T1エネルギー社、テキサス州でソーラー電池工場建設開始

T1エネルギー社(T1 Energy)は12月17日、テキサス州でソーラー発電用電池の生産工場「G2オースティン(G2_Austin)」の建設を開始したと発表した。4億~4億2,500万ドルの投資が見込まれており、米国のソーラー発電供給網の大幅な拡大が期待される。生産工場の第1フェーズとして、高効率のトンネル酸化膜パッシベーションコンタクト(Tunnel Oxide Passivated Contact: TOPCon)ソーラー電池を年間2.1ギガワット(GW)生産できる能力を持つ見込みで、電池生産は2026年末までに開始する予定である。このG2オースティンの第1フェーズだけで、現在の米国におけるシリコンベースのソーラー電池生産能力全体を上回る。G2の第2フェーズにおける生産能力は3.2GWとなる見込みで、電池需要が増加すれば更なる生産拡大の可能性がある。 T1 Energy “T1 Energy Starts Construction on Texas Solar Cell Fab” (12/17/25) https://ir.t1energy.com/news-releases/news-release-details/t1-energy-starts-construction-texas-solar-cell-fab

宇宙軍、ブースト段階でのミサイル迎撃に向けた技術公募を開始

ディフェンスニュース(Defense News)は12月17日、宇宙軍(Space Force)が中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)の公募を通じ、発射直後に急上昇する「ブースト段階」で弾道ミサイルを、大気圏内で迎撃するための先進技術を公募していると報じた。この宇宙配備型迎撃ミサイル構想は、トランプ政権のミサイル防衛計画「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」の重要項目で、既存装備よりも小型かつ安価で、多数の衛星による常時監視網に対応できる能力が必須であるという。具体的には、発射後180秒以内に高度120キロメートル以下で目標を破壊するための高推力推進システム(High-G propulsion systems)や、大気圏再突入時の空力加熱に耐えうる生存性技術に加え、そのような極限的状況下でミサイルを探索する先端センサー(シーカー、seekers)も含まれる。専門家は、検知から迎撃までの時間が限られるため技術的課題は大きいものの、打ち上げコストの削減と技術の小型化によって実現の可能性はあると指摘している。 DefenseNews “Space Force wants advanced tech for space-based interceptors” (12/17/25) https://www.defensenews.com/space/2025/12/16/space-force-wants-advanced-tech-for-space-based-interceptors/

データセンター、柔軟性強化で電力コスト5%減 グリッドケア社分析

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は12月15日、大規模なデータセンターが運営に適度な柔軟性を持たせることで、すべての顧客層の電気料金を5%削減できる可能性があると報じた。スタンフォード大学(Stanford University)の持続可能性アクセラレーター(Sustainability Accelerator)発新興企業、グリッドケア社(GridCARE)の分析によると、中規模の電力会社管内で1ギガワット(GW)のデータセンターが電力負荷管理に人工知能(AI)を導入し、需要ピーク時に負荷を減らすなどの調整を行えば、料金引き下げや13億5,000万ドル規模の設備投資資金を確保できる可能性があるという。カミュ・エナジー社(Camus Energy)やエンコード社(encoord)、プリンストン大学(Princeton University)のゼロ・ラボ(ZERO Lab)による共同研究でも同様の結果となった。発電設備やエネルギー貯蔵施設を新設せず、電力コストを内部化する柔軟な運用により、送電網への接続を3~5年前倒しすることができ、電力供給の増分費用もほぼ解消できるとしている。 Utility Dive “Grid operators, ratepayers shouldn’t fear flexible data centers: GridCARE” (12/16/25) https://www.utilitydive.com/news/grid-operators-ratepayers-shouldnt-fear-flexible-data-centers-gridcare/808032/

NSF、助成金審査の外部専門家関与を大幅縮小

サイエンス誌(Science)は12月15日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が激減した職員の負担軽減に向け、助成金審査における外部専門家の役割を大幅に縮小していると報じた。同誌が入手した内部メモによると、NSFはこれまで最低3名必要だった外部審査を1名まで減らし、専門家パネルによる議論を廃止して、プログラム管理者に採択判断の権限を集中させる方針である。背景には、大学から派遣される任期付き職員の排除による深刻な人手不足があるが、政府の意向を反映しやすい正規職員に権限を持たせる政治的な狙いがあるとも指摘されている。今回の決定により政権が重視する分野への迅速な投資が可能になるものの、審査プロセスの簡素化により、そのアイデアが本当に最先端か、変革をもたらすかどうかの議論において、多様な専門知識や意見を交わすことができなくなるとし、専門家らの間では、政府が求める科学的な「ゴールドスタンダード」を損なうとの懸念も根強いという。 Science “NSF pares down grant-review process, reducing influence of outside scientists” (12/15/25) https://www.science.org/content/article/nsf-pares-down-grant-review-process-reducing-influence-outside-scientists

エネルギー貯蔵市場、第3四半期時点で2024年の年間導入総量を突破

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は12月16日、2025年第3四半期の国内エネルギー貯蔵設備導入量が5.3ギガワット(GW)に達し、同年の累計実績が2024年の年間合計を上回ったと伝えた。調査会社ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)の最新レポートによると、前年同期比31%増となった市場成長を牽引したのは電力事業用途で、テキサス州とカリフォルニア州を中心に前年同期比27%増となる4.6ギガワット(GW)が導入されたほか、住宅用も647メガワット(MW)と前年同期比70%増を記録して6四半期連続の拡大となっている。供給網調整や関税の影響により2027年まで一時的な市場縮小が予測されるものの、国内製造能力の向上などを背景に今後5年間で約93GWの導入が見込まれており、5年間の見通しは以前の予測から15%上方修正された。ACPは、電力需要の増大と送電網の信頼性維持により貯蔵設備へのニーズが高まっているとし、各州の強力な支援制度が市場の底堅い成長を支えている状況という。 ACP “REPORT: US Energy Storage Installations Through Q3 2025 Surpass 2024 Totals” (12/16/25) REPORT: US Energy Storage Installations Through Q3 2025 Surpass 2024 Totals

