科学者にとって最も望ましい目的地として中国が米国に取って代わる

経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development: OECD)のデータによれば、2020年に英国から海外へ流出した科学者の数は約1,300名に上った。英国は、2015年には科学者の正味で流出者よりも流入者の方が多かった。OECDによる科学者の流出入に関する新たな分析はまた、米国と中国の間の目覚ましい変化も示している。2015年には、米国は科学者にとって世界でも最も魅力的な目的地であり、正味流入者(流入者から流出者を引いた数)は約3,000名であった。しかし2020年の同数は約1,800名となった。一方、中国は科学者が流出する国から流入する国へと移行し、世界で最も魅力的な国として米国に取って代わった。2020年には科学者の正味流入者が約1,800名となった。 Science Business “Scientists leave the UK as China overtakes US as most favoured destination” (2/1/22)

エネルギー移行、医薬進展、その他の課題を意図した化学工学への新規連邦投資を勧告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、新報告書「化学工学の新たな方向性(New Directions for Chemical Engineering)」の中で、米国の世界的なリーダーシップを維持し、社会的課題(医薬の進展を生み出すこと、エネルギー移行を進めること、食料や水をより安全かつ持続可能にすること)に対処するためには、米国の化学工学への新たな投資が必要であると主張している。また、化学工学の研究・イノベーション・教育の未来に対するビジョンを提示し、①低炭素エネルギー資源や、炭素を全くもしくはほとんど使用しない新技術、費用対効果の高い炭素捕獲・貯留への移行を実現する化学工学技術の開発に焦点を当てた連邦研究資金、②化学工学の学習指導及び訓練の方法の変革、などを勧告している。 National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine “New Report Recommends Renewed U.S. Federal Investment in Chemical Engineering Directed to the Energy Transition, Medical Advances, and Other Challenges” (2/9/22)

エネルギー省、超党派インフラ法による620億ドルのクリーンエネルギー投資を実施するため、組織再編

エネルギー省(Department of Energy)は2月9日、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)及び2020年エネルギー法(Energy Act of 2020)によるクリーンエネルギー投資を効果的に実施できるよう組織構造を確実にするため、組織の再編成を発表した。これにより、2つの次官職が発足する。一つはインフラ担当次官(Under Secretary for Infrastructure)(旧エネルギー担当次官(Under Secretary for Energy))で、クリーンエネルギー・ソリューションの導入に焦点を当てる。インフラ担当次官の下には、既存の5局の他、新たに3局が発足する。もう一つは、科学・イノベーション担当次官(Under Secretary for Science and Innovation)(旧科学・エネルギー担当次官(Undersecretary for Science and Energy))で、基礎科学やクリーンエネルギー・イノベーションに焦点を当てる。更に同省は1月に、気候変動ソリューションの研究・開発・実証・導入に共に取り組む専門家集団として、クリーン・エネルギー・コープ(Clean Energy Corps)を既に立ち上げている。 Department of Energy “DOE Optimizes Structure to Implement $62 Billion in Clean Energy Investments From Bipartisan Infrastructure Law” (2/9/22)

GAO、重要インフラ保護について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「重要インフラ保護:連邦機関はサイバーセキュリティ・ガイダンスの採択を評価する必要がある(Critical Infrastructure Protection: Agencies Need to Assess Adoption of Cybersecurity Guidance)」と題する報告書を発表した。米国には、水道、ガス、銀行、その他の重要なサービスを提供する重要インフラ部門が16件あるが、それらの重要インフラを保護するため、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2014年にサイバーセキュリティ基準及び手順をまとめた「重要インフラのサイバーセキュリティ向上の枠組み(Framework for Improving Critical Infrastructure Cybersecurity)」を策定し、各部門内の組織が任意に利用できることとした。16の重要インフラを支援及び保護する先導的役割を担う連邦機関は、「部門のリスク管理機関(sector risk management agencies: SRMA)」と呼ばれる。GAOの調査によれば、16部門のうち、3部門を管轄するSRMAはNISTの枠組みの採用を決定し、4部門を管轄するSMRAは採用の判断をするための初期ステップに着手している。しかし、9部門のSMRAは、枠組み採用を判断するためのステップに取り組んでいない。 Government Accountability Office “Critical Infrastructure Protection: Agencies Need to Assess Adoption of Cybersecurity Guidance” (2/9/22)

国防総省、国防イノベーション委員会の委員長を発表

国防総省(Department of Defense)のロイド・オースティン長官(Lloyd Austin)は、国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board)の委員長として、マイケル・ブルームバーグ氏(Michael R. Bloomberg)を任命した。ブルームバーグ氏は、オースティン長官が国防総省の全ての諮問委員会及び委員会の見直しを終えた後、初めて任命される国防イノベーション委員長となる。ブルームバーグ氏は、ビジネス、政府、慈善活動のイノベーターとして幅広い経験を持つアントレプレナーであり、リーダーであり、元ニューヨーク市長である。国防イノベーション委員会は、国防次官(研究・工学担当)(Under Secretary of Defense for Research & Engineering)の下、長官、副長官、その他の上級高官に、イノベーションを加速させ、技術及びイノベーション主導型の環境で競争する方法について、独立した助言と勧告を行う。 Department of Defense “DOD Announces Chair for the Defense Innovation Board” (2/9/22)

