Category:その他
エネルギー省、商用核融合エネルギーの実現に約3,000万ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は9月27日、核融合エネルギーの商業化において重要な次世代マテリアルの開発に取り組む13件のプロジェクトに2,980万ドルを提供すると発表した。受益チームは、核融合発電所の第一壁(first wall。プラズマに直接対向する壁)の強化につながる有望な合金設計スペースと製造プロセスを模索し、稼働寿命の延長に取り組む。これは、将来の商用プラントにおける運用経費と待機時間を低減できる可能性がある。受益プロジェクトは、「中央一元化された知識を取り入れ、強化され耐久性に優れた核融合の第一壁の創出(Creating Hardened And Durable fusion first Wall Incorporating Centralized Knowledge: CHADWICK)」プログラム通じて管理される。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces Nearly $30 Million for 13 Projects to Enable Commercial Fusion Energy” (9/27/24)
大統領府、標準化戦略を推進
米政府と業界団体は、民間部門における規格標準の頑強さを強化することを狙いとして、標準化前活動への焦点を強めつつある。大統領府が今般発表した「重要新興技術国家標準戦略(National Standards Strategy for Critical and Emerging Technology)」は、標準化前の研究開発(R&D)の役割を強調し、R&D資金の増額が、同戦略のロードマップを実践する取り組みにおいて最初に必要としている。米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が9月初旬に行った標準フォーラム(NIST Standards Forum)で、通信業界ソリューション同盟(Alliance for Telecommunications Industry Solutions)のスーザン・ミラー会長(Susan Miller)は、標準化前の活動はかなり新しいトピックであり、標準化のシード文書の作成や標準開発の障害となる研究の溝を特定することが含まれると語った。戦略のロードマップに含まれるR&D目標には、重要新興技術及び関連する標準化前R&Dへの持続的資金、予算要請における標準化前R&Dの優先付け、連邦のR&D受益者が標準化開発に参加するよう意欲付け、が含まれる。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は既に、グラント受益者の「より広範なインパクト声明」の一部として標準化活動を検討し始めており、論文出版を超えた関与を継続し、潜在的な標準の模索や他の研究者と共に総意に達する取り組みに寄与するよう奨励している。 American Institute of Physics “White House Pushes Forward on Standardization Strategy” (9/27/24)
サラ・ステイトン博士、エネルギー省科学局の国際担当ディレクターに就任
エネルギー省(Department of Energy)は9月27日、サラ・ステイトン氏(Sarah Staton)が科学局(Office of Science: SC)のディレクター(国際活動/研究安全保障/省庁間調整担当)(Director for International Activities, Research Security, and Interagency Coordination: IRIC)に就任すると発表した。10月6日付で就任する。ステイトン氏は、国務省(Department of State)の出身で、同省では副ディレクター(科学技術協力局担当)(Deputy Director for the Office of Science and Technology Cooperation)を務め、25名以上で構成されるチームを先導し、米国の科学技術事業の推進に努めた。同氏は、長年にわたり、SCと密接な協力をしており、特に、ITER評議会についてエネルギー省へ助言していたことで知られている。また、人工知能(AI)や半導体、量子情報科学などのトピックで、SCと直接関与したり、省庁間の取り組みを通じて密接に協力するなどした。 Department of Energy “Dr. Sarah Staton Named Director, International Activities, Research Security, and Interagency Coordination (IRIC)” (9/27/24)
