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議会が国防予算に340億ドル上乗せ 不透明プログラムが1,000以上

政治ニュースメディアのロール・コール(Roll Call)は2月26日、連邦議会が2026年度の国防予算で、国防総省(Department of Defense)が政府の予算要求に含めていない研究・調達プログラムに約340億ドルを追加したと報じた。政府支出を監視する無党派団体、良識ある納税者の会(Taxpayers for Common Sense)の分析によると、1,000以上のプログラムが対象で、2024年度の210億ドル、2025年度の約150億ドルから大幅に増加している。正式な予算配分と異なり、議会報告書に提案者名が記載されない上、競争入札が義務付けられているものの実際の実施については不透明で莫大な資金がほぼ透明性開示も公的議論もないまま支出され、2022年度以降の累計額は1,340億ドルを超えたという。一部の議員は地元への予算獲得を公表しているが、監査もなく有用な兵器開発に投入されているかも不明で、受益企業や関連ロビイストからの政治献金との関連も指摘されている。 Roll Call “Hill added $34 billion in unrequested defense program funds ” (02/26/26) https://rollcall.com/2026/02/26/hill-added-34-billion-in-unrequested-defense-program-funds/

教育省と国務省、大学の外国資金監視で提携

教育専門ニュースサイト、インサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher Ed: IHE)は2月24日、教育省(Department of Education)と国務省(Department of State)が提携し、米国大学が受け取る外国からの寄付や契約を監視する体制を強化すると報じた。高等教育法第 117条の強化が目的で、左派系シンクタンクのニューアメリカ(New America)は「同法がイデオロギー的に武器化される恐れがある」と懸念を表明した。同法第117条は外国からの25万ドル以上の資金提供について大学に報告を義務付けるもので、今回の提携により国務省が「外国人学生の入学に関する専門知識」を活用して潜在的な脅威を特定し、学生ビザデータと紐付けるのではと懸念されている。教育省は大学の法令遵守違反を指摘する一方で、政府職員組合は議会の承認なく同省の権限の他機関への移転は違法と批判している。データ管理には軍や移民・税関捜査局(Immigration and Customs Enforcement: ICE)にも協力するAI企業パランティア社(Palantir)が寄与しており、政府は透明性向上を図ると説明している。 IHE “ED Partnering With State Dept. to Track Universities’ Foreign Funding” (02/24/26) https://www.insidehighered.com/news/government/politics-elections/2026/02/24/ed-partners-state-dept-track-college-foreign-funds

国民の7割、科学技術への投資増額を議会に要望

リサーチ!アメリカ(Research!America)は2月10日、国民の約7割が、科学技術発展のために税金をより多く投資すべきであると考えていることを明らかにした。1月初旬にゾグビー・アナリティクス社(Zogby Analytics)が実施した1,007人の成人を対象にしたオンライン調査によると、10人中7人が今後50年間における国家の優先事項のトップ3に医療の進歩を挙げたという。また基礎科学研究への支持は政治的立場を問わず92%に達し、前年から7ポイント上昇した。さらに研究助成プログラム中止や科学分野への予算削減を認識している回答者のうち、83%が研究への影響を懸念しており、約9割が医学の進歩を推進する候補者を支持することが重要であると回答した。うち共和党支持者の70%を含む7割が医療・健康研究への支出増加を支持する候補者に投票する可能性が高いと回答している。この調査結果を受け、リサーチ!アメリカは「国民の声に耳を傾け、大統領と議会が研究への積極的な投資でリーダーシップを発揮するよう求める」と発表した。 Research America “National Survey Shows Americans Want Congress to Invest More in Science and Technology” (02/27/26) National Survey Shows Americans Want Congress to Invest More in Science and Technology

