新たな官民パートナーシップで停電費用試算ツールをアップグレード

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は、停電の費用を試算するために利用できるオンライン・ツール「停電費用試算カリキュレーター(Interruption Cost Estimate (ICE) Calculator)」をアップデート及びアップグレードするため、全国的な官民パートナーシップを開始した。停電時に消費者が直面する費用に関する情報は、米国電力システムの信頼性と対応力の改善を計画、優先付けする上で、重要な検討事項である。これまで長年にわたり、ユーティリティ機関や政策策定者、その他の関係者は、ICEカリキュレーターによる試算を頼りとしてきた。ICEカリキュレーターはエネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity)が資金を拠出し、LBNLのスタッフとリソース・イノベーションズ社(Resource Innovations)が開発した。LBNLとリソース・イノベーションズ社は、スポンサーとなる各ユーティリティ機関の顧客を統計学的に代表するサンプルを対象に、現代の停電費用に関して一貫性のあるアンケート調査を行い、回答を匿名化及びプール化した上で、合同で分析し、ICEカリキュレーターを全面的にアップデート及びアップグレードする。 Lawrence Berkeley National Laboratory “New Public-Private Partnership to Upgrade Tool That Estimates Costs of Power Interruptions” (7/27/22)

NSF、データ科学研究の理論的基礎を進展させる学際的共同研究に助成

データ科学は、コンピュータ科学者、工学者、数学者、統計学者の専門性を結集させ、拡大し続けるデータセットの複雑な分析に対応することが求められる。米国の基礎的データ科学研究を先導することにコミットする米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「データ科学の原則における学際的研究(Transdisciplinary Research in Principles of Data Science: TRIPODS)」プログラムのフェーズ2として、2チームへのアワードを発表した。合計2,000万ドルが提供され、異なる研究コミュニティの科学者及び工学者が、総合的な研究と訓練活動を通じて、データ科学の理論的基礎の進展に取り組む。TRIPODSプログラムは、NSFのビッグ・アイデア(Big Idea)の一つ、「データ革命の育成(Harnessing the Data Revolution)」と関連している。NSFは今回、「データ科学における新興CORE手法研究所(Institute for Emerging CORE Methods in Data Science)」(カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California San Diego)が同大学ロサンジェルス校(UC Los Angeles)、ペンシルバイア大学(University of Pennsylvania)などと協力して主導)と、「データ、計量経済学、アルゴリズム、学習研究所(Institute for Data, Econometrics, Algorithms, and Learning: IDEAL)」(イリノイ大学シカゴ校(University of Illinois Chicago)がノースウェスタン大学(Northwestern University)、トヨタ・シカゴ技術研究所(Toyota Technological Institute at Chicago)などと協力して主導)に資金を拠出する。これにより、TRIPODS研究所は合計4か所となる。 National Science Foundation “New NSF awards will advance theoretical foundations …
Read more

2021年に稼働したユーティリティ規模の電池の93%がソーラー発電と共同設置

米エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の「年間発電報告(Annual Electric Generator Report)」早期発表によれば、米国内のユーティリティ規模の電池貯蔵能力は、2020年の1.4ギガワット(GW)から2021年の4.6GWと、3倍に増加した。電池の利用方法について尋ねたアンケート調査によれば、最も一般的な使用方法は、周波数の調整で、これはグリッドの信頼性の強化につながっている。また、使用方法における最大の変化は、より多くのシステムが、電力価格が低い時に電力を貯留し、価格が高い時に放出するという、いわゆる「価格のアービトラージ(price arbitrage)」として使用されている点である。2021年には、4.6GWのユーティリティ規模の電池能力の59%が価格のアービトラージに利用され、その割合は2019年の17%から増加した。電池はまた、風力及びソーラー発電の余剰対策にも利用されている(需要が低い際にはソーラー/風力発電の余剰分を吸収し、需要が高い時に放出する)。2021年に稼働した電池能力の93%以上が、ソーラー発電プラントに共同設置されている。 PV Magazine “93% of utility-scale batteries that came online in 2021 were paired with solar power generation” (7/29/22)