2021年、エネルギー効率州法が多数成立

米国経済エネルギー効率評議会(American Council for an Energy-Efficiency Economy: ACEEE)が発表した報告書「州のエネルギー効率採点表:2021年の進捗報告(State Energy Efficiency Scorecard: 2021 Progress Report)」によれば、米国は昨年、新型コロナのパンデミックが引き続き影響する中、エネルギー効率の進路を進み続けた。2021年には少なくとも10州で新たなクリーン・エネルギー法案が可決された、もしくは新たな省エネ基準が採択された。マサチューセッツやイリノイなど7州は、電力を「高まりつつある優先事項」と位置付けた新たなエネルギー法を可決した。また、少なくとも5州(ワシントンDCを含む)が家電製品のエネルギーと水の使用を削減することを義務付ける法を可決した。カリフォルニア州とニューヨーク州は、2035年までに、州内で販売される乗用車とライトトラックの新車はゼロ排出とする目標を設定した。更に、多くの州が、電気化の取り組みが公平な恩恵をもたらすことを確実にするよう文面に盛り込んでいる。州政府は、それぞれの新たなプログラムが、12億ドルの超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から大型資金を付与されることを期待している。 Grist “2021 was a landmark year for energy efficiency legislation in US states” (2/3/22)

エネルギー省、重要鉱物精製所の開発に1億4,000万ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は2月14日、非在来的な資源(化石燃料廃棄物や採鉱廃棄物)を使ってレアアース元素と重要鉱物の抽出及び分離する本格的な精製所の商業的フィージビリティを実証する新たな施設の設計・建設・運用について、「情報の要請(request for information: RFI)」を発表した。この種の施設としては初で、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から1億4,000万ドルが拠出される。建設されれば、米国の製造雇用を支え、次世代のクリーン・エネルギー技術のための強力な国内サプライチェーンを構築する助けとなると期待されている。「次世代技術を使って、遺産となっている化石燃料廃棄物を、米国のサプライチェーン強化に必要とされる重要鉱物の国内資源へと転換することは、あらゆる点で有益である」とエネルギー省のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)は語っている。 Department of Energy “DOE Launches $140 Million Program to Develop America’s First-of-a-Kind Critical Minerals Refinery” (2/14/22)

エネルギー省、新規クリーンエネルギー技術プロジェクトに1億7,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は2月14日、米国の先端エネルギー事業を強化するディスラプティブな技術を開発することを狙いとした68件の研究開発プロジェクトに1億7,500万ドルを提供すると発表した。エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の主導による「オープン2021(OPEN 2021)」プログラムで選出された合計68件のプロジェクトは、22州に広がり、大学や国立研究所、民間研究所の調整により、電気自動車やオフショア風力、貯蔵と原子力リサイクルなどを含む幅広い技術の進展に取り組む。受益するプロジェクト・チームの一例には、カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)(より効率的な燃料電池を開発し、米国の自動車の電気化を進める)や、ヒネティクス社(Hinetics)(電気航空機の開発)などがある。 Department of Energy “DOE Announces $175 Million for Novel Clean Energy Technology Projects” (2/14/22)

エネルギー省、集光型太陽熱発電(CSP)の研究開発実証プロジェクトを公募

エネルギー省(Department of Energy)エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)のソーラー・エネルギー技術局(Solar Energy Technologies Office: SETO)は、「集光型太陽熱発電 2022年度の研究開発実証資金提供プログラム(Concentrating Solar-Thermal Power (CSP) Fiscal Year 2022 Research, Development, and Demonstration funding program)」を発表した。この公募の下、最高2,500万ドルがCSP技術の革新的な研究開発プロジェクトに提供される。これらのプロジェクトを通じて、ソーラー技術の大規模な開発及び導入が加速されると期待されている。SETOは、8~15件のプロジェクトに75万~600万ドルを提供する計画である。 Department of Energy “Funding Notice: Concentrating Solar-Thermal Power RD&D Projects” (2/8/22)

FERC、「ファーストエナジー社は救済を巡るロビー活動に関して顧客へ返金すべき」

2019年に、オハイオ州にある2つの原子力発電所の連邦救済を獲得するために行われた賄賂事件を巡り、原発の運営事業者であるファーストエナジー社(FirstEnergy)は複数の捜査の対象となっている。連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)は2月4日、「ファーストエナジー社は、原発救済を目的としたロビー活動に支出した7,100万ドルの一部を適切に処理しなかった。同社の不適切な会計によって顧客は電気代を過剰請求された。ファーストエナジー社は、ロビー活動に支出した金額とその理由を、隠匿もしくは誤った認識をもたらすためにそのような行為を行った」との会計監査結果を発表した。その上でFERCは、ファーストエナジー社に対し、顧客へ返金するよう求めた。会計監査によれば、150万ドルのロビー活動費用は顧客からの料金支払いによって得ていた。FERCは、ファーストエナジー社に対し、60日以内に顧客への返金方法を報告するよう求めている。ファーストエナジー社の広報担当者は、監査の結果と勧告を受け入れると発表した。 AP News “FirstEnergy must repay customers over lobbying for bailout” (2/4/22)