エネルギー省、グリッドの信頼性と対応力を支える水力発電の能力を最大限化するコンペを実施

エネルギー省(Department of Energy)の水力発電技術局(Water Power Technologies Office: WPTO)は4月6日、「水力発電の運用最適化(Hydropower Operations Optimization (H2Os) プライズ)と称するコンペを開始した。本コンペは、水力発電によるグリッドへの貢献を支える新たなソリューションの開発に取り組むイノベーターに、最高7万5,000ドルを授与するもの。イノベーターは、モデリングやデータ分析、機械学習を用いて、既存のグリッドのスケジュール慣行と調整しつつ、水の供給や洪水の管理といった水管理のニーズに対応できる水力発電システムの新たな方策を創出することに取り組む。H2Osコンペは、WPTOの「対応力のあるエネルギー・システムのための水力発電と水のイノベーション・イニシアチブ(Hydropower and Water Innovation for a Resilient Energy System Initiative)」を支えるものとなる。 Department of Energy “DOE Prize Seeks to Maximize Hydropower’s Ability to Support Grid Reliability and Resilience” (4/6/22)

粒子物理学実験施設の完成が遅れる見込み

粒子物理学の実験で大幅なコスト増に直面しているエネルギー省(Department of Energy)の高官によれば、同省は粒子物理学の実験施設の建設を2段階に分けて構築することを決定した。これにより、「ロングベースライン・ニュートリノ施設(Long-Baseline Neutrino Facility: LBNF)とディープ・アンダーグラウンド・ニュートリノ実験(Deep Underground Neutrino Experiment: DUNE)という相互に絡み合う2つの取り組みで構成される巨大プロジェクトが、2020年代後半の達成を目指していた仕様に達成するのは2030年代半ばとなること、また、更なるコスト増をもたらすことを意味する。ただし、研究者は、「新たな計画の下、縮小版のLBNF/DUNEの稼働は早ければ2029年にも可能である」と述べており、その場合、主要なニュートリノ観測競争において、ライバルである日本のハイパー・カミオカンデ(Hyper-Kamiokande)に先行できる可能性はあると、エネルギー省の高エネルギー物理学担当アソシエイト・ディレクターのジム・シーグリスト氏(Jim Siegrist)は考えている。一方、現在の費用試算は30億ドルとなっており、これは当初計画のほぼ2倍であるが、今回の計画の改定で、この費用は第一段階のみに適用されることになる。 Science “Trying to stay ahead of competition, U.S. pares down troubled $3 billion neutrino experiment” (3/29/22)

大容量電池の重要マテリアルについて国防生産法第3章の適用を許可

バイデン大統領は3月31日、大容量電池の米国産業基盤を強化することを目的として、国防生産法(Defense Production Act: DPA)第3章(Title III)の適用を認める大統領決定(Presidential determination)に署名した。これにより、大統領は、国防総省(Department of Defense)に、大容量電池のサプライチェーンのための重要マテリアルについて、国内の採鉱及び加工を増強する権限を付与したことになる。具体的には、DPA第3章によって、国防総省は、生産性や環境の持続可能性、労働力の安全性を高めることを目的として、持続可能で席になる採鉱や選鉱、付加価値加工プロジェクトのフィージビリティ調査や高度化プロジェクトなどを実行する権限を付与される。また、既存の採鉱拠点や鉱物再生利用拠点、その他の産業施設での副産物生産も可能になる。 Department of Defense “Defense Production Act Title III Presidential Determination for Critical Materials in Large-Capacity Batteries” (4/5/22)

ノースロップ・グラマン社、AT&T社との5G国防パートナーシップを発表

国防大手のノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman Corporation)は、AT&T社とパートナーを組み、センサーや兵器、データが5Gネットワークで接続される、「軍事版モノのインターネット(military Internet of Things)」の創出に取り組む。ノースロップ・グラマン社のキャシー・ワーデン最高経営責任者兼社長(Kathy Warden)(CEO and president)が4月5日にワシントンDCで行われたアクシオス社(Axios)の「ワッツ・ネクスト(What’s Next)」サミットで発表した。AT&T社とノースロップ・グラマン社による合同研究開発枠組みプロジェクトで、いずれは国防総省(Department of Defense)向けの5G接続型ネットワークとなるものである。 Axios “Northrop Grumman announces 5G defense partnership with AT&T” (4/5/22)

フロリダ大学とスクリップス・フロリダの統合が完了し、新たな科学研究拠点が誕生

4月2日付けで、スクリップス研究所(Scripps Research)のフロリダ・キャンパスであるスクリップス・フロリダ(Scripps Florida)は、フロリダ大学(University of Florida)の学術医療センターとの統合作業が完了し、「フロリダ大学スクリップス・バイオメディカル研究所(UF Scripps Biomedical Research)」が誕生した。バイオメディカル研究で世界的に高名なスクリップス・フロリダと、臨床及びバイオメディカル研究で豊富な専門性を持つUFヘルス(UF Health)という2つの大手組織の統合は、バイオメディカルの発見をフロリダ州及び世界中の患者のアウトカムの向上につなげる能力を有する施設をもたらす。カリフォルニア州ラ・ホヤに拠点を置くスクリップス研究所(Scripps Research)は、2003年からフロリダ州との間で、同州ジュピターに2つ目のキャンパスを設立する取り組みを開始し、それ以来、スクリップス・フロリダの研究者が行ってきた先駆的な発見は、数百件の特許や数多くのスピンオフ企業につながっている。UFとスクリップス・フロリダを統合する協議は、昨年半ばから開始され、11月に最終取りまとめられた。 UF Health “UF, Scripps Florida complete integration to create science research powerhouse” (4/1/22)

