研究者の流動性が急減 中国からEUへは増加傾向

高等教育機関の情報を提供するインサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher Ed)は10月2日、欧州委員会(European Commission)がまとめた報告書によると、欧州連合(EU)と米国、中国の三国間における研究者の移動者数が急減している一方、中国人研究者の渡航先としてEUが初めて米国を上回ったと発表した。具体的に、2023年から2025年にかけてEUから米国へ移動した研究者は45%減少し、米国からEUへの移動も3分の1減少した。一方で、国外へ渡る中国人研究者が欧州を選択する割合は2023年に35%、2025年は53%と増加し、米国よりも欧州を選ぶ傾向が顕著となった。背景には米国の科学予算削減や地政学的緊張の波及があるが、欧州委員会とその加盟国が10億ドル規模の研究開発予算を割り当てる国レベルの公募を開始したことも要因として挙げている。報告書はEUにおける「頭脳獲得」が進んでいるとしつつも、若手層の確保に苦戦していることも指摘しており、不安定な雇用契約形態の蔓延といった課題が浮き彫りとなっている現状を伝えている。

IHE “‘Sharp’ Fall in Research Mobility Between E.U., U.S. and China” (10/02/26)
https://www.insidehighered.com/news/global/2026/10/02/sharp-fall-research-mobility-between-eu-us-and-china