NSF、地域革新エコシステムの支援プログラムを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)傘下の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation, and Partnerships: TIP)は12月17日、地域のイノベーション加速に向け、非営利団体のUSイグナイト(U.S. Ignite)の技術支援プログラム「米国地域成長・起業(Supporting U.S. Regional Growth and Entrepreneurship: SURGE)」に3年間で390万ドルを投資すると発表した。NSF TIPの地域に根ざした取り組み、NSFエンジン(NSF Engines)プログラムの一環で、エコシステムの構築・活性化に向け、技術開発や経済成長を促進するためのプラットフォームを提供する。USイグナイトは、2026年初頭にSURGEプラットフォームを立ち上げる予定で、人工知能(AI)や新興技術分野での成長を促進し、地方政府や産業界、学術界との連携を強化することに注力していくという。 NSF “NSF invests in expanded technical support for emerging innovation ecosystems” (12/17/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-expanded-technical-support-emerging-innovation

NSF、研究資金配分のメリットレビューを更新 国家優先事項に焦点

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は12月17日、国家科学審議会(National Science Board: NSB)がメリットレビュー(Merit Review)政策に関する報告書を発表したと伝えた。「変況下におけるメリットレビュー(Merit Review for a Changing Landscape)」と題した報告書は、過去3年間の考察を基に、産業界や地方からの専門家参加の拡大、経済競争力・国家安全保障への貢献明記、機関レベルでのポートフォリオ構築を提言し、科学技術環境の変化に対応し、NSFの敏捷性と説明責任を高める改革を行うよう勧告する内容となっている。特に、基礎研究から技術翻訳、人材育成に至るまで、NSFの支援は国民の利益となるべきであると強調し、既に審査の合理化を進めている。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の手法を参考に成果検証や高リスク・高リターン研究を推進しNSBも2026年以降、NSF指導部と連携していくという。NSBは「過去の手法では新時代に通用しない」とし、産業界、学会、州政府などあらゆる視点と専門知識を活用していくという。 NSF “Merit review for a new era at NSF” (12/17/25) https://www.nsf.gov/nsb/updates/merit-review-new-era-nsf

ロッキー国立研究所、地域エネルギー課題解決へ新グループ結成

ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は12月16日、「エネルギーを地域社会へ(Energy to Communities: E2C)」プログラムで、14州・準州・部族から選ばれた28人の地域リーダーが参加する2つの新しい協働学習グループを2026年1月に開始すると発表した。新テーマは「エネルギー計画達成に向けた実施方法」と「南東部における大規模エネルギー障害への対応立案」で参加者は6カ月間に亘り、専門家らと協力しながらベストプラクティスや戦略、ツールなどを学んでいく。同プログラムは、これまでに電力需要の増加への対応や電力会社との連携による地域パートナーシップの構築など17のテーマで取り組みを実施し、約250の地域社会から参加者を受け入れてきた。E2Cはアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)やオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)など4つの国立研究所の支援を受けて運営されており、「国内で変化しつつあるニーズに直接対応する新しいテーマを導入していく」と表明している。 NLR “28 Local Leaders To Join Peer-Learning Cohorts on Two New Energy Topics” (12/16/25) https://www.nrel.gov/news/detail/program/2025/28-local-leaders-to-join-peer-learning-cohorts-on-two-new-energy-topics

エネルギー省、フェルミ研の退役軍人向けプログラムへ予算増額

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory: Fermilab)は12月17日、退役軍人向け職業訓練プログラム「(Veteran Applied Laboratory Occupational Retraining: VALOR)」へ、2026~2030年度の5年間に亘る800万ドルの予算配分が決定したと伝えた。2022~2025年の235万ドルから大幅な増額となった。エネルギー省(Department of Energy)傘下の高エネルギー物理局(Office of High Energy Physics)が推進する同プログラムは、10週間の有給インターンシップと6カ月の有給師弟制度を通じ、機械・電子機器の製造から情報技術まで、幅広い技術分野での訓練と雇用を退役軍人に提供するもので、同研究所は2022~2025年に22名の退役軍人を雇用している。同プログラムは、労働省(Department of Labor: DOL)から2019年と2024年にハイヤー・ベッツ・ゴールド・メダリオン賞(HIRE Vets Gold Medallion Award)を受賞しており、退役軍人採用における優れたモデルとして認識されている。 Fermilab “DOE recommits $8 million to Fermilab workforce development program for US veterans” (12/16/25) DOE recommits $8 million to Fermilab workforce development program for US veterans

