エネルギー省、グリッド強化イニシアチブを立ち上げ

エネルギー省(Department of Energy)は1月12日、「より良いグリッドの構築(Building a Better Grid)」イニシアチブを開始した。これは、高圧送電網の新設及び改良を全国的に促進するもので、コミュニティや業界の関係機関と協力しながら、全国的な配電網のニーズを特定し、長距離高圧送電線設備の構築を支援するものである。エネルギー省が発表した「意向通知(Notice of Intent)」によれば、「より良いグリッドの構築」は、①州や部族、関係機関との早期関与及び協調を通じて、送電網導入の加速、②送電計画を強化し、最大のニーズがある分野を特定し、全国規模の長期的な送電計画分析の実施、③200億ドル以上の連邦資金調達ツールの整備、などを通じて、全国的な重要送電プロジェクトの開発とグリッド改良を支援する。 Department of Energy “DOE Launches New Initiative From President Biden’s Bipartisan Infrastructure Law To Modernize National Grid” (1/12/22)

大統領府、最初のオフショア風力発電の競売などを発表

大統領府は1月12日、オフショア風力発電の強化、クリーンエネルギー向けの公有地審査の合理化、電力グリッド改善実施を目的として、政府内で行われるいくつかのイニシアチブを発表した。内務省(Department of the Interior)は、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)が来月、ニューヨーク州及びニュージャージ州の海岸沖48万8,000エーカー以上を対象に新たな風力発電の競売を実施すると発表した。この競売により、5.6~7ギガワットのクリーンエネルギーが生産されると見込まれている。また、2025年までに6件(試算)のオフショア・リース競売が行われる。更に、運輸省(Department of Transportation)が、米国のオフショア風力サプライ・チェーンの強化を目的として、アルバニー港湾(Port of Albany)及びポーツマス海洋ターミナル(Portsmouth Marine Terminal)に投資を行うことが発表された。一方、超党派によるインフラ法から拠出される資金を通じて、エネルギー省(Department of Energy)は「より良いグリッドの構築(Building a Better Grid)」イニシアチブを開始する。 CNN “Biden administration announces its first offshore wind auction, with more to come” (1/12/22)

NIST、サイバーセキュリティ工学ガイドラインを更新

あらゆる産業におけるサイバーセキュリティ・リスクの高まりを背景に、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は今般、システム・エンジニア向けのガイドラインを更新、その草案を発表した。これは、「信頼できるセキュアなシステムのエンジニアリング(Engineering Trustworthy Secure Systems)」と呼ばれる文書で、重要インフラに対する大規模な攻撃が複数生じたことを受け、連邦政府の防衛策を強化することを狙いとしたバイデン大統領の大統領令に基づいて更新された。文書は200ページに及び、システム工学に対する総合的なアプローチが示されている。また、システムのデジタル資産の保護を中心に、現代のセキュリティ・システムの目的と概念について概説している。今回の更新で重要な点の一つは、セキュリティ保証(security assurance)に新たな強調が置かれている点である。 Nextgov “NIST Updates Cybersecurity Engineering Guidelines” (1/11/22)

厚生省、AIウェブサイトと2022年の優先事項を公開

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)は1月10日、待望の人工知能(AI)ウェブサイト及び2022年の優先事項を公開した。ウェブサイトによれば、HHSは、AIの実践コミュニティ(Community of Practice: CoP)を通じて職員の技能を向上させること、昨年発足したAI評議会(Ai Council)を通じてガイダンスを策定・発表することを目指している。HHSの最高AI担当官(Chief AI Officer)であるオキ・メク氏(Oki Mek)は昨年10月、HHS.govの下に新たにAI専門のウェブサイトを立ち上げる計画を発表していた。今後、AI CoPによって共通のソリューションの策定と資源の拡大に取り組むほか、AI評議会によって法律/公正/倫理面のアルゴリズムの優先事項が設定されることになる。また、HHSの2022年のその他の優先事項には、「信頼できるAIプレイブック(Trustworthy AI Playbook)」の拡大と、「AI使用事例のインベントリ(AI Use Case Inventory)」の開発が含まれる。 Fedscoop “HHS launches AI website with 2022 priorities” (1/10/22)

大統領府の環境正義担当官トップが退任

1月7日、大統領府の環境品質協議会(Council on Environmental Quality: CEQ)で上級部長(環境正義担当)(senior director for environmental justice)を務めるセシリア・マルチネス氏(Cecilia Martinez)が、バイデン政権発足から1年経たないうちに退任することとなった。同氏は、タイム誌(Time Magazine)による「最も影響力のある100人(100 Most Influential People)」に選ばれた一人である。本人によれば、退任の理由は、「休息し、家族と共に過ごすため」であるという。マルチネス氏は2020年に当時のバイデン大統領候補の環境目標策定を手伝い、大統領就任後は、政権の優先事項として、社会的に恵まれないコミュニティを中心に据える取り組みを推進してきた。マルチネス氏のリーダーシップの下、連邦政府は「正義40(Justice40)」と呼ばれるイニシアチブの創出と実践に取り組んできた。これは、政府の持続可能性投資の40%は米国内で汚染の負担を最も強いられているコミュニティに恩恵をもたらすことを確実にするというイニシアチブで、バイデン政権下の連邦歳出のガイドとなることを意図している。しかし、ここ1年間、政権プログラムの策定状況は不透明で、政権はその結果について明言することを避けている。1月7日時点で、大統領府はマルチネス氏の後任について言及していない。 Grist “Biden’s top environmental justice official just left the White House. What now?” (1/10/22)

