Category:レポート
GAO証言「断片化されたアントレプレナー支援プログラムの効率性と有効性は不透明」
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)の金融市場・コミュニティ投資のディレクター(Director, Financial Markets and Community Investment)であるウィリアム・シャー氏(William B. Shear)は上院中小企業・アントレプレナーシップ委員会(Committee on Small Business and Entrepreneurship)で証言を行い、連邦政府による53件の経済開発プログラム(アントレプレナー支援を含むもの)について調査分析した結果を発表した。それによれば、①アントレプレナーを支援するプログラムには、その目的や支援の種類などで重複が見られ、更にこうした重複や断片化は経済的に困窮した地域及び不利な状況にある中小企業を対象としたプログラムに多く見られる、②53件のプログラムのうち45件のプログラムに合理的な成果測定が含まれており、年間の成果目標を達成する傾向にあるが、プログラムの評価はほとんど行われておらず、プログラムの有効性評価に利用できるような情報もほとんどない、という。 GAO “Efficiency and Effectiveness of Fragmented Programs Are Unclear” (3/29/12)
GAO、国家安全保障分野における連邦調達のグローバル化を懸念
政府説明責任局(GAO)は、連邦機関が利用する情報技術(IT)サプライチェーンについてその主要リスクに関する調査を行い、報告書「国家安全保障関連の連邦機関はリスクへのより良い対応が必要(National Security-Related Agencies Need to Better Address Risks)」として発表した。それによれば、国家安全保障関連の連邦機関(エネルギー省、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)、司法省(Department of Justice: DOJ)、国防総省(Department of Defense: DOD)の4つ)はいずれも、ITのサプライチェーンを世界的に依存していることは連邦情報制度に複合的なリスクをもたらす脅威があることを認識しているものの、エネルギー省とDHSはサプライチェーン保護措置の定義ができておらず、こうした措置の遵守を実践するための手順や監視能力が開発されておらず、DOJについてはサプライチェーン保護措置の定義はなされているものの、これらの措置の遵守を実践するための手順や監視能力が開発されていないという。一方、DODについてはサプライチェーンのリスク管理で大きな進展が見られているという。GAOは前出の3省について、ITサプライチェーンのリスクに対応する方針や手順、監視能力を開発、文書化するよう勧告しており、いずれの省も概ねその勧告に同意しているという。 GAO “National Security-Related Agencies Need to Better Address Risks” (3/23/12)
グリーン雇用は2010年の総雇用の2.4%
労働省(Labor Department)の3月22日の発表によれば、2010年における「グリーン雇用(green job)」の割合は米国総雇用の2.4%に達したという。労働省がこうした調査結果を発表するのはこれが初めてである。従来、グリーン雇用の定義には総意がなく、雇用統計を算出するのが困難であったが、労働省はグリーン雇用の構成内容として、「製造、建設、ユーティリティ、その他の部門で、主となる機能が環境に優しい製品やサービスに寄与する仕事」とした。ハイブリッド自動車製造や太陽発電、耐候化建設プロジェクトなどは含まれるが、主として有機野菜を販売する食料品店やレストランの雇用はグリーン雇用に含まれない。調査結果によれば、2010年におけるグリーン雇用は310万人で、その大半は民間部門という。民間部門では製造業が最も多く、他には建設、専門科学・技術サービスでグリーン雇用が多い。 Washington Post “Labor Dept.: Green jobs account for 2.4% of employment in 2010” (3/22/12)
連邦政府によるエネルギー効率支援プログラムは不十分との指摘
下院監視政府改革委員会(House Oversight and Government Reform Committee)の共和党議員らは3月20日、連邦政府が低所得者住宅向けに行っているエネルギー効率支援プログラム(50億ドル規模)は時として欠陥工事が行われ、住宅所有者の状況が悪化する事態を招いていると批判する報告書を発表した。今回の発表により、本プログラムを実施するエネルギー省(Department of Energy)や、本プログラムに大規模な資金拠出を行った2009年の景気対策法(ARRA)に対する批判が加速しそうである。報告書によれば、日光を遮ることで燃料代の節約を意図した機器が日陰の窓に設置されていたり、暖房機器のある部屋で配線にフォーム材を使った目止め措置が行われ、火災の危険をもたらしているケースなどがある他、未経験の企業が耐候化業務を受注したり、適切な訓練を受けていない事業主がいるという。 Wall Street Journal “U.S. Energy-Efficiency Program Falls Short, Report Says” (3/20/12)
2011年、起業活動は低下
ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)は3月19日、米国内における新規事業設立状況に関する年間報告「カウフマン・アントレプレナー活動指数(Kauffman Index of Entrepreneurial Activity)」を発表した。それによれば、2011年に米国民(成人で非事業所有者)が事業を興した割合は年間0.32%で、これは2010年から5.9%の下落となった。それでも、大不況以前の水準を引き続き上回り、過去16年間で最高の水準を維持している。また、ベンチャー企業の創立者が他者を雇用する「雇用主」となる割合は低く、創立者が雇用に慎重になっていることが伺える。こうした背景には、大不況による失業で起業する者が増えている点、経済的不透明性により起業者は雇用に慎重になっている点が指摘されている。 Kauffman Foundation “New Business Startups Declined in 2011, Annual Kauffman Study Shows” (3/19/12)