GAO、バイオメディカル研究における国防総省等の貢献について報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月26日、「バイオメディカル研究:国防総省と退役軍人省が医薬開発にもたらした寄与に関する情報の質に改善が必要(Biomedical Research: Improvements Needed to the Quality of Information About DOD and VA Contributions to Drug Development)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)及び退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)は、バイオメディカル研究開発に資金提供しており、それらは新たな医薬品や医療機器に繋がる可能性がある。しかし、GAOの調査によれば、同2省が資金提供して行われた研究から生じた特許は必ずしも義務付けられた連邦資金の開示をしていない。一例として、GAOが調べたバイオメディカル特許の18%が国防総省による支援について開示していたものの、国防総省のアワード番号を正しく記載していなかった。これでは、連邦資金がイノベーションにもたらした影響を評価することが難しくなる。GAOは、国防総省のスタッフが、資金の受益者が特許の中で国防総省の支援を正しく開示することを確実にするよう訓練を改善すること、国防総省と退役軍人省は資金提供した臨床試験がClinicalTrials.govに迅速に報告されるようにするための策を講じることを勧告した。 Government Accountability Office “Biomedical Research: Improvements Needed to the Quality of Information About DOD and VA Contributions to Drug Development” (9/26/24)
GAO、気候対応力について報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月26日、「気候対応力:気候経済情報を強化し、連邦財政の負担を制限するには議会の行動が必要(Climate Resilience: Congressional Action Needed to Enhance Climate Economics Information and to Limit Federal Fiscal Exposure)」と題する報告書を発表した。気候変動は政府に数十億ドルの負担をもたらしている。温室効果ガス排出を削減する取り組みは行われているものの、その経済的負担は増加する見込みである。連邦政府は現在、こうした現実を管理する上で良い位置づけにいない。GAOは、連邦政府が気候変動リスクをより良く管理できる複数の分野を特定し、議会に対して4つの検討事項を提案した。それらは、①連邦の組織的調整を確立し、気候対応力プロジェクトへの投資の優先付けを行うこと、②国家気候対応力戦略計画を策定する連邦事業体を指定すること、③国家気候情報システムを確立及び維持管理すること、④気候変動の潜在的な経済負担に関する情報を開発し、連邦機関による使用を支援する連邦事業体を指定すること、の4点。 Government Accountability Office “Climate Resilience: Congressional Action Needed to Enhance Climate Economics Information and to Limit Federal Fiscal Exposure” (9/26/24)
NBER、移民のアントレプレナーシップに関し報告
全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)において最近発表された論文「移民のアントレプレナーシップ:新たな試算と研究議題(Immigrant Entrepreneurship: New Estimates and a Research Agenda)」は、米国内で移民が設立した企業の成長と特性に新たな洞察を示す。論文はまた、この分野での将来の研究の方向性についても概説している。執筆者の分析によれば、次のようなキーファインディングが挙げられている。①サンプルの25州で新企業における収入上位者の中で移民が占める割合は、2003年の22.5%から2020年の28.9%に上昇した、②この成長の約3分の2は、サンプル州全体での移民アントレプレナーシップの一般的な上昇から発するもので、一部の州に集中しているものではない、③移民のアントレプレナーシップが全体に占める割合は、2007年の18.7%から2019年の24.2%に増加した。 SSTI “Recent Research: New insights into immigrant entrepreneurship” (9/26/24)
エネルギー省、部族用地におけるクリーンエネルギーの計画・導入に約4,400万ドル
エネルギー省(Department of Energy)は9月27日、クリーンエネルギー・ソリューションを導入してエネルギー安全保障と対応力をもたらし、エネルギー費用低減の一助とすることに取り組む部族コミュニティに約4,400万ドルを提供すると発表した。5州に所在する6つのアメリカン・インディアンとアラスカ先住民コミュニティが、ソーラー及び風力エネルギー・インフラを導入するための資金として1,880万ドルを受益する。インフラを通じて、100件以上の部族建造物に5.6メガワットのクリーンエネルギー発電と電池貯蔵が提供される。また、エネルギー省のインディアン・エネルギー局(Office of Indian Energy)は、部族の建造物または部族用地でクリーンエネルギーの計画と評価と開発を支援するプロジェクトに合計2,500万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。エネルギー省は、20~40件のアワード(各10万ドル~250万ドル)を予定している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Nearly $44 Million for Clean Energy Planning and Deployment on Tribal Lands” (9/27/24)
NITRD、ソフトウェア工学及びAI工学に関するワークショップの報告を発表
