Category:レポート
海外からの米国大学院入学願書数が7年連続で増加
大学院評議会(Council of Graduate Schools:CGS)の4月3日の報告によれば、2012年秋からの学期に向けた外国人学生からの米国大学院入学願書件数は前年比9%増となった。なお、2011年は11%増、2010年は9%増であった。このうち中国は2012年に18%増(2011年は21%増)で、7年連続の2桁増を記録しており、その他、インドからの願書提出件数は2%増(同8%増)、韓国は2%増(同1%減)、メキシコ(17%増)、ブラジル(14%増)などでの増加率が高くなっている。学問分野別では、横ばいとなった生命科学を除く全部門で増加を示し、外国人学生に人気の工学部門は12%増加した。次いで、経営(11%)、物理・地球科学(10%)となっている。CGSによる本調査は、中国、インド、韓国など7カ国と中東、アフリカ、欧州の3大陸を対象として行われている。 Council of Graduate Schools “International Graduate Applications Rise for Seventh Consecutive Year; China, Mexico, and Brazil show largest gains” (4/3/12)
スマートグリッド関連売上は460億ドルを超える見通し
IDCエナジー社(IDC Energy)が4月9日に発表した「2010-2015年世界におけるユーティリティ・スマートグリッド支出予測(Worldwide Utility Smart Grid Spending Forecast, 2010-2015)」によれば、世界におけるスマートグリッド関連売上(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)は2010年から2015年の間に17.4%増加し、2015年には464億ドルに達する見通しであるという。なかでもスマートメーターの年間新規出荷台数は1億4,000万ユニット以上と試算されているが、今後の成長が予測されているのはアジア太平洋地域で、中国は2020年までに3億個のスマートメーター導入を目標としている。一方で、スマートグリッドによって電力供給を中央管理型のコンピュータ制御に依存することにセキュリティ上のリスクを懸念する声もある。 UPI.Com “Smart grid’s global reach set to top $46B” (4/9/12)
米国大学でコンピューターサイエンスを専攻する学生数が4年連続で上昇
コンピューティング研究協会(Computing Research Association: CRA)が4月9日に発表した「2010-2011年コンピューター系の学位と登録の傾向(Computing Degree and Enrollment Trends, 2010-2011)」によれば、2011-2012学年度における米国大学におけるコンピューターサイエンスプログラムへの登録は、前年比で9.6%の増加となった。これで4年連続の増加となる。報告書はまた、一部の大学ではコンピューターサイエンス学部の登録数に上限があることなどから、実際にコンピューターサイエンスに興味を持っている学生の数は、本統計が示すよりも高い可能性があると示唆している。更に、米国の大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得した学生数も2010-11年度に10.5%増加したという。 Computing Research Association “Undergrad Computer Science Enrollments Rise for Fourth Straight Year ― CRA Taulbee Report” (4/9/12)
農務省、空港における代替エネルギー生産の可能性を検討
農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)の動植物衛生検査部(Animal and Plant Health Inspection Service: APHIS)の研究者が報告書「空港における代替エネルギー生産の可能性(Airports Offer Unrealized Potential for Alternative Energy Production)」を発表した。報告書では、「空港内で野生生物と航空機の衝突リスクが少ないと認められた草原地を再生可能エネルギー生産地に転換することで、代替エネルギーの生産が実現できるのみならず、空港にとり新たな収入源となる可能性がある」としている。APHISの国立野生生物研究センター(National Wildlife Research Center: NWRC)では現在、バイオ燃料用作物の具体的な種類を含め、実行可能な再生可能エネルギー慣行の特定に取り組んでいる。 USDA “USDA Explores Feasibility of Alternative Energy Production at Airports” (3/29/12)
米国アカデミー、輸入食品・医薬品の安全性強化に関する報告書発表
米国アカデミー(National Academies)の医学研究所(Institute of Medicine)は新報告書「外国における規制制度の強化を通じ食品・医薬品の安全を確実にする(Ensuring Safe Foods and Medical Products Through Stronger Regulatory Systems Abroad)」を発表した。報告書は、「多くの低・中所得国では、技術的に先端の規制制度がなく、食品・医薬品の監督が限定的となっている」とした上で、輸入食品・医薬品の安全性を強化するため、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)及びその他の関連組織において今後3~5年に亘り海外諸国の安全制度の強化に向けて取り組むべき13点を勧告した。勧告には、虚偽防止のための低コスト技術の開発奨励や、FDAが現在医薬品安全強化のために行っているパイロットプログラム「サプライチェーンの確保(Secure Supply Chain)」の拡大の検討などが含まれている。報告書はまた、FDAが欧州連合(European Union)やカナダ、日本、ノルウェーなど諸外国の対等機関と相互の検査取り組みを認識し、無駄を省くことも提案した。 National Academies “U.S. Agencies Should Take Steps to Boost Developing Nations’ Regulatory Capacity to Ensure That Imported Foods and Drugs Are Safe” (4/4/12)
米国西部は石炭発電を置換すべきとの研究報告
カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の研究者らが、米国西部地域における発電、送電、貯蔵の選択肢を検討するために、SWITCHと呼ばれる電力グリッドの詳細なコンピューターモデルを使って研究した結果によれば、西部地域が最も低費用の形で温室効果ガスを削減する方法は、石炭を再生可能エネルギーやその他のエネルギー源に置換することであるという。この研究に携わった関係者らは、「持続可能な未来のために必要とされる温室効果ガスの削減を実現するためには、電力部門から炭素を排除することが重要である」としており、そのためには、より低炭素な電力源への移行に向けて、炭素排出に上限設定或いは課税を実施することが必要であると結論づけている。 UPI.Com “Study: U.S. West must replace coal power” (4/3/12)
2011年のエンジェル投資、回復傾向が継続
ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)のベンチャー研究センター(Center for Venture Research)の報告書によれば、エンジェル投資市場は、2008、2009年と大幅な縮小を記録した後、2010年に投資額及び投資件数ともに上昇傾向が始まり、2011年もそれが継続したという。2011年の投資合計額は225億ドル(前年比12.1%増)、エンジェル投資を受益した新規事業は6万6,230件(同7.3%増)であった。活動している投資家数は31万8,480人(2011年)で、前年比20%の大幅増を記録した。投資額及び投資件数が増加するにつれ、より大型の投資案件も増えており、エンジェル投資に対する楽観的見解は継続されているようである。部門別では、ソフトウェア部門へのエンジェル投資が最も多く(23%)、次いで医療(19%)、産業・エネルギー(13%)、バイオテクノロジー(13%)となっている。産業・エネルギー部門への投資は過去数年間にわたって好調で、クリーン技術の人気が継続していることが分かる。出口戦略としては、合併吸収が54%を、倒産が24%を占めた。半分強が収益のある形で終わっており、エンジェルの出口戦略による年間リターンは18~28%となっている。ただしこの数値はかなり変動的である。 University of New Hampshire “THE ANGEL INVESTOR MARKET IN 2011: THE RECOVERY CONTINUES” (4/3/12)
大統領府による「雇用を創出するイノベーションの保護」の取り組み
大統領府が2010年6月に「知的財産取り締まりに関する合同戦略(Joint Strategic Plan on Intellectual Property Enforcement)」を発表し、知的財産の取り締まり強化に関する33の具体的な行動計画を示してから約2年となったが、大統領府の知的財産取り締まり調整官(US Intellectual Property Enforcement Coordinator)であるビクトリア・エスピネル氏(Victoria Espinel)は第2次年間報告書を議会へ送付した。報告書のハイライトの一例として、①民間部門による自発的行動として、複数の企業がオンラインの違法医薬品対策を目的とした非営利団体を設立したり、クレジットカード企業や支払い処理企業が模造品・偽造品の販売削減を目的としたベストプラクティスに取り組むことで合意した、②立法上の改革として、2012年度国家防衛承認法(National Defense Authorization Act: NDAA)で、連邦当局による知的財産権の取り締まり支援策が創設された、③中国対策として、米政権は中国政府による知的財産権取り締まり強化を繰り返し主張しており、これらの努力は中国政府による本問題へのコミットメントにつながった、といった点が挙げられている。 White House “Safeguarding America’s Job Creating Innovations” (3/30/12)
リチウム電池の費用は低下せず、電気自動車の大量普及は実現できないとの予測
ラックス研究所(Lux Research)が発表した報告書「リチウム電池の費用を下げるイノベーションの模索(Searching for Innovations to Cut Li-ion Battery Cost)」によれば、リチウム電池の費用を下げて下降気味の電気自動車の販売を押し上げるためには、電気自動車メーカーはリチウム電池の生産を拡大する以外の戦略に集中する必要があるという。報告書は、2020年におけるリチウム電池の費用を1キロワット時397ドルと予測しており、米国先端電池コンソーシアム(U.S. Advanced Battery Consortium)が目標としている同150ドルにはほど遠い。ラックス研究所はより良い戦略として、カソード能力と電圧の改良を特定しており、リチウム電池以外の電池技術も検討するよう提案している。 Environmental Leader “2020 Li-Ion Battery Costs Will Be Too High for Mass EV Adoption, Report Says” (3/28/12)
NSF、「高等教育研究開発」調査結果を発表
国立科学財団(National Science Foundation: NSF)は2010年度の「高等教育研究開発(Higher Education Research and Development: HERD)」調査結果を発表した。HERDは従来発表されていた「大学における研究開発支出調査(Survey of R&D Expenditures at Universities and Colleges)」に代わるもので、対象に非科学工学分野(ビジネスや教育、法律など)の研究開発も含まれるなど、構成や内容が大幅に刷新された。HERD調査結果によれば、全ての分野における大学の研究開発費は2010年度に前年比6.9%増の612億ドルに達した。増加の主な要因は、2009年の米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)による拠出(27億ドル)で、これにより大学研究開発費全体に占める連邦資金の割合は61%に達した。学問の分野別では、生命科学が占める割合が最大(349億ドル)で、次いで工学(93億ドル)となっている。連邦政府機関の中で大学研究開発に最大の拠出を行っているのは厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)で、2010年度における連邦資金(375億ドル)の56%(211億ドル)を占める。次いで、NSF(47億ドル)、国防総省(Department of Defense、45億ドル)となっている。 NSF “With Help from ARRA, Universities Report $61 Billion in FY 2010 Total R&D; New Details from Redesigned Survey” (March 2012)