅なエネルギー効率向上に向けた大きな一歩となるであろう。その他にも米国が点数を引き上げるための国際ベストプラクティスは数多くある」としている。 American Council for an Energy-Efficiency Economy “Germany, Italy, EU, China, and France Top Global Energy Efficiency Rankings” (7/17/14)

米国科学アカデミー、「福島第一原発事故は原発の危険性に関する情報収集と対策を積極的に行う必要性を示す」と報告

米国科学アカデミー(US National Academy of Science: NAS)が議会の要請を受けて作成した報告書「米国原子力発電所の安全性強化を目的とした福島原発事故の教訓(Lessons Learned from the Fukushima Nuclear Accident for Improving Safety of U.S. Nuclear Plants)」によれば、2011年における福島第一原発事故の重要な教訓は、原子力発電所の許認可及び規制担当者は原発の安全性に影響し得る危険性について新たな情報を追求し、それに基づいて行動することであるという。報告書を作成した委員会は、福島第一原発事故の原因を調査してそのファインディングを示すと共に、米国内の原発の安全性強化及び原発事故への現場外での緊急対応の向上について勧告を行っている。 National Academies “Fukushima Daiichi Nuclear Accident Underscores Need to Actively Seek Out and Act on New Information About Nuclear Plant Hazards, Says New NAS Report” (7/24/13)

オバマ政権、就労準備支援に向けた新取り組みを発表

オバマ大統領は2014年の一般教書演説で、バイデン副大統領に連邦研修プログラムの見直しを行い、これらのプログラムをより「職務主導型」にするために必要な策を特定及び実践するよう求めていた。バイデン副大統領は7月22日、この見直しの結果を発表するとともに、連邦政府と民間セクターによる新たな行動を発表した。一方、オバマ大統領は連邦助成を受けた研修プログラムに関して企業の関与と説明責任を向上させることを目的とした「労働力イノベーション及び機会法(Workforce Innovation and Opportunity Act)」に署名を行った。政権は今後数か月間にわたり、企業や組合の指導者、学校運営者、労働力専門家、州や地方の選出議員らとともに、国内のコミュニティで実施され成功している研修戦略の再現に取り組む。発表された政権や民間の行動には、①必要とされるスキルの特定や師弟制度の提供、大学院生採用を目的として、企業をパートナーシップに関与させる、②求職者や州、コミュニティが賢い選択をできるような情報の提供、③より効果的な戦略のイノベーションと推進、などが挙げられている。 White House “FACT SHEET: Ready to Work At a Glance: Job-Driven Training and American Opportunity” (7/22/14)

在米企業による外部R&D支出は2011年に約300億ドル

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「企業研究開発及びイノベーション調査(Business R&D and Innovation Survey)」によれば、米国に拠点を置く企業は2011年に296億ドルを外部(国内外)の研究開発に費やした(購入及び共同活動)という。米国に拠点を置く企業が米国に拠点を置くその他の組織による外部R&Dに支払った金額は増加している。2011年に企業が行った外部R&D支出は、米国に拠点を置く企業が自社のR&Dに支出した金額よりも10%以上多かったが、1991年における割合は4%以下であった。 National Science Foundation “Extramural R&D funding by US-located businesses nears $30 billion in 2011” (7/22/14)