NASEM、AI基盤モデルを活用したパラダイム転換を提言

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine: NASEM)は12月16日、エネルギー省(Department of Energy)に対し、AI基盤モデルと従来の計算手法を融合し、科学的発見にパラダイムシフトをもたらすべきであるとする報告書を発表した。同報告書は、膨大なデータを学習し、微調整することで多目的に活用できる基盤モデルを、物理法則に基づく従来の計算手法と相乗的に統合させることで、複雑な科学的課題の解決を可能にすると指摘している。報告書を執筆したドナ・クロフォード氏(Dona Crawford)は、「基盤モデルは、開発の初期段階にあるため技術的な課題があるものの、この技術が科学的発見の最先端において変革をもたらす可能性がある」と強調している。NASEMは、保有する堅牢な科学データを活用してモデル開発への投資を継続するとともに、産業界や学術界と連携し、標準化されたプロトコルやベンチマークを確立するよう提言している。 NASEM “DOE Should Develop AI-Based Foundation Models Fused with Traditional Computational Methods to Bring Paradigm Shift to Scientific Discovery” (12/16/25) https://www.nationalacademies.org/news/doe-should-develop-ai-based-foundation-models-fused-with-traditional-computational-methods-to-bring-paradigm-shift-to-scientific-discovery

GAO、沿岸警備隊による自律船舶規制について議会証言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は12月16日、下院の輸送インフラ委員会(House Transportation and Infrastructure Committee)沿岸警備隊及び海上輸送小委員会(Subcommittee on Coast Guard and Maritime Transportation)で議会証言を行った。沿岸警備隊は、既存の法規を通じて自律船舶の設計・建造・運転を規制している他、国内外の自律船舶技術の監視を行っている。しかし、沿岸警備隊の高官によれば、規制当局としてこれらの技術の開発・導入を可能にするための取り組みを制約・複雑にする要素が複数あるという。これらの要素には、自律船舶技術を実証する国内事例の不足や、国際規制と国内規制を整合させる上での課題が含まれる。また、国連の専門機関の一つ、国際海事機関(International Maritime Organization: IMO)は現在、商業自律船舶の規制枠組みを開発中で、2026年には加盟国による任意の枠組みとして採択され、2030年には既存のIMO条約を改正することで義務的に採択される見通しである。沿岸警備隊は米国派遣団の代表機関としてこの枠組み策定に協力している。 Government Accountability Office “Coast Guard: Approaches to Autonomous Ship Regulation” (12/16/25) https://www.gao.gov/products/gao-26-108762

運輸省、15億ドルのインフラプロジェクト資金を発表 米国の再構築を目指す

運輸省(Department of Transportation)は12月15日、2026年度の「開発を促進する投資のより良い活用グラント(Better Utilizing Investments to Leverage Development (BUILD) Grants)」を通じて、資金提供機会通知(Notice of Funding Opportunity)を発表した。国内のインフラプロジェクトに15億ドルの助成金が有用となる。運輸省によれば、BUILD助成金の審査基準として、安全対策の強化や米国世帯向けの交通手段の拡大を優先すると共に、①利用者の体験を強化すると同時に安全性や運転上の効率性を維持する適切な設計の輸送インフラ美化プロジェクト、②道路の容量を改善し、交通費用をより適正なものにするプロジェクト、③米国のエネルギー覇権を支援するプロジェクト等を優先付けるという。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Announces $1.5 Billion in Infrastructure Funding to Get America Building Again” (12/15/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-announces-15-billion-infrastructure

NIST、AI時代のサイバーセキュリティを再考するガイドライン草案を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は今般、「人工知能向けサイバーセキュリティ枠組みプロフィール(Cybersecurity Framework Profile for Artificial Intelligence)」(通称「サイバーAIプロフィール(Cyber AI Profile)」)と題するガイドラインの予備的草案を発表した。これは、NISTサイバーセキュリティ枠組み(NIST Cybersecurity Framework)を用いてAIの確実な導入を加速させることを目的としたガイドラインである。サイバーAIプロフィール(草案)は、NISTのサイバーセキュリティ及びAIの専門家による約1年間の取り組みの成果であり、①AIシステムの確保、②AI実現型サイバー防衛の実施、③AI実現型サイバー攻撃対策の3点に焦点を当てている。NISTは今後45日間に亘り、本予備的草案に対するパブコメを受け付ける。 National Institute of Standards and Technology “Draft NIST Guidelines Rethink Cybersecurity for the AI Era” (12/16/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/12/draft-nist-guidelines-rethink-cybersecurity-ai-era

PNNL、グリッド貯蔵ローンチパッドで初となるユーティリティ規模のバッテリー試験

エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィックノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は、新たなグリッド貯蔵ローンチパッド(Grid Storage Launchpad: GSL)で初となるユーティリティ規模のバッテリーの試験を開始した。エネルギー省による先端エネルギー貯蔵投資において主要な節目となる。GSLでは、最大100キロワットのバッテリーを試験・検証することができ、グリッド規模のバッテリーがどのようにして信頼性が高く適正価格で安全な電力網を支援できるかについて知見を得ることができる(従来の試験は10キロワットの小型バッテリーシステムに限定されていた)。 Pacific Northwest National Laboratory “First Testing of Grid-Scale Battery Technology Begins at the Grid Storage Launchpad” (12/9/25) https://www.pnnl.gov/news-media/first-testing-grid-scale-battery-technology-begins-grid-storage-launchpad