NSF、サイバーセキュリティ努力を進展させるための2,540万ドルを投入

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、サイバーセキュリティ及びプライバシーの分野で野心的な研究とセンター規模のプロジェクトを進展させるため、2,540万ドルの投資を行うと発表した。「セキュアで信頼できるサイバースペース(Secure and Trustworthy Cyberspace)プログラムは、NSFの最大規模の研究プログラムの一つであり、米国の経済及び市民にとってサイバーセキュリティとプライバシーの重要性を認めるものである」と、NSFのセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)は述べる。受益プロジェクトには、「セキュアで信頼できるソフトウェア・サプライ・チェーンの実現(Enabling a Secure and Trustworthy Software Supply Chain)」(ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)主導)、「「社会的に取り残され、脆弱な層のためのコンピューティングの未来の確保(Securing the Future of Computing for Marginalized and Vulnerable Populations)」(フロリダ大学(University of Florida)主導)、「分散型の部外秘コンピューティング・センター(Center for Distributed Confidential Computing)」(インディアナ大学(Indiana University)主導)が含まれる。 National Science Foundation “NSF announces awards to advance cybersecurity efforts” (8/1/22)

エネルギー省、米国のソーラー業界育成を目的として新たな研究グループを立ち上げ

エネルギー省(Department of Energy)は8月1日、テルル化カドミウム・アクセラレーター・コンソーシアム(Cadmium Telluride Accelerator Consortium)」の立ち上げを発表した。2,000万ドルのイニシアチブで、テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池の価格を引き下げ、より効率的なものにし、太陽電池製品の新たな市場を開発することを意図している。CdTe太陽電池は最初に米国内で開発され、シリコンに次いで、世界で2番目に普及している太陽光技術である。米国内に強力な製造能力がなければ、米国はクリーン・エネルギーの輸入に依存し続け、米国をサプライ・チェーンの脆弱性に晒すと同時に、エネルギー移行に伴う膨大な雇用機会を失うことになるとされている。テルル化カドミウム・アクセラレーター・コンソーシアムは、費用と効率性の継続的な改良に取り組むため、広範な研究計画を有しており、トレド大学(University of Toledo)、ファースト・ソーラー社(First Solar)、コロラド州立大学(Colorado State University)などが主導する。 Department of Energy “DOE Launches New Research Group to Grow America’s Solar Industry” (8/1/22)

GAO、情報技術とサイバーセキュリティについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月28日、下院監督・改革委員会(House Committee on Oversight and Reform)政府事業小委員会(Subcommittee on Government Operations)への議会証言文書として、「情報技術及びサイバーセキュリティ:スコアカードを使って省庁機関の法定要件実践状況を監視する(Information Technology and Cybersecurity: Using Scorecards to Monitor Agencies’ Implementation of Statutory Requirements)」を発表した。連邦政府は毎年、1,000億ドル以上を情報技術(IT)及びサイバー投資に支出しているが、その多くは非効率的な管理となっている。議会はこうした問題に対処するため、「連邦情報技術調達改革法(Federal Information Technology Acquisition Reform Act: FITARA)」などを可決した。議会は2015年以来、省庁機関によるFITARAと主要なIT項目の導入を監視するスコアカードを発表している。GAOはこのスコアカードは効果的な監督ツールとして進化、機能していると証言した。GAOによれば、IT管理とサイバーセキュリティは共に、GAOの「ハイリスク・リスト」であり、GAOが2010年以来行っている5,300件の勧告のうち、約77%が実践されている。 Government Accountability Office “Information Technology and Cybersecurity: Using Scorecards to Monitor Agencies’ Implementation of Statutory Requirements” (7/28/22)

