エネルギー省、超党派インフラ法による80億ドルのクリーン水素ハブのためのプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は6月6日、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から80億ドルの資金を拠出し、米国内に地域的なクリーン水素ハブ(hydrogen hub: H2Hub)を構築する意向通知(Notice of Intent: NOI)を発表した。H2Hubは、水素の生産者、消費者、地域と結び付きのあるインフラによるネットワークを創出し、クリーン・エネルギー担体としての水素の使用を加速させることを目指す。超党派インフラ法による水素技術投資は、産業部門を脱炭素化させるというバイデン大統領の計画の主要な要素である。エネルギー省は、雇用機会を優先付け、水素の原料、エンドユーズ、地理的多様性に対処したプロポーザルを選出する計画である。 Department of Energy “DOE Launches Bipartisan Infrastructure Law’s $8 Billion Program for Clean Hydrogen Hubs Across U.S.” (6/6/22)

バイデン大統領、国防生産法を発動してクリーン・エネルギーの国内製造を加速へ

バイデン大統領は6月6日、国防生産法(Defense Production Act: DPA)を活用して5つの主要なエネルギー技術の国内生産を加速させる権限をエネルギー省(Department of Energy)へ付与する大統領決定(presidential determination)を通達した。対象となる技術は、①ソーラー、②変圧器及び電力グリッド部品、③ヒート・ポンプ、④断熱材、⑤電解槽、燃料電池、白金族金属の5つ。ソーラー・パネルや水素用電解槽などクリーン・エネルギー技術の需要は大幅に増大しており、世界がクリーン・エネルギー経済へ移行する中、こうした必須の製品及び部品に対する世界的な需要は、今後数十年間で400~600%に急上昇する見通しである。米国が新たな製造・処理・設置能力を拡大しない限り、米国はクリーン・エネルギーの輸入に依存し続け、サプライチェーンの脆弱性にさらされることを余儀なくされると同時に、エネルギー移行に伴う膨大な雇用機会を失うことになると懸念されている。 Department of Energy “President Biden Invokes Defense Production Act to Accelerate Domestic Manufacturing of Clean Energy” (6/6/22)

エネルギー省、水力発電の柔軟性強化を目的とした技術に800万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は5月31日、米国の水力発電の柔軟性を強化し、電力グリッドの信頼性向上につながるプロジェクトを支援するため、800万ドルを提供すると発表した。水力発電は柔軟な資源で、電力を即時に供給したり、リアルタイムの需要に対応するために貯蔵することができる。こうした柔軟性を強化することで、進化する電力グリッド(様々な再生可能エネルギー資源の増加を含む)を支える水力発電の能力を高める。水力発電技術局(Water Power Technologies Office)が「水力発電の柔軟性を高める技術イノベーション(Technology Innovation to Increase Hydropower Flexibility)」と題する資金提供公募(FOA)の下、ゼネラル・エレクトリック・リサーチ社(General Electric Research)(受益額300万ドル)、リトラル・パワー・システムズ社(Littoral Power Systems, Inc.)(同約300万ドル)、オレゴン州立大学(Oregon State University)(同約193万ドル)へそれぞれ資金を提供する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $8 Million for Technologies to Increase Hydropower Flexibility” (5/31/22)

米国、クリーンエネルギーとグリッドの相互接続を強化するプログラムを開始

バイデン政権は5月31日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、「相互接続イノベーションeエクスチェンジ(Interconnection Innovation e-Xchange: i2X)」プログラムを開始した。i2Xは、超党派法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受け、グリッド運用者、ユーティリティ機関、地方自治体、部族政府、クリーン・エネルギー開発事業者、エネルギー正義に関連する組織、その他の関係機関が結集し、電力業界が直面している課題を解決することで、より多くのクリーンエネルギーを電力グリッドと接続させるための新たなパートナーシップである。i2Xのパートナーは、より良いデータやロードマップ、開発、技術援助を通じて、より早くシンプルで公平なクリーンエネルギー資源の相互接続のためのソリューション開発に取り組む。 Department of Energy “Biden Administration Launches Bipartisan Infrastructure Law Initiative to Connect More Clean Energy to the Grid” (5/31/22)

エネルギー省、電気化に焦点を当てたクリーンエネルギー製造研究所の設立支援を計画

エネルギー省(Department of Energy)は5月31日、電気化による温熱プロセスを通じて産業部門全体の排出を早急に削減することに焦点を当てた「クリーンエネルギー製造イノベーション研究所(Clean Energy Manufacturing Innovation Institute)」の開発を支援するための資金提供公募(FOA)を行う意向を通知した。エネルギー省は、新しい研究所が全ての米国民に恩恵をもたらすクリーンエネルギー・ソリューションを支援することを確実にするため、多様なグループからの参加を募集する。エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)が2022年夏にFOAを発表する計画である。新研究所には、約7,000万ドルの連邦資金が含まれ、各プロジェクトには少なくとも50%の非連邦資金拠出が義務付けられる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Issues Notice of Intent to Fund Clean Energy Manufacturing Institute with a Focus on Electrification” (5/31/22)