世界のソーラーPV市場は2011年に40%増の成長
NPDソーラーバズ社(NPD Solarbuzz)の報告によれば、2011年に世界で設置されたソーラーPVは前年比40%増の27.5ギガワットとなったという。このことは、大規模な一元型の発電システムに比べ、本技術がいかに早く導入できるかを示す。こうした急増により、2011年の世界売上は前年比12%増の930億ドルに達したという。また、GTMリサーチ社(GTM Research)の分析によれば、米国のソーラー業界は2011年に109%の成長を示し、1,855メガワットのプロジェクトが設置されており、これは過去最高を大きく上回り、米国はついに「ギガワットレベル」に到達した。2012年の予測については、米国におけるソーラー業界へのグラント・プログラムが失効することや、欧州におけるインセンティブの削減が積極的に行われていることなどが不確定要素となっているが、欧州における需要の不振を中国や米国で補うことができれば、2012年の市場は予想よりもかなり良くなるであろうと考えられている。 Think Progress “As U.S. Installations Doubled, Global Solar PV Market Grew 40% In 2011 To 27 GW” (3/19/12)
温室効果ガスは塩水帯水層に1世紀分貯蔵できるとの報告
マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の研究者チームが「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)」に発表した研究報告によれば、米国の深塩水帯水層は火力発電から発生する二酸化炭素を少なくとも1世紀分貯蔵する能力があるという。これらの排気物を捕獲・貯蔵するシステムの経済性には疑問が残っているものの、本研究は同システムが抱える主要な問題に対処するものである。炭素捕獲・隔離(carbon capture and storage: CCS)の有望な貯蔵場所として、深塩水帯水層が挙げられているが、その許容能力に関する予測は、数年分から数千年分と幅広い。こうした中、MITの研究チームは、層の究極的な許容能力のみならず、二酸化炭素注入の割合も考慮し、二酸化炭素がどのように岩に浸透するかをモデル化した。 MIT News “Greenhouse gas can find a home underground” (3/20/12)
世論調査で米国の科学リーダーシップへの懸念が示される
非営利団体リサーチ!アメリカ(Research!America)が行ったオンライン世論調査の結果によれば、米国民の半数以上が、「米国は2020年まで科学・技術・医療分野で世界のリーダーである」という考えに疑問を持っていることが示唆された。また大多数(91%)が「中国やインドが科学技術投資を増加させる中、米国が世界のリーダーシップを維持することは極めて重要である」との認識を示している。調査結果によれば、米国民は特に医療研究への資金削減を懸念しているという。 UPI.Com “Poll: U.S. slipping in science leadership” (3/15/12)
キャップ&トレードはエネルギー技術イノベーションに十分なインセンティブをもたらさないとの研究報告
「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)」に発表された研究報告によれば、排気削減を目的としたキャップ&トレード・プログラム(CTP)は、民間セクターによる革新的な技術開発を促進するインセンティブを本質的にもたらさないという。研究を行ったローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)のマーガレット・テイラー研究員(Margaret Taylor)は、「予め設定された低コストでの汚染物質削減の達成にある程度成功したCTPは、より適切な汚染管理目標の一助となり得る研究開発のインセンティブを削減する」と述べている。テイラー氏は、2つのCTP(米国内における二酸化硫黄市場を対象にしたCTPと、北東部及び中部大西洋地域における酸化窒素市場を対象としたCTP)から得られたデータを基に研究を行った。 Berkeley Lab “New Research Suggests Cap and Trade Programs Do Not Provide Sufficient Incentives for Energy Technology Innovation” (3/15/12)
評判の高い大学ランキング発表
英国の高等教育出版、タイムズ高等教育(Times Higher Education)は3月15日、2012年の大学評判ランキング(Top Universities by Reputation 2012)を発表した。それによれば上位10大学は、米国、日本、英国で占められ、上位30大学にはカナダ、スイス、シンガポール、中国が加わっている。この大学評判ランキングは、世界中の高等教育機関を対象としたアンケート調査の結果に基づくもので、回答者はそれぞれの分野で研究及び教育で優れた大学を予め指定された6,000件以上の大学から選ぶというものであった。ランキングによれば、1位はハーバード大学(Harvard University、2年連続)、次いで、②マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)、③ケンブリッジ大学(University of Cambridge)、④スタンフォード大学(Stanford University)、⑤カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)となっており、8位に東京大学が入っている。 Christian Science Monitor “World rankings: top 10 universities around the globe” (3/15/12)