エネルギー省、気候ソリューションの進展を目的としてデータ科学とコンピューテーション・ツールに3,450万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月19日、クリーンエネルギー及び気候ソリューションを含む、新たな科学的発見のための最先端研究ツールを育成を目的として、最高3,450万ドルを提供すると発表した。2つの新たな資金提供公募を通じて、データ・科学及びコンピューテーションをベースとする手法(人工知能(AI)や機械学習を含む)を用いた基礎科学課題への対策や、クリーンエネルギー技術の進展、エネルギー効率の向上、過酷な気象及び気候パターンの予測に取り組む研究者を支援する。エネルギー省の基礎エネルギー科学局(Office of Basic Energy Sciences: BES)が最高2,100万ドルを、また、先端科学コンピューティング研究局(Office of Advanced Scientific Computing Research: ASCR)が最高1,350万ドルを提供する。 Department of Energy “DOE Announces $34.5 Million for Data Science and Computation Tools to Advance Climate Solutions” (3/19/21)

「炭素税はその他の方法に比べて低費用で二酸化炭素排出削減可能」との報告

オハイオ州立大学(Ohio State University)の研究者が2月に発表した分析報告によれば、炭素税は、再生可能エネルギー利用割合基準(Renewable Portfolio Standards: RPS)や生産税クレジットに比べ、2040年までに電力から温室効果ガスを削減することをより経済効率の高い形で行うことができるという。現在までの所、米国は炭素税には手を出さず、代わりに生産税クレジットを利用している。また、様々な州がRPSを実施している。オハイオ州立大学の研究者は、2040年までに発電から温室効果ガスの排出を80%削減するための方策として、上記の3件の潜在的政策ソリューションの費用を比較した。その結果、RPSもしくは生産税クレジットと比べ、炭素税による費用の方が低かった。 Energy News Network “Carbon tax less costly than other ways to cut CO2 emissions, study says” (3/15/21)

カナダ、量子技術への投資を強化

量子技術をめぐる世界的な競争が激化する中、カナダは国家的投資戦略を開始する。同戦略では、量子技術への1億2,000万カナダドルの投資の一環として行われる、量子コンピュータのパイオニア、Dウェイブ社(D-Wave Systems)への4,000万カナダドルのグラントが含まれる。資金は、Dウェイブ社が同社のクラウド・ベースのサービスへのアクセスを強化する一助となり、これは特に、自社で量子ハードウェアを購入することが難しいカナダの中小企業にとって有益と見られている。こうした公的資金と引き換えに、Dウェイブ社は約5億カナダドルを研究開発(R&D)に投資し、200人の雇用を創出し、年間最大10名の学生を雇用する計画であるという。 Science Business “Canada steps up investments in quantum technologies” (3/12/21)

「米国地球変動研究プログラムは気候変動の潜在的な最悪の結末に備え、回避することに焦点をシフトすべき」との報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「2022-2031年の地球変動研究のニーズと機会(Global Change Research Needs and Opportunities for 2022-2031)」と題する報告書を発表した。報告書では、「次の十年間の戦略的計画の草案作成に取り組んでいる米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program: USGCRP)は、社会が気候変動の潜在的な最悪の結末に備え、それを回避する助けとなる洞察を提供しつつ、最も脆弱な層を保護することに焦点をシフトすべきである」としている。従来の気候研究は、自然環境における変化を予測して潜在的な結末を試算するものであり、気候変動への対応に取り組む意思決定者のニーズに合致していないと、報告書は指摘している。そして、人と自然のシステムの間における多角的な関係に関する研究を加速させ、現在及び将来の急務な気候リスクを管理する方法について理解を進展させることを勧告している。 National Academies ” U.S. Global Change Research Program Should Shift Focus to Preparing for and Avoiding Worst Potential Consequences of Climate Change, Says New Report” (3/16/21)

エネルギー省、広範な電化を支える電導体の改良を目的とした新たな製造プライズを開始

エネルギー省(Department of Energy)は3月20日、「手頃な費用でブレイクスルーかつ飛躍的な電気応用のための強化電導性マテリアル(Conductivity-enhanced materials for Affordable, Breakthrough Leapfrog Electric applications: CABLE)」電導体製造プライズ(Conductor Manufacturing Prize)を開始した。3段階にわたって行なわれるコンペで、全ての電気機器のエネルギー効率を高める手頃な費用で製造可能なマテリアルの開発促進に、最高450万ドルを提供する。電導マテリアルの電導性は、ここ約1世紀の間にほとんど変わっていない。電導性が強化されたマテリアルは、再生可能資源及び電気自動車をグリッドとつなげる際の費用と負担を軽減し、次世代エネルギー貯蔵技術を最大限化し、エネルギー集約型部門の電気化を支える可能性がある。CABLE電導体製造プライズは、①開発及び製造の概念模索、②ラボ・スケールのサンプル試験、③製造規模のサンプルの評価、の3段階で行われる。 Department of Energy “Energy Department Launches New Manufacturing Prize for Improved Conductors that Support Widespread Electrification” (3/20/21)

