GAO、国防総省は人工知能に関する戦略や在庫プロセスなどを改良すべきと報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「人工知能:国防総省は戦略や在庫プロセス、共同作業のガイダンスを改良すべき(Artificial Intelligence: DOD Should Improve Strategies, Inventory Process, and Collaboration Guidance)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)は、人工知能(AI)は戦闘を変革するものととらえ、AI技術の導入に失敗した場合、国家安全保障の妨げになると考えている。国防総省はそのために組織変更を行い、AI技術の導入に数十億ドルを投じている。しかし、GAOの調査によれば、国防総省はより包括的なAI関連戦略を確立することが可能である。その策の一例として、AIによって実現される技術を開発する上で必要とされる資源について、十分な説明を含めることなどが挙げられている。国防総省はまた、AI活動に参加する当事者の役割と責務について明確に定義づけしたガイダンスをまだ発行していない。GAOは、国防総省に対して、①ガイダンスの作成、②AI在庫プロセスのための高レベルな計画もしくはロードマップの策定など、7点を勧告している。 Government Accountability Office “Artificial Intelligence: DOD Should Improve Strategies, Inventory Process, and Collaboration Guidance” (3/30/22)

バイデン大統領が新設したARPA-H、NIHから独立せず

バイデン大統領が設立した、ハイリスクかつ最先端のバイオ医療研究に取り組む、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は、多くの支持者が望んでいたような完全な独立性は得なかった。同局は、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の傘下となり、一定の独立性を持たせるため、ARPA-H長官は、NIH長官の上司となる厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)長官へ報告する。これが、ハビエル・ベセラHHS長官(Xavier Becerra)が3月30日に議会へ送付した書簡の中で概説した妥協の組織構造である。ベセラ長官は31日に行われた下院公聴会で、「ARPA-H長官を自分の監督下に置くことで、自主性があることを示したいと考えている。NIHの役割は、人事や給与支払い、法律サービスなど、局を立ち上げるための管理業務を提供することである」と述べた。ARPA-HはNIHの傘下となるが、物理的な拠点はNIHとは異なる場所に置かれ、長官と、3~5年で交代するプログラム・マネジャーによる少数精鋭の人員構成になるという。 Science “Biden’s new biomedical agency fails to gain independence from NIH” (3/31/22)

エネルギー省のエネルギー効率ローン、パフォーマンスが優れる

エネルギー省(Department of Energy)は3月31日、エネルギー効率に関するローンは、一般的にリスクが低く、歴史的に高い割合で返済されており、その他のローン・プログラム(例としてプライム自動車ローンなど)と比較しても優れたパフォーマンスを示していることを示す報告書を発表した。報告書は、州及び地方自治体エネルギー効率行動ネットワーク(State and Local Energy Efficiency Action Network)、エネルギー省、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が作成したもので、「エネルギー効率ローンのポートフォリオに関する長期的パフォーマンス(Long-Term Performance of Energy Efficiency Loan Portfolio)」と題する。エネルギー省は報告書の発表とあわせて、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出されるリボルビング・ローン資金(Revolving Loan Fund)の設計方法について、ベスト・プラクティスの情報の提供を要請している。 Department of Energy “DOE Releases New Study Confirming Strong Performance of Energy Efficiency Loans” (3/31/22)

バイデン大統領の2023年度予算教書、科学予算の目標を再び高く設定

バイデン大統領が3月29日に議会へ提出した2023年度予算教書は、昨年の予算教書におけるテーマの多くを繰り返した内容となっており、国内裁量歳出の9.5%増を要請している。大統領は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)に19%増、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)に9.6%増、エネルギー省(Department of Energy)の科学局(Office of Science)に4.5%、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の科学ミッションに5%増の予算を要請している。そして再び、気候変動対策や持続可能なエネルギー技術の押し上げが、バイデン大統領の研究優先事項の中で高い位置を占めている。ただし、大統領が予算教書を提出した後の難題は、議会の同調を得ることである。今年は11月に中間選挙を控え、上院・下院の支配党が変わる可能性があることから、予算の最終的な可決は容易に翌年を過ぎる可能性がある。両党を支配している現状においても、大統領が科学に対して構想していた予算計画は、今月初めに可決された最終歳出法案で大幅に縮小された。 Science “Updated: Biden’s 2023 budget request for science aims high—again” (3/28/22)