政府、承認済み科学予算拠出を遅延 研究助成に深刻な影響

ネイチャー誌(Nature)は2月27日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が議会承認済みの科学機関予算の拠出を意図的に遅らせていると報じた。議会は2月3日にトランプ大統領が求めた大幅な科学予算削減を拒否し、歳出法案を成立させたが、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は先週ようやく承認を受け、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は470億ドルの交付許可を未だ得られていない。同局が昨年8月に予算の自動承認を給与など必須経費に限定する規則変更を行ったことと、昨年秋の過去最長43日間に亘る政府閉鎖の影響で、NIHの今年度の新規研究助成件数は過去6年間の同時期と比べ約30%、NSFは約20%にとどまった。航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)も金星探査など10のプログラムについて異例の支出制限を受け、国際共同研究への影響が懸念されており、専門家らは年度末までの予算消化ができず、研究機関と助成受給者の双方に深刻な混乱を招くと指摘している。 Nature “White House stalls release of approved US science budgets” (02/27/26) https://www.nature.com/articles/d41586-026-00601-0

オープンAI社、国防総省とAIモデル使用で合意

アクシオス(Axios)は2月27日、オープンAI社(OpenAI)が国防総省(Department of Defense)と人工知能(AI)モデルの軍事利用について合意に達したと報じた。同社のサム・アルトマンCEO(Sam Altman)は、国内監視の禁止と自律型兵器を含む武力行使における人間の責任という2つの安全原則を同省が受け入れたと発表した。一方、同様の制限を求めていたアンソロピック社(Anthropic)は、同省のブラックリストに載せられ、同日夜に提訴すると発表した。トランプ大統領はアンソロピック社を「過激な左派AI企業」と非難し、同省の使用方法を、同社が左右する提案に強い反発を示したという。今回の合意には、クラウド環境へのモデル限定やセキュリティクリアランスを持つ研究者による監視などの技術的保護措置が含まれており、アルトマン氏はこれらの条件がすべてのAI研究所に適用されることを望むと述べた。一方で、同社とグーグル社(Google)の従業員からは、アンソロピック社との連帯を求める声が上がっている。 Axios “OpenAI reaches agreement with Pentagon to use AI models” (02/27/26) https://www.axios.com/2026/02/27/pentagon-openai-safety-red-lines-anthropic

DARPA、農林業廃棄物から戦略物資を製造する新プログラムを始動

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は3月2日、農業・森林廃棄物に含まれるリグニンを高付加価値化学物質に変換する新プログラム「フリートウッド(Fleetwood)」を立ち上げた。リグニンは植物の構造を支えるエネルギー密度の高い分子であるが加工が困難で、大部分が低価値の熱源として燃焼されるか廃棄されてきた。そこで原料バイオマスからリグニンを効率的に分解する新たな触媒技術の開発と分解したリグニンを特定の高付加価値製品に変換する高耐久性触媒を創出する。プラスチックや接着剤、複合材料などの必須素材は石油由来製品で供給網の途絶リスクを抱えている現状から、原子レベルの精度で、廃棄物を国内由来のオンデマンド資源に変えることを目指す。国内で広く入手可能な廃棄物から戦略物資を生産することで、外国依存低減とサプライチェーン強靱化が実現するとし、既に陸軍、海軍、空軍、海兵隊、国防脅威削減局(Defense Threat Reduction Agency: DTRA)などの複数機関が関心を寄せている。 DARPA “Upgrading biomass waste into strategic materials” (03/02/26) https://www.darpa.mil/news/2026/upgrading-biomass-waste-into-strategic-materials

アイダホ国立研究所、溶融塩燃料研究の新設備が稼働

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は3月2日、先進的な溶融塩燃料研究を加速させる新たな試験設備の運用開始を発表した。国立原子炉技術革新センター(National Reactor Innovation Center: NRIC)がアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)内に設置した「溶融塩熱物性試験設備(Molten Salt Thermophysical Examination Capability: MSTEC)」設備は、不活性ガスのアルゴンで満たし、放射線を遮断したグローブボックスを備え、先進溶融塩炉の設計に必要な極限温度での燃料塩特性を測定する。特に照射済み及び未照射材料の挙動を様々な条件下で研究することで、燃料特性評価、電気化学研究、腐食試験、塩合成など幅広い実験へつなげるとし、高温の塩化物塩やフッ化物塩を燃料・冷却材として用いる先進炉設計研究を推進していく。同設備は、照射済み燃料塩の熱物性を極限温度下で正確に測定できる初の施設であり、溶融塩炉技術研究の中核拠点となることが期待されている。 Department of Energy “NRIC Unveils New Tool to Advance Molten Salt Fuel Research” (03/02/26) https://www.energy.gov/ne/articles/nric-unveils-new-tool-advance-molten-salt-fuel-research