GAO、国防総省によるクラウド・コンピューティングについて報告

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は連邦機関に対し、実行可能な場合は、クラウド・コンピューティングを導入することを義務付け、それを支援するための14の主要な要件を設定した。このようななか、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「クラウド・コンピューティング:国防総省は、労働力の計画改良とソフトウェア・アプリケーションの現代化の必要あり(Cloud Computing: DOD Needs to Improve Workforce Planning and Software Application Modernization)」と題する報告書を発表した。GAOは、国防総省(Department of Defense)は14件の要件のうち、11件に対処しているが、一部の労働力計画問題(スタッフがクラウド・ベースのサービスのために必要とするスキルの特定など)に対処していないとし、こうした問題に対処することを勧告している。 Government Accountability Office ” Cloud Computing: DOD Needs to Improve Workforce Planning and Software Application Modernization” (7/28/22)

連邦R&Dセンター、2021年度のR&D支出は前年度比6%増

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が実施した2021年度「連邦研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDC)の研究開発調査(FFRDC Research and Development Survey)」によれば、米国内の43のFFRDCにおける同年度の研究開発(R&D)支出は249億ドルであった。これは年間で6.0%増(現行ドル)であった。連邦政府による支援は、245億ドル(FFRDC全体の98.4%)で、FFRDCへの連邦R&D支援は5.9%の増加となった。同金額は、2011-13年度に低下して以来、8年連続増加(名目)した。記事ではこの他に、資金源別のR&D、連邦機関別のR&D資金拠出、具体的なFFRDCの支出の傾向、R&D種別の支出について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federally Funded R&D Centers Report 6% Increase in R&D Spending in FY 2021″ (7/28/22)

エネルギー省、国内地熱エネルギー開発の進展に最高1億6,500万ドルを投資へ

エネルギー省(Department of Energy)は7月28日、国内の地熱エネルギー開発の拡大に、最高1億6,500万ドルを提供する計画を発表した。「石油・天然ガスの実証済み工学による地熱エネルギー(Geothermal Energy from Oil and Gas Demonstrated Engineering: GEODE)」イニシアチブを通じて、石油及び天然ガス業界で利用されているベスト・プラクティスを基に、地熱エネルギーに関する技術的及び知識的溝に対処するためのロードマップを作成する専門家コンソーシアムの形成に1,000万ドルを提供する。その後、そのロードマップを使って、それらの溝の是正に取り組む研究活動に1億5,500万ドルを提供する。石油・天然ガス業界と地熱業界には数多くの類似点があり、地熱エネルギーの拡大に新たな機会をもたらしている。より大規模な国内石油・天然ガス業界の専門性や技術、経験にアクセスすることで、障害を克服し、民間投資を奨励する一助となる可能性がある。 Department of Energy “DOE to Invest Up to $165 Million to Advance Domestic Geothermal Energy Deployment” (7/28/22)

マッキンゼー、ゼロ排出貨物輸送加速に関する提言発表

マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)は7月28日、「脱炭素化の促進:ゼロ排出貨物輸送の加速(Driving decarbonization: Accelerating zero-emission freight transport)」と題する記事を発表した。世界中の産業及び部門が、地球温暖化対策として、気温の上昇を摂氏1.5度までに抑制することを目的とした炭素排出目標を設定している。しかし、2020年に7.5ギガトンの二酸化炭素を排出した輸送部門は、こうした削減目標を達成できる軌道上にない。荷送人(物品の所有者)と運送人(輸送提供者)は、脱炭素化を加速させる上で役割を担っているが、「荷送人は、低炭素のサプライ・チェーンを希望し、環境に優しいサービスに割増費用を払う意思があるが、運送人は低炭素資産及びインフラに投資するためには長期的コミットメントを通じた十分な需要を確実にする必要がある」というジレンマがある。これに対してマッキンゼー社は、「標準化されたブック・アンド・クレーム(book-and-claim)の枠組みを使い、物理的製品と仮想上のクレジットを別個にすることで環境に優しいサービスへの需要を実現し、環境に優しいサプライ・チェーン同盟はその費用とアクセス性を向上させる」という、相互の同意に基づく実現要素の強化を提案している。 McKinsey & Company “Driving decarbonization: Accelerating zero-emission freight transport” (7/28/22)