EUと米国、貿易・技術評議会の発足に際して合同声明を発表

欧州連合(European Union: EU)と米国による貿易・技術評議会(Trade Technology Council: TTC)は、2021年9月29日に、米国ペンシルバニア州ピッツバーグで初回の会合を行い、TTC発足に際する合同声明を発表した。声明は、EU-US間の技術/経済/貿易関係の継続的な成長を支持していること、世界的課題への対処で協力すること、EU-USがデジタル変革の推進に対して強い希望を共有していること、包含的な経済成長を模索していることなどを表明した上で、具体的な分野で期待される成果を特定した。具体的な分野には、①投資、②輸出管理、③人工知能、④半導体、⑤世界貿易の課題、などが挙げられている。更に、技術標準、気候とクリーン技術などを対象に、10件の作業部会が設立された。 European Commission “EU-US Trade and Technology Council Inaugural Joint Statement” (9/29/21)

エネルギー省、イノベーションの多様性支援を目的として250万ドルの賞金を発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月30日、新たに「包含的エネルギー・イノベーション・プライズ(Inclusive Energy Innovation Prize)」を開始すると発表した。同プライズは、気候及びエネルギー技術の資金提供に関して歴史的に恵まれていない地域社会のアントレプレナーシップとイノベーションを支援するグループ及び組織に、最高250万ドルの賞金を提供するもの。エネルギー省は包含的エネルギー・イノベーション・プライズを通じて、あらゆる背景を持つ応募者がエネルギー省の資金に応募、受益するための平等な機会を得ていることを確実にするために、資源を分配する。最高10件の組織が合計で最高250万ドルの賞金を共有する。プライズの特徴として、①社会的に恵まれないコミュニティとの関係及びパートナーシップを強化し、信頼を築き、これを支える活動を行う組織へ資金提供する、②気候及びクリーン・エネルギー技術におけるビジネスと技術のインキュベーション、加速、その他のコミュニティ/大学ベースのアントレプレナーシップとイノベーションを実現、強化する、といった点が挙げられる。 Department of Energy “DOE Announces New $2.5 Million Prize to Support Diversity in Innovation” (9/30/21)

GM社、予定より5年早く再生可能由来エネルギー100%化を達成

ゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)は9月30日、米国内の全ての施設で再生可能由来のエネルギーを100%とするという目標を予定より5年早く達成できると発表した。同社は2016年、「2050年までに100%再生可能由来のエネルギーとする」ことにコミットし、今年初めには、その期限を2030年に早めると発表していた。今回の発表では更に早まり、2025年に達成できるという。GM社が脱炭素化を早めることができた要因として、①エネルギー効率の強化、②再生可能エネルギの調達推進、③間欠性への対処、④政策アドボカシー、の4点が挙げられる。 Environmental Leader “GM to Reach 100% Renewable Energy in the U.S. Five Years Ahead of Schedule, Citing Successful Decarbonization Efforts” (9/30/21)

環境問題で大きな業績を残したシャーウッド・ボラート元共和党議員が逝去

下院議員を24年間務め、その間、環境問題と科学教育に注力したシャーウッド・ボラート元議員(Sherwood L. Boehlert)(ニューヨーク州選出共和党)が9月20日に、ニューヨーク州ニュー・ハンフォードにあるホスピスで亡くなった。84歳であった。下院科学委員会(House Science Committee)(ボラート氏がかつて議員として委員長を務めた)の元首席補佐官によれば、死亡の原因は認知症であった。1982年に初当選したボラート氏は、財政保守派で一部の社会的問題においてはリベラル派の見解を持つ下院議員として知られた。12期の下院議員在任中は、特に環境問題に対応しており、1990年には、民主党のヘンリー・ワックスマン下院議員(Henry A. Waxman)(カリフォルニア州選出)と協力し、酸性雨やその他の形態の汚染の削減を狙いとして、大気清浄法(Clean Air Act)の改正を提案した。燃費基準を強化するための修正事項の提案も行った。 Washington Post “Sherwood L. Boehlert, GOP congressman with strong environmental record, dies at 84” (9/22/21)

NSF科学工学指標、学術機関の研究開発に関する報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、科学工学指標(Science & Engineering Indicators)の「学術機関の研究開発(Academic Research and Development)」の要旨として、次のような点を挙げている。①学術機関は2019年に、837億ドルの研究開発(R&D)を実施した。学術機関によるR&D費のほぼ3分の2は基礎研究を支えている。応用研究及び実験開発の費用は少ないものの、その割合は増大しつつある。②学術機関によるR&Dの最大の資金提供者は連邦政府で、2019年には総資金の半分以上を提供した。こうした連邦資金の90%以上は6つの省庁による。③学術機関によるR&D全体の4分の3は、極めて高度な研究活動を行う大学(very high research activity doctoral university)によって実施された。④44か国中、米国は、高等教育機関によるR&D支出総計では1位であったが、同総計の対GDP比では23位であった(2018年)。 National Science Foundation “Academic Research and Development” (9/14/21)