カリフォルニア規制当局、電力会社に非化石電源6GW追加調達を義務付け

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は2月7日、カリフォルニア公益事業委員会(California Public Utility Commission: CPUC)が2032年までに非化石電源6ギガワット(GW)の段階的な追加調達を州内の負荷供給事業者に義務付ける方針を決定したと報じた。委員会は電力需要増への対応策として再生可能エネルギー基準(Renewables Portfolio Standard: RPS)に適合するゼロエミッション電源の調達を求めており、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社(Pacific Gas and Electric: PG&E)には1,077メガワット(MW)、ピコ・リベラ・イノベーティブ・ミュニシパル・エナジー社(Pico Rivera Innovative Municipal Energy)には6MWの追加調達を割り当てるなど、負荷予測に基づく各社の義務量を定めた。また、過剰調達による料金上昇回避に向け、調達価格高騰の際には事業者の申告を条件に例外措置を認める方針とした。さらに、この電源構成を同州独立系統運用機関の送電計画プロセスへの基礎データとして提供し、今後の系統計画に反映させるとした。 Utility Dive “California orders utilities to add 6 GW of non-fossil capacity by 2032” (02/27/26) https://www.utilitydive.com/news/cpuc-california-lses-procure-6-gw-2032/813357/

空軍研究所、軍民両用技術の全国研究ネットワーク構築へ

NEXTGOV/FCWは2月26日、空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)が軍民両用技術の開発加速に向け、全国規模の研究ネットワークを構築する情報提供依頼書(Request for Information : RFI)を公開したと報じた。AFRLは、人工知能(AI)、自律システム、半導体、ソフトウェアなど民間・商業用途向けに開発された製品やサービスを国家安全保障目的にも転用できる「両用技術」を活用し、空軍・宇宙軍の運用能力に転換することを目的とした地域ハブネットワークの試験プログラムを実施しており、その取り組みを全国規模に拡大する。これに伴い、RFIでネットワークの全体構造とガバナンスモデル、外部パートナーシップの深化策、民間資本の関与、空軍・宇宙軍のミッションとの整合性など5つの分野について意見を求めている。特に集中型モデルと地域分散型モデルの利点・欠点の分析や、機動性を確保できる組織構造の提案を求めており、提出期限は3月23日までとなっている。 NEXTGOV/FCW “Air Force Research Lab seeks more national approach for innovation” (02/26/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/02/air-force-research-lab-seeks-more-national-approach-innovation/411730/?oref=ng-homepage-river

トランプ政権、NSF研究助成をAI・量子科学優先に主導

サイエンス誌(Science)は2月26日、トランプ政権が米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の研究助成方針を人工知能(AI)と量子情報科学に重点化するよう主導しているとNSFが公表したと報じた。NSF幹部は国家科学審議会(National Science Board:NSB)への説明で、政府の優先事項に応じる形で機関運営が変化しているとし、NSBから食料価格削減に関する研究への投資を提案された際に「政府への働きがけができるかわからない」と回答した例を挙げ、独立した研究助成機関としての役割が変化しつつある現状を示唆した。またNSFが過去12カ月で職員を35%削減したことについて、現在の1,300人体制は小規模すぎるしたものの、回復目標は政府の予算大幅削減案に沿った水準にとどまる見通しを示した。さらに、大学から一時的に着任する研究者についても、AI・量子分野のスキルを持つ者のみ契約が更新されているとし、元NSF幹部は「NSFは重要な分野を見落とさないよう、公募管理改善の余地が大いにある」と指摘している。 Science “NSF officials break silence on how AI and quantum now drive agency grantmaking” (02/26/26) https://www.science.org/content/article/nsf-officials-break-silence-how-ai-and-quantum-now-drive-agency-grantmaking