連邦R&D予算、2020年は前年度比18%増

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が発表した「連邦研究開発資金に関する調査(Survey of Federal Funds for Research and Development)」の最新版データによれば、2020年度の連邦研究開発(R&D)予算(obligation)は、合計1,674億ドルに達した。これは前年比で約18%の増加となる。2021年度のR&D予算は更に7%増加して1,795億ドルに増加すると試算されている。インフレ調整後の数値で見ると、2020年度の予算は1,470億ドルに相当し、多くの連邦機関が米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009: ARRA)から追加の資金を得た2009年度の1,479億ドルを僅かに下回る。2009年度及び2010年度に連邦R&D予算がARRAの追加資金によって補強された時と同様、2020年度と2021年度の追加財政刺激資金が連邦R&D予算の増加に寄与している。2020年度の前年比約18%増は、1963年度(21.4%増)以来の増加幅となる。当時の増加は、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)のR&D予算が大幅に増加したことが主因である。2020年度の場合は、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が増加幅の最大を占め、それらは主に、「オペレーション・ワープ・スピード(Operation Warp Speed)」の下、新型コロナの研究支援に充当された。 National Center for Science and Engineering Statistics “Driven by Stimulus Funding, Federal R&D Obligations Increased 18% in 2020; Largest Year-to-Year Change since 1963” (3/24/22)

米エネルギー貯蔵市場、2021年第4四半期に過去最高の新規導入

ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)、べリスク・ビジネス社(Verisk business)、米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)が、3月24日に発表した最新の米国エネルギー貯蔵モニター(U.S. Energy Storage Monitor)報告によれば、2021年第4四半期には、合計4,727メガワット時(MWh)の新規エネルギー貯蔵能力が導入された。これは、第1~3四半期の数値を合算した数値を上回る。年間のグリッド規模の貯蔵能力の導入は、前年比でほぼ3倍の3ギガワット(GW)/9.2GWhとなった。過去最高ではあるが、サプライチェーンの問題から、2GW以上の能力が2022年と2023年へずれ込み、市場は2021年の期待を下回った。ウッド・マッケンジー社は、サプライチェーンの制約などによる問題の影響は2024年まで見られると予測している。 American Clean Power “U.S. Energy Storage Market sets Q4 Record for New Installations” (3/24/22)

エネルギー省、多様な労働力の構築を目的としてクリーン・エネルギー・イノベーター・フェローシップ・プログラムを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月31日、「クリーン・エネルギー・イノベーター・フェローシップ(Clean Energy Innovator Fellowship)」プログラムを発表した。600万ドルのプログラムで、若手の大学・大学院卒業生及びエネルギー専門家を重要エネルギー機関へ派遣してプロジェクトに従事させ、クリーンエネルギー・ソリューションの進展を図る取り組みである。本プログラムを通じて、国内のクリーン・エネルギー分野での仕事へのアクセスを高め、対応力があって手頃な費用のクリーン・エネルギー経済への移行を加速させる。クリーン・エネルギー・イノベーター・フェローシップは、多様な背景を持つ人材をリクルートし、公共ユーティリティ委員会や地方自治体/農村地域の共同ユーティリティ機関、グリッド運用機関など、適格の受け入れ機関での業務に従事させる(最長2年)。フェローは、電力システムの脱炭素化や、輸送や産業の電気化、電力システムをより公平かつ包含的にすることを狙いとした受け入れ機関のプロジェクトを支援するため、給付金と教育的資金を受け取る。 Department of Energy “DOE Announces Clean Energy Innovator Fellowship Program to Help Build a Diverse U.S. Workforce to Decarbonize the Electricity Sector ” (3/31/22)