OSTP、包括的な海洋科学技術のビジョンを発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)の国家科学技術会議(National Science & Technology Council: NSTC)の海洋科学技術小委員会(Subcommittee on Ocean Science and Technology: SOST)は3月31日、「海洋科学技術の機会と行動(2022-2028年)(Opportunities and Actions for Ocean Science and Technology (2022-2028))」と題する報告書を発表した。本報告書は、意思決定者が連邦政府の主要な優先事項を海洋科学技術(S&T)の意思決定及び実践に取り入れる際の助けとなることを狙いとしたものである。また、本報告書は、2018年に発表された「米国の海洋のための科学技術:十年間ビジョン(Science and Technology for America’s Oceans: A Decadal Vision)」を基盤にし、海洋S&T活動における公平性を進展させるための機会を概説したものである。 White House “White House Office of Science & Technology Policy (OSTP) Unveils Vision for Inclusive Ocean Science and Technology” (3/31/22)

アイダホ国立研究所、小型水力発電の現場実証を行うパートナーを模索

アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)の研究者は、地域の水力発電所運営事業者が産業規模のエネルギー貯蔵を統合し、停電の際に地元へ緊急電力を提供できるようにする方法について調査するため、現場実証を行うパートナーを模索している。INLは2021年4月に、地方自治体が所有するユーティリティ機関のアイダホ・フォールズ電力(Idaho Falls Power)と共に、エネルギー省(Department of Energy)の水力発電技術局(Water Power Technologies Office)のために現場実証を行い、そのファインディングを技術報告書としてまとめている。INLの研究チームは現在、電力の約7%を水力発電から得ているユーティリティ機関からのプロポーザルを募集している。 Idaho National Laboratory “EPA Proposes to Ban Ongoing Uses of Asbestos, Taking Historic Step to Protect People from Cancer Risk” (4/5/22)

テキサス大学オースティン校、ビジネスと法律のセンターを統合、エネルギー研究が焦点

テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)は、マコムス経営大学院エネルギー・イニシアチブ(McCombs School of Business Energy Initiative)と、カイ・ベイリー・ハッチソン・エネルギー/法律/ビジネス・センター(Kay Bailey Hutchison Center for Energy, Law and Business)を統合し、「エネルギー研究に関する卓越したセンター」への大学としてのコミットメントを強化する。エネルギー部門における法律とビジネスの合流は、現在の世界において重要な新興のトピックである。2つのセンターを統合することで、①両スクールの学生や卒業生、支援者は、この重要な業界に関する知識を共有できる、②将来のエネルギー産業のリーダーがエネルギー分野での経営学士を目指すことができる、などが挙げられる。マコムス・エネルギー・イニシアチブは2018年に発足し、再生可能及び従来型のエネルギーの財務と経営に焦点を当てている。カイ・ベイリー・ハッチソン・エネルギー/法律/ビジネス・センターは、マコムス経営大学院とテキサス大学法律大学院(University of Texas School of Law)から生まれたイニシアチブで、2014年に元上院議員の名前に由来して命名された。 University of Texas “Energy Studies is Focus of UT Austin’s New Merger of Centers Connecting Business and Law — The Kay Bailey Hutchison Energy Center for Business, Law and Policy” (4/1/22)

リア・マーミンガ氏、フェルミ国立加速研究所の所長に任命

国際的に高名な物理学者で科学分野のリーダーであるリア・マーミンガ氏(Lia Merminga)がフェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)の所長に任命された。4月18日付けで就任する。マーミンガ氏は、昨年9月に退任の意向を発表したナイジェル・ロッキャー所長(Nigel Lockyer)の後任として、同研究所の第7代所長となる。マーミンガ氏は、フェルミ国立加速研究所で女性として初の所長となる。同氏は現在は、フェルミ国立加速研究所のプロトン改良計画II(Proton Improvement Plan II)所長を務めている。 Fermilab “Lia Merminga appointed director of Fermi National Accelerator Laboratory” (4/5/22)

米英豪、AUKUSの進捗を確認

オーストラリアのスコット・モリソン首相(Scott Morrison)、英国のボリス・ジョンソン首相(Boris Johnson)、米国のバイデン大統領は4月5日、オーストラリア-英国-米国による「AUKUS(Australia- United Kingdom–United States: AUKUS)」パートナーシップの実践における進捗状況を確認した。3名の首脳は、自由で開かれたインド太平洋、そしてより広範には、人権、法の支配、抑圧のない論争の平和的解決へのコミットメントを再確認した。AUKUSパートナーシップの実践には2つの関連する取り組みが含まれている。一つは潜水艦で、AUKUSは、最高水準の核不拡散基準を維持しつつ、できるだけ早期にオーストラリアへ、従来型の武装原子力潜水艦能力を提供する。もう一つは先端能力で、AUKUSは、インド太平洋地域の安全保障と安定を推進するため、合同先端軍事能力を開発及び提供する。 White House “FACT SHEET: Implementation of the Australia – United Kingdom – United States Partnership (AUKUS) ” (4/5/22)