原子力人材、拡大へ 賃金は高水準も雇用確保が課題

エネルギー省(Department of Energy)は12月17日、原子力分野の雇用が拡大していくとの調査結果を発表した。2025年版の年次報告書「米国エネルギー・雇用報告書(U.S. Energy & Employment Report: USEER)」によると、2024年の同分野における雇用は前年とほぼ同水準であったが、今後は原子力建設が9.2%増、原子力燃料が5.7%増と、燃料も全燃料源で最大の伸びとなる見通しであるという。5月に発令された国内原子力容量4倍化・高賃金雇用創出を掲げる大統領令に加え、技術教育と徒弟制度を拡充し、原子力産業基盤の再活性化を図る政府方針も追い風になるとみられる一方で、現時点では人材確保で難航している。平均年収は原子炉運転員が12万2,610ドル、原子力技術者が10万4,240ドルなどと高給にも関わらず、原子力発電向け製造業の63%が雇用を「非常に困難」と回答し、建設・公益事業などでも8割超が苦戦している。これを受け同省は独自プログラムで高等教育機関での奨学金活用や研究支援を進め、次世代炉の商用化を見据えた若手育成を急いでいる。 Department of Energy “3 Workforce Trends in Nuclear Energy in 2025” (12/16/25) https://www.energy.gov/ne/articles/3-workforce-trends-nuclear-energy-2025

エネルギー省、重要材料分野のキャリアマップ公表

エネルギー省(Department of Energy)は12月17日、先端材料・製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)の重要材料分野におけるキャリアマップを公開した。先端製造や安全保障を支える重要材料の需要増に対応する国内人材基盤強化を目指すことが狙いで、同省はロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)とジュリアス・エデュケーション(Julius Education)と協働し、教育関係者や求職者、企業、政策立案者らに向けた包括的指針を作成した。同マップは、重要材料分野における職種や必要技能、キャリア経路を体系的に示すもので、国内の重要鉱物・材料供給網を支えるために必要な人材ニーズの把握・支援に加え、既存の労働者が技能を新たに習得して同分野に適応するための道筋を示している。キャリア進展に必要な研修や資格の特定を明示することで、同分野で求められる技能や役割への理解を高めることができ、同省は、人材育成とキャリア開発の強化の重要性を示す狙いがあると説明している。 Department of Energy “Just Launched: A Critical Materials Career Map” (12/16/25) https://www.energy.gov/cmm/articles/just-launched-critical-materials-career-map

セントラリア石炭火力発電所の継続稼働 冬の電力ひっ迫回避へ

エネルギー省(Department of Energy)は12月17日、ワシントン州セントラリア発電所の2号機を冬季の電力安定確保に向け、稼働できる状態を維持する緊急命令を発表した。同設備は2025年末に閉鎖予定であったが、北西部地域での電力ひっ迫リスクが高まっていることを受け、稼働継続を決定した。同省の資源適正化報告書も、安定供給を確保できる発電源による電源供給停止が停電増加につながると分析している。さらに、北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation: NERC)の2025-2026年冬季評価でも、北西部地域が寒波などの極端気象時に供給不足の恐れがあると警告している。これらを受け、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は同地域の停電リスクが高まっているとし、安定供給の重要性を強調している。なお、この緊急命令は2025年12月16日から2026年3月16日まで有効としている。 Department of Energy “Energy Secretary Ensures Washington Coal Plant Remains Open to Ensure Affordable, Reliable and Secure Power Heading into Winter” (12/17/25) https://www.energy.gov/articles/energy-secretary-ensures-washington-coal-plant-remains-open-ensure-affordable-reliable-and