ORNLのHPC「フロンティア」、初めてエクサフロップの壁を破る

今般発表されたスパコン・ランキングの「トップ500(TOP500)」(第59版)によれば、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)にある「フロンティア(Frontier)」システムが首位となった。フロンティアは、1.102エクサフロップスを達成し、初めて真のエクサスケール・マシンとなった。過去2年間1位であった富岳システム(理化学研究所)(442ペタフロップス)は2位となった。富岳の理論ピークは1エクサフロップスを超えていることから、富岳もエクサスケール・マシンと呼べる要因はある。上位10件におけるその他の動きとして、フィンランドのLUMIシステム(151.9ペタフロップス)が3位に、フランスのアダストラ(Adastra)システム(46.1ペタフロップス)が10位に、それぞれ初登場した。 TOP500 “ORNL’s Frontier First to Break the Exaflop Ceiling” (5/30/22)

サムスン社とステランティス社、米国のEV電池工場に25億ドルを投資へ

サムスンSDI社(Samsung SDI)とステランティス社(Stellantis)(欧州の自動車グループ)は5月下旬、米国インディアナ州ココモに建設される電気自動車(EV)向け電池工場に25億ドル以上を投資することで合意した。同工場は2025年の生産開始を目標とし、初年の年間生産能力は23ギガワット時(GWh)、数年以内に33GWhとすることを目指す。ステランティス社のEVへの需要が高まれば、合計投資額は最大31億ドルに増加する可能性がある。一方、世界最大のエレクトロニクス契約製造事業者であるフォックスコン社(Foxconn)は、インディアナ州の隣、オハイオ州にあるゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)の元工場を2億3,000万ドルで買収し、電気トラック生産向け工場に改修することで合意した。 EE Times “Samsung, Stellantis to Invest $2.5 Billion in U.S. EV Battery Plant” (5/27/22)

エネルギー省、バイオ燃料生産の拡大と輸送部門の脱炭素化に5,900万ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は6月1日、脱炭素化が難しい部門で排出を削減するためにバイオ燃料及びバイオ製品の生産を加速させ、農村地域で良好賃金を創出することを目的として、5,900万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。業界とのパートナーシップを通じ、応用研究・開発・導入に焦点を当てながら、バイオ燃料生産技術の性能向上と費用低減及び生産システムの拡張を目指す。エネルギー省は、「総合バイオ精製の拡張(Scale-Up of Integrated Biorefineries)」と題するFOAを通じ、脱炭素化が難しい海洋・航空・その他の部門の排出削減努力に資金を提供する。 Department of Energy “DOE Announces $59 Million to Expand Biofuels Production and Decarbonize Transportation Sector” (6/1/22)

CSET、中国におけるAI主導型バイオ産業クラスターについて報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国の産業クラスター:AI主導型バイオ発見能力の強化(China’s Industrial Clusters: Building AI Driven Bio-Discovery Capacity)」と題する報告書を発表した。中国政府は、自国を「バイオテック強国(biotech superpower)」へと変革すべく、人工知能(AI)をバイオテクノロジー研究へ適用させることに力を入れている。報告書は、主要なAIとバイオテクノロジー施設を共同設置して「産業クラスター」を作り、学際研究を促進するという中国政府の取り組みについて調査したものである。報告書のキーファインディングとして、①中国政府はAIとバイオテクノロジーの研究者を共存させ、AIを使ったバイオ研究の育成を目指している、②中国政府は17か所にバイオメディカル・クラスターを確立している(それらはまだごく初期段階)、③AIとバイオの共同設置、共存に加え、バイオとAIを組み合わせた論文出版数が増加している、といった点が挙げられている。 Center for Security and Emerging Technology “China’s Industrial Clusters: Building AI-Driven Bio-Discovery Capacity” (June 2022)

エネルギー省、2022年海洋エネルギー大学コンペの勝者を発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月1日、2022年海洋エネルギー大学コンペ(2022 Marine Energy Collegiate Competition: MECC)の勝者を発表した。3回目となるこの年次コンペで優勝したのは、ウェブ研究所(Webb Institute)。2位はオレゴン州立大学(Oregon State University)、3位はニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)であった。学生主導の17大学チームが、多様な海洋エネルギー技術を使ってブルー経済活動の原動力とするための設計及び事業計画開発を競った。エネルギー省はまた、新たに開催される「水力発電大学コンペ(Hydropower Collegiate Competition: HCC)」に参加する11大学チームと、2023年MECCに参加する19大学チームを発表した。HCCでは、提供されるプラットフォームを基に、水力発電を使って電力グリッドの脱炭素化を実現する際の複雑な課題に対して、独自のソリューションを開発することを競う。 Department of Energy “DOE Announces Winners of 2022 Marine Energy Collegiate Competition” (6/11/22)