ソフトウェア工学及び人工知能(AI)工学における米国のリーダーシップを構築、維持するためのコミュニティ戦略への情報提供として、カーネギー・メロン大学(Carnegie Melon University)のソフトウェア工学研究所(Software Engineering Institute)と、ソフトウェアの生産性/持続可能性/品質(Software Productivity, Sustainability, and Quality: SPSQ)省庁間作業部会は、2023年6月20~21日に、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)でワークショップを共催した。今般、その報告書として、「ソフトウェア工学とAI工学における米国リーダーシップ:重要ニーズと優先事項に関するワークショップ報告(U.S. Leadership in Software Engineering & AI Engineering: Critical Needs & Priorities Workshop Report)」が発表された。ワークショップには、連邦研究資金提供機関、研究所、ミッション局、商業機関の思考リーダーが集い、直接的な関連性のある研究分野の特定や、ソフトウェア工学及びAI工学を巡る現在の試練的な状況において機会と課題の中で進展していくための新しい手法のニーズについて議論するなどした。 Networking and Information Technology Research and Development “U.S. LEADERSHIP IN SOFTWARE ENGINEERING & AI ENGINEERING: CRITICAL NEEDS & PRIORITIES WORKSHOP REPORT” (9/27/24)
ニューヨーク州北部の労働力ハブ、平等な労働力開発を促進
商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)、米国教員連盟(American Federation of Teachers: AFT)のランディ・ウェインガーテン会長(Randi Weingarten)、マイクロン社(Micron)、AFTのニューヨーク州関連組織は9月26日、シラキュースにおいて、AFTによる先端技術枠組み(Advanced Technology Framework)の導入について発表した。この枠組みは、生徒が半導体業界における数千の新たな技術キャリアへ向けて準備できるよう支援するものである。レモンド長官はまた、アップステート・ニューヨーク労働力ハブ(Upstate New York Workforce Hub)の導入拡大と支援を目的として、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題から新たな資金が提供されることを発表した。マイクロエレクトロニクス製造部門全般で見られる基礎的及び技術的スキルに基づき、カリキュラム枠組み、教員訓練、職務ベースの学習機会によるパイロット・プログラムが、ニューヨーク州内の10件の学校区で開始される。バイデン政権は、全ての米国民が、大統領の「米国への投資」議題によって創出された数十万件の良好賃金雇用にアクセスできることを確実にするための訓練パイプラインを作ることに強い焦点を当てており、その目的のため、国内で9件の「米国への投資労働力ハブ(Investing in America Workforce Hub)」を立ち上げている。 Department of Commerce “FACT SHEET: Upstate New York Workforce Hub is Maximizing Federal Investments in the Region by Driving Commitments to Equitable Workforce Development” (9/27/24)
ARPA-H、AIを使って新たな抗生物質の発見を加速
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は9月26日、「新興の脅威を阻止するための生成AIを使った抗生物質R&Dの変革(Transforming Antibiotic R&D with Generative AI to stop Emerging Threats: TARGET)」プロジェクトへの資金提供を発表した。TARGETプロジェクトは、AIを使って新種の抗生物質の発見と開発を加速させる取り組みで、画期的なイノベーションや国際共同作業などを通じて、抗菌耐性(antimicrobial resistance)対策に取り組む米国の長期的なコミットメントを支える新たな行動である。TARGETプロジェクトは、ファール・バイオ(Phare Bio)が、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のコリンズ・ラボ(Collins Lab)及びハーバード大学(Harvard University)のウィス研究所(Wyss Institute)と共に先導する。ARPA-Hから拠出される資金は最高2,700万ドル。研究チームは、①生成AIを使って抗生物質候補の数を拡大する、②深層学習を使って候補薬の適性を検査する新たな方法を開発する、③発見を検証する、の3つの主要分野に焦点を当てる。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H project to accelerate the discovery of new antibiotics using AI” (9/26/24)