ブレイクスルー・プライズ財団、ウクライナから避難を余儀なくされた科学者支援に300万ドルを寄付

ブレイクスルー・プライズ財団(Breakthrough Prize Foundation)のピート・ウォーデン会長(S. Pete Worden)は、財団のウェブサイトを通じて、ロシアによる侵攻及び市民への残虐な攻撃を強く非難した。「世界中の人々や組織が、ウクライナ国民を支持し、その苦しみを軽減するための避難場所や資源を提供している」と述べた上で、ブレイクスルー・プライズ財団はその努力の一環として、国際的な救援組織に300万ドルの寄付を行ったことを発表した。財団はまた、ウクライナの科学コミュニティにいる人々の生命や生活が奪われていることに言及し、ウクライナからの避難を余儀なくされた物理学者、生命科学者、数学者を支援するため、更に300万ドルを提供することを誓約した。 Breakthrough Prize Foundation “BREAKTHROUGH PRIZE FOUNDATION ANNOUNCES $3M DONATION IN SUPPORT OF SCIENTISTS FORCED TO FLEE UKRAINE” (April 2022)

報告書「地方のレンズを通して見る科学政策:21世紀における州レベルの諮問グループの役割」

科学政策及びガバナンス・ジャーナル(Journal of Science Policy & Governance)は今般、「地方のレンズを通して見る科学政策:21世紀における州レベルの諮問グループの役割(Science Policy Through a Local lens: The Role of Stat-Level Advisory Groups in the 21st Century)」と題する論文を発表した。21世紀を通じて新たな試練が台頭する中、科学政策においては、連邦政府へ焦点が置かれていた従来とは対照的に、州及び地方自治体が重要な役割を担いつつある。こうした試練に対応するため、州政府は、政策ツールキットの一環として、専門分野や証拠ベースの諮問機関のような資源へのアクセスを必要とする。多くの州で、州政府に科学的専門性を提供できる可能性を持つ独立した科学アカデミーがあるが、これらの資源を活用し、政策策定プロセスにおけるその他の主要な要素と統合するには、複数のステップが必要である。こうした点を踏まえ、本論文は、コネチカット州からミズーリ州に至るまでのケーススタディを紹介すると共に、こうした諮問的モデルの恩恵と限界について議論、説明している。 Journal of Science Policy & Governance ” Science Policy Through a Local Lens: The Role of State-Level Advisory Groups in the 21st Century” (3/28/22)

EPAの内部調査、「新化学部の職場環境は信じがたいほどに有害」と報告

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の新化学部(New Chemical Division)に務める職員が、「新化学部の同僚や上司は、化学が安全に見えるような形で化学評価を変更している」と公に内部告発を行った後、EPAがコンサルタントに委託して実施した同部内の職場環境に関するアンケート調査の結果が公表された。それによれば、EPAの科学者やその他の職員は、職場環境について「敵対的」「抑圧的」「極めて有害」「信じがたいほど有害」と描写していることが明らかになった。調査結果は1月に完成しており、3月に行われた公開記録の要請に基づいて今回公表された。報告書に記載されている多くの回答者の内容は、内部告発者が行った申し立てを裏付けるものとなっている。EPAは、報告書の作業が開始された10月以来、報告書で指摘されている複数の問題点について既に対処を開始しているとしている。 Intercept “INTERNAL EPA REPORT DESCRIBES “INCREDIBLY TOXIC WORK ENVIRONMENT” IN NEW CHEMICALS DIVISION” (3/30/22)

ニューメキシコ州における量子技術同盟発足

サンディア国立研究所(Sandia National laboratories)、ニューメキシコ大学(University of New Mexico: UNM)、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)は4月1日、UNMで行われた量子ニューメキシコ・シンポジウム(Quantum New Mexico Symposium)で、未来の量子コンピューティング関連の雇用を州内にもたらすことを目的として、新たな同盟を発表した。この「量子ニューメキシコ同盟(Quantum New Mexico Coalition: QNM-C)」は、州内の30以上の大学、企業、研究所、非営利組織が参加している。また、サンディア国立研究所とUNMは、本同盟に加え、3月31日には、「量子ニューメキシコ研究所(Quantum New Mexico Institute)」を形成した。これは、州内の地域量子経済を構築し、量子技術に対応できる労働力を育成し、大手研究所と協力するための機会を作り出す合同の研究・教育イニシアチブである。 Sandia National laboratories “Could quantum technology be New Mexico’s next economic boon?” (4/1/22)

