DARPA、感染症対策としての「ホスト回復力技術(THoR)」プログラムを開始

同じ病原菌に感染しても、深刻な症状を示す患者もいればさほど症状が重くない患者もいる。複数の薬剤に耐性を持つ病原菌の拡大や、生物学的脅威の台頭により、新たな医療介入策を開発することは国家安全保障の優先事項となっている。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「ホスト回復力技術(Technologies for Host Resilience: THoR)」プログラムを開始する。本プログラムでは、従来とは全く異なる側面から本問題に対処することを狙いとし、特定の病原菌を殺す方法ではなく、様々な病原菌に対する患者の体の耐性の強化につながる革新的な医療措置の開発を促進することである。具体的には、①耐性を持つ種の発見、②耐性の生物学的メカニズムの特定、③有効な耐性介入措置の特定と立証、という3つの技術分野を模索する計画である。 Defense Advanced Research Project Agency “THoR Aims to Help Future Patients “Weather the Storm” of Infection” (3/31/15)

DARPA、「国家安全保障のためのブレイクスルー技術」報告を公表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は3月26日、隔年報告書「国家安全保障のためのブレイクスルー技術(Breakthrough Technologies for National Security)」を公表した。これは、DARPAの歴史的なミッション、現在及び新しい重点分野、DARPAによって開発された技術の軍事部門及びその他の部門への最近の応用についてまとめたものである。それによれば、米国は積年の技術的優位性から世界でも優勢の戦略的位置付けに立っているものの、多くの課題(より強力で安価な技術の世界的拡大、破壊的な非国家組織の台頭など)がその位置付けを脅かしていると指摘している。また、DARPAによる戦略的投資先として、①複合的な軍事システムの再考、②膨大な情報への対処、など4つを挙げている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Shares Its Vision for the Future” (3/26/15)

米政権、2025年までの排出削減目標を国連気候変動枠組み条約へ提出

オバマ政権は、オバマ大統領が就任して以来行ってきた排出削減努力の実績を強化する形で、3月31日、国連気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change: UNFCCC)に米国の温室効果ガス排出削減目標を提出した。「自主的に決定する約束草案(intended nationally determined contributions)」と呼ばれるこの提出は、昨年11月に米国が中国で発表した削減目標(2025年までに2005年水準から26~28%削減し、28%削減できるよう最善の努力を行う)を正式に示したものである。世界最大の経済国であると同時に最大の汚染排出国である米中両国は昨年、2020年以降の気候目標について歴史的な発表を行った。 White House “FACT SHEET: U.S. Reports its 2025 Emissions Target to the UNFCCC” (3/31/15)

IBM社、「モノのインターネット」部門に30億ドル投資へ

IBM社は3月31日、新たな「モノのインターネット(Internet of Things)」部門に今後4年間で30億ドルを投資する計画であると発表した。同社が持つリアルタイム・データの収集とサージ(急上昇)の解明に関する専門性を売り込むことが狙いであり、同社のサービスはクラウド上で提供される。最初の大型パートナーシップとして、ウェザー社(Weather Co)の部門が気象データ・サービスをIBM社のクラウドに移動することが発表された。これにより、顧客はIBM社の分析ツールと並行してこれらの気象データを利用することができるようになるという。IBM社は、伝統的なハードウェアとコンサルティング業務からの脱却を徐々に図っており、クラウドへの重視はその一環である。 Reuters “IBM says to invest $3 billion in ‘Internet of Things’ unit” (3/31/15)

災害対応策としてのビッグデータ活用で日米が協力

今後の災害対応策の一環として、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と科学技術振興機構(JST、日本)は、個人及び社会全体の災害管理を変革するため、ビッグデータとデータ分析を活用する研究を支援する合同助成プログラムに着手した。そして両機関は3月30日、6件の日米合同研究プロジェクトへの助成を発表した。いずれも日米から一つずつ研究チームが参加し、災害管理における2つの具体的な課題(①災害に関連するデータをとらえ、処理すること、②災害発生後のリアルタイム・データ分析を促進するため、台頭しつつあるコンピュータ・システム及びネットワークの対応力と反応力を強化すること)への対処を狙いとした活動を行う。 National Network Foundation “New U.S.-Japan collaborations bring Big Data approaches to disaster response” (3/30/15)

NIH、プレシジョン医薬イニシアチブ研究ネットワークに関する専門家チームを編成

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、オバマ大統領が2015年1月に発表した「プレシジョン医薬イニシアチブ(Precision Medicine Initiative)」の開発と、イニシアチブ参加者の全国的組織を構築するためのビジョンを明確にすることを目的として、専門家で構成されるチームを編成した。同チームは、NIH長官諮問委員会(Advisory Committee to the Director: ACD)の作業部会(Working Group)として設立され、今後、様々な形で関係者からの意見を集め、まずは2015年9月に予備報告書を発表する計画である。 National Institutes of Health “NIH forms team of experts to chart course for the President’s Precision Medicine Initiative research network” (3/30/15)