州別の高等教育R&D支出の資金源(2011-2020年)に関する分析

2011年から2020年における高等教育の研究開発(Higher Education R&D: HERD)の最大資金源は連邦政府であるが、SSTIの新たな分析によれば、HERDの資金に占める連邦政府の割合は、全国的に、そして多くの州で減少傾向にある(2011年の63%から、2020年には53%に低下)。2020年における米国全体のHERDの最大資金源は連邦政府の53.5%であるが、州によってその割合はばらつきがある。連邦資金の割合が最も高いのは、メリーランド州(78.7%)、コロラド州(71.2%)、プエルトリコ(68.1%)となっている。一方、その割合が低いのは、オクラホマ州(40.3%)、ネバダ州(37.1%)、ノースダコタ州(28.3%)である。2020年にHERDの資金源として2番目に大きいのは自己資金で、全体の25.4%を占める。ただしこちらもその割合は州によってかなりのばらつきがあり、自己資金が占める割合が高い州は、ネバダ州(51.3%)、オクラホマ州(40.3%)、ノースダコタ州(39.3%)である。 SSTI “Useful Stats: Higher Ed R&D by state and funding source, 2011-2020” (3/31/22)

州政府、地域水素ハブの獲得を目指してパートナーシップを形成中

エネルギー省(Department of Energy)が先般、地域クリーン水素ハブ(Regional Clean Hydrogen Hub)の資金提供公募(FOA)について、関係機関からの情報提供を要請(RFI)したことを受け、関心のある当事者は意見の提出を行っている。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)には、雇用を創出し、産業分野などでのクリーン水素の使用を拡大することを意図した4つの地域クリーン水素ハブの創出に80億ドルが含まれている。RFIを通じて集められた情報は公開されず、何の拘束力も発生しないが、既に複数の州政府が、今後の資金提供を期待してパートナーシップを発表しつつある。具体的には次の通り。①コネチカット、ニューヨーク、ニュージャージー、マサチューセッツの4州がプロポーザルを策定するためのパートナーシップを発表、②ユタ、ニューメキシコ、コロラド、ワイオミングの4州がハブ開発の覚書に署名、③ルイジアナ、アーカンソー、オクラホマの3州が協力、④ウェストバージニア州やオハイオ州のグループが水素ハブへの関心を表明。 SSTi “States forming partnerships in hopes of garnering regional hydrogen hub” (3/31/22)

空軍科学研究局(AFOSR)、STEM教育や量子に関する資金提供公募を発表

空軍科学研究局(Air Force Office of Scientific Research: AFOSR)は、STEM教育がかかわる2件の資金提供公募(FOA)を発表した。一つは、STEM FOAで、あらゆる年齢の学生を対象に、影響力の高いSTEM教育を創出するため、教育システム及びコミュニティの能力を向上させるプロジェクトを募集している。プロジェクトは、STEMへの関与を高め、空軍省(Department of Air Force: DAF)が求めるSTEM技能・知識・能力を有する人々を強化することを狙いとしなくてはならない。もう一つは、「国防大学研究における計測器プログラム-貸出ライブラリー(Defense University Research Instrumentation Program – Lending Library: DURIP-LL)」で、DURIPの資金を受けた計測器を使って貸出ライブラリー・プログラムを創出、マーケティング、実践するための提案を大学から募集する。これまでにDURIPのグラントを受益し、現在、DURIPの資金を受けた計測器にアクセスできる事業体が応募できる。DURIP-LLプログラムの主な目的は、国防総省の関心及び優先的分野で教育に関連する研究を強化するため、設備や機器を使って直接的な実験的学習機会を提供することである。 Quantum.gov “AFOSR Funding Opportunities in STEM Education, Quantum Welcomed” (3/21/22)