アルゴンヌ国立研究所、内部の再編で応用科学の影響を最大限に

正味ゼロの温室効果ガス排出経済の達成から、気候変動やその他の脅威の影響に対するインフラ・システムの対応力強化まで、米国の様々な急務の目標の実現に最大限の貢献をするため、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は、新たに二つの応用科学・技術研究組織を創出した。一つは、原子力技術国家安全保障(Nuclear Technologies and National Security: NTNS)総局で、アソシエイト・ディレクター(Associate Laboratory Director)のカーステン・ローリン-コヴィッツ氏(Kirsten Laurin-Kovitz)が主導する。NTNS総局は、不拡散に重点を置いた形で、先端原子力エネルギー・システムの安全な導入を通じて、エネルギー・システムの脱炭素化を支援する。もう一つは、先端エネルギー技術(Advanced Energy Technologies: AET)総局で、アソシエイト・ディレクターのサレシュ・サンダーラジャン氏(Suresh Sunderrajan)が主導する。AET総局は、再生可能の発電・貯蔵・流通や、輸送や建造物などの応用、先端エネルギー・マテリアルの開発と製造に関連する課題を解決することで、エネルギー・システムの脱炭素化に焦点を当てる。 Argonne National Laboratory “Internal realignment positions Argonne for maximum applied science impacts” (3/29/22)

発見報告システムのアイ・エジソンが今夏、NISTへ移行

連邦資金による研究グラントや契約の結果として生じた発見や特許、利用データを報告するために利用されているシステム、アイ・エジソン(iEdison)の管理が、NIHのeRAから、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)へと移行する。アイ・エジソンは1995年以来、NIH eRAによって開発及び管理されてきた。NISTは2022年夏に新たなシステムを開始する予定である。NISTによる新たなアイ・エジソン・システムは、現代的で、ユーザー・フレンドリーなプラットフォームとなり、全ての規則要件に合致し、数多くの新しい機能を備えたものとなる。 extramural NEXUS “iEdison, the Invention Reporting System, Transitioning to NIST This Summer” (3/30/22)

審査官が指摘するグラント申請書の問題トップ10

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の外部研究局(Office of Extramural Research)は4月1日、NIHの科学レビュー・センター(Center for Scientific Review: CSR)の審査官がグラント申請書を批評する際に最も頻繁に指摘する問題のリスト(上位10件)を明らかにした。それらは、①新規もしくはオリジナルのアイデアの欠落、②受諾できる科学的論拠の不在、③根本的な方法論の経験不足、④実験的手法の疑わしい推論、⑤批判的でない手法、⑥冗長、浅薄、または焦点の定まっていない研究計画、⑦実験の十分な詳細の欠落、⑧関連する取り組みの出版論文に関する知識の欠落、⑨膨大で非現実的な量の作業が提案されている、⑩将来の方向性に関する不確実性、である。 extramural NEXUS “Top 10 Problems Reviewers Cite in Applications” (4/1/22)

OSTP、「持続可能な化学」に関する意見を模索

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は4月4日付けの連邦広報(Federal Register)で、「持続可能な化学に関する情報の要請(Request for Information: Sustainable Chemistry)」を通知した。OSTPは、「持続可能な化学(sustainable chemistry)」の定義の方法と、連邦機関がどのようにしてこの分野のより良い支援ができるかについて、コメントを募集している。最近、成立した法律で、OSTPは、総意に基づく定義と、関連する戦略的計画を開発することを義務付けられており、寄せられたコメントは、この法律への対応について、OSTPへの情報提供となる。 Federal Register “Request for Information: Sustainable Chemistry” (4/4/22)

欧州委員会、「2021年AIウォッチ指標」を発表

欧州委員会(European Commission)は3月31日、「2021年AIウォッチ指標(AI Watch Index 2021)」を発表した。報告書は、EU加盟27カ国を中心に、世界各国における人工知能(AI)サービスにおける進展を示したもので、米国と中国がこの分野の支配的存在であることを認識しつつ、「欧州連合(European Union: EU)には、AIのサービス及びロボティクス(自律ロボットの開発を含む)において競争的優位がある」としている。報告書はまた、EUによるAIへの投資は、2018年から2019年の間に39%増加しており、これが継続された場合、この十年間に年間200億ユーロをAIに投資するという目標を上回る可能性があることを示している。 European Commission “AI Watch Index 2021” (3/31/22)

ニューヨーク州の相互接続キューのエネルギー貯蔵が12GWに到達、州は2030年の目標を2倍に

ニューヨーク州の公益サービス省(Department of Public Service: DPS)は、第3版となる「貯蔵の現状(State of Storage)」年間報告を発表した。これは、2030年の導入目標に向けた州の進捗状況を詳述した報告で、州は去る1月に、従来3,000メガワット(MW)としていた目標を6,000MWに倍増していた。ニューヨーク州は、2030年までに電力の70%を再生可能資源から調達することを目標としている。DPSによれば、2021年末時点で、導入済み/アワード授与済み/契約の発注済みのエネルギー貯蔵プロジェクトは1,230MWで、これは当初の目標(2025年までに1,500MW)の約82%となる。数値の増加率はわずか4%であることから、進展は鈍化傾向のようである。一方、相互接続キュー(interconnection queue)(グリッドへの統合が提案もしくは模索されている新たな送電・発電プロジェクトのリストのこと)におけるエネルギー貯蔵プロジェクトは12GWとなっており、こちらの増加率(50%)は遥かに高い。ただしDPSは、これらのプロジェクトの全てが実現されるとは限らないとしている。 Energy Storage News “New York energy storage interconnection queue reaches 12GW, double the state’s 2030 target” (4/5/22)