ボストン市議会、2050年までの炭素ニュートラリティ達成を目的として大型ビルを対象とした規制を採択

ボストン市議会(Boston City Council)は9月22日、2万平方フィート以上のビルを対象に、炭素排出を段階的に削減し、2050年までにゼロとすることを義務付ける新たな規則を満場一致で採択した。キム・ジェイニー市長代理(Kim Janey)がこの条例に署名する。今回のゼロ排出措置は、市内にある約3,500件の商業・住宅ビルに影響を及ぼす。条例は、既存の規則を修正するもので、これにより、大型ビルが2025年から5年間で段階的に温室効果ガスの排出を削減するスケジュールが確立される。これらのビルは、2030年までに排出を50%削減することが期待されている。加えて、本条例によって9名のメンバーによる審査委員会が設立され、順守の監視や罰則の実施を行う。 GBH News “Boston City Council Puts Big Buildings On Track To Achieve Carbon Neutrality By 2050” (9/22/21)

バイデン大統領、陸軍の調達高官トップにダグラス・ブッシュ氏を指名

大統領府の9月21日の発表によれば、バイデン大統領は、陸軍の調達高官トップにダグラス・ブッシュ氏(Douglas Bush)を指名した。ブッシュ氏は現在、陸軍(Army)で次官補代理(調達/ロジスティック/技術)(acting assistant secretary of the Army for acquisition, logistics and technology)を務めており、議会に承認されれば正式にその役割に就任する。任務には、陸軍によるあらゆる調達計画の監督と、軍の購入方針について陸軍長官へ助言することが含まれる。現職の前には、議会に18年間務めた経験があり、直近では下院軍事委員会(House Armed Services Committee)のスタッフ副ディレクターを務めた。それより前には陸軍高官を務めた経験もある。こうした経歴を持つブッシュ氏は、現代化に取り組む陸軍が抱える調達面の課題に精通している。 Breaking Defense “Biden Nominates Douglas Bush To Be Army Top Acquisition Official” (9/21/21)

GAO、商用の使用済み核燃料に関する報告書を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月23日、「商用の使用済み核燃料:行き詰まりを打開し、恒久的な処分策を開発するため、議会の行動が必要とされている(Commercial Spent Nuclear Fuel: Congressional Action Needed to Break Impasse and Develop a Permanent Disposal Solution)」と題する報告書を公表した。現在米国内の75の拠点に、商用原子炉から発生した使用済み核燃料(約8万6,000メトリック・トン)が貯蔵されており、その量は増加し続けている。米国政府はこの使用済み核燃料の取り扱いで行き詰っており、現在政府は原子炉の所有者に貯蔵費用として約90億ドルを支払っている。GAOは、専門家に、「今後必要とされる行動」について聞き取りを行った上で、4つの勧告を行い、議会に検討するよう要請している。 Government Accountability Office “Commercial Spent Nuclear Fuel: Congressional Action Needed to Break Impasse and Develop a Permanent Disposal Solution” (9/23/21)

NSF、2つの複雑な社会的課題(ネットワーク化された海洋経済と通信システムにおける信頼ならびに真正性)への取り組みに2,100万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、①ネットワーク化された海洋経済(Networked Blue Economy)と②通信システムにおける信頼と真正性(Trust & Authenticity in Communication Systems)という2つの重要な研究分野でのソリューションを加速させるため、基礎研究と発見の強化に取り組む。具体的に、NSFは、「コンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)」プログラムの2021年コホートのフェーズ1として、合計28の学際的チームに2,100万ドルを投資する。各チームは、学術機関や業界、政府、非営利組織、その他から、幅広い学問分野と専門性を持つ人材で構成され、これからの9か月間で、初期のアイデアを概念実証へと発展させ、新たなメンバー及びパートナーを特定し、イノベーション・カリキュラムに参加する。今回、「ネットワーク化された海洋経済」のトラックEとして16の学際的チームが、「通信システムにおける信頼と真正性」のトラックFとして12の学際的チームが選出された。 National Science Foundation “NSF invests $21 million to tackle 2 complex societal challenges: the networked blue economy, and trust and authenticity in communication systems” (9/22/21)

NIAID、「汎コロナウィルス」ワクチンへの資金提供を目的としたアワードを発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)は、複数種のコロナウィルス及びウィルス変種に対するワクチンの開発に向けて研究を行う3つの学術機関に約3,630万ドルを提供した。これらのアワードは、多様なコロナウィルス株のワクチン研究を加速させることを意図したもので、SARS-CoV-2などのパンデミックを引き起こす可能性があるコロナウィルスに主な焦点が当てられている。受益するのは、ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin, Madison)、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women’s Hospital)、デューク大学ダラム校(Duke University, Durham)の3機関。 National Institutes of Health “NIAID issues new awards to fund “pan-coronavirus” vaccines” (9/28/21)