エネルギー省、プラスチック廃棄物対策、プラスチック業界の排出削減の取り組みに1,340万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は1月10日、使い切りプラスチックのエネルギー消費と炭素排出を削減するための次世代プラスチック技術に、1,340万ドルを投資すると発表した。使い切りのプラスチック品(プラスチック袋やラップ、フィルムなど)の生産には膨大なエネルギーが必要となるが、それにもかかわらず、プラスチック品の多くは最終的に埋め立て地等にに廃棄されることになる。現在、プラスチック品のリサイクル率は10%未満で、その多くはダウンサイクル(downcycle)(価値の低い製品に再利用されること)されている。今回選出された業界及び大学主導の7件の研究開発プロジェクトでは、アップサイクル(upcycle)(プラスチック膜をより価値のあるマテリアルへ変換すること)を目的とした手頃な費用の解決策の開発や、リサイクル性と生分解性の高い新たなプラスチックの設計が行われる。 Department of Energy “DOE Invests $13.4 Million to Combat Plastic Waste, Reduce Plastic Industry Emissions” (1/11/22)

GM社、ようやくカリフォルニア州の自動車汚染規則設定権限を受け入れ

ゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)は1月10日にカリフォルニア州知事宛てへ送付した書簡の中で、「大気清浄法(Clean Air Act)の下、カリフォルニア州が自動車排出基準を設定する権限を有していることを認識する」と述べた上で、同州における電気自動車(EV)サプライ業者となることを表明した。GM社は3年前、トランプ政権(当時)がカリフォルニア州の自動車排出規則策定権限を巡って争った際、フィアット・クライスラー社(Fiat Chrysler)及びトヨタ自動車と共に、トランプ政権を支持する側へ着いており、今回の一件はGM社の姿勢変更を示す。トランプ前政権がカリフォルニア州を提訴した際、自動車業界は二つに割れた。約20社がトランプ政権を逆提訴し、その他の大手自動車メーカーが燃費基準を緩和しようとする政権に異を唱えたのに対し、GM社とその他数社はトランプ政権を支持した。しかし、大統領選挙でトランプ大統領が敗北すると、その取り組みは事実上意味をなさなくなった。トランプ前大統領の敗北から2週間後、GM社は訴訟への支持を放棄し、その他の自動車メーカーにも同調するよう要請した。同社は現在、カリフォルニア州の取り組みに積極的に参加する姿勢を見せている。 The Verge “GM finally bends the knee to California’s authority to set vehicle pollution rules” (1/10/22)

米国の排出が2021年に急増、気候目標への軌道から更に外れる可能性

ロジウム・グループ(Rhodium Group)が1月10日に発表した分析によれば、米国における温室効果ガスの排出は2021年に前年比で6.2%増加した。石炭火力発電の17%増加がその大きな要因となっている。このことは、2030年までに米国内の排出を半減させるというバイデン政権の気候目標の達成路線から引き続き離れていることを示唆する。分析によれば、排出量はパンデミック前の水準を依然下回っているものの、化石燃料への依存が年間で増加したのは、2014年以来初めてで、多くの専門家が、排出の増加は2022年も継続すると見ている。これは、経済が回復しつつあることを示す一方で、「より環境に優しい形でのコロナ禍からの経済回復にはならない」という厳しい現実の可能性を示唆する。バイデン大統領は就任以来、様々な気候政策を起動させるべく、行政権限を行使しているが、自身の気候議題の主要な要素が含まれた大型法案(1兆7,500億ドル)は現在、議会で行き詰まっている。 Washington Post “U.S. emissions surged in 2021, putting the nation further off track from its climate targets” (1/11/22)

2022年に追加される新規発電能力のほぼ半分がソーラーに

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が発表した「予備的月間発電在庫(Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)」報告によれば、2022年に新たに46.1ギガワット(GW)のユーティリティ規模の発電能力が新規に米国内に追加され、そのほぼ半分はソーラー発電になるとの予測である。具体的にEIAは、ユーティリティ規模のソーラー発電能力は2022年に21.5GW増加すると予想している。これは、前年の15.5GWを上回り、2022年の新規発電能力の46%を占める。この他、天然ガスは9.6GW(新規発電能力の21%)、風力は7.6GW(同17%)、電池貯蔵は5.1GW(同11%)、それぞれ増加すると予測している。更に、2022年に2つの原子炉が稼働する見通しで、原子力は5%を占める。 Energy Information Administration “Solar power will account for nearly half of new U.S. electric generating capacity in 2022″ (1/10/22)

ITIF、米国の戦略的な産業政策の必要性を主張

ITイノベーション財団(Information Technology Innovation Foundation: ITIF)は今般、「コンピュータ・チップ対ポテト・チップ:米国の戦略的な産業政策の必要性(Computer Chips vs. Potato Chips: The Case for a U.S. Strategic-Industry Policy)」と題する報告書を発表した。この中でITIFは、中国の台頭を受け、米国は全般的な競争戦略以上のものを必要としていると主張する。そして、「戦略的に重要な産業、特にデュアル・ユースの可能性がある技術的に高度な産業向けに、生産とイノベーションを強化することを狙いとして調整された、具体的な政策が必要」としている。 https://itif.org/publications/2022/01/03/computer-chips-vs-potato-chips-case-us-strategic-industry-policy “Computer Chips vs. Potato Chips: The Case for a U.S. Strategic-Industry Policy” (1/3/22)