国土安全保障省、サイバーセキュリティ審査委員会を新設

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は2月3日、新たに「サイバー安全審査委員会(Cyber Safety Review Board)」を設置すると発表した。官民の専門家15名で構成され、重大なハッキング事例を審査し、改善策を勧告する。この新委員会は、飛行機事故やその他の大事故を審査する国家輸送安全委員会(National Transportation Safety Board)をモデルとしており、昨年5月にバイデン大統領の大統領令によって設置が義務付けられたもの。サイバー安全審査委員会は、DHSの政策担当トップであるロバート・シルバーズ氏(Robert Silvers)が委員長を、グーグル社(Google)の上級部長であるヘザー・アドキンス氏(Heather Adkins)が副委員長を務める。委員会が審査する最初の案件は、log4jの脆弱性となっている。 Federal Times “DHS announces creation of new cybersecurity review board” (2/4/22)

大統領府、米国のイノベーション及び国家安全保障のための技術を発表

米政府は2月7日、米国の国家安全保障で重要な役割を担う可能性がある重要かつ新興技術(critical and emerging technologies: CET)一覧の更新版を発表した。この一覧は、米国のイノベーションの新たな経路を示し、米国の国家安全保障を強化する可能性を持つ新規先端技術をまとめたもので、前回の更新は2020年に実施されている。「2021年国家安全保障戦略的指針(暫定版)(2021 Interim National Security Strategic Guidance)」は、3つの国家安全保障目的として、①米国民の安全保護、②経済的繁栄と機会の拡大、③民主的価値の実現と防御、を掲げており、2021年CET一覧は、これらの目的を将来において深める可能性が現在最も高い技術分野を特定している。 White House “Technologies for American Innovation and National Security” (2/7/22)

バイデン大統領のトップ科学顧問、自らの悪態を認め、辞任

バイデン大統領のトップ科学顧問として大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)の長官を務めるエリック・ランダー博士(Eric S. Lander)は、同僚に悪態をつき、無礼な態度を取っていたことを認め、2月7日夕方、辞職した。バイデン大統領が就任初日に、「他者への敬意を持たない側近は、誰であろうと解雇する」と約束していたことから、ランダー氏の悪態が明かになった後、同氏がOSTP長官に留まり続けることができるのかどうか疑問視されていた。OSTP長官として閣僚レベルの高官を務めていたランダー氏は、内部調査によって、敬意ある職場環境をうたったバイデン政権の方針に違反していることが明らかになった後、自身のスタッフへ謝罪のEメールを送付した。また、大統領宛ての辞表の中で、自身の無礼な態度について再度謝罪した。 New York Times “Biden’s Top Science Adviser Resigns After Acknowledging Demeaning Behavior” (2/7/22)

NIST、AI担当上級政策顧問を登用

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月3日、人工知能(AI)担当の上級政策顧問(senior policy advisor)としてマーク・ラトネロ氏(Mark Latonero)がNISTに加わると発表した。ラトネロ氏は、海外の政策策定者や規格標準団体と連携しながら、AIのリスクと影響について助言を行う。大統領府は2021年に、米国の競争的位置づけを強化することを目的として、国家AI研究資源作業部会(National AI Research Resource Task Force)及び国家AI諮問委員会(National Artificial Intelligence Advisory Committee)を発足させたが、技術の問題点についてはさほど注意が払われていなかった。ラトネロ氏は、ジョージタウン大学(Georgetown University)の研究教授(research professor)で、以前には国連事務総長室(U.N. Executive Office of the Secretary General)の上級コンサルタントとして、デジタル技術使用における人権の精査について政策ガイダンスの策定を担当した。 Fedscoop “NIST adds senior policy advisor for artificial intelligence” (2/4/22)

エネルギー省、スマート製造のための新興技術開発事業10件に280万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は2月4日、パートナーの「クリーン・エネルギー・スマート製造イノベーション研究所(Clean Energy Smart Manufacturing Innovation Institute: CESMII)」と共に、米国製造部門の生産性やエネルギー効率、競争力を高めるスマート製造のプロセス及び技術の進展を目指して、10件のプロジェクトを選出し、その交渉に入ると発表した。スマート製造とは、製造の革新的手法を指し、デジタル化や自動化、人工知能(AI)などが活用される。今回選出された10件のプロジェクトは、研究開発、教育及び労働力開発、スマート製造イノベーションの3つのトピックに分類されている。 Department of Energy “Department of Energy Awards $2.8 Million for 10 Projects that will Develop Emerging Technologies for Smart Manufacturing” (2/4/22)