上院、約9,000億ドルの国防権限法(NDAA)を承認

連邦議会上院は12月17日、2026年度の国防権限法(National Defense Authorization Act: NDAA)(9,006億ドル)を可決した。下院は12月10日に可決しており、トランプ大統領の署名を経て法制化される見通しである。上院軍事サービス委員会(Senate Armed Services Committee)のロジャー・ウィッカー委員長(Roger Wicker、ミシシッピー州選出共和党)とランキングメンバーのジャック・リード議員(Jack Reed、ロードアイランド州選出民主党)は共に同法案を称賛し、ウィッカー委員長は、「NDAAは、米国の防衛能力を現代化し、ドローン製造や造船の取り組み、革新的な低費用兵器開発を拡張する道筋を開くものである」とする。NDAAによる裁量国防支出は、国防総省が年初に提出した予算要求を80億ドル上回り、ゴールデンドーム(Golden Dome)計画やF47先端戦闘機等の主要プログラムや、海軍による潜水艦や駆逐艦の建造拡大に十分な予算を充当している。 Defense News “Senate passes major policy bill authorizing $900 billion for Pentagon” (12/17/25) https://www.defensenews.com/congress/2025/12/17/senate-passes-major-policy-bill-authorizing-900-billion-for-pentagon/

フロリダ大学のスパコン「ハイパーゲーター」、主要なベンチマークで大学トップに

業界標準の複数のベンチ―マークによれば、フロリダ大学(University of Florida)のスパコン「ハイパーゲーター(HiPerGator)」は引き続き、米国内の高等教育機関で最速のスパコンとなっている。トップ500(TOP500)、共役勾配法を用いたトップ500高性能共役勾配法(TOP500 High-Performance Conjugate Gradient: HPCG)及びIO500といったベンチマークにおいて、ハイパーゲーターは、米国の大学における最速のスパコンとして1位を獲得した(トップ500では、世界の大学の中で10位、全体の106位。HPCGでは、世界の高等教育機関の中で5位、全体で32位。IO500では、世界の大学の中で1位、全体で10位)。これらの順位は、2020年に人工知能(AI)イニシアチブを開始し、米国のAI労働力の構築と国家競争力の押し上げで全国的なモデルとなっているフロリダ大学にとって新たな節目となる。 HPC Wire “University of Florida HiPerGator Tops US University Systems Across Major HPC Benchmarks” (12/17/25) University of Florida HiPerGator Tops US University Systems Across Major HPC Benchmarks

SBTi、電力部門の正味ゼロ標準策定を目的としたパイロットを開始

サイエンスベース・ターゲット・イニシアチブ(Science Based Targets Initiative: SBTi)は12月4日、「電力部門正味ゼロ標準(Power Sector Net-Zero Standard)」草案に関するパイロット事業の開始を発表し、電力業界及び関連小売業界の企業を対象に同事業への参加受付を開始した。標準草案は、電力部門の企業が、遅くとも2050年までの正味ゼロ達成へ向けて短期的及び長期的な科学ベースの目標を設定できるよう、実用的で信頼性の高い枠組みを提供する。電力部門正味ゼロ標準は、SBTiの従来の「電力機関向けクイックスタートガイド(Quick Start Guide for Electric Utilities)」に代わるもので、より広範な活動及び排出源をカバーするべく拡大された。パイロット事業による試験は、SBTiの最終的な標準が企業にとって実用的であると同時に、世界的な正味ゼロ目標へ向かって科学的に頑強かつ信頼性の高い形で気候行動を加速させる標準となることを確実にするためのステップである。 Science Based Targets “SBTi launches pilot to shape the power sector’s Net-Zero Standard” (12/4/25) https://sciencebasedtargets.org/news/sbti-launches-pilot-to-shape-the-power-sectors-net-zero-standard