政権、「機会と労働力と経済活性化のためのパートナーシップ(POWER)」イニシアチブを発表

米国内における天然ガス生産のブーム、再生可能エネルギーのコスト低下、エネルギー効率の強化などは、電力の生産及び利用法を大きく変えている。そしてこれらは伝統的に石炭産業に依存してきた労働者とコミュニティに大きな影響を及ぼしつつある。これらのコミュニティが変化に対応することを支援すべく、オバマ大統領は2016年度予算教書で、「POWER+プラン(POWER+ Plan:労働者や雇用への投資、石炭部門の重要なレガシーコストへの対処、石炭技術開発の促進など)」を提示した。そして政権は今年、手始めにPOWER+プランの重要な要素である「機会と労働力と経済活性化のためのパートナーシップ(Partnerships for Opportunity and Workforce and Economic Revitalization: POWER)」イニシアチブを開始する。POWERイニシアチブには、複数の連邦機関が参加し、連邦政府の様々な経済・労働力開発プログラムを活用する。また、①計画グラント(Planning Grants)と②実践グラント(Implementation Grants)の二つが本イニシアチブの柱となる。 White House “FACT SHEET: The Partnerships for Opportunity and Workforce and Economic Revitalization (POWER) Initiative” (3/27/15)

ニューヨーク州知事、次世代電力グリッド開発を目的とした世界最大級の研究開発所を設立へ

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(Andrew M. Cuomo)は3月25日、ニューヨーク州電力局(New York Power Authority)とニューヨーク州立大学(State University of New York: SUNY)科学技術研究所(Polytechnic Institute)が、州内の電力グリッドの高度化を目的として、エネルギー技術イノベーションとスマートグリッド技術の迅速な導入に重点を置いた世界最大級の研究開発施設を創設することで合意書に署名したと発表した。この新施設は「エネルギーのための先端グリッド・イノベーション研究所(Advanced Grid Innovation Laboratory for Energy: AGILe)」と呼称され、より統合的なグリッドのシミュレーションや開発、試験、導入に取り組む計画である。 New York State “Governor Cuomo Announces Plan to Create World-Class Research and Development Laboratory to Develop Next Generation Electric Grid” (3/25/15)

エネルギー省、低燃費自動車融資プログラムを再開

エネルギー省(Department of Energy)は、自動車メーカー及びそのサプライヤー企業による低燃費自動車への投資を支援することを目的としたプログラム「先端自技術自動車製造(Advanced Technologies Vehicle Manufacturing)」基金を通じて、アルミニウム・メーカーのアルコア社(Alcoa Inc.)に2億5,900万ドルの融資を行うと発表した。アルコア社はこの資金を基に、テネシー州の工場で行われている車体向けシートの生産プロジェクトを継続する。ATVMによる融資が行われるのは4年ぶりである。同プログラムは、過去に大型融資を実施したフィスカー・オートモーティブ社(FIsker Automiotive Inc.)が破産に至るなどして注目された。今回のアルコア社への融資額は、2009-2011年に実施された融資金額に比べると小規模である。 Wall Street Journal “Energy Department Revives Fuel-Efficient Vehicle Loan Program” (3/26/15)

オバマ大統領、セレクトUSAイニシアチブで新たなステップを発表

米国は過去12か月間において毎月20万人以上の雇用を創出し、外国企業の対米投資は四半期あたり平均670億ドルに上るなど、グローバル経済において明るい兆しを見せている。こうした中、オバマ大統領は3月23日、2回目となる「セレクトUSA投資サミット(Select USA Investment Summit)」で演説を行い、雇用創出につながる投資を世界各地から引き付けることを目的とした政権の新たなイニシアチブなどについて発表した。それには、①サミット参加機関は過去1年間に少なくとも130億ドルの対米投資を行っており、3万2,500人の新規雇用が創出されたと試算されている、②商務省(Department of Commerce)のペニー・プリツカー長官(Penny Pritzker)は外国からの対米直接投資を誘致及び維持することに重点を置く連邦諮問委員会を創設する、③国土安全保障省(Department of Homeland Security)は、国際企業が米国事業のための人材確保を行う際のガイドラインを明確化する、が含まれる。政権はまた、米国経済開発機関と国際投資家向けの支援拡大も発表した。 White House “FACT SHEET: President Obama to Announce New Steps to Attract Foreign Investors and Create Jobs through the Continued Expansion of the SelectUSA Initiative” (3/23/15)