NIST、「連邦機関はソフトウェア業者の判断を信頼」との見解を提示

先般、政府契約事業者のIT管理会社、ソーラーウィンズ社(SolarWinds)がハッキングの被害を受けたことへの対応として発布された大統領令14028号(Executive Order 14028)への応答として、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月4日、5つのガイダンスを発表した。その一つにおいて、「費用と知的財産保護の懸念への対処において、連邦政府の調達担当官は、ソフトウェア業者による製品の自己保証申告を受け入れるべきである」としている。NISTはガイダンスの中で、「リスクベースの手法で第二、第三機関による証明が必要と判断されない限り、『セキュアなソフトウェア設計枠組み(Secure Software Design Framework)』に適合しているという第一機関による自己保証を受諾すること」としている。ここでいう第一機関とはソフトウェア業者、第二機関はソフトウェアを購入する連邦機関のスタッフ、第三機関は独立した検証者を指し、国防総省(Department of Defense)のサイバーセキュリティ成熟モデル認証(Cybersecurity Maturity Model Certification)の対象となる。 Nextgov “NIST Suggests Agencies Accept the Word of Software Producers Per Executive Order” (2/6/22)

GAO、「ARPA-Eは研究プログラムの開発で重複を避け、関係者を関与」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「エネルギー高等研究局:研究プログラムの開発において、重複を回避し、関係機関を関与させる慣行(Advanced Research Projects Agency-Energy (APRA-E) : Agency Has Practices for Avoiding Duplication and Involving Stakeholders in the Development of Research Programs)」と題する報告書を発表した。GAOは、2007年にエネルギー省(Department of Energy)内に設立されたARPA-Eが、エネルギー省内のその他の局とどのように研究活動の調整を行っているかについて調査を行った。それによれば、ARPA-Eには、エネルギー関連の研究プロジェクトの管理について重複を回避する助けとなる慣行がある。エネルギー省内の他局などの高官は、プログラム開発プロセスの初期から参加することで、重複の可能性を見つけることに貢献している。ARPA-Eは、2022年2月に新たな戦略計画を発表する計画で、本計画も研究の調整を行う上で役立つと考えられる。 Government Accountability Office “Advanced Research Projects Agency-Energy: Agency Has Practices for Avoiding Duplication and Involving Stakeholders in the Development of Research Programs” (2/3/22)

DAPRAの副所長、英国先端研究・発明局の初代最高経営責任者に任命

国防総省(Department of Defense)は2月2日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のピーター・ハイナム副所長(Peter Highnam)が、2022年5月3日に、英国の先端研究・発明局(Advanced Research and Invention Agency: ARIA)の初代最高経営責任者に就任すると発表した。ARIAは、米国の高等研究プロジェクト局(Advanced Research Projects Agency: ARPA)及びDARPAを部分的にモデルとした機関で、人々の生活をより良く変革する可能性がある発見とイノベーションの最先端で高リスクのプロジェクトに広範な投資を行う。ハイディ・シュー国防次官(研究・工学担当)(Heidi Shyu)(Under Secretary of Defense for Research and Engineering)は、「ピーター氏がこの重要な役職に選出されたことをとても嬉しく、また誇りに思う。DARPAの者がCEOに就任することは、米英間の強いパートナーシップを象徴する。ARIAとの長く実りの多い協力を楽しみにしている」と語った。 Department of Defense “DARPA Deputy Director Appointed First Chief Executive Officer of UK Advanced Research and Invention Agency” (2/2/22)

バイデン大統領、癌ムーンショットを再活性化:血液検査とワクチンの開発に焦点

バイデン大統領は2月2日、「癌ムーンショット(Cancer Moonshot)」を再度活性化させることを正式に発表した。前回(2016年)の非現実的な「癌撲滅」期限はなく、代わりに、2047年までに癌による死者数を半減するという長期的目標が掲げられた。今回の計画はまた、複数の研究分野に焦点が当てられており、それには、予防的なワクチンと、癌のスクリーニングを行う血液検査が含まれる。ただし、癌研究の提唱者は、バイデン大統領(当時は副大統領)が最初に発表した癌ムーンショットで実施された国立癌研究所(National Cancer Institute: NCI)の資金が枯渇しつつある中、大統領府が発表したファクト・シートには、新たな支出に関する言及がなかった点を指摘する。米国癌研究協会(American Association for Cancer Research)の専門家は、「新たな目標の達成へ向けて我々を駆り立てる研究を実現するには、頑強な資金が必要となる」と指摘する。 Science “Biden’s ‘reignited’ Cancer Moonshot would develop blood tests to detect cancer and vaccines to prevent it” (2/2/22)

国立アレルギー・感染研究所(NIAID)のパンデミック準備計画、プロトタイプと優先的病原菌に焦点

新型コロナによるパンデミックが3年目に突入する中、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)は、公衆衛生緊急事態の原因となり得るその他の様々なウィルス性脅威の対策準備に焦点を当てている。NIAIDが発表した新たな「パンデミック準備計画(Pandemic Preparedness Plan)」は、①プロトタイプの病原菌(prototype pathogen)(人間に重大な疾病をもたらす可能性があるウィルス類内のウィルス)を特定すること、②優先的病原菌(人間に重大な疾病または死をもたらす威力がある既知のウィルス)の研究、の2つに焦点を当てている。NIAIDの包括的な対策準備努力には、新規の疫学及び病原菌発見プログラム、臨床前及び臨床インフラ能力、早急な治療とワクチン開発を目的とした技術強化なども含まれている。 National Institutes of Health “NIAID Pandemic Preparedness Plan targets ‘prototype’ and priority pathogens” (2/2/22)