エネルギー省、クリーンで対応力のある電力グリッドを構築するための製造イノベーションに2,450万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月17日、対応力のある現代的な電力インフラを構築し、気候緊急問題に対処できるよう国内製造の改良を支援するため、最高2,400万ドルを提供すると発表した。2つの資金提供公募(FOA)を通じて、グリッドを新たなクリーン・エネルギー源によって拡大し、社会的に不利な状況にある地域社会に手頃な費用で電力を供給し、バイデン政権のネットゼロ炭素排出目標の達成を支援するためのマテリアル及び技術の研究開発を支援する。今回発表されたFOAは、①フロー電池システム製造の強化(Enhancing Flow Battery Systems Manufacturing)、②電導マテリアル製造の進展(Advancing Electricity-Conducing Materials Manufacturing)の2つ。 Department of Energy “DOE Announces $24.5 Million for Manufacturing Innovation to Build a Clean, Resilient Electric Grid” (3/17/21)

GAO、電力グリッドのサイバーセキュリティに関する報告書を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「電力グリッド・サイバーセキュリティ:エネルギー省は配電システムのリスクに全面的に対処する計画を確実にする必要がある(Electricity Grid Cybersecurity: DOE Needs to Ensure Its Plans Fully Address Risks to Distribution Systems)」と題する報告書を公表した。米国電力グリッドの配電システム(distribution system)は、サイバー攻撃に対してより脆弱になりつつある。その一因は、監視及び制御技術の導入及びそれへの依存であるが、こうした攻撃による潜在的な影響の規模は十分に理解されていない。エネルギー省(Department of Energy)は、全国サイバーセキュリティ戦略のエネルギー部門に取り組んでいるものの、その努力の焦点はグリッドの発電及び送電(transmission system)面のリスクにより重点が置かれている。GAOは、エネルギー省に対して、配電システムが直面するリスクにより全面的に対処することを勧告している。 Government Accountability Office “Electricity Grid Cybersecurity: DOE Needs to Ensure Its Plans Fully Address Risks to Distribution Systems” (3/18/21)

米国および環太平洋のパートナー、アジアへワクチン提供へ

米国、日本、インド、オーストラリアの4か国は、アジア及び太平洋諸国へ、2022年までに少なくとも10億回分の新型コロナウィルス(COVID)ワクチンを提供することを目的として、新たなパートナーシップを組んだ。こうした人道的行為の裏には当然、アジアにおける中国の影響を抑えるという政治的戦略がある。「クワッド同盟(Quad alliance)」と呼ばれるこのグループの初期の焦点は、「前向きな和の協力」「公共の善の提供」であり、中国が対抗するには難しい崇高な筋書きであろうと、ドイツ・マーシャル財団(German Marshall Fund)のアジア・プログラムの上級フェロー、アンドリュー・スモール氏(Andrew Small)は見ている。同氏は、本件は、バイデン政権にとり、米国同盟を構築するモデルとなるのではないかとの見解を示している。 Politico “U.S. and Pacific partners to flood Asia with vaccines” (3/12/21)

ステファニー・トンプキンス氏、第23代DARPA長官に任命

ステファニー・トンプキンス氏(Stefanie Tompkins)は3月15日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の第23代長官に就任した。DARPAに約11年間務め、陸軍(U.S. Army)の元軍事諜報高官であるトンプキンス氏は、DARPAの文化について優れた理解を有している。2007年から217年まで、戦略的技術局(Strategic Technology Office)のプログラム・マネジャー及び副局長、DARPAの首席補佐官、国防科学局(Defense Sciences Office)の局長を含む、DARPA内の様々な役職を経験している。2017年から2018年初頭にかけては、DAPRAの副局長代理を務めた。2018年2月からは、コロラド鉱山大学(Colorado School of Mines)で研究技術移転担当副学長を務めていた。 Defense Advanced Research Project Agency “Stefanie Tompkins Appointed 23rd DARPA Director” (3/15/21)

エネルギー省、米・イスラエル合同クリーンエネルギー技術プロポーザルを要請

エネルギー省(Department of Energy)はイスラエルのエネルギー省(Ministry of Energy)及びイスラエル・イノベーション局(Israel Innovation Authority)と共に、3月15日、革新的なクリーンエネルギー技術のための資金として400万ドルの用意があることを発表した。資金提供は、再生可能及びエネルギー効率技術の市場化を目的とした両国間のパートナーシップを推進する「二国間産業研究開発(Binational Industrial Research & Development: BIRD) エネルギー」プログラムを通じて行われる。BIRDエネルギーは2007年エネルギー自立・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007)で発足し、過去7年間で4件のBIRDエネルギー・プロジェクトが商業化段階まで進んでいる。 Department of Energy “U.S. Department Of Energy Announces Call For Joint U.S.-Israel Clean Energy Technology Proposals” (3/15/21)